2023年12月26日火曜日

吉野マリ 桃色ヘヴン! 13巻

最終巻です。

本編は12巻で終わりです。

13巻は番外編が収録されています。

椎名康太(しいなこうた)と松尾樹里亜(まつおじゅりあ)の物語です。



康太は高校生になっています。樹里亜が夢のためにがんばっていて、いつか手の届かない人になるからと、恋心に気づかないようにしてきました。あるニュースを聞きつけ、自分の気持ちを伝えます。

純粋で真面目でにぶい康太を描いた物語と康太の脇での桃子と蘭丸のやりとりが面白かったです。



もう一つの番外編は康太と樹里亜が遊園地に遊びに行くお話です。

樹里亜の思いに康太が気づいていない

と頃のお話で、康太の樹里亜への優しさと鈍さが面白かったです。

終わりです。



吉野マリ 桃色ヘヴン! 13巻
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2023年12月24日日曜日

吉野マリ 桃色ヘヴン! 12巻

最初伊縫蘭丸(いぬいらんまる)は気まぐれで椎名桃子(しいなももこ)に言う事を聞くよう脅すようなことをしたのに、弁当の卵焼きが美味しくて、家族のことを何より最優先する姿を目にしてだんだんその人柄に惹かれていきます。桃子がいままで出会った女性と違っていて気がついたら、桃子は側に居てほしい存在となり、桃子が一番安らげる場所になります。

しっかり言いたいことを言い合いケンカになることもあります。その度に互いの思いがより強くなるドラマがとても面白かったです。




莉緒は蘭丸に一緒にイギリスに行かないかと誘います。

蘭丸は莉緒が元気になるならと思い行くと言います。



桃色は高校の友達西川みどり(にしかわみどり)と神田川美穂(かんだがわみほ)に久しぶりに会います。二人に蘭丸との仲を話します。弱気になっていることもあり、もしかしたらだめかもしれないと愚痴をこぼします。

西川みどりと神田川美穂は大丈夫だよと励まします。

1ヶ月蘭丸から連絡はありません。

翌日、桃子はテレビで蘭丸と莉緒がイギリスな向かう映像を観ます。

康太は約束を破った蘭丸に怒っています。



桃子は籐摩に連絡し、蘭丸について訊ねます。

籐摩は何も知らなくて桃子と蘭丸が会っていないことを知り、桃子と直接会って話します。桃子から去年の暮れからの出来事を聞き蘭丸に怒りを感じます。そして、桃子に告白します。



桃子は官能小説を一旦休んで、私的な小説、自分の物語を書くことにします。出版社の許可をもらい、完成します。

黛真一郎(まゆずみしんいちろう)のところへ行き、蘭丸とのこと、蘭丸との思い出を物語にしてみたことを話します。

黛は桃子が書いた物語なら読んでみたいと言います。

桃子はプリントアウトしたのを持ち歩いているので、是非読んでもらいたいと原稿を渡します。

待つ間、桃子は黛の妻で助手の塚田と話しをします。

黛は読むのが早いのに一向に書斎から出てきません。

塚田が黛の部屋に行くと、黛は号泣しています。桃子に素敵な物語だと感想を言い、帯は自分が書きたいと言い、どこの出版社から本にするのか訊ねます。

桃子は本にする予定はないと言います。

黛は桃子の書いた作品から感じられる蘭丸への愛を無駄にさせたくないといい方法を思いつきます。



桃子は文芸部で部長石黒が卒業するので部室の片づけを手伝います。石黒から次期部長にならないかと言われています。桃子は断ろうとします。

石黒は桃子には官能の才能があるから引き受けるよう言います。

部室の外と隣のアイドル研究会の部室が騒がしくなります。文芸部の部室に入ってきたのは愛原ジョージの担当編集者で文芸部のOB杉浦でした。慌てて来たようで息を切らしています。

杉浦は桃子に、

「…… 愛原先生!!! なんなんですか! これ!!」

と封筒を見せます。桃子が黛に渡した封筒です。

桃子は杉浦が自分に向かって愛原先生というので焦ります。

杉浦は文芸部の部室に来た理由を説明します。

石黒は杉浦が桃子を愛原先生と呼ぶことや敬語で話す状況が理解できません。

杉浦は石黒に説明します。

石黒は桃子が相原ジョージだとついに知ります。これまで桃子に言った数々の恥ずかしくなる言葉を思い出し絶望します。

杉浦は石黒を気にかけることなく、桃子にこの物語を本にしましょうと言います。

桃子は本にするつもりはなかったので困ります。

石黒は桃子にこれまでのことを謝り、作品を読みたいから本にしてほしいとお願いします。

桃子は書いた物語は官能ではなく、ノンフィクションに近いあたしと彼のラブストーリーだから表に出すのは恥ずかしいと言います。

隣りのアイドル研究会の部室から桃子と杉浦の会話を聞いていた部長稲葉は、桃子があたしと彼と言ったので興奮気味に文芸部の部室に乱入して自分も読みたい、本にしてほしいと桃子に言います。

桃子は抵抗できないと悟り、本にすると言います。



蘭丸にハリウッドから出演依頼が来ます。期間は半年くらいになりそうだと言われ、蘭丸は迷います。

蘭丸は莉緒と話します。



桃子の私的小説が出版されます。籐摩への返事はまだしていません。

籐摩は答えはわかっているようです。


莉緒は書店で愛原ジョージの新作を見つけます。

蘭丸はスタッフから愛原ジョージの新作が発売されたと聞きます。愛原ジョージの新作の内容が官能小説ではなく恋愛小説なのだと言うので、書店に行き一冊購入します。



桃子は籐摩から蘭丸が映画の撮影で海外に行くことを知ります。

桃子は籐摩にまだ返事をしていません。



桃子は自宅でお気に入りのマグカップの取っ手が取れてしまい何か不吉な予感を感じます。

莉緒が訪ねてきます。

莉緒は蘭丸がいつも寄り添ってくれていると言い、桃子の小説を読んだ感想を言って帰ります。

莉緒はその足で蘭丸のいるスタジオに向かいます。控室にいる蘭丸を覗くと子供のころに見た寂しそうな姿で写真を見ています。

莉緒は蘭丸に声をかけられずスタジオを出て行きます。



籐摩が蘭丸に連絡します。

籐摩は蘭丸の自宅に行くと莉緒がいるので一緒に蘭丸のところに行きます。

籐摩は蘭丸に桃子への気持ちを打ち明けます。告白したことを言うと蘭丸は胸ぐらを掴んで、渡さないと感情をむき出しにして言います。

籐摩はバカかと言い帰っていきます。籐摩は蘭丸を刺激して桃子になにかしら行動するように仕向けています。。

莉緒は蘭丸にどうして自分ではなく桃子なのかと訊きます。

蘭丸は莉緒は友達姉弟以上恋人未満だと言います。

莉緒はどんなに求めても応えてはくれないとわかります。



桃子は取っ手の取れたマグカップを使い続けていてついに割ってしまいます。とうとう来るべき時が来たのかもしれないと考えます。

インターフォンが鳴ります。

母が桃子に蘭丸が来たよと言います。

桃子にとって久しぶりに見る蘭丸です。

康太は蘭丸に、なにしに来たんだよ、と怒ります。

桃子の部屋に行き二人で話します。

蘭丸は愛原ジョージの新作を読んだこと、ハリウッドの映画の撮影で日本を半年くらい離れること、桃子を一緒に連れて行かないことを話します。

桃子は別れ話だと覚悟します。

蘭丸は桃子の手を握ります。

「―――桃子 結婚しよう」

桃子は固まります。状況を理解できません。

蘭丸はゆっくり説明します。全部終わったらおまえにプロポーズするってきめてたんだよと言います。

桃子は、はい、と返事します。

康太は扉の向こうで桃子と蘭丸の会話を聞いていて、桃子の返事の後部屋に入って来ます。泣きながら、

「ふっ… ふふふふっ ふつつかな姉ですが―――!! よろしくお願いします――!」

と言います。



桃子は蘭丸にプロポーズされてニヤニヤが止まりません。幸せなオーラが漏れ出ています。

編集者の杉浦は理由がわかりません。

他の編集者が桃子のところへ息を切らしながらやってきて、

「蘭丸と結婚するって本当なんですか!?」

と桃子に訊ねます。

問い合わせや取材の申し込みが殺到しているし、蘭丸が相原ジョージと結婚すると映画の記者会見の場で発言したことで大騒ぎになっていると説明します。

桃子はテレビで確認します。

桃子のおだやかな日々は終わり、マスコミにつけ回され、過去の写真が週刊誌やテレビで紹介され、盗撮され、蘭丸が帰ってくるまで慌ただしい毎日を送ります。



半年が過ぎます。

桃子は蘭丸との物語、桃色ヘヴンを寄贈するため高校にやってきます。

校長先生に会い、高校当時の桃子が小説を書いていることが判明したときの話で盛り上がります。

校長は桃子の新作をすでに読んでいて、校内の思い出を巡ってはどうかと言います。

桃子は屋上へ行きます。寝転がり蘭丸とつぶやくと、蘭丸も高校に来ていました。

蘭丸は桃子に指輪を贈ります。



桃子と蘭丸は蘭丸の両親に挨拶に行きます。

蘭丸はお義母さんと話し、初めて自分の思いを伝えます。

お義母さんは桃子におみやげと言って紙袋を手渡します。



帰りの車の中、桃子は紙袋の中を見ると、お土産のほかにアルバムを見つけます。アルバムは幼い頃の蘭丸の写真ばかりです。

桃子はお義母さんが蘭丸の写真を大切に持っていたことに涙します。

蘭丸は桃子におまえのそういうところが好きだと言います。



結婚式。

結婚式だというのに当日、桃子は締切に追われています。

蘭丸は籐摩、莉緒から祝福を受けます。

桃子と蘭丸は稲葉、柏崎、黛、塚田、蘭丸の両親、桃子の母親、康太に見守られながら結婚式を挙げます。




文芸部部長石黒とアイドル研究会部長稲葉の桃子に対する態度が面白かったです。

続きます。



吉野マリ 桃色ヘヴン! 12巻
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2023年12月22日金曜日

吉野マリ 桃色ヘヴン! 11巻

伊縫蘭丸(いぬいらんまる)の幼なじみで初恋の人西条莉緒(さいじょうりお)が現れ、椎名桃子(しいなももこ)の心は揺れます。蘭丸の気持ちに絶対の自信がなく消極的になるのは仕方ないことだなと思います。




桃子はウェブの情報で蘭丸と莉緒の関係を知っているのに、蘭丸が匂わせるような話し方をするから桃子は心の整理がつかなくて泣いてしまいます。

蘭丸は桃子だけだと言って安心させます。



蘭丸は仕事を終え父親から食事に誘われます。言われた場所に行くと莉緒がいます。

三人で食事し、蘭丸は莉緒に後日話そうと言います。



蘭丸は桃子を莉緒に会わせようとします。

桃子は蘭丸の自宅に向かう途中偶然莉緒に会いその人柄を知ります。二人は一緒に蘭丸の自宅に向かいます。

莉緒は桃子に蘭丸への思いを伝えます。

桃子は蘭丸を信じていると言います。

莉緒が帰ると桃子は蘭丸に抱きつき言葉を待ちます。

蘭丸は優しく桃子に大丈夫だと伝えます。。



蘭丸は純愛ラブストーリーのドラマの主演します。制作発表が行われ、相手役は莉緒です。

実生活で幼なじみという組み合わせはメディアで話題になり各方面で放送されます。



桃子はテレビで制作発表を見ます。気にしないと言い聞かせようとしてもなかなうまくいきません。

母親は桃子の様子をみて、自分と父親のことを話し励まします。



桃子は蘭丸と籐摩(とうま)の三人で食事をする約束をしています。

レストランに行くと籐摩が待っていました。

蘭丸から連絡が入り仕事で間に合うかわからないと言われます。受話器の向こうで莉緒の声がします。桃子と籐摩二人で食事します。

食事を終え籐摩は蘭丸がこの近くで仕事しているから見に行こうと言います。



蘭丸と莉緒は写真撮影をしています。

莉緒の携帯に着信が入ります。母が亡くなったという報せで莉緒の様子が一変し泣き叫びます。

蘭丸が莉緒を抱きしめて落ち着かせているところに桃子と籐摩が到着し、目撃してしまいます。

桃子は籐摩に冷静に帰ろうと言います。

蘭丸が桃子に気づきます。蘭丸はマネージャーと話し、桃子に莉緒に起こった事を話します。そして、莉緒に付き添うと言います。



桃子はお通夜に行きます。そこで蘭丸のお義母さんに会い声をかけます。

するとお義母さんは桃子を食事に誘います。

桃子は少しだけお義母さんの気持ちを理解します。そして、お義母さんに蘭丸に似ていると言います。何も通じない人なのかと思っていたらちゃんと話ができてお義母さんへ抱いていた印象が変わります。



莉緒は憔悴しています。

蘭丸はなんとか元気づけようとします。

桃子はアイドル研究会の部室で蘭丸からの電話を受けます。心がざわざわしているのに部長稲葉は蘭丸の切り抜きをファイルしていて、話題の記事が嫌でも目に入ります。

稲葉は桃子を元気づけようとしているのに地雷を踏んでしまうのが面白いです。



桃子は蘭丸から連絡があったので、蘭丸の実家に行きます。籐摩も来ます。

蘭丸は莉緒を元気づけようと昔の思い出を引っ張りだし話しをします。

桃子は少し離れたところで蘭丸と莉緒と籐摩の様子を眺めています。

お義母さんがやって来て、ひと悶着起こります。

莉緒はお義母さんを非難し、桃子はお義母さんを擁護します。

桃子は場を乱したと思い帰ります。



夜、桃子の自宅に蘭丸がやって来ます。

蘭丸は、おまえと会えなくなる、莉緒が元気なるまで支えてやりたい、落ち着いたら連絡するから待っていてほしいと言います。

桃子は笑顔で蘭丸に待ってるからと送り出します。



桃子は蘭丸と別れた後、もうだめなのかもしれないと号泣します。

続きます。



吉野マリ 桃色ヘヴン! 11巻
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2023年12月20日水曜日

吉野マリ 桃色ヘヴン! 10巻

西条莉緒(さいじょうりお)は9年という時間が過ぎても伊縫蘭丸(いぬいらんまる)を想い続けていました。

蘭丸にとっても莉緒とのことは忘れることのできない思い出です。

二人の関係を知った椎名桃子(しいなももこ)は気持ちが揺れます。




莉緒は帰国し、家族に蘭丸の近況を訊ねます。

兄は街に出れば簡単に会えると言います。

莉緒は理解できません。街に出てみると芸能事務所からスカウトされます。歩いているとすぐに蘭丸を見つけます。友達に会い蘭丸について訊くと想像できない人物になっていて驚きます。

蘭丸と莉緒が再開します。

蘭丸はいつものように女性に親切にしたらその女性が莉緒だったのでびっくります。

莉緒は蘭丸に彼女がいることがわかります。9年たっても変わらず好きだと再確認します。



桃子は出版社の編集者から新入社員を紹介されます。杉浦と言い、桃子は初々しさに好感を抱きます。

文芸部の親睦会が行われ、OBがやって来ます。

部長石黒の思い人も来るということなので、桃色は楽しみにしていると、やって来たのは杉浦で驚きます。

杉浦は石黒に愛原ジョージと官能小説をバカにします。

石黒は愛原ジョージを尊敬し目標としているのでと杉浦に反論します。

杉浦は石黒の言葉に腹を立てます。

桃色は杉浦に声をかけます。

杉浦は親睦会の会場に愛原ジョージがいるので驚きます。先程の石黒との会話を聞いていたことがわかると開き直ります。

桃色はプロっぽくないと言われ怒りがこみ上げます。



数日後、桃色は出版社に行くと、社内が慌ただしいので、編集者に訊くと、杉浦が作家を怒らせて、今月号穴があく事態になってしまったと説明します。

桃色は叱責されている杉浦のところに行き、協力したい、代わりに私が書くと言います。



桃色はなんとか締め切りに間に合わせることができて、雑誌は無事に発刊します。

桃子のプライドに杉浦の心が動きます。

後日、杉浦は石黒に愛原ジョージをバカにしたことを詫びます。

桃色の担当が杉浦になります。

杉浦は心を入れ替え、やる気がみなぎっています。



桃色は楽しみにしていた蘭丸とのハワイ旅行が蘭丸の仕事で行けなくなります。がっかりして文芸部の部員に南の島へ旅行に行かないかと誘うと柏崎が手を挙げます。

そこにアイドル研究会部長稲葉がやって来ます。

リゾートホテルの宿泊券をプレゼントすると言います。

交通費だけで旅行に行けるので稲葉の誘いを受けます。



桃子はホテルまでの道のりは大変で雲行きが怪しいと感じていると、稲葉は実はリゾートホテルっていうのは自分の実家なのだと明かします。

桃子は稲葉の実家が営むホテルというから、悪い印象を思い描きます。到着すると、目の前に現れたホテルは誰もが知る有名なイナフクホテルだったので驚きます。

稲葉はそのホテルの跡取りなのでした。

稲葉はホテルについて桃子と柏崎にお願いしたいことがあると言います。ホテルを継ぎたくないから母親を説得してほしいと言います。桃子と柏崎を味方にして母親を説得しようとしています。

四人で食事し、話していると桃子と柏崎は稲葉の母のほうが正しいことを言うので稲葉を責めます。

柏崎と稲葉は話し合います。

稲葉は思いが通じそうに感じて告白しようとします。

そこにヘリコプターが飛んできます。

イナフクホテルに緊急着陸するようで、従業員バタバタしています。

桃子は慌ただしいなと感じていると稲葉と柏崎を見つけます。

稲葉は興奮した様子で桃子に2時間まえに急にアポが入ったと説明し、蘭丸が来たと言います。

桃子は心の中で驚きます。

ヘリから蘭丸が降りて来ます。

蘭丸は稲葉と話し、桃子には他人行儀で挨拶します。

蘭丸はひとりで部屋に行くと思わせて、

「なにやってんだよ 早く来いよ」

と桃子に呼び寄せます。

桃子と蘭丸が歩いていく様子を稲葉は、

「しょうがないよなぁ 神のお相手できるのは椎名さんくらいだもんね――」

と言います。すぐに柏崎が、

「違うわよ……… 椎名さん たぶん… きっと 蘭丸の恋人よ…………」

と言います。

一瞬間があって、稲葉は驚いて絶叫します。



部屋に入った桃子と蘭丸は仲直りします。

稲葉は桃子に、

「椎名さん…!! 今までの数々のご無礼… お許しください……! これからは愛をもってご奉仕させていただく所存です――!!」

と泣きながら謝ります。



蘭丸はインタビューで初恋について質問され、莉緒を思い出します。

深夜番組の収録でスタジオに入ると、莉緒を見つけます。

収録を終え蘭丸は莉緒を呼んで話しをします。

莉緒は大学は休学し、芸能活動を頑張るのだと言います。

番組のアシスタントからアクシデントを経て降板させられ、映画の宣伝で来日した海外の俳優の通訳を見事にこなしたことで、一気に評価が上がり、クイズ番組やCMのオファーが増え、ブレイクします。

莉緒の事務所は彼女を売り込むため蘭丸とのエピソード出してきて、蘭丸は記事を読みます。

蘭丸は莉緒と会います。

莉緒は記事について謝ろうとすると、蘭丸は気にするなと言います。

莉緒は芸能の世界に入った理由、自分の気持ちを話します。

桃子はネットで蘭丸と莉緒の関係を知ります。




崇拝する蘭丸の恋人が桃子だとわかったときの稲葉が面白かったです。

続きます。



吉野マリ 桃色ヘヴン! 10巻
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2023年12月18日月曜日

吉野マリ 桃色ヘヴン! 9巻

伊縫蘭丸(いぬいらんまる)は椎名桃子(しいなももこ)への想いを伝えます。不安な桃子への優しい贈り物だと思います。

アイドル研究会の部長稲葉恭介(いなばきょうすけ)の蘭丸や桃子への態度が面白いです。文芸部の柏崎とどう進展していくのか楽しみです。

蘭丸の幼少期の初恋の後悔が描かれます。どうにもならないのに守ってあげたかった人物が桃子の他にもう一人いました。名前は西条莉緒(さいじょうりお)。莉緒は9年ぶりに日本に戻って来ます。




アイドル研究会では部長稲葉恭介(いなばきょうすけ)が発売された蘭丸の写真集を見て興奮しています。

部員の小田原はファンだった東田アヤカの熱愛が発覚し悲しみのあまり号泣しています。



桃子と蘭丸が週刊誌に撮られてしまい記事になります。

桃子はアイドル研究会の部室に行くと稲葉が資料を整理しています。何の資料なのかと覗いてみると蘭丸の記事を年代別に分けて保存しているのです。

稲葉が新しい記事が入ったと桃子に見せます。

桃子は自分と蘭丸が一緒に写った記事を見て驚きます。

稲葉の記事に関する反応が面白いです。



蘭丸は事務所で説教されています。本気なのはマズイ、特定の人のだけモノなんて価値がないのも同然と言われます。

桃子は蘭丸に連絡します。しかし、つながりません。テレビで記者が蘭丸にコメントを求める映像が流れます。記者の質問に無言を貫く蘭丸を見つめています。

蘭丸はそのまま放置する気でいたのに父親から助言を受け考えが変わります。

ある記者が蘭丸に接触します。蘭丸は無言を貫くつもりでいたのに記者が桃子を悪く言うのが聞こえ取材に応じます。



蘭丸は桃子の家に行きます。康太に約束していたゲームソフトを渡しに来たと言い、桃子にはケーキを買ってきたからお茶を入れてくれと言います。

蘭丸はそっとテレビのチャンネルを合わせます。

桃子はキッチンでお湯を沸かしていると、テレビから蘭丸の独占インタビューという声がして、テレビを見つめます。

蘭丸は黙って桃子の様子を伺っています。

桃子はソファーに座り、テレビで蘭丸が話す内容を聞きます。

蘭丸が桃子の隣に来て、

「なんかさぁ こいつ すっげえかっこよくね? …な?」

と問いかけます。

桃子は泣いています。



アイドル研究会部長稲葉はクリスマスに過ごす彼女を探しています。狙いは同じクラスの田中イズミという高嶺の花的存在の女の子です。

田中イズミは稲葉が蘭丸の知り合いだと知り近づいてきます。そして、蘭丸との飲み会を手配してくれるよう頼みます。

稲葉は返事するものの、蘭丸との飲み会なんてできるわけもなく、いい加減な約束をしてしまい途方に暮れています。

桃子は稲葉から理由を聞き、私が蘭丸に連絡してみましょうかと言います。

稲葉は桃子にできるわけがないと思っていて、期待せずに待ってるよと言います。桃子への稲葉の態度が面白いです。

田中イズミはアイドル研究会の部室にやって来て、稲葉に蘭丸との飲み会の状況を訊きます。

桃子は蘭丸に連絡すると、蘭丸は初めは嫌だと言っていたのに、面白いことを思いついたから行くと言います。桃子にその飲み会に来るように言い、他人のフリごっこをしようと言います。

桃子は他人のフリごっこが何なのかわかりません。しかし、蘭丸が飲み会に行くと言ってくれたので、蘭丸の要求を受け入れます。

桃子は稲葉に蘭丸の了承を得たと言い、蘭丸が人数を増やしてほしいと言うので自分と文芸部の柏崎が参加してもいいかと訊きます。田中イズミは蘭丸が来るなら他は何でもいいようで、桃子と柏崎が来ることを許可します。



飲み会当日。

田中イズミは蘭丸がなかなか来ないのでイライラしています。

遅れて蘭丸が到着します。

田中イズミはすぐに態度を変え、蘭丸の横に座りアピールします。

蘭丸は田中イズミに構うことなく、正面に座る桃子に話しかけます。他人のフリごっこで話しかけます。

桃子は他人のフリごっこ何なのか理解します。

周りは蘭丸は桃子が気に入ったように見えます。

田中イズミは蘭丸が目もくれず、桃子とばかり話すのでまたイライラし始めます。そして柏崎に当たります。

稲葉は柏崎をかばいます。

田中イズミはつまらないと言って帰っていきます。

稲葉は言わなくてもいいことを言ってしまったと反省します。

柏崎は稲葉にかっこよかったと言って帰ります。

稲葉は田中イズミではなく柏崎に狙いを変更します。



蘭丸は桃子の大学の入学祝いに二人で旅行に行きます。

桃子は出発する間際まで原稿に追われていて、さらに二度寝してしまい待ち合わせに遅れてしまいます。

蘭丸は桃子を待つ間、昔を回想します。初恋の女の子西条莉緒(さいじょうりお)との思い出です。蘭丸にとって苦く悔いの残る思い出のようです。

桃子が待ち合わせ場所に到着します。

旅行は何もかもが計画通りに行きません。

列車ではお弁当が売り切れています。

予定していたいちご狩りは台風並みの嵐でハウスが吹っ飛んでしまってできません。

旅館に着くと蘭丸は正体がバレないようにコソコソと顔を伏せます。

旅館の女将は態度がおかしい蘭丸にイヤな予感を感じ注意します。切れ切れに二人の会話を盗み聞きし心中カップルかもしれないと誤解して、桃子と蘭丸を警戒します。

桃子と蘭丸は蘭丸の正体がバレないようにしているだけなのに、女将や仲居が警戒している描写が面白いです。

女将が蘭丸の正体を知り、平謝りして解決します。

計画通りに行かなかった旅行でもふたりで過ごせたというだけで桃子と蘭丸は満足のようです。



イギリスに行っていた西条莉緒が日本に戻ります。

続きます。



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2023年12月16日土曜日

吉野マリ 桃色ヘヴン! 8巻

椎名桃子(しいなももこ)と伊縫蘭丸(いぬいらんまる)は高校卒業です。

桃子は大学へ、蘭丸は本格的に芸能活動を行います。

大学に登場する人物はひと癖あって面白いです。




高校の卒業式です。

卒業式だというのに桃子は原稿出来上がらず、締め切りギリギリ、卒業式当日に書き終えます。

卒業式に間に合ったと思ったら、着替えているところで寝落ちしてしまい卒業式には出られませんでした。

教室に行くと西川みどり(にしかわみどり)と神田川美穂(かんだがわみほ)が桃子が来るのを待っていました。二人は桃子の顔を見て、謝恩会で会おうと教室を出て行きます。

二人と入れ違いに蘭丸が桃子の教室に入って来ます。話していると、みどりが戻って来て桃子と蘭丸を目撃します。

桃子はみどりに蘭丸とのことがバレるのは避けていたのにとうとうバレてしまいます。

みどりは桃子と蘭丸の関係に驚き、桃子に説明を求めます。

桃子はこれまでのことをみどりに説明します。



桃子と蘭丸は入院している桃子の母親に会いに行きます。

その後、蘭丸は桃子を父親に紹介します。

桃子は蘭丸の父親に挨拶し少し話をします。帰り際義母にも会います。

謝恩会は嵐のような騒がしさで終わります。



大学の入学式です。

酒田恵(さかためぐみ)という女の子に話しかけられて桃子はサークルについて話します。

桃子はテニスサークルで酷い対応をされて、どこでどう間違ったのか文芸部に勧誘され入部することになります。

文芸部の部長石黒忍(いしぐろしのぶ)が面白いです。

桃子はアイドル研究会というサークルにも勧誘され断れずこちらにも掛け持ちで入部します。

アイドル研究会の部長の稲葉恭介(いなばきょうすけ)は蘭丸の大ファンです。



酒田恵は桃子が思い描く大学生活を送っています。

桃子は理想とはかけ離れています。文芸部では部長の石黒に文章を誉められます。アイドル研究会では活動のため早朝5時に集合することになります。



桃子はアイドル研究会で集合場所に行くと目的はイノセントブルーの特別試写会で舞台挨拶をする蘭丸とヒロインを見ることでした。

舞台に登場した蘭丸は桃子を見つけます。

桃子は睡眠不足と疲労と暑さで気を失ってしまいます。会場の医務室に運ばれ意識が戻ります。

蘭丸と部長稲葉のやりとりに腹を立てる桃子が面白いです。



松尾樹里亜という子役の売れっ子が登場します。

松尾樹里亜は蘭丸が好きだとテレビで発言してします。

桃子が蘭丸の家にいるとき松尾樹里亜が訪ねてきて、蘭丸はこれから仕事があると言うので、桃子が自宅で預かることになります。

桃子と康太と松尾樹里亜の三人のやりとりが面白く、樹里亜の家庭の事情が切ない気持ちになります。

続きます。



吉野マリ 桃色ヘヴン! 8巻
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2023年12月14日木曜日

吉野マリ 桃色ヘヴン! 7巻

黛真一郎(まゆずみしんいちろう)から椎名桃子(しいなももこ)への求愛が止まりません。黛のちょっと気持ち悪い桃子への情愛が面白かったです。




桃子は伊縫蘭丸(いぬいらんまる)からの電話を待っていたら黛真一郎から電話がかかってきます。食事の誘いです。嬉しくて舞い上がります。

黛はクセの強い人物です。

黛は桃子を口説いているのに、桃子は気づかず、大ファンの黛先生としてしか見ていません。

黛は桃子に初めての感覚を経験します。



蘭丸は黛の作品イノセントブルーの映画の主演に抜擢されます。黛と写真撮影が行われ黛を敵視します。桃子が自分以外の男性に目をキラキラさせているのが気に食わない様子です。



蘭丸は桃子にイノセントブルーの撮影で北海道に行くと言います。

桃子は年末のイベントを一緒に過ごせると思っていたのにすべてぶち壊しになり落胆します。



黛は桃子のことが頭から離れません。自宅に行ってしまいます。桃子に会うと平静を保てないようで困っています。桃子に取材で同行するという理由で一緒に北海道へ行こうかと誘います。

桃子は行くと返事します。

黛は桃子の喜びようを見て満足しています。



北海道にやって来ます。

蘭丸はスタッフと黛に混じって桃子を見つけ驚きます。

桃子は蘭丸を探していると共演の女優と仲良くしているのを見かけ、怒りがこみ上げ悲しくなり泣いてしまいます。

黛は泣いている桃子を見つけ胸に何か異変を感じます。

桃子は蘭丸に会うために北海道に来たのに他の女と仲良くするので、悲しみを通り過ぎて怒りがこみ上げてきて、木に雪玉をぶつけて発散します。

蘭丸がやって来ます。

桃子は蘭丸に来るなと言い雪玉を投げます。

蘭丸は桃子の投げる雪玉をよけもせず近づいていき抱きしめます。

黛は部屋の窓から桃子と蘭丸が二人でいるのを目撃してしまいます。そして、蘭丸から桃子を守らなくてはと決意します。

蘭丸は桃子を部屋に連れて行きます。

いろいろ邪魔する人物がやって来て面白いです。

桃子は怒って部屋を出て行きます。



桃子は黛と食事をして酔っ払ってしまいます。

蘭丸と桃子は本音を言い合って仲直りします。



翌日、黛は蘭丸に桃子は渡さない、僕が守ると宣戦布告します。



蘭丸と康太は高瀬晶(たかせあきら)に送るビデオレターを作ります。

蘭丸は桃子にあれから黛が何か言ってきてないか訊きます。

黛は創作意欲がわいて手が止まりません。

桃子は出版社で打ち合わせを終えると、編集者から黛先生がうちで官能小説を書くことになったと言われます。



桃子宛に黛から小包が届きます。

桃子は開けてみると黛の今回書いた小説で、冒頭を読んで固まります。内容が自分へのラブレターだったからです。

蘭丸が家に来ます。

康太は黛先生のところに行ったと言います。

蘭丸はゲラに目を通すと血相を変え、黛のところへ急ぎます。

桃子は黛と話します。そのあと、黛の助手の女性と話していると蘭丸がすごい勢いで家に入って来ます。

蘭丸と黛の会話を桃子は隠れて聞きます。

桃子と蘭丸は互いの思いを確認し合います。

続きます。



吉野マリ 桃色ヘヴン! 7巻
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2023年12月12日火曜日

吉野マリ 桃色ヘヴン! 6巻

椎名桃子(しいなももこ)が愛原ジョージのゴーストライターだということがバレて学校でもバレてしまいます。大ファンの作家に好かれてしまいます。伊縫蘭丸(いぬいらんまる)は心配が絶えません。




桃色は書いた作品が映画化すると編集者から言われます。父の作品ではなく、自分の作品が映像化されたことが嬉しいようです。



週刊ラッキーという週刊誌の記者根岸ちえみは愛原ジョージについて調べようとしています。

根岸は桃子を見て何かありそうだと周囲を嗅ぎ回ります。



桃子は蘭丸に週刊誌の記者が家の前で張り込んでいると連絡します。

蘭丸はその記者を追っ払ってやると言い、姫宮に会いに行き愛原ジョージを名乗って欲しいと頼みます。

根岸はさらに調べ、愛原ジョージ本人はもういなくて、代わりに誰かが書いていることを確信します。愛原ジョージ側から連絡があり、会うことになります。



根岸をうまく騙し通せそうだったのに、編集者の失言ですべて台無しになってしまいます。



桃子は学校へ行くと、神田川美穂から週刊誌の記事を見せられます。

記者に愛原ジョージだとバレていました。愛原ジョージのゴーストライターとして小説を書いているのは現役女子高生だったという記事です。

根岸は桃子を学校の外で待ち伏せていて、桃子は無視します。



編集者は桃子に自分の失敗を詫びます。

桃子は蘭丸に電話します。

蘭丸は堂々としていろ、間違っているとは思わないと、桃子が必要な言葉を伝えます。



桃子と康太が母の病院に行くと、根岸が病室に押しかけ母に取材しているところを目撃します。

母は根岸に好きなようにどうぞと言います。

根岸は期待していたものとは違ったので、もう記事は書かないと言い、帰っていきます。



これで落ち着きを取り戻すかと思えたのに、桃子は教師に官能小説をバカにされ、本をゴミ箱に捨てられ、自分が愛原ジョージだと名乗り出ます。

生徒は騒然とします。

桃子は校長室に呼び出されます。事実だと認め処分を待ちます。

蘭丸は仕事から戻り、桃子を迎えに学校へ行くと、愛原ジョージの話題で騒がしくなっているので急いで桃子を探します。

校長室に桃子のクラスメイトの女子生徒が入ってきて桃子を擁護します。

校長は桃子を処分すると、他の生徒全員を処分しないといけなくなると言い、今回はおとがめ無しとすると言います。



桃子は愛原ジョージだとバレてしまったので、男子生徒からからかわれます。



蘭丸は桃子を自宅に招きます。父親が倒れたと連絡が入ります。

蘭丸は病院に行き、桃子は部屋で待ちます。



戻った蘭丸は気持ちが沈んでいて、桃子に帰るように言います。

桃子は帰ろうとします。だけど、戻ってきて蘭丸を抱きしめ、

「あたしが 蘭丸のことを 守ってあげる」

と言います。

蘭丸は気持ちが少し楽になります。

桃子と蘭丸は体を重ねます。



桃子は書き上げた作品を編集者に見せ、感想を待ちます。素晴らしい出来だとほめられます。

桃子は大ファンの黛真一郎先生に出会います。

黛は話題の愛原ジョージに会えて驚いています。

続きます。




吉野マリ 桃色ヘヴン! 6巻
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2023年12月10日日曜日

吉野マリ 桃色ヘヴン! 5巻

とうとう椎名桃子(しいなももこ)と伊縫蘭丸(いぬいらんまる)二人の関係に終わりがやって来ました。と言っても別れではなく、御主人様と奴隷の関係が終わり新たな関係の始まりです。




桃子は出版社で編集者と打ち合わせをしています。

隣りのテーブルに座った男性が蘭丸の知り合いで、話すと写真家だとわかり、作品を見せてもらいます。

男性は不破といい、彼も籐摩同様蘭丸の過去を知る人物です。

不破は桃子に蘭丸と出会ったきっかけを話します。

桃子は帰宅し、蘭丸に不破から聞いた話をします。

蘭丸の携帯が鳴ります。不破からで鍋パーティーをするからどうかという誘いです。

蘭丸は桃子に行くかと訊きます。

桃子は蘭丸の話の続きを聞きたいので行きたいと言います。


土曜日、桃子は一番に不破の自宅にやって来ます。

桃子はテーブルに愛原ジョージの作品が置いてあって驚きます。

不破は桃子が相原ジョージだとわかり、どういう事情なのかはわからないと前置きして、才能を発揮できるなんて幸せなことなのだから自信を持っていいんじゃないかと言います。そして、蘭丸の話の続きをします。

桃子は蘭丸がモデルになったのも不破がきっかけだったと知ります。

蘭丸がやって来て不破の仲間も到着し、鍋パーティーはにぎやかで楽しい時間となります。

不破は帰り際桃子に蘭丸にとって特別なようだからと一枚の写真を渡します。写真は数年前の蘭丸です。



なんとか原稿を仕上げ学校に行くと、直しを依頼され、その場で文章を書いてメールで出版社に送信します。

送ったのに、編集者から何度も催促のメールと着信があるのに気がつきます。

送ったはずなのになとメールを確信すると、編集者ではなく籐摩に送ってしまっていました。汗が止まりません。

籐摩が桃子の教室にやって来ます。

桃子は言い訳が思いつかず破れかぶれでとんでもないことを言います。

籐摩は冷静に誰にも言わないから、愛原先生と言います。

桃子は籐摩が自分が愛原ジョージだと知っているのは蘭丸が話したんだと考え怒りを爆発させます。

お昼、弁当を届ける屋上で桃子は蘭丸と言い合いになります。

蘭丸も怒ります。

桃子は籐摩と話します。


翌日、桃子は学校に行くと、神田川美穂から蘭丸が早朝のドラマのロケで大けがをしたようだと言われます。

桃子は籐摩のところへ行きます。

桃子がかなり取り乱していたので籐摩は落ち着くよう言い、事務所に連絡してみたら病院に運ばれたと説明します。

桃子は籐摩から聞いた病院に急ぎます。病室に着くと蘭丸は小指の骨折だけだとわかり、ほっとして泣き出します。蘭丸が無事だとわかったところで好きだと気がつきます。


蘭丸が学校に来て屋上で桃子と籐摩の三人で話します。

桃子は蘭丸に謝ります。籐摩から一緒に帰ろうと誘われます。


蘭丸は籐摩から言われたことを考えます。そして、桃子に弁当を作るのあと一回で終わりにしよう、あしたで最後と言います。

桃子はなんでと訊きます。

蘭丸は奴隷契約終了ってことだよと言います。

桃子は終わりと言われ、動揺しています。


最後の弁当作りです。

桃子は蘭丸に弁当を渡します。そして、終わりにしたくないと泣きます。

蘭丸は終わりにしたくないからだと言います。

桃子は蘭丸の意図がわかりません。

蘭丸はずっとおまえと一緒にいたいって思ってるしそばにいてほしいって思うのはおまえだけなんだよ、と桃子が間違えようのないことを言います。

桃子はあたたかい気持ちに満ちあふれます。

続きます。



吉野マリ 桃色ヘヴン! 5巻
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2023年12月8日金曜日

吉野マリ 桃色ヘヴン! 4巻

椎名桃子(しいなももこ)と伊縫蘭丸(いぬいらんまる)は奴隷と御主人様の関係ではなくなってきています。

蘭丸は桃子の言うことにきちんと耳を傾けるようになってきています。

いい関係がこのまま続くのかな。それとも二人の間に障害ができてしまうのか続きが楽しみです。




康太(こうた)が姉の椎名桃子(しいなももこ)に伊縫蘭丸(いぬいらんまる)の誕生日をうちでお祝いしようと言います。招待状まで作って張りきっています。

翌日、桃子は蘭丸に招待状を手渡します。

蘭丸は嫌そうな表情で、

「オレ、 自分の誕生日 キライなんだよ。」

と言います。

理由は教えてもらえず、桃子は蘭丸に何かあったのかと心配します。

蘭丸は誕生日を記憶を思い返します。母親との最後の記憶が自分の誕生日だったこともありキライになったのでした。

蘭丸は桃子と康太に会いに家に行きます。

いつもふざけてばかりなのに今日の蘭丸は今まで見たこともない表情をするので桃子は簡単には踏み込めず解決しないと思うのでした。



文化祭の出し物について話し合い、蘭丸のクラスはお化け屋敷に、桃子のクラスはメイドカフェに決まります。

桃子は蘭丸にメイドカフェに決まったと言うと、蘭丸は誰も指名しないから心配するなとバカにします。

桃子は腹を立てます。

蘭丸は何人指名が取れるかカケをしようと言います。

桃子は勢いで勝負を受けます。

桃子はやる気がみなぎっています。

文化祭当日、桃子は大活躍します。

蘭丸は桃子に圧倒されてしまいます。

勝負は桃子が勝利し、蘭丸は一日桃子の奴隷として命令に従います。



クリスマスです。

蘭丸はキスをする権利をオークションにかけるテレビ番組に出演します。

権利は100万円で落札されます。

数日後、蘭丸のスキャンダルがメディアに流れてしまいます。

マスコミに囲まれ蘭丸は悪態をつきます。

その映像をテレビで見た桃子は蘭丸に泣きながらひどいといいます。

蘭丸は桃子に言われて反省し、キスをする権利を100万円で落札した女性に会いに行き謝罪します。

女性は落胆していました。しかし、蘭丸が会いに来てくれて感激します。

蘭丸は桃子と康太にクリスマスプレゼントを贈ります。



桃子は母に着物を着せてもらったので蘭丸に連絡し初詣に行かないかと誘います。

蘭丸は撮影が押していて時間の余裕がないと断ります。

桃子はがっかりします。

蘭丸は桃子の誘いだから何とかしたくて、桃子をテレビ局に呼びます。

テレビ局内の出来事が面白いです。

桃子と蘭丸は初詣に行きます。

蘭丸は桃子の求めることは聞いてあげたいと思っているようです。

続きます。



吉野マリ 桃色ヘヴン! 4巻
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2023年12月6日水曜日

吉野マリ 桃色ヘヴン! 3巻

椎名桃子(しいなももこ)は出版社で編集者と打ち合わせをしていると社内が騒がしいのでなにかあったのかと訊くと、伊縫蘭丸(いぬいらんまる)と姫宮(ひめみや)先生が対談していると言われます。そこで姫宮が桃子の父の愛人だと知ります。

夜、桃子は蘭丸に編集者から姫宮が父の愛人だった聞かされたので姫宮と対談してみてどういう感じの人だったか訊きます。

蘭丸は見た目の話しかしません。

桃子は父の気持ちをどうしても知りたくて姫宮の自宅を訪れます。

桃子は姫宮に父の日記を見せて欲しいと頼みます。しかし、断らえれてしまいます。

姫宮は次の掲載号のアンケートで自分より上位を取ったら日記を見せてあげると勝負をもちかけます。

雑誌発売日。

桃子は編集者からアンケートの結果を聞かされます。

結果は2位。1位は姫宮でした。

勝負に負けた桃子はがっかりします。

蘭丸は姫宮の自宅に行きます。

話しをして姫宮は蘭丸に愛原ジョージの日記を渡します。

日記を読んだ桃子は自分のことが書かれたあり、どうしようもない思いがこみ上げ、蘭丸の胸の中で声を出して泣きます。



桃子は同性の設定の作品に取り組みます。いまいち進みが悪く苦戦しています。

登校すると下駄箱にラブレターを見つけます。蘭丸にラブレターを自慢します。書いてある場所に行くとやって来たのは同じクラスの神田川美穂(かんだがわみほ)という女の子です。

桃子は美穂に好きですと告白され呆然とします。

帰宅すると蘭丸がソファーで桃子の帰りを待っていました。

蘭丸はラブレターの結果を知りたいみたいです。

桃子は相手は女の子だと本当のことを言えないので誤魔化そうとします。インターホンが鳴り出てみると美穂が立っています。

蘭丸はラブレターの相手が女の子だとわかり、安心したのかいつもの軽い感じに戻ります。

翌日から美穂の桃子への接触が多くなります。

桃子は美穂が何かを抱えていると察して、蘭丸に彼女とデートしてくれるよう頼みます。

蘭丸は美穂の悩みを解決してあげます。



苦手なテーマに取り組み蘭丸が助けてよい作品が仕上がります。



桃子は取材で夜の店でバイト体験します。蘭丸には内緒にしています。

蘭丸は康太に桃子がどうしているか訊くと、バイトしているというのでバイト先を探ろうとします。

桃子は蘭丸をうまく撒いて、バレずに済んだと思っていたのにバイトしている店に蘭丸が来店します。

隠れながら桃子は蘭丸の本音を少し聞くことができます。

続きます。



吉野マリ 桃色ヘヴン! 3巻
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2023年12月4日月曜日

吉野マリ 桃色ヘヴン! 2巻

椎名桃子(しいなももこ)はサインを入れた本を学校帰りに出版社に届けるため鞄に入れて登校します。お昼の弁当を届けに屋上に行くと伊縫蘭丸(いぬいらんまる)ではなく知らない男子が待っていました。

彼は香月籐摩(かづきとうま)と名乗り、蘭丸に椎名さんから弁当を預かるよう頼まれたと言います。

桃子と藤間はそのままお昼を一緒に食べます。

籐摩は蘭丸を幼い時から知っていて、桃子は籐摩から蘭丸の過去を聞きます。

話していると、持ち物検査を行うと校内放送が流れます。

桃子は鞄にサイン本を入れていたことを思い出します。隠すため籐摩に手伝いを頼みます。しかし、頑張った甲斐なく持ち物検査に引っ掛かり生徒指導室に呼び出されます。

先生にサイン本を指摘され、桃子は言い訳が思いつかずどうしようか困っています。

蘭丸が生徒指導室に入って来て桃子の危機を救います。

籐摩は桃子が愛原ジョージであると気がつきます。



康太は誕生日会を開きます。

クラスの友達を呼びます。

当日、いまいち盛り上がりに欠ける所で蘭丸がやって来ます。

康太はクラスの高瀬さん特別な思いを抱いています。

康太と高瀬さんの様子を見ていた蘭丸は康太に助言します。

桃子は男親がいないから康太の小さな変化に気づきにくくて、蘭丸がいてくれてよかった感謝を伝えます。

蘭丸は恥ずかしいからなのか茶化してなんでもないことのようにしてしまいます。



バレンタインの季節です。

桃子は籐摩にチョコレートを贈ります。

見ていた蘭丸は心がざわっとしているようです。

籐摩は唐突に愛原ジョージと口にします。そして、桃子とどういう関係なのか訊ねます。蘭丸がご主人様と奴隷というと籐摩は怒ります。

桃子は蘭丸に手編みのマフラーを渡します。

蘭丸は何を贈られるよりうれしそうです。



桃子は楽しみにしていた修学旅行が原稿の書き直しのため行けなくなり、落ち込んでいます。

編集者から次の特集が温泉地が舞台なのでよろしければ取材旅行で温泉1泊に行ってみませんかと提案されます。

蘭丸は康太から桃子が取材旅行に行ったと聞き桃子を追いかけます。

旅館でのドタバタが面白いです。

蘭丸は桃子に夢中です。

続きます。



吉野マリ 桃色ヘヴン! 2巻
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2023年12月2日土曜日

吉野マリ 桃色ヘヴン! 1巻

椎名桃子(しいなももこ)は高校生で官能小説家です。

伊縫蘭丸(いぬいらんまる)は高校生で伊縫財閥の跡取りで人気モデルです。

二人の恋物語です。


椎名桃子は高校生なのにプロの作家です。父は愛原ジョージというペンネームで官能の世界で有名な作家でした。その父が数年前に亡くなり、担当の編集者から父の書きかけの原稿を仕上げて欲しいと依頼されたのがきっかけで父の作品を仕上げてみます。作品に反響があり、その後も愛原ジョージのゴーストライターとして作品を書き続け現在に至ります。締め切りギリギリの時は徹夜することもあり、翌日学校では睡眠不足であくびばかりしています。


伊縫蘭丸は人気モデルなので学校の女子生徒から注目されています。美しい容姿で生徒や教師を口説いたり、求めたりする悪い噂があります。




二人が出会ったのは視聴覚室です。

桃子はあまりの眠気に誰もいない視聴覚室で少し仮眠を取ろうとします。少しだけと思っていたのに、しっかり眠ってしまいます。人の声がした気がして目を覚まします。熟睡していたことに気づき時間を見ると5時前、6時間目の授業はとっくに終わっていました。あたふたしていると声が聞こえます。

蘭丸と英語の教師が誰もいないと思って視聴覚室に入って来てイチャついていました。

桃子は隠れて様子を伺っているとメールの着信音が鳴ります。

人がいることがわかり、英語の教師はさっと視聴覚室を出て行き、蘭丸は隠れている桃子に近づきます。邪魔が入ったのでかなり怒っています。

桃子は必死に視聴覚室から逃げ出します。

蘭丸は桃子が落としていった生徒手帳を見つけ名前を知ります。



桃子は担当編集者と打ち合わせをしています。

編集者は次の短編の設定について訊ねます。

困った桃子は視聴覚室で見た蘭丸と英語の教師のことを思い出し、アイドルをやっている男子生徒と英語の女教師の設定を話し、それで短編を仕上げます。



短編が雑誌に掲載されると、なぜか学校でアイドルをやっている男子生徒が蘭丸にそっくりだと話題になってしまいます。

桃子は高校生は官能小説は読まないだろうと思っていたので焦ります。



蘭丸の友人籐摩(とうま)は学校で話題になっている愛原ジョージの短編を蘭丸に見せます。

蘭丸は短編を掲載している雑誌の出版社の人に愛原ジョージについて訊ね、生徒手帳に書かれていた住所で桃子に家に行きます。出版社の者だと偽り家に入り、桃子の部屋に入ります。

ちょうど桃子は執筆中で、蘭丸の予想は的中します。

蘭丸は桃子に全部バラしてやると言います。

桃子はなんでもいうことを聞くから誰にも言わないでと頼みます。

蘭丸は勝手にネタにされてひどく怒っていて、たかが、と桃子の作品をバカにします。

桃子はちゃんと読みもしないでいいかげんなことを言うなと怒ります。

蘭丸は逆ギレした桃子に呆れて部屋を出て行きます。

部屋の外で桃子の弟康太(こうた)は姉と蘭丸の会話を聞いていて蘭丸に怒ります。

蘭丸は康太の話で桃子の事情を理解します。



桃子は原稿を書き上げ、これで最後なのだと今後について考えます。携帯に知らない番号の着信が入ります。出てみると蘭丸の番号でした。

蘭丸は卵焼きの入った弁当を作って学校に持って来いと言います。

桃子は弁当を作り、蘭丸の待っている学校の屋上に行きます。

蘭丸は弁当を食べながら、バラすのはやめとくことにしたと言います。その代わりオレの奴隷になれと条件を出します。

桃子は奴隷と言う言葉に想像が膨らみます。

桃子が迷っていると、蘭丸は桃子の作品を取り出し大きな声を出して読み始めます。桃子があわてて止めようとすると、バラされるか奴隷になるかどっちにするか迫ります。

桃子は泣きながら奴隷になると約束します。

蘭丸は官能小説に偏見あったけどちゃんと読むとおもしろい愛があると誉めます。そして、大黒柱として家族を支えていることを労います。蘭丸は桃子に興味を持っているようです。

桃子は愛原ジョージとして小説を書き続けらえることに安心します。



桃子は家でテレビをつけるとトーク番組に蘭丸が出演しているので見ています。

蘭丸はハマっているものとかあるかという問いに小説を読んでいると本を紹介します。もちろん愛原ジョージの作品です。

テレビで蘭丸が紹介したことで売り上げが伸びます。




蘭丸は家族と関係がうまくいっていないようです。家族の温もりを欲しているからなのか、家族のために頑張る桃子のことが気になり、何かと手助けをします。康太が体調を崩した時には寝不足の桃子に付き添います。入院している桃子の母のために口添えしてあげます。桃子が取材で合コンに参加することになり酔ってしまいお持ち帰りされそうになるところを助けます。蘭丸のふとした時に見せる寂しい表情だったり、暗い話になりそうなとき冗談を言って話題を変えたりするところがどういう人物なのかと気になります。桃子のことを奴隷と言いつつ蘭丸の方が桃子を必要としているように見えて今後の展開が楽しみです。

桃子も蘭丸の時折見せる優しさに惹かれていきます。

続きます。






吉野マリ 桃色ヘヴン! 1巻
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2023年11月30日木曜日

那波マオ 3D彼女リアルガール 3巻

高梨ミツヤは気になっている五十嵐色葉と付き合いため筒井光を罠にはめます。

姑息すぎる手段はすぐにバレてしまいます。

五十嵐色葉は筒井光にどうして犯人は高梨ミツヤだと言ってくれなかったのか訊きます。

筒井光は五十嵐色葉のことが好きだと言っている奴の文句を色葉には言えないと応えます。



五十嵐色葉が高梨ミツヤが犯人だとわかっかのは彼の妹のおかげでした。

高梨兄妹が筒井光の家に来て、親と弟には事情を説明し誤解を解きます。

筒井光は学校での評判はどうでもいようです。家族の疑いだけは正しておきたいようで、これでこの話は終わりとなります。



筒井光の前に趣味の合う後輩綾戸さんが現れます。



筒井光と五十嵐色葉はお祭りに行きます。

筒井光は言葉の選択を誤り五十嵐色葉を怒らせます。



筒井光は後輩綾戸さんと話す機会ができてアニメの話をします。

綾戸さんは初めて趣味の話ができる人を見つけてうれしそうです。



筒井光は五十嵐色葉に機嫌を直してくれるよう話しかけます。

しかし、五十嵐色葉はわからないのならもういいと言います。

筒井光はこんな状態は嫌だと言います。

五十嵐色葉は態度を崩しません。



筒井光はいくら考えてもわからないから、お菓子を作り五十嵐色葉の家に行きます。作ったお菓子を渡して帰ろうとしたら、部屋に案内されます。初めて入る女子部屋に緊張しています。

とりあえず、ベッドに顔を埋めます。五十嵐色葉にその様子をみられてもまったく動じません。五十嵐色葉の格好を見て注意します。

五十嵐色葉はフッと笑みをこぼし怒っていた理由を話します。

筒井光はこの状況がふとしたときに信じられなくなるだけだと言います。

五十嵐色葉は筒井光に信じてもらえるよう態度で示します。

筒井光はドキドキします。なんとか平常心を保つため努力します。しかし、理性が飛び五十嵐色葉を押し倒してしまいます。ハッと我に返りすぐに離れて帰っていきます。



筒井光はこれまでいかなるときでも理性をコントロールできていたのに、五十嵐色葉のことになるとコントロールできなくなる自分に恐怖します。翌日、五十嵐色葉に会っても、しばらく俺に近づくなと、また距離を取り始めます。

五十嵐色葉はまた極端なことをすると呆れます。


筒井光は綾戸さんと仲良くなります。

五十嵐色葉は筒井光と綾戸さんが二人で話しているのを見かけモヤモヤしています。小さな溝がとても悲しく感じます。




五十嵐色葉も筒井光も心地良い時間は訪れません。

続きます。




那波マオ 3D彼女リアルガール 3巻
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2023年11月28日火曜日

那波マオ 3D彼女リアルガール 2巻

想い人と通じ合うというのは難しいなと感じました。

悪く思われたくなくて取った行動が相手を傷つけたり、どんなに想っても気持ちが通じなくて、カチッとかみ合ってくれないじれったさを感じつつ進んでいきます。




筒井光(つついひかる つっつん)は五十嵐色葉(いがらしいろは)への想いが強すぎて自制がきかなくなること怖れます。

その恐れが五十嵐色葉を傷つけてしまいます。

クラスメイトの石野さんは落ち込んでいる筒井光に話しかけます。

筒井光は石野さんと話してみて、みんな好きな人のことでおかしくなると知り安心します。五十嵐色葉が怒っているのでなんとかしたいと思います。しかし、どうしていいかわかりません。

再び落ち込んでいる筒井光を見た石野さんは前髪を切って見た目を変えてみたらと言います。

石野さんは教室にあるハサミで筒井光の髪を切ろうとします。

筒井光は石野さんの手つきに不安がよぎります。

五十嵐色葉が筒井光に会いに教室にやって来ます。

五十嵐色葉は筒井光と石野さんがじゃれあってるように見えたので、

「この人 あたしのなの さわらないで」

と言います。

筒井光は五十嵐色葉の言葉に驚いています。

石野さんは五十嵐色葉の言葉にあきれます。

五十嵐色葉は真顔でそれでもさわらないでと言い、筒井光に他の人にさわられないでと言います。

筒井光は五十嵐色葉から出てくる言葉に一つひとつ驚きます。

石野さんはどうでもよくなって教室を出て行きます。

筒井光は五十嵐色葉も想っていることに気がつき、嫌われて手を振りほどかれる日までしっかりつないでいようと心に決めます。



五十嵐色葉がイケメン料理人の話をしたのをきっかけに筒井光はお菓子作りに挑戦します。翌日、学校に持って行き、五十嵐色葉と伊東と石野さんに食べてもらいます。

三人はあまりの出来栄えにびっくりしています。

帰り道、五十嵐色葉は筒井光にお菓子を作ろうと思ったのは昨日イケメン料理人の話をしたからなのか訊きます。

筒井光は隠さずそれしかないと応えます。

それを聞いた五十嵐色葉はうれしそうです。

翌日、筒井光はケーキを作って来ます。本を読み漁りお菓子づくりの研究を始めます。ポロッとこぼす一言が面白かったです。



石野さんの恋愛話が描かれます。

筒井光は五十嵐色葉、伊東の他に石野さんという仲間が増えます。



筒井光は五十嵐色葉に勉強を教えます。

筒井光の行動に五十嵐色葉が動揺するのが面白いです。



筒井光が五十嵐色葉のことを好きな男子生徒高梨ミツヤから罠をかけられ、学校で自宅でひどい目に遭います。

五十嵐色葉は偶然真相を知ります。高梨ミツヤにどう対応するのか。次巻に続きます。



那波マオ 3D彼女リアルガール 2巻
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2023年11月24日金曜日

那波マオ 3D彼女リアルガール 1巻

筒井光(つついひかる つっつん)という漫画やアニメが好きで周囲から特異な目で見られている男の子と、五十嵐色葉(いがらしいろは)という悪い噂しか聞こえてこない派手でツンツンしている女の子の高校生の恋物語です。



筒井光は好きなものを好きだと思っているだけなのに馬鹿にされたり、からかったりされます。人とかかわるのが苦手で一人でいいと考えています。

五十嵐色葉はよくわからない女の子です。物語が進むにつれ少しずつ人物の中身が明らかになっていくんだろうなと思います。




筒井光は学校に遅刻します。同じく五十嵐色葉も遅刻し先生から罰として昼休みにプールのゴミ拾いを命じられます。そこで二人は知り合い少しだけ言葉を交わします。



休みの日、店で筒井光が友人と趣味について語り合っていると、同級生が筒井光を見つけ、からかいます。そこに五十嵐色葉がやってきて筒井光を助けます。

また別の日、五十嵐色葉が男子生徒から絡まれているところを筒井光が体を張って守ろうとしたりします。五十嵐色葉はこういうことをしてくれる異性に会ったのは初めてのようです。筒井光も女の子のために何かをしたのははじめてで、互いに初めての感情を抱きます。



五十嵐色葉が筒井光の教室にやって来て、

「つっつん あたしとつきあって」

とみんなの前で急に告白します。

筒井光はどういう流れで告白しているのか、ふざけるなと怒ります。

五十嵐色葉は黙って教室を出て行きます。



筒井光は母親から薬をもらってきてと言われ、病院に行きます。五十嵐色葉を見かけます。ベンチで泣いています。声をかけることもできず隠れてしまいます。五十嵐色葉が歩き出すと、あとをつけます。五十嵐色葉が書店で店員から言いがかりをつけられ、誤解を解きます。

五十嵐色葉は急に告白をしたことを謝り、男子生徒から助けてくれた時の感情を伝えます。



筒井光と五十嵐色葉はまた遅刻します。

先生からプールの掃除を命じられます。

筒井光はプールで五十嵐色葉に想いを伝えます。

五十嵐色葉は想いを受け付き合うことになります。そして、

「…あたしね 半年後 転校するんだ 短い間だけどよろしくね」

と笑顔で言います。



筒井光は本気で告白したのに、五十嵐色葉にとってはただの暇つぶしなのだと理解します。五十嵐色葉が知らない男性と歩いているのを見て確信します。五十嵐色葉に遊びのつきあいはできそうにないのでムリかもしれないと言います。

五十嵐色葉は自分の本気を示します。

筒井光は五十嵐色葉と歩いていた男性が病院の先生だとわかります。先生と話しをします。五十嵐色葉に会い話します。

五十嵐色葉は嘘と本当を織り交ぜて話します。



五十嵐色葉は筒井光の部屋に遊びに行きます。

筒井光は自分の趣味全開の部屋を五十嵐色葉に見せます。



筒井光は五十嵐色葉の誕生日を知り、プレゼントを手作りで贈ることにします。

誕生日の日、学校をサボって遊園地に誘います。観覧車でプレゼントを贈り、五十嵐色葉はすごく嬉しそうにしています。




期間限定でつきあうのはどうして? と言うところが気になって読み始めました。

五十嵐色葉の言う重い病気はどの程度のなのだろう、それを知った筒井光は自分を変え、五十嵐色葉を変えていくという展開を想像しています。

続きます。



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2023年11月22日水曜日

森本梢子 たまのこしいれ ―アシガールEDO― 1巻

「アシガール」の続編です。

唯の姪、尊の娘、速川月(つき)が主人公です。

アシガールシーズン2。数ページでもう面白いです。前作を読んでいてリズムがわかっているから余計に面白く感じてしまうんだと思います。




ある日、月が尊の研究室(物置)にいると、尊の発明したタイムマシンが15年ぶりに作動。唯と若君の子孫・玉姫と家臣・勇之進が江戸中期から時を超えてやってきた。勇之進への想いを胸に秘め、大名家に輿入れするという玉姫の話を聞き…。


時は令和。月が祖父母と暮らす家にある晩、三百年前から政略結婚前夜の玉姫と幼なじみの勇之進がやって来た。

相思相愛なのに結ばれないふたりに同情する月は、タイムマシンの起動スイッチを興味本位で触っているうち、うっかり自分がタイムスリップ。

気がつけば江戸時代、玉姫の代わりに大名家にお輿入れする羽目となる。

初対面の夫は年下の無愛想な美少年、でもちょっとワケありで―――?




速川唯(ゆい)は弟尊(たける)が発明したタイムマシンを触ってうっかり戦国時代にタイムスリップしてしまいます。偶然出会った若君羽木九八郎忠清(はぎくはちろうただきよ)に一目惚れし、若君のために一生懸命困難を乗り越え、思いを遂げます。そして、唯は戦国の世で生きていく選択をします。今作品は唯の物語の続編です。



唯の時代から150年過ぎた江戸時代中期八代将軍徳川吉宗、暴れん坊将軍の時代の唯と忠清の子孫である御月家の姫が現代にタイムスリップしてきます。

現代は唯の子久永(ひさなが)がタイムスリップしてやって来たのを最後に15年が過ぎています。

尊は結婚し、娘が一人います。娘の名前は月。高校生です。

父親尊に似てかしこく、伯母唯と違って足が遅いです。でも唯に似て度胸があります。そして、うっかり屋です。




尊の研究室(物置)で月は遊んでいます。遊んでいるのか、研究をしているのか、勉強しているのか。何か作業しています。背後に人の気配を感じ振り返ると、姫のような人と侍のような人二人が急に現れて何か話しています。

姫と侍は自分たちの世界に没頭していて周囲の変化に気づいていません。

月は黙って姫と侍のやりとりを聞いています。あまりに気づいてもらえないので、

「あの――― お取込み中すみませんが どちら様ですか?」

と声をかけます。

姫と侍は月の声を聞いてようやく周囲の様子が変わっていることに気がつき、見たこともない服装の女の子が立っているのに驚きます。

侍は姫をかばい、

「貴様っ 何奴!!」

と月に向かって大きな声で言います。

月は、

「もしかして 御月家の方ですか?」

と言います。姫が、

「え… …こなたは?」

と言います。

研究室が騒がしいので祖父母がやって来ます。姫と侍を見て、

「あらま」

と祖母は言います。



祖父母は姫と侍を居間に案内します。

姫と侍は部屋が昼間のように明るいことに驚いていると思います。

月は姫がおそらく久永の妹だろうと推測します。

姫は、

「私は 緑合(ろくごう)御月(みつき)藩 六代藩主 御月定永(さだなが)が娘 玉と申しまする」

侍は、

「城代家老 天野信昌(のぶまさ)が嫡男天野勇之進信重(ゆうのしんのぶしげ)にござる」

と名乗ります。

月の予想は外れて、玉は六代藩主の娘というので、月が玉に、

「ちなみに今年は何年ですか?」

と訊ねます。

玉は、

「え… 享保15年かと」

と応えます。

月は調べてみると時代は江戸中期、八代将軍吉宗の時代だと、久永から150年たっている祖父母に教えます。

祖父母は玉が唯の子孫だと喜びます。

話しを聞いていた玉は、目の前のいるのが唯の両親だと知ります。しかし、信じがたいようです。

御月家では唯と尊は何度も家の危機を救ってくれたと語り継がれていて、唯と尊は数百年先の世から来たと聞かされていたので、信じ難くも現実のことなのだと理解します。

祖母は月を尊の娘だと紹介します。

月は玉に事情を訊ねます。

尊の作った起動スイッチの懐剣は「天下唯一尊の懐剣」と名付けられ御月家の家宝となっています。

玉は縁談の話がありました。

玉が勇之進を慕っていることは藩主定永はわかっています。しかし、相手の志喜家は将軍家と縁が深いので御月家として断ることができず悩んでいました。

玉は父親が悩んでいる姿、家臣や領民のことを考えると自らの務めを果たさねばと、志喜家に輿入れすることを決意します。

定永は家のため決意した玉に感謝し、天下唯一尊の懐剣を授けます。

輿入れのため城を発つ前夜、眠れず庭で勇之進を想い、満月に懐剣を捧げ幸せを祈ろうと剣と引き抜くと起動スイッチが動作します。

勇之進は眠れず、庭を歩いていると、玉が自害しようとしているところを目撃し慌てて懐剣を奪おうとしたところ起動スイッチが動作して二人そろってタイムスリップし現代に来たのでした。



月は玉に志喜家の人は玉の顔を知っているのかと訊ねます。

玉は一年前一度だけ志喜家御用人野口十八郎左衛門という者と会ったと言います。

月は一年も前にちらっと会っただけなら、誰かと入れ替わっても気付かれないのではと言います。

玉は身代わりなど考えたこともないようです。

勇之進は、もってのほか、バレたら御月家に厳しい御沙汰があり存続が危うくなると言います。

月は思いつきで言ってことをあやまります。

玉は覚悟はできている、急いで城に戻らないといけないと言います。

祖父母はむこうに戻れるのはひと月後の次の満月の夜になる、こっちではひと月でも向こうではほんの少ししか時がたっていないから大丈夫だと、だから今はあせってもしかたない、ゆっくり休んでいい方法を考えようと言います。



月は一人研究室に戻ります。

父親の尊に報告しなきゃとパソコンを起動します。

放り出されている天下唯一尊の懐剣を見つけます。

話しに聞いていた天下唯一尊の懐剣に触れることができてうれしそうです。起動スイッチの構造を知りたくて、鞘に納めた刃を再び抜いてしまいます。

起動スイッチが動作してしまい、月の姿が消えます。



パソコンで尊と話しているのは祖父母です。

祖父母は起動スイッチについて訊きます。

尊は今夜にも戻れると言うと、祖父母は慌てます。月がいなくなり、起動スイッチもなくなっていると言います。

月は江戸時代にタイムスリップしてしまいました。



月は庭に隠れています。

玉がいなくなったと女中は捜索しています。

一人の女中が月を見つけます。曲者っ、と誰かを呼ぼうとしたので月は、

「あっ… あ 待ってください 決してあやしい者ではありません! 私は速川月 速川尊の娘で速川唯… 唯の方の姪です!」

と叫びます。

女中は唯と尊の名が出て、

「……なに?」

と驚きます。

月は玉と勇之進は無事であり、今は遠いところにいると言います。

女中はじっと月を見つめます。

「こちらへ ついて参れ」

と月を玉の父親の藩主定永のところに連れて行きます。

定永は月を見て驚いています。

みんな理解が早く、月は次の満月までの1か月、何事もなく無事に過ごせそうだと安心します。

ところが城代家老天野信昌が殿に意見します。

月は自分がうっかりやって来たことで御月家がピンチになるかも知れないとわかり、

「あの~~ なんでしたら とりあえず代わりに 私が行きましょうか?」

と軽く言ってみます。勇之進は反対したので定永と信昌も当然反対するだろうと思ったのに

「そうしていただけるか?」

と話しがすすんでいきます。

月は焦ります。

女中は時間がないので仕度をと、部屋に案内します。

華やかな着物に、豪華な頭の飾りつけ、見る間に輿入れの準備がすすみます。

女中は月にきちんと挨拶をします。今後月を玉姫と呼ぶと言い、玉姫付年寄葛葉と名乗り、天野家出で城代家老天野信昌の妹だと言います。そしてもう一人小笹(こざさ)という腰元を紹介します。二人は志喜家に一緒に行って月のお側に仕えると言います。

月は断れない雰囲気を感じ、覚悟を決めます。

輿に乗り、よく考えてみると輿入れとは結婚することだと気づきます。



2日かけ4か所の休憩所に立ち寄り、志喜家居城松月城に向かいます。

志喜家は滅ばず、江戸になっても続いていて驚きです。

まっすぐ松月城に入城すると思っていたのに、途中、ご家老本間頼母の屋敷に立ち寄ります。

志喜家家老本間頼母は月が本当に玉姫かどうか怪しんでいます。

月は現代で玉姫が話していたことを思い出し、難局を切り抜けます。

本間頼母は無礼を詫び、松月城に入城します。



松月城に着くとすぐに婚礼が行われます。相手は志喜晴貴15歳。年下です。

その夜、初夜の契り、床を共にすることになります。

なんとか回避したい月は葛葉と小笹に作戦を手伝ってもらおうとします。

しかし、晴貴はどこか具合が悪いようで、作戦を実行に移す必要はなくなります。



翌日、葛葉と小笹が城内を偵察し、情報を集めます。

晴貴は重い病を患っていることがわかります。

月は晴貴の祖母天光院に会いいろいろ話すうちに晴貴は毒を盛られた可能性があることを知ります。

月は次の満月、あと5日後の満月に晴貴を連れて現代に戻り、晴貴の病気を治療して戻ってくる気満々です。




月の活躍は御月家、志喜家の両家にどんな影響を及ぼすのでしょうか。続きが楽しみです。

連載途中の「じゃのめのめ」は「たまのこしいれ」が終わってから再開するのでしょうか。どちらも待ち遠しいです。

続きます。




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2023年11月18日土曜日

草凪みずほ 暁のヨナ 42巻

チャゴルがメイニャンに固執した理由はわからずになりました。チャゴルの視点を描くと多くのページを使ってしまうから仕方ないと思います。何かを背負い、何かと戦っていたチャゴルの生涯はここで終わります。

ドロモスの生き残りはどこに行ったのか、指示する者がいなくなったのでどういう行動をとるのか気になります。

ゼノは龍になっても自分の意思はあるのかどうか。多くのことを知っていそうで、実は大事なことはわかっていないのかもしれません。ゼノが初代からずっと生き続けている理由はどこかにつながると思うので待ちたいです。




高華国軍の追手から逃れたもののラーンは矢を受け力尽き、チャゴルは深手を負い、四龍の盃を手にしたまま息絶えます。



キジャは急いでシンアとジェハとゼノを探しに行かなくてはと言います。

ユンはキジャの怪我の状態が悪いので引き止めます。

キジャはヨナに四龍の盃について訊きます。四龍が龍神の血を飲んだ時に使われたとされる盃だと説明し、盃がチャゴルの手に渡っていること、それでゼノがひどく動揺していたと言います。盃が行方不明なことでシンアとジェハの怪我が悪化してはいないか心配だと言います。



話しを聞いていたハクはヨナにジェハたちを探しに行くと言います。

ケイシュク参謀が現れ、ヨナとハクにここを去られるわけにはいかない、ヨナ姫には軍を導いて欲しい、ハクには隊長として敵軍に備えて欲しいと言い、陛下を守って下さって感謝しますと頭を下げます。

ヨナが何か音を察知します。ハクがヨナの様子に気がつくと、

「今… 龍の声が聞こえたような…」

と言います。



キョウガ将軍の隊は四龍の捜索とチャゴルの追跡、南戒軍の援軍の偵察を任されています。

兵が轍を見つけます。

キョウガは四龍を乗せた馬車かも知れないと急ぎます。

前方に南戒の援軍を発見します。

キョウガはスウォン陛下に報告のため野営地に戻ろうとします。

兵が異様な光景を目撃します。

大きな三体の龍が南戒の援軍を襲っています。



ヨナは龍の声に動揺しています。

キジャはジェハ達の気配が消えたと言います。



キョウガは南戒の兵士をなぎ倒していく龍を見て呆然と立ち尽くしています。

兵はキョウガに退却を求めます。

キョウガは四龍がいるかもしれないから探し出すと言い、南戒の援軍の中に駆けていきます。

「おいっ 緑龍っ 青龍っ 黄龍っ 無事でいるなら返事をしろ!! ヨナ姫がお待ちだ!!」

と声を上げて探します。

すると龍がキョウガを見ます、目が合ったかと思うとキョウガの目の前にまで龍がやって来ます。

キョウガは動けません。龍をじっと見つめると龍がジェハに見えてきます。

キョウガを守るため兵が龍に矢を放ちます。

龍は矢が当たったかと思うと姿を消します。



キョウガの隊は高華国の野営地に戻ります。

キョウガはスウォン陛下に南戒の援軍が退却したこと、三体の巨大な龍が南戒の援軍を襲ったことを報告します。

ヨナが来て、キョウガに龍について訊きます。

キョウガは龍がジェハに見えたと言います。

ヨナは急いでシンアとジェハとゼノを見つけなくてはと思います。

続いて、チャゴルとラーンを発見したと報告がもたらされます。

スウォンは、

「この機は逃がしません 我々高華国軍は南戒の都 西京を制圧する為 引き続き西へ進軍します」

と言います。

グンテ将軍はスウォンの方針に反対します。

スウォンはグンテの進言を退けます。



夜になります。

ヨナはハクに、スウォンに支えると約束したものの、シンア、ジェハ、ゼノを迎えに行きたいと思いを伝えます。

ハクはヨナを寝かせて、ユンと少し話します。水をもらってくると歩いているとうずくまっている人を見つけます。声をかけ、医療班を連れて来ると言うと、

「…人を …呼ばないで下さい… …ハク」

と言います。うずくまっていた人はスウォンでした。

スウォンはハクを人気のないところへ連れて行き二人で話します。

ハクは苦しそうなスウォンに、

「………千樹草は効かなかったのか…?」

と言います。

スウォンは、

「…いえ お陰でしばらくは… 発作が起きずに済みました…」

と礼を言います。しかし、この病が治ることはないと言い、話があると続けます。

「ヨナ姫と共にゼノさん達を探しに行って下さい」

そして、

「私はもうあまり長くありません」

と言います。

スウォンはハクに緋の病、緋龍王の血筋、ゼノを除く三龍が短命であること、次期高華国王にヨナを指名すると言います。

ハクは怒りがこみ上げます。胸にしまっていた思いをスウォンにぶつけます。

スウォンはヨナ以外に考えられない、ヨナと四龍とハクがいれば、自分がいなくなってもこの国を守れると言います。夜明け前に野営地を出るよう言います。最後にハクにしか届かない、読者にはわからないか細い声で何かを伝えます。さよならと書いてあるように見えます。



ヴァルとメイニャンとカジは南戒のヒッタン将軍に会いたいとハクに言います。

ハクは風の部族のテウ将軍に話してみるといいと言います。

メイニャン達はテウに会いに行き、ヒッタンに会わせてほしいと言います。

テウはハクに話してみるように言われたと聞いて、わかった、ついて来てと案内します。

メイニャンとヴァルとカジはヒッタンとそれぞれの思いを話します。



メイニャンは頭痛が起こっているようで、ヴァルがユンのところへ連れて行きます。

ユンは泣いています。

メイニャンはどうしたと訊ねます。

ユンはヨナとハクとキジャがシンアとジェハとゼノを探すため野営地を出て行ったと言います。これでもう二度と会えなくなったら思うと耐えられそうにないと言います。



ヨナとハクとキジャはシンアとジェハとゼノを探しに戒帝国に行きます。

ヨナはハクの表情が曇っているので訊ねます。

ハクはスウォンと話したことには触れず、シンアとジェハとゼノを早く見つけて戻りましょうと言います。


村を見つけます。

ハクは助けてくれた母子と再会します。母子にシンアとジェハとゼノについて訊ねます。しかし、手がかりになるような情報は得られません。

ヨナは夢の中でゼノに会います。

ゼノは、

「娘さん 来るぞ 来るから… 逃がすなよ」

と言います。

ヨナはハクに起こされ目を覚まします。

ハクはキジャの様子がおかしいと言います。

外に出ると人影を見つけます。ジェハです。

ジェハは人の形をとどめていられず、ドロッとしていて様子がおかしいです。

ヨナはジェハに一緒に帰ろうと言います。

ジェハは、

「いや ここで お別れだ」

と言います。

騒がしいので村人が様子を見にやって来ます。

ジェハは龍になります。

村人はヨナに危害を加えようとします。

龍となったジェハがヨナを守ります。そして、フッと跡形もなく姿を消してしまいます。




チャゴルが持っていた四龍の盃はドロモスが奪ったのかもしれません。南戒帝国の首都西京に運んだのでしょうか。

ヨナの夢が現実となるのはもうすぐなのか、まだまだずっと先になるのか展開を待ちたいです。

続きます。



草凪みずほ 暁のヨナ 42巻
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白泉社公式サイト 暁のヨナ

2023年11月10日金曜日

羽海野チカ 3月のライオン 17巻

島田研の弟分であり、ライバルである二人の白熱の対局――獅子王戦・決勝トーナメント…零VS二階堂戦

奇策と取れるような手を繰り出す零に対し、あくまでも堅実に正攻法を行く二階堂。

熱すぎる勝負の行方は、果たして…!? そして師である島田は――。


一方「三日月堂」3代目のあかりは、ひょんなことから…三月町に”おいしい”を振りまく大奮闘!

ご近所さんも巻き込みながら予想だにしない展開に!? そこにはみんなの笑顔と、こみ上げる想いがあって…。




●180 道~みち~ 3

桐山零と二海堂晴信の対局です。

二階堂は桐山くんの戦法が読めなくて、どう組み立てていくか迷っています。



●181 道~みち~ 4

二階堂は桐山くんの駒の奇妙な配置と一手に奇をてらっているのか、何か目的のためなのか意図を読めません。正攻法で迎え撃つようにします。桐山くんの次の一手で目的がわかり対応します。



●182 道~みち~ 5

田中さん、スミス、島田さんが桐山くんと二階堂の対局を観ています。

二階堂は劣勢になっても、なんとかふんばります。

形勢を、痛さ、重さ、軽さで評価していて感覚的にとらえられてわかりやすいです。



●183 道~みち~ 6

二階堂はバラバラだった桐山くんの駒がかたちを作っていることに気がつきます。押されていると感じながら活路を探します。



●184 道~みち~ 7

二階堂は桐山くんお69手に驚きます。もしかしたらこの一手のためなのだとしたらと考えると、あまりに強すぎると感じます。しかし、諦めず攻め続けます。

二階堂のあきらめない姿勢に桐山くんは幼い頃から対局していた光景が頭に浮かび気持ちが昂ります。あの頃の気持ちのまま対局できていることに喜びを感じます。二階堂がいたから将棋の世界で頑張れたと、負けたくないから相手の繰り出す手に感嘆、あるいは衝撃を受け互いに成長してきたことを思い返します。

二階堂も体温が上がり顔を真っ赤にして頭をフル回転させて頑張ります。

対局を終え二階堂は気を失ってしまいます。

桐山くんは執事の花岡に連絡を取りながら二階堂をタクシーで病院へ連れて行きます。



●185 道~みち~ 8

二階堂の病室に師匠と島田さんが面会に来ます。将棋を指す喜びを嚙みしめ続けるため長生きしたいと漏らします。



●186 あかりちゃんの大冒険 1

あかりの祖父そめじの三日月堂には布団屋の柳川さんの家を建て直している職人が毎日おやつの買い出しにやって来ます。

大工に和菓子が腹持ちがよく好評なのだと聞き、あかりは毎日選ぶのも、買い出しに来るのも大変だろうから適当に見つくろって届けましょうかと提案します。

翌日あかりは台車に和菓子と熱いお茶をのせて、布団屋の柳川さんの現場に届けます。

和菓子の他においなりさんを用意してみると好評で、職人はおやつの予算の増額を決めます。

翌日あかりは豪華になった和菓子を届けます。タレを四種類用意し好きなタレで食べられるようにします。

止まれない美味しさで、全てのタレを味わいたい衝動に駆られ、ご近所や通行人もあかりの1時間限定の出張和菓子に群がります。



●187 あかりちゃんの大冒険 2

あかりの3時から1時間限定の出張和菓子は内容がさらに豪華になります。

大福、団子につづき玉こんにゃくを用意してきます。

三日月堂の和菓子を楽しみに人だかりができます。

するとお隣の喫茶店が店先にコーヒーを、肉屋が揚げたてのコロッケを、文具屋がスーパーボールすくいを始めます。

さらに人は集まりにぎやかになります。

職人はあかりの芯をついてくる食べ物に感動しています。

4時になるとさっとみんなが撤収します。

あかりの台車を職人があり合わせの材料でささっと手を入れて使い勝手の良い台車に仕上げてくれます。

あかりは台車のお礼に明日のお昼ご飯を作ると言います。



●188 あかりちゃんの大冒険 3

ついにあかりの出張三日月堂はお昼ご飯を作り始めます。

カレーライスです。

お昼前、周囲にはいい匂いが漂います。

道行く人は匂いに誘われます。

あかりのカレーライスを職人は大喜びします。

肉屋の主人が、メンチコロッケ、一口カツ、とりの唐揚げを売りにやって来ます。

職人は誘いに乗ってしまいます。

肉屋に提案したのはあかりのようです。さらっと商売上手です。

あかりの叔母の美咲が通りかかります。

美咲はあかりがカレーを作って提供していることに驚いています。

通りすがりの人もあかりのカレーを求め提供します。

美咲は三日月堂にいる父親そめじに3時のおやつだけでなくご飯まで提供していると話します。

そめじはあかりが笑顔ならそれでいいと言います。

あかりは笑顔の絶えない明るくにぎやかな場所を食べ物で実現したいと願います。



●189 遠い音楽 1

島田さんの将棋に全てを捧げる姿が描かれます。



●190 遠い音楽 2

島田さんは棋士である人生とそうではない人生をずっと行き来しているような錯覚に襲われながら暗闇を歩いています。



●191 遠い音楽 3

島田さんの過去が描かれます。

現在の状況にを思い悩む姿が描かれます。



●192 遠い音楽 4

島田さんの家に重田、桐山くん、二階堂がいてスミスがやって来ます。

みんなでスミスの対局相手土橋の研究を始めます。



●193 遠い音楽 5

島田さんは将棋のタイトルを獲得するためあらゆるものを捨ててあきらめてきました。

桐山くんは島田さんが捨ててきたものを抱えながら進もうとしています。

最近の桐山くんをみて、以前の感情のない将棋を指すことに徹していた頃を知っているので、人間らしくなったと、笑顔が見らえるようになってよかったと思います。

その一方で、島田さんは桐山くんが喜びを感じられる人であるならば勝てると考えます。将棋に対する覚悟を見せつけられました。桐山くんと島田さんの対局で描かれる心理描写が楽しみです。



●194 あかりの銀座物語 2 ~圧力の彼方に…

美咲が経営する銀座のバーであかりは電気圧力なべを使った料理を始めます。

あかりの作る料理に常連は夢中です。

バーなのに食べ物の匂いが充満してしまい。美咲はあかりに料理をやめさせます。

続きます。



羽海野チカ 3月のライオン 17巻
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2023年11月8日水曜日

タアモ たいようのいえ 13巻

さみしくて行き場がなかった真魚と家の中に人の気配を感じたい基の生活。互いにほしいと望むものを与え合って、かけがえのない存在だということに気がつきます。

落ち込んだり、苦しくなったりしても言葉をかけ合って乗り越えていき、互いのためを思い行動して物事が良い方向に動いていきます。

その思いに温度が感じられるところが面白い作品です。




大樹が帰宅します。

家に明かりがついていないので、真魚と基はどこかに出かけたのかと思い家に入ります。

居間のソファーで基が寝ています。人の気配がしたからか基は目を覚まします。真魚が帰ってしまっていたのでメッセージを送ります。



実家の部屋で真魚は基からのメッセージを受け取ります。

今度の日曜日にデートに行こうという内容です。



日曜日、真魚と基はアイススケートに行き、ファミレスでご飯を食べ、観覧車に乗ります。

基はきちんと好きだと言います。

真魚もずっと押し殺してきた想いを伝えます。



季節は過ぎ、三学期が終わり春休みに入ります。

陽菜が帰ってきます。

家族そろって真魚も一緒にお墓参りに行きます。



大樹と陽菜と別れ、真魚と基は神社に行きます。

始まりの場所。いろんなことがありました。

基は真魚にプロポーズします。

真魚、基、大樹、陽菜、四人で新しい中村家を祝って乾杯します。

本編終わり。




●番外編1

杉本さんの新しい恋が描かれます。

ネットの友達るいるいさんが女性だと勝手に思っていて、会ってみると違っていて驚きます。

るいるいさんは会って話していると何年もネットで話してきた本人で間違いなく思い、男性なのに自然体でいられて心地よさそうです。

遠くからネットで見守っていてくれた人がいてよかったなと思います。




●番外編2

陽菜の新しく始まった新しい生活が描かれます。

神戸と仙台から親戚がやって来てみんなでお墓参りに行きます。

これからの日々を明るく幸せに送っていこうと決めます。

終わりです。



タアモ たいようのいえ 13巻
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2023年11月6日月曜日

タアモ たいようのいえ 12巻

基は待ち合わせ場所で待っています。

待ち合わせの時間を過ぎても真魚は現れません。



真魚は本当の母親と話します。

「ねぇ 真魚 お母さんと一緒に暮らさない?」

真魚は迷います。



学校で真魚は千尋から昨日はどうだった? と訊かれます。基とのデートはどんな感じだったんか聞きたくて仕方ないようです。

真魚は基とは行けなくなったから会わなかったと言います。

千尋は残念がって、どうして、なにがあったの? と訊きます。

真魚は何でもないと言います。

大樹も真魚を心配します。



真魚は学校帰りに本当の母親に会います。

「一緒に住むこと もう少し考えさせてください お母さん」

実家に戻ると一目散に部屋に逃げ込みます。

今の家族を大切にしたい。ひとりのさみしさを知っているので本当の母親を突き放せない。真魚は悩みます。



基は真魚から連絡がなくてイライラしています。飲みに行っても気が晴れません。



真魚は自分の部屋から出てきません。

新しいお母さんは真魚の異変に気がついています。しかし、今は何も言わず見守っています。

真魚は久々に小説を更新します。



基は会社でいつの間にか小説が更新していることに気づきます。もう更新はしないと言っていたのに、更新してくれたので杉本さんにお礼を言います。

杉本さんもPCで小説が更新されていることを確認します。書かれている内容の行間を探ります。



真魚は千尋に悩みを打ち明けます。

千尋はどんな選択をしてもずっと友達だからと言います。

本当の母親からメッセージが届きます。

真魚は実家に帰り部屋にこもります。

新しいお母さんが晩御飯だと呼びに来ます。

真魚は後で食べると言うと、新しいお母さんはいいかげんにしなさいと言います。

真魚は居間に行くと父親は怒らず、家族みんなで食べるように言います。

真魚は家族を感じます。

食事を終え、真魚と新しいお母さんは焼き芋を買いに出かけます。

公園で話します。

なにかあったのと訊かれ、真魚は小説の展開で悩んでいると、実際の悩みを話します。

新しいお母さんは自分の実体験を話し、どんな決断でもいいと言います。



基は真魚と連絡が取れないから、バイト先の戦国居酒屋に行きます。大樹に見つかります。

大樹は真魚はいないと言われます。

客が少ないので戦国居酒屋で基と大樹一緒にご飯を食べます。



杉本さんは自宅でもう一度最初から空海さんの小説を読んでみることにします。空海さんが小説を更新した理由が分かるかもしれないと考えたからです。読んでみて、この小説を書いた空海の思いを理解します。

早く空海さんを真魚に返さなくてはいけないと思います。



基の会社は問題が起こり、全員で修正に取り組んでいます。



真魚には杉本さんと本当の母親からメッセージが届き、内容を真魚は千尋と見て思案します。



真魚は杉本さんに会います。

杉本さんは基に小説の作者空海さんが自分ではないことをきちんと話すと言い、どうして空海さんは杉本さんではないと基に言わないでいてくれたのかと訊きます。

真魚は杉本さんと友だちになりたかったからだと言います。

杉本さんは驚きつつ、また家に遊びに来てくださいと言います。



その後、真魚は本当の母親に会います。

「お母さん 私 お母さんとは一緒に行けない」

「私には 今の家族が この場所が 大切だから」

と気持ちを伝えます。

本当の母親は、真魚を抱きしめ、

「またね」

と言い、別れます。



真魚は帰宅します。トボトボと足取りは重そうです。

家の前に父親が立っています。真魚を待っていたようです。

家に入り、真魚は温かい空間に、家族に包まれて幸せそうです。部屋に行き、基にメッセージを送ります。



会社で基は少し休憩を取ろうとコンビニ行きます。

杉本さんと少し話しをします。

杉本さんは小説のハンドルネーム空海さんを基が「そらみ」と読んでいたのを、「くうかい」と読むと正します。

そして、自分は空海さんではありませんと告白します。もう一度あの小説を最初から読んでほしいとお願いします。

基は突然言われて戸惑います。

そんな時に真魚から、

「基に会いたい」

とメッセージが届きます。



真魚は基からの返事を待ちます。一向に届きません。



基は翌朝6時になってよくやく仕事が片付きます。

真魚にまだ返信していません。

朝も早いし、真魚は寝ているだろうと思い、杉本さんに言われた小説を読むことにします。

登場人物、作者の名前、内容と基の中でいろいろとつながります。



学校で真魚は千尋に本当の母親とのことを報告します。

基にメッセージを送ったのに、返事がないと落胆しています。

大樹が真魚と基が会えるようにしてあげます。

大樹は真魚に犬のコロッケの散歩を頼みます。



真魚は基の家に行くと、明日からでも陽菜が生活できるように準備がしてあります。ようやく、中村家がそろい基の願いが叶うと喜びます。



大樹のバイト先の戦国居酒屋に基と会社の人達がやって来ます。

大樹は基を見つけると、せっかくおぜん立てしたのに、なぜここに居るのと言います。

大樹は基の上司に話します。

杉本さんが基に話しかけます。

基は小説を改めて読んでよかったと感謝します。

杉本さんも気がついてよかったと言います。

大樹が戻って来て基に、上司から許可をもらったから帰るように言います。



基は帰宅します。

家に明かりがついていて不信に思います。

警戒して家に入ると真魚が居間のソファーで寝ています。

大樹がなぜ帰るように言ったのか理解します。

真魚は目を覚まします。ようやく二人は話せます。

真魚は本当の母親に会ってたこと、一緒に暮らさないかと言われたこと、ついて行かないことにしたこと、と基に会えなかった間に起こった事を説明します。

基は杉本さんに言われて空海さんの小説を読み直したと言います。大事なことに気がついたと言います。俺が欲しいものは、と言って限界が来て寝てしまいます。

真魚は何を言うのだろうと待っていたのに寝てしまったから後日聞こうと諦めます。

続きます。



タアモ たいようのいえ 12巻
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2023年11月4日土曜日

タアモ たいようのいえ 11巻

長い時間固まっていた心が、旅行を通じて柔らかくなって、真魚の願いが叶います。

最後に新たな問題が起こります。真魚はどう対応するつもりなのかというところで次巻に続きます。




真魚の家族と基と大樹で仙台へ旅行です。

陽菜は仙台駅で合流です。


基は陽菜にやたらと話しかけます。

陽菜は無言です。基は無視されています。

それを見ていた真魚は陽菜に話しかけます。

陽菜は真魚の家族と話し、基から離れていきます。


観光しながら、真魚は父親と距離を縮めようと話しかけます。でも、父親は一言返事するだけで会話にならず一方通行です。

真魚は父親と基は陽菜とうまく話せず落ち込んでいます。

大樹は真魚と基に焦りすぎだと言います。



宿泊先のホテルに着き、浴場に行きます。

真魚は陽菜の思いを知ります。父親との間がうまくいかないのは自分に何かがあるからなのだろうと考えます。

お土産コーナーで新しいお母さんは父親に浴場で陽菜のことを話します。

父親は陽菜に話しかけます。

父親の言葉で陽菜の冷えきった心が解け、本当の気持ちを打ち明けます。

泣いている陽菜を見て慌てて基が駆け寄ります。

「帰りたい お兄ちゃんたちのところへ」

基は、

「勿論だ 帰ろう陽菜」

と言います。

真魚の願いが一つ叶います。



新しいお母さんは基に陽菜の世話になっている家族に挨拶に行ってみれば? と言います。



真魚は家族と観光します。

縁日を見つけます。

真魚と父親二人きりになります。

ぎこちないながら会話ができます。互いに胸の内を打ち明けます。

結衣と新しいお母さんが合流し、父親は、

「帰ってこい 真魚」

と言います。



円台駅で基と大樹と陽菜に会い、真魚は基に

「ひ 基 わ… わた… わたし・・・! 帰れることになった」

と言います。

基はよかったなと言います。



真魚は基の家に置いてある荷物を整理します。

基のこと、大樹のこと、小説のこと、たくさんのことがあったと振り返ります。

基が帰宅すると真魚はこれまでのお礼をします。

真魚は実家に帰ります。



真魚の実家暮らしが始まります。ぎこちなく不自然でも家族団欒をかたちにしようとします。



学校で真魚は千尋に報告します。家に帰ると、新しいお母さんの言葉がが本当のお母さんみたいだと泣いてしまいます。

バイトに行き、基に会います。

基は家まで送ると歩きながら、明日どこか出かけようかと言います。話があると切り出そうとして真魚に遮られます。

真魚は明日にしようと言います。



真魚は帰宅すると、帰りが遅いと父親に叱られます。心配してくれたのだとうれしくなります。



翌日、真魚は出掛けようとすると、家の前に本当のお母さんに声をかけられます。

続きます。




タアモ たいようのいえ 11巻
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2023年11月2日木曜日

タアモ たいようのいえ 10巻

真魚と基と大樹の周りの人を思いやる気持ちがよかったです。


俺のことを考えてもらうために言ったんだ、と大樹は言い、真魚は何て言っていいか困ります。


基は真魚と大樹の帰りが遅くてイライラしています。

真魚と大樹が帰って来ます。

真魚は寝ると言い、明日から実家に帰ると言います。

基は真魚の様子がおかしいので何かあったと感じます。

大樹も風呂には入って寝ると言います。



翌日学校で真魚は千尋に大樹とのことを話します。

千尋は明らかにおかしい態度です。しらを切り通さずすぐに白状します。

真魚は千尋から見て自分は大樹にひどいことをしていたか、ひどい奴だったか訊ねます。

千尋はひどい奴だったと応えます。

真魚は大樹を傷付けてきたのだとはっきりわかります。


真魚は大樹に基のことが好きだからと断ります。

大樹は基とどっちが優良なのか考えてみてと言い、帰ろうと言います。

真魚は今日は実家に帰ると言います。

大樹は逃げるんだと言います。



真魚は実家に帰っても落ち込んだままです。

父親はそんな真魚を見てイライラします。



翌日、真魚は新しいお母さんと話し、基の家に行きます。

途中神社に寄ります。そこで陽菜を見つけます。

陽菜は基と大樹には秘密、高校を見に来て今から仙台に帰るところ、真魚に会えてよかったと言います。

真魚は絶好の機会だと感じ、一人じゃ戻りづらいことがあってという理由を話し、一緒に基の家に帰ろうと言います。

陽菜は少し考え、うん、と返事します。

真魚は陽菜の手を引いて家に急ぎます。

つないだ手は陽菜によってほどかれます。

「真魚ちゃんは嘘が下手だね 私がいなくてもちゃんと帰れたのに またね ありがとう」

陽菜は仙台に帰っていきます。



真魚は一人で基のところに戻ります。基に旅行の行き先は仙台がいいと言います。

基はみんなで陽菜に会えるかもしれないと考えます。

大樹は黙って聞いています。

真魚は部屋に行き、家族のこと、基と大樹と陽菜のことをきちんと考えようと決めます。



大樹は真魚に好きだと言ったと基に言います。

基は真魚の様子がおかしい理由がわかり、大樹に真魚に手を出すなと言います。

大樹は基の気持ちが知りたいと言います。

基は真魚が好きだと、大樹のことも大事でこの家を守りたかったから言えなかったと言います。

大樹は基の気持ちを知り、聞きたかったのに聞きたくなかったとどうしようもない気持ちになります。



クリスマスが近づいてきます。

真魚は放課後千尋とブラブラしています。

千尋は織田くんと過ごすクリスマスを想像して浮かれています。

真魚にとってはクリスマスは特別なものではなく、世の中が浮かれているのに一人で過ごしていたさみしい思い出しかなく楽しみではありません。そのことは千尋に黙っています。



大樹にとってもクリスマスはいい思い出はないようです。

兄妹と離ればなれになることが決まった記憶がよみがえります。

あの時の基の気持ち、真魚が変えた基の気持ち、ずっと自分を思ってくれていた基の気持ちを考えます。家を出ようと思っていたようで、いろいろ考えてみてやめることにします。

バイトに行くとバイト仲間に合コンに誘われます。

合コンの場でも基や真魚のことを考えます。そして、区切りをつける決意をします。

帰宅途中公園で真魚を見つけます。

真魚の頭にうっすら雪が積もっています。

大樹は真魚を抱きしめます。区切りをつけようと決心したはずなのに気持ちがうまく整理できずにいます。

真魚は懸命に自分の気持ちを話します。

大樹は感情を抑え、

「あっぞう わかった」

となんでもないように淡々と返事します。家に帰ろうと手をつないで帰ります。帰り道の道のりできちんと気持ちに線を引きます。



帰宅して大樹は基に早いけどと言って、クリスマスプレゼントを渡します。

そばで聞いていた真魚は、

(ありがと… 大樹)

と心の中でつぶやきます。



大樹はバイトを行くと、バイト仲間から指名が入った言われます。個室に行くとそこには酔っ払った杉本さんがいました。

大樹がご注文は? と言うと、杉本さんは何か相談事があるようです。少しだけ話しをします。



朝食を食べながら、大樹はクリスマスの予定について話します。

基は来年は陽菜がいるだろうから、三人で過ごす最初で最後のクリスマスになるだろう言います。

大樹はその日はバイトだから基と真魚の二人でどうぞと言います。

真魚もクリスマスは実家に帰ろうと思ってると言います。

基はなんだ一人かとがっかりします。



真魚は千尋とプレゼントを買いに行きます。

結衣に色鉛筆を贈ります。

真魚は旅行の行き先を京都から仙台に変更したいと言います。

父親は勝手にしろ、出てくると言います。



陽菜のところに基からプレゼントが届きます。

陽菜は基の気持ちを踏みにじってばかりいると言います。

陽菜が世話になっている家の親戚のおばさんは、そう思うのならちゃんとお礼くらいしないとねと言います。



陽菜は基に電話をかけます。プレゼントのお礼をして、旅行に行くと言います。

基は陽菜の電話で感動しています。

基は洋菓子店に行くと真魚の父親と会います。真魚のこと、旅行のことを少し話します。

基は帰宅し一人でケーキを食べます。

「ただいまーー!!」

真魚が大きな声を上げて帰って来ます。

真魚は新しいお母さんに行ってあげろと言われ、父親が車で送ってもらったと言います。

大樹も帰って来ます。真魚がいるのでびっくりしています。

真魚は基が一人だと思って戻って来たと言います。

大樹は友達とカラオケに行く約束をしているからすぐに出ると言います。

基は大樹に陽菜が旅行に行くと言ったと言います。

大樹は、

「そう よかったね」

と言い家を出ます。

真魚は喜びます。

真魚は基に父親について話します。

基はプレゼントを贈ります。

真魚と基は大樹を迎えに行きます。



大掃除をして、お節を作ります。

年越しそばを食べて初詣に行きます。

除夜の鐘を聞いて、新年のあいさつをします。

真魚は新しい年になり目標を立てます。

まずは旅行を成功させることです。

続きます。



タアモ たいようのいえ 10巻
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2023年10月30日月曜日

タアモ たいようのいえ 9巻

基が自室に行き、真魚は脱力します。そして、声を出さず悶えます。じたばたしていると大樹になにやってるのと声をかけられます。

陽菜からメッセージが入ります。

真魚は少し落ち着きます。大樹に今週末にまた実家に帰ろうと思うと言います。まず基と対等になり、陽菜が戻ってきてすべてはそれからだと思い直します。


基は自室に戻り自制できなかったことを悔やみます。


翌朝、基が洗面しているところに真魚が起きてきて鉢合わせします。

真魚は基を見て赤面します。

基は平静を装っています。

昨日はなんでと訊こうとすると大樹が物騒な雰囲気で二人の前に現れます。

真魚と基は話せなくなります。



学校で真魚は千尋に昨日の出来事を話します。

千尋は驚いて、羨ましがります。真魚に感想を聞いたりと反応が面白いです。そして、基の会社の人はどうなったのか訊きます。

真魚は杉本さんがどうしているか想像します。



杉本さんは泣いて泣いて泣きまくったようです。泣きすぎて目が腫れ上がっています。それでも休まず出社します。

基を改めて見て、諦める、忘れる、なんてどうすればできるのかわかりません。

会社を出て、戦国居酒屋に行きます。

店の前で大樹に声をかけられます。

店に入り、飲めないのにお酒を飲んで酔っ払い、大樹にかまってもらいたくて腕にしがみつきます。

大樹はたかが失恋でと元気を出すよう励まします。



真魚は杉本さんと友だちに戻れたらなって思います。

基が帰宅します。

真魚は週末実家に帰ろうと思うと言います。今回は居てもいいと言われたら少し長めに居ようと思う、家族旅行にも行ってみたいと言います。

基は陽菜を呼んでうちの家族と行こうかと言います。

真魚は父親がいいっていうかわからないと言います。

基はいつか行こうと言います。

昨日から訊きたかったことを訊きます。

基は理由は一つしかないだろと言い、今は保留、俺がちゃんと言うから待ってろと言います。

真魚はわかったと言います。



大樹はバイトを終え居酒屋を出ると、杉本さんが待っていました。

杉本さんは酔って迷惑をかけたのではと謝ります。

大樹は基と何かがあったに違いない、何があったか知りたいと、店に入って話します。杉本さんの話からすると基はばっさりと断ったことがわかります。ありふれた言葉で励まし店を出ます。


大樹は帰宅し、基と話します。

基は真魚と話した家族旅行について話します。

大樹は杉本さんが居酒屋に来たことを話し、基の考えを探ります。

はっきりしたことはわからず、基に真魚を好きだと言わないでと心の中で願います。



真魚は実家に帰ります。妹結衣と遊び、父親に旅行を切り出すタイミングを狙います。新しいお母さんに基の家族と旅行に行かないかと言ってみます。

結衣が行きたいと言い、新しいお母さんも賛成し、父親に訊ねます。

父親も渋々了承します。

父親は真魚には関係ないことで苦悩して、真魚を今の状況に追い込んでいるようです。

真魚は自室で陽菜にメールを送ります。


真魚からのメールを受け取った陽菜は旅行に基や大樹のことは好きなのに旅行へ行く気はないようです。



真魚は学校で大樹に元気に挨拶します。

大樹は真魚が実家でうまくいっているのを望まないようです。真魚にとって自分はどういう立場にいるのか気にします。

「真魚って 俺のことどう思ってるわけ?」

と訊いてみます。

真魚は恥ずかしそうに言います。

「家族」

大樹にとって驚く応えでした。まさかそんな位置に自分がいたとは思わなかったようです。しかし、大樹が立ちたい位置はそこではないので複雑な気持ちのようです。

千尋が大樹に話しかけます。千尋は真魚を困らせてやれと言います。

大樹は困らせてみようと思います。

大樹と真魚が教室にいる真魚のところにやって来ます。

真魚は二人が一緒なのは珍しいと言います。

三人で話していると、千尋は織田くんがこっちを見ていることに気づきます。

大樹は千尋に話の続きをしたいと二人で移動して話します。

大樹は千尋に真魚に何か訊かれたら何も知らないと言って欲しいと言います。千尋はなぜ? と訊ねます。

大樹は千尋には自分のことを考えて、真魚には一人で自分のことを考えて欲しいからだと言います。

織田くんが二人を追ってきて千尋に声をかけます。放課後に姉の誕生日プレゼントを選ぶのを手伝って欲しいと言います。

千尋は私でいいのと訊きます。

織田くんは千尋だから頼んだんだと言います。

大樹が真魚と一緒について行くと言い四人で行きます。



雑貨屋で誕生日プレゼントを選んでいると、大樹は織田くんを挑発します。

織田くんは大樹の言葉を受け、千尋に気持ちを打ち明けます。

離れたところで真魚と大樹は様子を眺めていて、邪魔になるから帰ろうと言います。

千尋は帰ろうとする大樹に感謝します。



帰宅し、真魚は千尋の想いが叶った瞬間を目撃して一人で興奮しています。

話していると大樹は基が帰りが遅いことがわかり、千尋に背中を押されたこともあって、

「だったら真魚 俺のことも考えてくれる?」

と言います。真魚がいつもようにさらっとかわすのかと思っていたのに、今日は困った顔をします。

大樹は想っていることを言おうとしたのに基のことを思うと踏ん切りがつきません。

「ごめん また今度にするよ」

と言います。

真魚は風呂に行きます。大樹が自分のことを好きだったらなんて考えもしなかったようで戸惑います。



翌日真魚は大樹に態度がぎこちないです。大樹は通常です。

学校に行くと、真魚は千尋から織田くんと付き合うことになったと報告されます。千尋が幸せそうだと感じます。大樹のことを相談するのは別の時にしようと決めます。

千尋の言った約束のある関係。真魚は基とそういう関係になりたいと望みます。



基が帰宅し、真魚は千尋のことを話します。約束のある関係っていいなと基に言葉を求めます。

基は約束してあるだろと言います。

真魚は何のことだかわかりません。

基はちゃんと待ってろって約束してあると言います。

大樹が部屋から出てきます。

真魚は大樹を気まずく感じているので部屋に行きます。

大樹は基に真魚のことが好きなのかと訊きます。そして、自分は真魚が好きだと言います。なにもかもわかった上でそう言います。



大樹は真魚に気持ちを伝えます。

真魚はこれまでずっと大樹を傷つけていたことを知ります。涙があふれ、

「ごめん 大樹」

とだけ言います。

大樹は俺のことを考えてもらうために言ったから泣かないでと言います。



基は大樹が言ったことで焦りを感じています。




傷つく気持ちをわかりすぎている真魚は、知らず大樹を傷つけてしまっていたことを知りどうしていくのでしょう。

続きます。



タアモ たいようのいえ 9巻
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2023年10月28日土曜日

タアモ たいようのいえ 8巻

真魚、基、大樹、千尋、織田くん、杉本さん、みんな心が揺れています。

それぞれ望むことがうまくいきません。




杉本さんは覚悟を決めます。想いを伝えようとした時、酔いつぶれていた同僚藤田が目を覚まします。杉本さんは基に何も言えず、自分の部屋に戻ります。


基は大樹に電話します。

大樹は電話が鳴り邪魔が入ってムカッとします。着信が基だとわかりさらに怒りが増します。基からどうしているとの電話だったので、何も変わることなんてないとさっさと切ってしまいます。

それを見ていた真魚はすぐに携帯を取り出し基から連絡が来るのを期待します。

でも、かかってきませんでした。部屋に戻り、もしかしたら電話が来るかもと思い着信を待ちます。着信ではなくメッセージが入ります。なんでもないメッセージです。それでも嬉しさがこみ上げてきます。



基は会社の人達と仙台駅で別れ、陽菜に会いに行きます。杉本さんのことを気にしつつ、陽菜のことに集中しようと言い聞かせ向かいます。

陽菜は無表情で基兄の所へは帰らない、一人で暮らす、迷惑はかけないと言います。

基は何も言えず、帰ります。陽菜は世話になっている家の人達に馴染んでいないので実家に帰らないという理由がわかりません。理由がないなら自分が嫌われているのかと考えます。また、真魚を住まわせたのは真魚と陽菜を重ねていて、疑似的に陽菜を救い、自分が救われてたくてしたことなのかと考え嫌気がさします。


仙台駅では杉本さんは基が来るのを待っています。もう帰ろう、あともう少し待ってみようと繰り返しているうちに基を見つけます。

基は杉本さんが待っていたことで、いくら鈍いといってもさすがに気づきます。しかし、この状況でもまだ確信が持てません。



基は杉本さんと別れて帰宅します。家の前でコロッケの散歩に行こうとする真魚に会います。

真魚は基の様子にささいな変化を感じます。

基は陽菜を話して別れた後考えたことを真魚に話します。

真魚は陽菜がむこうの家でうまくいっていないことがわかり、基のために陽菜に何かできないか探ります。


家に入り基は大樹はどうだったのかと訊きます。

真魚はあからさまに動揺します。

基は何かあったとわかり、大樹がバイトから帰ってきたら問い詰めるつもりです。

基の携帯に杉本さんからメッセージが入ります。帰りの電車で感じたことは当たっていました。


大樹はバイト中、ひとり真魚のことを考え悶々とします。陽菜からメッセージが入ります。

陽菜が帰らないことで基がひどく落ち込んでいるだろうと想像します。


大樹が帰宅します。想像した通り基は落ち込んでいます。言葉を掛けると励ましているようで自分に腹が立ちます。

基は旅行中に真魚と何があったか訊きます。

真魚が風呂から出てきたので話せなくなります。

真魚は帰ってきた大樹に陽菜のメアドを教えてほしいと言います。メアドを教えてもらうと、寝ると言って自室に行きます。

基は話の続きをします。

真魚は陽菜の気持ちなって考えてメッセージを送ります。



学校でお昼ご飯を食べながら修学旅行の計画を話します。

真魚と大樹と織田くん、そしてクラスが違う千尋の四人で話します。

大樹は真魚に要望を訊きます。

真魚は太秦映画村に行けたらあとはどうでもいいと言います。このあとの会話の千尋の聞き間違えが面白いです。

大樹は千尋の様子を見て、千尋のグループも一緒に行動しようと誘います。

千尋はうれしそうに訊いてみると言います。



基は会社で杉本さんと話す機会を探ります。

杉本さんはメールで気持ちを送ったのに、実際に基を前にすると逃げ出してしまいます。

改めてもう一度杉本さんを呼び止めます。

杉本さんはメールで大丈夫です、と言い、話すことを拒みます。



基は帰宅すると真魚と大樹は修学旅行の準備をしています。

真魚は基が疲れていることに気がつきます。会社で何かあったのかと訊ねます。

基は表情に出ているとは思わなかったようです。

大樹はあの女の人? と訊き、あえて真魚のいるところで真魚が気にしていると杉本さんのことについて訊きます。

真魚は慌てたもののもう言ってしまったので、基が幸せになるのが一番ってちゃんとわかってるからと言います。

大樹は基に人のことばかり考えず自分のために動いてはどうと言います。

基は自分のために動いてるよと言います。

真魚は黙って基を見つめます。



真魚は基のことを考えてあまり眠れず、修学旅行に出発します。ずっと心ここにあらずといった様子です。

事情を聞いた千尋は真魚にそこまで気にすることはないと言葉をかけます。

嵐山、竹林、神社と巡り、太秦映画村にやって来ます。

真魚は待ちに待った水戸黄門漫遊の館に興奮します。

大樹は真魚がここから動きそうにないので、自分が真魚についてるからと他の人に先に行っていいよと言います。

千尋と織田くんはからくり忍者屋敷に行きます。

織田くんの心境に変化が起こります。


真魚は基と陽菜と実家にお土産を買います。

メッセージが届いていて見てみると陽菜からのものでした。

真魚が読む横で大樹がメッセージを覗いています。

真魚は勝手に盗み見するなと怒りなつつ、何が陽菜ちゃんの帰って来るきっかけになるかわからないから、私にできることはしようと思ってると言います。基のために? と訊く大樹に何も言いません。話題を変えたくて、神戸の子にこっちに来ていると連絡してなくていいのかと訊きます。

大樹は神戸の子とは誰を指しているのかわかりません。

真魚は太秦映画村に来たらもうひとつしなくてはならないことを思い出します。黄門モナカを食べることです。

寒いのにアイスを食べて震える真魚に、大樹は自分のマフラーを巻いてあげます。



ひとり家にいる基に真魚からメッセージと画像が送られてきます。

真魚と大樹が二人で写った写真ばかりで、基は穏やかではいられません。大樹が真魚をどう思っているのか心配になります。真魚や大樹のことを考えていると杉本さんとのことでどうすべきか自分の気持ちがわかります。



夜、真魚の部屋は真魚以外の子達で好きな男の子の話で盛り上がります。

真魚はその輪に入って行けず、頭から布団をかぶっています。

やがて真魚の話になり、大樹の話になります。真魚は話しを振られるのが嫌でトイレだと言い部屋を出て行きます。

真魚は大樹を見つけます。

大樹は基と電話をしていたと言います。真魚に基が会社の人とつき合ったらどうすると訊きます。

真魚はちゃんと応援すると言います。

大樹は本心ではないくせにと言います。

真魚は黙ります。

大樹は、

「真魚 俺と本当に付き合うって選択は?」

と言います。


基は会社で杉本さんに、

「今日の晩 時間ください」

と言います。


真魚は何も発しません。

大樹は冗談だよ、戻るよと言います。

真魚は大樹に、

「大樹はやさしいな いつも いつも いつも そんな冗談まで言って慰めてくれる」

と言い、大樹の言葉を大樹の想いとは異なるかたちで受け取ります。


真魚は部屋に戻り、自分は大樹にあんなふうに言わせるくらい思いつめているように見えるのかと感じ、明日からは元気に振る舞おうと決め眠りにつきます。

大樹は部屋に戻り、自分の言ったことを悔やんでいます。



翌日は、神戸異人館を散策します。

真魚は昨夜決めたように元気に振る舞います。

大樹はちょっと人に会う約束をしているので行ってくると言います。

真魚はピンときて、千尋に神戸にいる好きな子に会いに行くだと言います。

千尋は驚いて真魚に、

「なななななな なに言ってるの真魚!! 正気なの!?」

と怒って言います。

千尋は大樹に一緒について行っていいか訊きます。

真魚と千尋と織田くんがついて行きます。大樹といとこの音葉(おとは)が会っているのを観察します。

千尋がアシストしてみます。真魚は気づかず、大樹は何でもないと言います。



基は杉本さんと話します。告白の返事をします。杉本さんと話している時でも真魚のことを考えてしまい、自分にとって真魚の存在が大きいことを感じます。



真魚と大樹が帰って来ます。

真魚と大樹は気に入ってもらえると信じているお土産を基に渡します。

陽菜へのお土産も預けます。

大樹は杉本さんとどうなったか訊きます。

基はやめろと言います。

大樹はさっさと自室に戻ります。


真魚は基に大樹の様子が変だと言います。神戸のいとこ音葉に会って感じたことを伝えます。

基は落ち着いたら挨拶に行かないとなと言います。

3、4日ぶりなだけなのに真魚は基が近くにいてうれしそうです。

基は真魚よりずっと会いたくて仕方なかったようです。

基は抑えきれず、真魚にキスします。

真魚は何が起こっているのかはわかっているのに、感情がうまく追いついていかないような表情です。

続きます。



タアモ たいようのいえ 8巻
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2023年10月26日木曜日

タアモ たいようのいえ 7巻

真魚が杉本(ラジカル)さんを、基が大樹を警戒します。だからといって何か直接行動を起こすわけではなく、一人でモヤモヤ、イライラします。真魚も基もよく似ています。

杉本さんと大樹は、基と真魚に想いは何も伝わっていません。二人はあまりにも気づいてもらえなくてかわいそうな気持ちになって来ます。




杉本さんが基に想いを寄せるようになったきっかけが描かれます。


会社の慰安旅行の行き先が仙台に決定し、幹事に杉本さんと基が指名されます。


基と杉本さんは慰安旅行の打ち合わせに真魚と大樹のバイト先戦国居酒屋に行きます。

大樹はバイトを再開します。

真魚はバイト仲間に大樹とラブラブだねと言われます。

真魚は大樹にバイト仲間から誤解されているからどうにかしないとと言います。

大樹はそのまま誤解させておこうと言います。

真魚は驚きます。

大樹は店に基と杉本さんが来ているのに気がつき、真魚に知らせないでおこうとしたのに、真魚は二人を目撃してしまいます。

真魚は見たくなかった組み合わせで言葉が出ません。

基は真魚と杉本さんの間に何かあったことには気づいています。

店を出て基は会社に戻り、杉本さんは帰宅します。



新しいお母さんから今週末妹結衣の誕生日会をするので帰って来てほしいとメッセージが入ります。

真魚は基に話します。

基は行くように言ってから、真魚の誕生日には実家に戻れているといいなと言います。そんなことを言いつつ、真魚が実家に戻ることを望んでいない自分に嫌気がさしています。



真魚はバイト帰りに客に声をかけられます。大樹が守ってくれます。



学校で真魚は妹の誕生日プレゼントについて大樹と千尋と織田くんとで話します。

クラスの女の子に真魚と織田くんが呼び出されます。

千尋は二人になった機会に大樹と話します。

大樹の好きな人、千尋の好きな人と打ち明け互いに頑張ろうと話します。



妹結衣の誕生日を祝うため実家に行きます。

真魚の渾身のプレゼントは不発に終わってしまいます。仲良くなりたいから結衣とじっくり話してみます。

父親と新しいお母さんが真魚について話します。

翌日、真魚は家を出る時、結衣からプレゼントをもらいます。

父親には、

「結衣がまたおまえと遊びたいってさ」

と言われます。また来ると言って家を出ます。さみしさを感じず、会話があったことでうれしくなります。うれしくて基にメッセージを送ろうと思ったら、基からメッセージが届いていました。

一人一点の特売の商品を手に入れたいから連絡せよというメッセージです。真魚が思う普通の家族が交わすメッセージのようで、うれしいような自分の立ち位置を再確認するやら複雑な気持ちになります。



スーパーに行き、基と大樹と合流します。

真魚は基にどうだったか報告します。

大樹は真魚に本当に実家に帰ったら寂しいと言い、基はどう思っているのか訊ねます。そして、踏み込んだことを言います。

基はムッとして、大樹につっかかります。

大樹は基の反応を意外に思います。

真魚は結衣からもらったプレゼンを開きます。絵を描いてくれたようで、見ると仲良くなれたことを実感し喜びを爆発させます。



真魚は基の慰安旅行の日程を見て妄想をかきたてます。

大樹が真魚を宥め、助言をします。

基は真魚と大樹を二人にすることに不安を感じています。



基は慰安旅行に出掛けます。

真魚は学校で大樹と修学旅行の計画を話します。

杉本さんは基となんとか距離を縮められるよう努めます。


真魚と大樹の二人で過ごす夜は雨が降って来ます。

大樹はちょっと大胆に真魚に近づいていきます。

真魚は大樹の意図がわからず恥ずかしいと言います。


杉本さんは基の部屋でおしゃべりします。

基はもう寝ますと言っても、杉本さんはもう少しと言って戻ろうとしません。




真魚も基も相手の痛みや気持ちを察するのは誰よりも早いのに、相手の気持ちを察するのは鈍いです。

続きます。



タアモ たいようのいえ 7巻
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2023年10月24日火曜日

タアモ たいようのいえ 6巻

大樹は直接的に言葉や態度で相手に伝えるべきだと思います。余裕はないはずなのにと思います。




大樹が小学生の頃が描かれます。

陽菜が真魚を家に連れてきて一緒にゲームをして遊ぶようになった時から気持ちがあったようです。

大樹本人はその時は真魚への気持ちに気がついていないようです。わからないのか、認めるのが恥ずかしいのか、自分の胸の中にだけ抱えている想いなのか。

基と陽菜と離れ離れになり、神戸の親戚に引き取られそれどころではなかったから仕方ないです。

まず、自分の居場所を作ること、そして、いつか恩返しをすること。そのために必死で、真魚のことは忘れていて思い出すことさえなかったと言います。

大樹は心にゆとりができたのかなと思います。

忘れていた気持ちが真魚と再会したことであの時の気持ちはそういうことだったのかと高校生になって気がついたようです。実家に帰ってひと目真魚を見たら気持ちがすっかり戻ったのに、真魚は基のことしか見ていなくて冷たくしたのかもしれません。

大樹はわかりにくいです。



真魚は大樹が実家に戻ってからどの高校に行くのか知らされていません。基から同じ高校に通くことを聞かされ驚き、慌てます。

基は真魚と大樹が学校、バイト、住む家も一緒になると気がつき何か思うところがあるようです。



真魚はバイトを終え、店を出るとラジカル(杉本)さんが待っていて声をかけられます。

ご飯を食べながら話をします。

基をめぐって揺れる真魚と杉本さんの心の動きが面白いです。

杉本さんは小説のことで嘘をついたこと、これから基に想いを告げることを話します。

真魚は好きな人が同じなので、仲良く笑い合ったりできなくてさみしさを感じます。



翌日、真魚は学校で千尋に基の弟大樹がこの高校に転校してくると言います。

千尋は一度基に会ってみたいと言うので家に招待します

千尋と織田くんのぎこちない距離感で何でもないように話そうとする様子が互いを気遣いあっていて好きです。



真魚は基から新しいお母さんが来ているとメッセージが届いて緊張しつつ帰宅します。

新しいお母さんは真魚に帰ってこないかと言います。

真魚は少しずつ帰ると約束します。帰ったとき父親に一人暮らしの話をしようと決めます。

新しいお母さんは涙を流して真魚に感謝し帰って行きます。


真魚と基は話し合います。

基は真魚がこの家からいなくなってしまうと考えるとさみしさを感じます。



千尋が基に会いにやって来ます。



真魚は実家に一時帰宅します。

父親は相変わらず真魚に冷たいです。

真魚は父親に一人暮らしの許可を求めます。

父親は駄目だと言います。

真魚は自室にこもり泣きます。



真魚は中村家に戻ります。基に実家であったことを話します。

基は真魚の一人暮らしを認めないと父親が言ったのは意外だったようです。もうずっとこの家にいたらいいのにと言ってしまいたいのをぐっとこらえます。


真魚は神社に行き、気持ちを落ち着かせます。

大樹が声をかけます。

真魚は明日帰ってくると聞いていたのでびっくりします。

真魚と大樹は家に戻ります。

大樹は真魚と基の様子がおかしいのに気がつきます。

真魚は部屋に戻り一人悶えます。

基は大樹に不在の間に起こった話をします。



大樹の学校初日です。

真魚は大樹に織田くんを会わせたくないようです。

真魚の気持ちに気がつくことなく織田くんは大樹に話しかけます。

千尋もやって来て大樹に話しかけます。

大樹はじっくり真魚の友人関係を観察します。


基はと言えば真魚と大樹のことを考えてそわそわしています。

会社の慰安旅行の行き先が仙台に決まりそうで、仙台なら陽菜に会いに行けるなと考えます。



基は真魚と大樹がいて家が明るくなってうれしそうです。あとは陽菜が戻ってきてくれれば中村家は再出発できると考えます。


真魚は大樹の部屋に行き、基を想う気持ちを吐き出します。

大樹は真魚への想いを隠し、聞くくらいならできるよと言います。




大樹は真魚と思いが通じ合えないとわかっているのか、それとも基より自分に向いてくれると思っているのかどっちなのかわかりません。このまま思いを抱えながらどうするつもりなのだろうと思います。

少しずつ明るさを取り戻していく中村家は陽菜戻って来るまであともうちょっとです。帰らないと言う陽菜をどう説得するのでしょうか。

大樹と神戸の親戚の関係に泣けてきます。

続きます。



タアモ たいようのいえ 6巻
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2023年10月22日日曜日

タアモ たいようのいえ 5巻

登場する人達が本当の気持ちを明かすことができずにみんながみんなモヤモヤしているだろうなと感じます。

想いがつながらない展開です。



真魚の問いに基は何かを発します。けれど、花火の音にかき消されて聞き取れません。

もしかしたら、真魚には聞こえたのかもしれません。聞こえなかったフリをしたのか、

「き… 聞こえなかった」

と言います。基に好きかと訊いておいて答えるなと言います。そして、変なこと聞いてごめんと言ったことを取り消します。

大樹が戻って来ます。

基は焼そばを買ってくると言い、真魚と大樹の二人になります。

大樹は真魚の様子がおかしいのに気づいて、

「なにがあったの?」

と訊ねます。

真魚は答えません。



帰宅し、真魚は基と大樹に今日のことのお礼を言います。

基の携帯に陽菜からメッセージが入ります。

大樹は陽菜に会ったことを言います。

帰らないという日なのメッセージに基はがっかりします。



真魚と千尋は互いの夏祭りの報告をします。



真魚はバイトに行くと仲間に大樹と付き合ってるのかと訊かれます。他人が見たらそれらしきことがたくさんありすぎてややパニックになります。大樹になだめられ落ち着きます。そして、大樹に好きな人はいるのかと訊ねます。

大樹は答えません。それとは別に真魚にこのバイトは続けるのかと訊きます。

真魚はお金をためて早くあの家を出たいからバイトを続けると言います。

大樹は基を一人にする気? と言い、まだ出て行く必要はない、急ぐことはないと言います。そして実家に戻ってくるつもりだと言います。

夏休みが終わると大樹は戻らないといけないのでバイトも一旦終了します。バイト仲間は送別会をするつもりでいたようです。大樹はバイト仲間に近々実家に戻ってくるつもりでいるので送別会はいらないと言います。

予約しているからと真魚も一緒にご飯を食べに行くことになります。

真魚と大樹は基にメッセージを送ります。

基は会社の同僚と飲みに行きます。



大樹は帰宅すると基に電話で実家に戻ることを伝えます。

基はありがとうと大樹に言います。帰りのタクシーの中で一人うれしさを噛みしめます。あとは陽菜が戻ってくるだけです。



帰宅すると基は真魚と話します。

翌朝大樹は帰って行きます。



大樹がいなくなり真魚と基の二人の生活に戻ります。



真魚はひとり暮らしをするため千尋と家探しをします。これといった物件はありませんでした。千尋と別れて基と待ち合わせている場所に行きます。スーパーの特売でそれぞれ商品を買うために二人で行きます。スーパーで新しいお母さんと出くわします。新しいお母さんと少し話します。



真魚は新しいお母さんと別れた後、基にお母さんと妹にうまく打ち解けられないことが悔しいと泣いてしまいます。

基は真魚をなぐさめます。



基は会社で残業が続いています。仕事中、大樹が実家に戻ってきてくれることを喜びつつ、大樹のこれからのことで心配を始めます。基はいつも誰かを心配しています。

基は杉本さんに声をかけられます。

杉本さんは先日の飲み会で泥酔してしまったことを詫び、会社が終わったら食事に行きませんかと誘います。

基は残業続きで真魚とご飯を食べていないので杉本さんの誘いを断ります。しかし、杉本さんは小説についてだと言うので、誘いを受けます。

小説はもう更新しないという話でした。

基は日々の楽しみだったので残念そうです。

それから真魚のことになり、杉本さんは真魚た基の関係を知ります。



基は帰宅します。

基の帰りを待っている真魚は基と杉本さんがどんな話をしたのか気になってソワソワしています。

基は隠すこともないので、小説のことと真魚との関係について話したと言います。



真魚は織田くんの告白を断ります。断ったことで織田くんが傷ついていることを想像すると胸が痛いようです。帰って、基に話すと、基は冗談を交えながら真魚を元気づけます。

大樹から電話がかかってきます。近々実家に行くというものです。

基は電話を切って、真魚に一人暮らしは保留にして、一度家族で話し合うように言います。



大樹は世話になっている親戚から、実家に帰ると決めた理由を言い当てられ落ち着かない様子です

続きます。




タアモ たいようのいえ 5巻
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2023年10月20日金曜日

タアモ たいようのいえ 4巻

大樹は真魚を想っているようです。実らないのにどうして? と思います。




「気に入らないな」

大樹が言った言葉は、大樹の意図するものと真魚が意図するものが異なっていました。

しかし、真魚が心配しているようなことは起こりませんでした。

基が帰宅します。

基は真魚を家にいさせてやってくれと頼みます。

大樹は、勝手にすれば? と応えます。



父親に拒絶された真魚はバイトを探し始めます。

居酒屋でバイトを始めます。

その居酒屋で大樹もバイトを始めます。

居酒屋は基が会社の同僚と利用しています。

大樹が居酒屋でバイトしているのがバレてしまいます。



真魚はバイト帰りに縁日を歩きます。基と大樹という家族のために何かできるということに楽しさを感じます。基がおみやげを買って帰って来る気持ちを理解して涙を流します。



真魚はラジカルさんに会いに行き、ラジカルさんが好きな人が私の好きな人だと打ち明けます。

せっかくできた友達失ってしまいます。



杉本さんは真魚の言ったことを確認したくて、基を真魚と大樹のバイト先に連れて行きます。

真魚は居酒屋でバイトをしていることは基にバレてしまいます。

杉本さんは真魚と基の様子を見て真魚の言ったことが本当なんだと知ります。



真魚の両親について描かれます。

父親が真魚と向き合わない理由がわかります。

原因はわかっているし、真魚に我慢ばかりさせてきた自覚はあるのだから何もしない父親は勝手すぎます。



織田くんが真魚を訪ねて中村家にやって来ます。

織田くんは真魚と基が一緒に住んでいることに驚きます。

基は真魚に気づかれたくないから織田くんを帰らせます。



真魚と基と大樹の三人でお墓参りに行きます。今日は真魚も一緒に手を合わせます。

行ってみると花が供えられていて、基は陽菜が来たのだとわかります。



夏祭りに出掛けます。

真魚は浴衣を着て出かけます。一人では着られないから千尋のお母さんに手伝ってもらいます。

大樹と待ち合わせている場所に行くと基はまだ来ていません。

来れないとメッセージが届きます。

真魚は基がラジカルさんと花火を見るのではと心配します。



基は杉本さんから空海の携帯小説は家族の話ではなく好きな人のことを書いていると言われます。杉本さんの、

「たくさん勇気もらったんです」

という言葉が引っ掛かりつつ会話を終えます。

杉本さんの基への思いは膨らみます。



花火が始まります。

大樹と真魚は陽菜を見つけます。

陽菜は実家には帰らないと言います。

基がようやく到着します。

真魚は基のすることが気になります。好きでもないのにこんなことをするのか? と我慢できなくなり、言葉にして訊ねてみます。

続きます。



タアモ たいようのいえ 4巻
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2023年10月16日月曜日

タアモ たいようのいえ 3巻

真魚が頑張って父親といい関係を築けるのかと思える展開です。




基は真魚の父親に会いに行きます。

真魚の父親は何を話しても何も響きません。

家族のことばかり考えている基にとって家族があるのに家族のことを考えようとしない真魚の父親は怒りの感情しか持てません。

基は真魚の父親がなぜ真魚を拒絶するのかわかりません。


真魚は織田くんと顔を合わせるのがつらそうです。痛みがわかる真魚は何を言っても傷つけてしまうことがわかっていてもはっきりと気持ちを伝えます。


真魚は基と映画を観に行きます。

映画の前にご飯を食べます。

基は真魚に時代劇が好きな理由を訊ねます。

真魚は父親が好きだったので話ができたらと思い観ていたら好きになったと話します。

基は真魚が頑張って共通の話題を探し、会話を持とうとしているのに父親はそれすら拒絶することについて考えます。

真魚は基の表情を見つめます。表情から心情を読み取る能力が敏感になっているので、基の表情が何の感情を示すか分かってしまいます。基とデートだと上がっていた気分がすっと冷めてしまいます。基ときちんと向き合えるようになるため父親に会って話をしようと決めます。



翌日真魚は学校へ行き、親友の千尋と話しをします。

真魚と千尋が仲良くなったきっかけが描かれます。

真魚は千尋に現状を説明します。



真魚は基に父親と話し合おうと思っていることを伝えます。

会ってみると会話にならず、真魚は落胆してしまいます。

どうして父親はこんな態度ができるのかと思い腹が立ちます。

基は真魚に、

「真魚 聞け! 俺は真魚に居てほしい 一緒に帰ろう 一緒にいたい」

と言います。



基は会社の飲み会に誘われます。だけど、杉本さんと二人きりで飲みに行くことになります。

真魚は千尋の家でお菓子作りをしています。基から飲みに行くとメッセージが入り、ラジカル(杉本)さんからは好きな人と2人で食事することになりましたとメッセージが入り、基が今誰と飲んでいるのか知ってしまいます。



真魚は帰宅し、基の帰りを待ちます。

気持ちだけそわそわするので、玄関の外で帰りを待ちます。

帰って来たのは基ではなく大樹でした。

大樹は夏休みだから実家に帰って来たと言います。

大樹は真魚に基が好きなのか訊ねます。

真魚は顔を真っ赤にします。

大樹は、

「やっぱりそうなのかよ 気に入らないな」

と言います。

大樹は夏休みは実家で基と真魚と過ごすつもりのようです。




真魚を誤解させるような言葉を言うものではないと大樹に言いたいです。

続きます。



タアモ たいようのいえ 3巻
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2023年10月12日木曜日

タアモ たいようのいえ 2巻

大きな理由があって、真魚は父親から拒絶されているのか、父親の真魚に対する思いがこれっぽっちも感じられません。

なぜそこまで避けられることがあるんだろう。

真魚は弱いのにねじれていないのが不思議になってきます。



本宮真魚(本宮まお)は中村基(なかむらひろ)に昨夜言ったのは冗談だから気にしなくていいと言います。

基の反応に対する真魚の思いが切ないです。本当の気持ちを押し殺す事を、大丈夫慣れているというところは、真魚がこれまで色んな気持ちを出さず飲み込んできたことがわかります。



携帯小説の読者からメッセージが届きます。

ラジカルさんという人物から一度会いませんかという内容です。

真魚は会ってみることにします。

現れたのは綺麗な人でした。ラジカルさんは基の会社の同僚の杉本さんという女性です。

互いが互いの人間関係を知らないので、真魚は初めて人に恋の話をします。



弟の大樹が大学の見学と墓参りのため実家に戻って来ます。

大樹は実家に女の子真魚がいて反応に困っています。

基が帰宅し、大樹は真魚と一緒に住むのは反対だと言います。

基は大樹を説得しようとします。

大樹は納得しません。

お墓参りに行き、基はその時も真魚をどうして住まわせているのか説明します。

話しを聞く大樹は真魚のことより家の思いでや哀しい出来事の記憶がよみがえってくるのがまだつらいようです。だけど、基を明るくさせているのは真魚だということはわかっています。

大樹は基に実家に戻ってこられるように相談してみると言い

帰って行きます。

真魚は大樹と陽菜が家に戻ってきたら、自分が居ていい居場所ではなくなることを心配します。



真魚はラジカルさんの家に遊びに行きます。

帰って来て基が空海の携帯小説を読んでいることを知ります。

父親がやってきて、真魚に会わず、基とだけ話しをして帰って行きます。

真魚は父親が会わずに帰ってしまい落胆します。

再び真魚はラジカルさんの家を訪問します。そして、ラジカルさんの好きな人が基だと知ります。

真魚はクラスメイトの織田くんから告白されます。

家に犬がやって来て、新しい家族が増えます。

基は真魚がいるから飼うことに決めたと言い、真魚はこの家にいることの目的ができうれしいようです。

真魚はまっすぐ変わりたいと思うようになります。



必要とされたくて、ここに居ていいと言われたくて、だけど頑張ってみても家の中のことは何もできなくて。真魚を見ていると心安らぐ状況になってほしいと思ってしまいます。

続きます。



タアモ たいようのいえ 2巻
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2023年10月8日日曜日

タアモ たいようのいえ 1巻

家に居場所がなくなった女の子と、バラバラになった弟妹と昔のように一緒に暮らせるよう頑張る男性の物語です。



女の子は本宮真魚(もとみやまお)という高校生です。

両親が離婚し、父親と暮らしていました。父親が再婚し新しくお母さんと妹ができます。三人の中に溶け込めず、居場所がなくなります。

小学生のころ、両親が不仲だったので夜も遅くまで帰らず、真魚は家に一人ぼっちで待ちます。両親は自分のために頑張ているんだと言い聞かせ、寂しさを誰にも打ち明けられず神社で一人で過ごすことが多くなります。

中村家は真魚の家の向かいに引っ越してきました。

中村家の末っ子陽菜(ひな)が真魚を見つけ家に連れて来ます。

長男中村基(なかむらひろ)はこれがきっかけで真魚と知り合います

中村家は賑やかで笑顔の絶えない明るい家庭でした。俯いていた真魚は次第に笑顔になっていき中村家の家族の一員のように過ごします。

真魚は両親が離婚し、父親について行くことになり、今より少し離れた場所に引っ越すことになります。



中村家は両親が事故に遭い、いなくなってしまいます。弟妹は親戚に預けられバラバラになってしまいます。

笑いの絶えなかった家は人の気配のない寂しく冷たい空間となりました。



基の真魚の第一印象は、

「泣くのを我慢している子」

です。

基は真魚と話し家庭の事情を知ります。

泣くのを我慢していた子の笑う顔を見て、この笑顔が見ていたいと思うようになります。



数年後。

真魚は高校生になります。

基は両親の建てた家を守りたくて、働きながら学校へ行き、現在会社員として働き、陽菜と大樹が戻って来られるように準備しています。

真魚と基は顔を合わせています。

真魚はだいたい落ち込むと神社にいるので、基は帰り道は神社に真魚がいないか確かめて帰るくらい気にかけています。

ある日の帰り道、神社にいる真魚を見つけます。

基は真魚をご飯に連れていきます。

「帰るとこなくなっちゃった」

真魚はご飯を食べながら泣いています。

基は真魚を家に連れて行きます。



真魚は基の家で暮らします。

真魚の趣味は携帯小説を書くことです。ハンドルネームは空海。

基はたまたま見つけた空海の小説にハマり、感想を送るほど更新を楽しみしています。

基が空海が真魚だと知るのが楽しみです。



真魚は家族のルールに縛られることに憧れ、基は家族に何かしてあげることに喜びを持っています。

互いに欠けていて、欲していたものを与え与えられするのが面白いです。




どうして真魚は父親との関係がうまくいっていないのか。そこにどんな理由があるのか今後明らかになっていくのを待ちます。

家族と恋愛が描かれる面白い作品です。

真魚の孤独が感じられる場面では息苦しくなります。真魚がどう変化して感情を出せるようになるのか楽しみにしています。

続きます。






タアモ たいようのいえ 1巻
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2023年9月14日木曜日

森本梢子 高台家の人々 6巻

最終巻です。

テレパスという能力があったら楽しいだろうなって思っていました。だけど大変なこと、傷つくことのほうが多いことがわかります。

相手のことがわかるからわからないように対応して、それが変な間を生み関係に日々が入ることもあるだろうなって思います。


一緒に生きていく相手は見つからないだろうと思って過ごしていた光正は木絵を見つけて人生が楽しいものになってよかったです。

茂子も和正も光正が木絵を見つけたように、何もかも知ってもらえる相手に出会いたいのに、そう上手くはいかなくて、秘密にしたままでいたり、一人で生きていこうと考えたりします。万能だと思われた能力が生きていくのに足かせになってしまうのはつらいです。

木絵の空想は光正と茂子と和正の心を軽くしてくれて物語全体を面白くしてくれました。楽しい物語です。




平野木絵(ひらのきえ)と高台光正(こうだいみつまさ)は高台家の豪邸で新婚生活を始めます。

身の回りの何もかもを世話してもらい木絵は妻としてすることがないと感じます。

母由布子(ゆうこ)は木絵の嫁修業はこれからだと毎日一緒に過ごしています。

ある日、松笠(まつかさ)という由布子の友人が訪ねてきます。松笠は息子とその嫁を連れてきて挨拶と言いつつ嫁自慢、嫁比べをするためにやって来ました。

木絵の空想に笑ってしまいます。


茂子(しげこ)は光正と木絵の仲の良さに影響され、自分も二人のようになりたいと考え始めます。そのための彼に秘密を打ち明けようと強く思うようになります。

いざ打ち明けようとする寸前で相手の本音を読み取り秘密を打ちかけることをあきらめます。

茂子は光正と木絵のようにはなれないと苦悩します。祖母アンに相談し、木絵の空想を読み取り答えを急がないように決めます。


木絵は豪邸に一人で過ごすのが怖いようで、特に夜、物音がすると空想が発動し、パニック寸前に陥ります。

茂子は木絵の恐怖心を読み取り、木絵の部屋で過ごします。

すると、弟和正(かずまさ)も木絵の部屋にやって来て、両親も一緒に過ごすようになります。

光正は家族団らんの光景を見て微笑みます。

家族が一つの部屋で床に座り団らんするなど木絵以外そんな経験はないはずなのにみんな寛いでいるところが面白いです。


和正は純との関係に結論を出します。光正と茂子三人の中で一番優しい和正はみんなにとって最良を選びます。


木絵は体調を崩したのかと思ったらおめでたでした。

報告を受けた光正は素直に喜べません。子供がテレパスの能力を受け継いだらという不安が先に頭をよぎります。

木絵は心の中で考えます。光正も茂子も和正も木絵の心を読み取り不安を軽くします。

終わり。



森本梢子 高台家の人々 6巻
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2023年9月12日火曜日

森本梢子 高台家の人々 5巻

会社の女性社員の中で高台光正(こうだいみつまさ)と平野木絵(ひらのきえ)が結婚するという情報が飛び交います。

木絵は光正の祖母アンのひと言でマリッジブルーに突入しています。

ホリー・ジョーンズというアメリカの支社で光正の上司だった人が日本にやって来ます。

マリッジブルー中の木絵は光正とホリーの親密さに嫉妬してします。

光正は木絵の心を読み秘密を隠したままにしておくことに後ろめたさを感じます。このままではいけないという気持ちが強くなり、木絵に秘密を打ち明けます。

木絵の頭の中は恥ずかしさと恐ろしさがごちゃまぜになります。心の中を読まれて平然としていられるわけもなく混乱します。自宅に帰って空想で乗り越えようとしても難しそうです。


数日後、木絵はふと自分のことばかり考えていることに気がつきます。光正の気持ちになって考えてみることで、秘密を打ち明ける危険性、能力を知られると相手から拒絶されることを想像すると、たくさん傷ついて来たのだろうと思い涙します。そして、開き直るしかないと結論を出します。

光正は木絵の変化と返事を心を通して理解します。一番の難関を乗り越えられます。


茂子と和正は木絵の決断に喜びつつ呆れています。少なくとも数週間から数ヶ月、長ければ年単位で答えが出ないと思っていたのに、三日で答えを出したからです。しかし、木絵のような人物がいるということがわかり、茂子と和正の人生に小さな変化を与えます。



由布子は部屋が余っているから光正と木絵を屋敷に住むように言います。

光正と木絵は屋敷で生活することに決めます。


結婚式です。

最後の木絵の光正への彼がテレパスだからという思いが感動します。

続きます。




森本梢子 高台家の人々 5巻
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2023年9月10日日曜日

森本梢子 高台家の人々 4巻

高台由布子(こうだいゆうこ)は長男光正(みつまさ)と平野木絵(ひらのきえ)の結婚について具体的に計画を考え始めます。

光正と妹茂子(しげこ)は由布子の心を読み取り結婚の話が進みそうな気配を喜びます。

茂子は岸本浩平(きしもとこうへい)という男性と交際しています。しかし、二人の仲は友達だった頃とさほど変わりはありません。光正と木絵のような関係になりたいと願うのに上手くいかないので木絵に会い心を読んでどう行動すべきか決めます。

弟和正は茂子の友達純のことを木絵のおかげでずっと好きだったことに気づかされて、あきらめようにもあきらめきれず悩んでいます。木絵の空想に影響され、もう少し結論を先延ばしにしようと決めます。

木絵の光正と茂子と和正に与える影響がくだらない妄想からだというのが面白いです。



光正は木絵の家族に挨拶に行きます。

木絵は家族にかっこよすぎる光正に会ってもびっくりしないでと事前に連絡します。

木絵の家族は話半分に聞き流しています。

実際、光正に会うと、木絵の言った通り木絵の家族はあまりの美形に衝撃を受けます。

光正は心を読み控え目に過ごし、挨拶を終えます。

木絵のおばあちゃんが面白いです。



光正と茂子と和正が祖母アン以外のテレパスの能力を持った女性に会った話が描かれます。

その女性は長い時間をかけて恋が実ります。



木絵のお稽古が始まり3ヶ月がすぎ、由布子は結婚を認めます。

アンはちょっとしたいたずらを木絵に残しイギリスに帰って行きます。

続きます。



森本梢子 高台家の人々 4巻
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2023年9月8日金曜日

森本梢子 高台家の人々 3巻

平野木絵(ひらのきえ)の空想は突飛すぎて大好きです。




高台光正(こうだいみつまさ)は帰宅すると母由布子(ゆうこ)がイギリスから帰国していているのを知り、木絵にフラれた理由を理解します。木絵に会いに行き、母のことを謝ります。

光正はおばあちゃんを頼ります。アンも日本にやって来て木絵に会います。

アンは由布子を説得すると約束します。そして簡単に由布子を説き伏せます。


由布子は光正と木絵に会い、結婚を認めるかどうか機会を与えると言います。

木絵は修行と聞き空想を始めます。そして、修行すると受け入れます。

英会話、料理、お花、マナー、お茶、エステ、美容院と予定はぎっしりです。

木絵は毎日由布子と課題に取り組んでいます。


アンは光正と木絵に由布子と茂正ジュニアの出会いを話します。

木絵がほろ酔いなのが面白いです。リラックスしすぎて笑えます。

由布子の優しい一面が伺えます。



光正の心が読めてしまうからわかってしまうエピソードです。

見た目や口にしたことでその人の本心はわからないことばかりです。

光正にとって木絵は心安らぐ存在なのだとわかるお話でした。

続きます。



森本梢子 高台家の人々 3巻
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2023年9月6日水曜日

森本梢子 高台家の人々 2巻

高台光正(こうだいみつまさ)は平野木絵(ひらのきえ)に秘密を打ち明けようか悩んでいます。


平野木絵は高台光正から、君に話したいことがあると言われます。

木絵は同僚の阿部さんと飲みに行き、話すとそれはプロポーズだと言います。

木絵は信じられません。


光正は残業を終え会社を出ようとすると、女性社員の浅野さんに声をかけられます。

浅野さんは近くに素敵なワインの店ができたので行かないかと誘います。

相手の心が読める光正は即答で断ります。

浅野さんはあっさり断られて傷つきます。ここで引き下がるわけにはいかず、せめて駅まで一緒に行きませんかと言います。

光正は仕方ないと駅まで一緒に行くことにします。心が読めると言うのも大変な苦労です。


木絵と阿部さんは店を出ると、光正が浅野さんと一緒に歩いているのを目撃します。

木絵は光正の話したいことが別れ話なのではないかと考えます。別れることになったら大変だと、急いで何か生きがいを探さなきゃと空想を始めます。


木絵は唯一できる水泳から空想を膨らませていきます。

光正は木絵の心を読んで何かあったことを知ります。


阿部さんは木絵を心配します。

光正は阿部さんが木絵を心配しているのがわかり、心を読んで原因を探ります。先日、浅野さんと歩いているところを目撃したことで誤解か生じていることを知ります。


光正は木絵を迎えに行き、話したいことを伝えます。

木絵は驚きとともに空想が爆発します。

心を読んだ光正はフッと笑みをもらします。



光正の祖父母、アン・ペドラーと高台茂正の出会いが描かれます。

アンはイギリス人です。光正と茂子(しげこ)と和正(かずまさ)の能力はアンから遺伝したものです。

光正は木絵に祖父母の結婚に至るまでの話をします。

祖父はもういなくて、祖母がさみしがっていること、木絵に祖母に会ってもらいたいことなどを話します。



光正の話したいこととは阿部さんの予想通りプロポーズでした。

木絵は、はい、と返事します。しかし、なかなか現実に起こっていることと受け入れられないようです。デートで待ち合わせの場所に行くと、周囲から嫌味のような声が聞こえてきます。自分のことを言われていることかわかり、空想で乗り切ろうとします。

光正は笑みを浮かべて木絵を見つめます。

木絵はいい気になって調子こいてると、土壇場で大きな落とし穴が待っていると身構えています。



光正の手紙を読んだイギリスにいる祖母アンは近いうちに日本に行くと連絡します。


その夜、茂子が帰宅すると母由布子(ゆうこ)が帰国していました。

由布子はアンから光正が結婚すると聞かされ慌てて帰国したようです。光正と木絵の結婚の障害となる人物です。

由布子の行動は素早く、木絵に会う約束をします。木絵を見て驚きます。そして木絵に光正との結婚を諦めるよう言います。


帰宅した由布子を茂子と和正が待ち構えていて問いつめます。

茂子と和正は由布子の心を読み取り何があったか把握します。

茂子は木絵のところへ行こうとします。

和正は兄が何とかするからと引き止めます。


木絵は自宅で悲しみに暮れています。


翌日、光正は出張から帰ってきます。

木絵に連絡をとると、

「わ… 私… もう… 光正さんとは会わない」

と言われます。

光正は生まれて初めてフラれたのでした。

続きます。




森本梢子 高台家の人々 2巻
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2023年8月28日月曜日

森本梢子 高台家の人々 1巻

人の心を読み取れる特殊な能力を持つ高台家の人々が平野木絵(ひらのきえ)に出会うお話です。


平野木絵と高台光正(こうだいみつまさ)が交際し、光正をはじめ、光正の妹茂子(しげこ)、弟の和正(かずまさ)が木絵から影響を受けて生きる上での考えに変化が出てくるのが面白い作品です。




平野木絵はごくごく普通の地味めの会社員です。彼女は空想癖があります。バカバカしくて何の役にも立たない空想は彼女の人生を大きく変えます。


高台光正はテレパスの能力を持っています。ある日頭に入ってきた木絵の空想が光正のツボに入ります。木絵を見かけるたびに頭の中を覗いて、バカバカしい空想を読み取って行くうち、話してみたくなり食事に誘います。


木絵は光正にどうして誘われるのか何が好かれているのかよくわかりません。ひとつ気になっていることがあり、光正は自分の考えている頭の声が聞こえているのではないかということです。


光正は木絵を妹の茂子、弟の和正に紹介します。

茂子も和正も光正に彼女を紹介されたのは初めてのことなのでびっくりしています。

茂子と和正も光正同様テレパスの能力を持っていて、木絵の空想を読み取ることができます。木絵の空想を読み取り、人柄を理解し、光正がどうして彼女を紹介したのか納得します。


茂子は木絵に会うまでは人の心が読める能力を嫌っていました。

知らなくていいことを知ってしまうからです。木絵がうすうす光正の能力をわかっているのに一緒にいることが驚きのようで、茂子はそういう人と出会いたいと思っています。

友人関係を続けている岸本浩平(きしもとこうへい)との仲で悩んでいます。彼に彼女ができたことを知り、茂子は自分の気持ちに気がつきます。

茂子は木絵から勇気をもらい、浩平に告白しようとします。しかし、告白はできずに終わります。

浩平は何かに気がつき、茂子との関係を大事にしたいと彼女と別れてしまいます。


木絵は光正がかっこよすぎるて不安になります。

光正の能力は会わないと心を読み取ることができないので木絵の不安になっている理由を知りたいのに忙しくて会えない日々が続きます。

光正は木絵に会って彼女の不安を拭います。


和正は木絵の空想を読み取ることで自分の気持ちに気がつき、悔しがります。




木絵の空想、妄想が面白いです。

特徴的な人物や状況で、脈絡のない物語が始まったり、声に出して言えない思いを頭の中で大声で叫んでみて、きちんとオチをつけたりするのが面白いです。



森本梢子 高台家の人々 1巻
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●関連リンク
集英社 高台家の人々

2023年8月24日木曜日

ろびこ 君と僕の大切な話 7巻

最終巻です。

だらだらとしゃべって、夢中になって楽しくて過ぎていく高校生活。

自分の欠点に悩んで、泣いて、なんでもないことにはしゃいで、落ち込んで。

恋が実って、破れて、気づいてそっと優しく励まして。

登場人物が様々なことを考えて行動して、と楽しい作品でした。

一ノ宮鈴と圭介は実ってほしいです。




●ep.32宇宙戦争

「相沢さんのことが好きです」

ついに東くんが告白します。

告白を聞いた相沢さんの頭の中は混沌としています。

「………この間 デートの時あやふやなことを言ったまま終わったからこのままではよくないと思って」

と東くんは言います。

相沢さんは届いてほしいと願った告白がなかったことにされたと思っていたのに、ようやく願いが叶います。もちろん返事は決まっています。ひとつしかありません。声に出そうとして東くんに遮られてしまいます。

「準備ができたら改めて気持ちを伝えるから返答はその時にもらえないか」

と待ってほしいと言われます。

東くんは小説を完成させるのが目標のようで新しい筆記用具を購入し執筆しようとします。


クラスの女子がケンカをしてしまい、東くんたち男子が仲裁に入ろうとします。結局男子は何もできず、女子は勝手に仲直りして解決します。



●ep.33相談男、再び

東くんは執筆に行き詰まり浜田さんに助言を求めます。


相沢さんはウキウキしながら待っています。東くんとカフェインくんが話しているのを見つけ話に加わります。

東くんは相沢さんにカフェインくんに彼女が出来たと言います。

相沢さんはカフェインくんの彼女が浜田さんだと知っているので、東くんには初めて知った演技をします。

カフェインくんは彼女について相談します。

東くんはことごとく的確に応えていき、カフェインくんの悩みは晴れていきます。

相沢さんは東くんに驚いている様子です。


浜田さんとカフェインくんは待ち合わせて帰ります。

見方を変えたカフェインくんは浜田さんのいいところを引き出します。


東くんが相沢さんからカフェインくんの彼女が誰なのかを知ります。



●ep.34ボーイズ・ラビリンス

一ノ宮(一ノ宮鈴)さんと圭介くんについて描かれています。

東くんの叔母が全員登場します。

東くんは執筆に行き詰まっています。

圭介くんはずっと一ノ宮さんに恋しています。一ノ宮さんが進学して、一人暮らしをするので会える機会が減ってしまうので焦っています。気をつけて思いを伝えずにいたのに、ついポロっと好きだと捉えられかねない言葉を出してしまいます。


圭介くんは東くんの部屋で中途半端なことを言ってしまって落ち込んでいます。

東くんは圭介くんの思いに気づいていたので、背中を押します。

圭介くんは一ノ宮さんを公園に呼び出します。

東くんは小説を完成させます。



●ep.35僕と君の大切な話

準備ができたら改めて気持ちを伝えるからと言って、2週間が過ぎます。

相沢さんはさすがに長いと感じています。

「相沢さん おはよう 約束してた例の件ですが 今日 ちょっと時間もらえるかな」

と東くんに声をかけられ昼休みに会います。

相沢さんは何と言われても答えは「イエス」と決めています。

東くんが来ます。東くんは相沢さんに封筒を手渡します。

「見てもらえないかな 小説です 創作小説 僕が書きましたっ…」

強張った表情で言います。

相沢さんは小説を大事に抱えて持ち帰ります。


駅で電車を待つ東くん。

相沢さんは東くんが座るベンチに座ります。

東くんは電車ではなく相沢さんを待っていました。

「……どうして女は… 恋愛が好きなのかな」

1巻の相沢さんのように、何を話せばいいのか困って漫画の話をします。

相沢さんその時の東くんのように応えます。そして、小説の感想を話します。

東くんは、

「相沢さんが好きです 僕と 付き合ってください」

と言います。

相沢さんは、はい、と返事します。



●ep.36それから これから

3年生に進級します。

朝礼があるのに東くんは学校に来ていません。

圭介くんも来ていなくて、一ノ宮さんとしゃべっています。仲は少しだけ良くなっています。

東くんは学校に着いて、教室には行かず、ベンチに座ってアイスを食べています。

相沢さんは窓から東くんが学校に入って来るのを見つけ、きっと教室には来ないでサボるだろうと予測し、東くんならいるだろうと考えた場所に行きます。

相沢さんは東くんと会い仲良くおしゃべりします。

終わり。




男女が互いにわかりあえなくて、通じ合えなくて、ワチャワチャ会話しているのが面白かったです。

浜田さんは東くんに話すようにカフェインくんに話すようになる日が来るのかな、相沢さんの部屋のコレクションを東くんが目にする日は来るのかな、まだいろんなことが描けそうなところで終わるので、そのちょっと先を想像して楽しめる作品になりましただ。



ろびこ 君と僕の大切な話 7巻
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2023年8月22日火曜日

ろびこ 君と僕の大切な話 6巻

●ep.27相沢さんお見舞いに行く

東くんの叔母一ノ宮鈴の野呂先生への告白を心配した相沢さんと東くんは学校の駐輪場で待機していました。

東くんは寒い中外でじっと一ノ宮さんが来るのを待っていたので風邪をひいてしまい学校を休んでいます。

相沢さんは東くんが4日も学校を休んでいるので心配して圭介くん具合を訊ねます。

圭介くんは、

「…行く? 東んち 一緒に行く?」

と言います。

相沢さんは東くんに会いたいので家に行きます。


東くんは圭介くんが相沢さんを部屋に連れてきたので混乱しています。

圭介くんはゲームをするからとすぐに部屋を出ていき、相沢さんと東くんを二人きりにしようとします。

東くんは圭介くんに表情で必死に行かないでくれと訴えます。

圭介くんは東くんに、

「あのな ただのお見舞いだ いいか? ただのお見舞いなんだ わかったら 仲良くプリンでも食べてなさい」

と言って部屋を出ていきます。

相沢さんは、

「ご ごめんなさい 急に押しかけてしまって 遠慮したんだけど 圭介くんが『いいから』って…」

と困ったような嬉しいような表情で言います。

東くんは、うん、と返事します。ふと、3日も風呂に入っていないことにき気がつき、慌てて、

「ごっ ごめん!! ちょっと顔洗ってくる!!」

と部屋を出ていきます。

一人残された相沢さんは初めて来た東くんの部屋に興奮しつつ堪能します。

すぐに東くんは髪を洗って戻って来ます。

相沢さんは心ゆくまで堪能することはできませんでした。

相沢さんと東くんで交わされる会話の中でそれぞれの脳内の温度に差があるのが面白いです。

東くんは熱で意識が朦朧としてつい、

「…ああ もう かわいいなあ 相沢さん…」

と思っていることを口に出してしまいます。

相沢さんは通常通りだと思っていたのに、必死に平静を装っていたことがわかります。好きな人の部屋にいるのだからそりゃ気持ちも上がるというものです。

圭介くんはずっと相沢さんと東くんの様子をのぞき見して楽しんでいます。

一ノ宮さんも加わり圭介くんと一緒になってのぞき見します。



●ep.28文系女子は空を飛ぶ

相沢さんは浜田さんを連れて東くんの見舞いにやって来ます。

東くんは体調がよくないから学校を休んでいるのに浜田さんから相談を持ちかけられます。

東くんは浜田さんの相談にきちんと助言します。


翌日、浜田さんはカフェインくんを待ち伏せ返事をします。

浜田さんが頑張って勇気を出して恋が実ります。

東くんはようやく回復します。



●ep.29僕と君のデート編その1 行く前からがデートです

相沢さんと東くんはようやく約束していたデートが実現します。

相沢さんは今日告白すると、東くんは男としての株を上げると意気込んでいます。



●ep.30僕と君のデート編その2 デートとはプレゼンである

相沢さんと東くんはこのデートを成功させることに集中しすぎて、緊張もあるからか、 相手のことを気にする余裕すらありません。

映画を観て、食事をして、ゲームをして、街をブラブラ歩いてイベントを見て、公園を歩いてようやく肩の力が抜けてきたようで、東くんはデートは成功したと手応えを感じます。デートは楽しくて、相沢さんも同じように楽しんでくれているといいなと思います。相沢さんの笑顔で楽しそうに話すのを見ていると東くんは満たされた気持ちになっているようです。

相沢さんはこのデートで告白するとするのだったと思い出します。

「……東くん あの 今日は誘ってくれてどうもありがとう …あのね 私」

と言ってその次が出てきません。

東くんが促すと、

「…私 東くんに告白した時はこんなふうに仲良くなれるなんて思ってもみなかったわ 東くんてば『女が告白するのは愚策だ』とかひどいこと言うし」

と言います。

東くんは動揺します。

「え 何!? なんで今その話!? ていうか告白って」

「…あの時勇気出してよかったなっていうお話!」

と告白まで突き進めなくて、話を終えようと移動しようとします。

東くんは歩き出そうとする相沢さんの腕を掴み、

「…あの時はてっきり冗談かと思ったんだ」

と言います。

「…今は?」

と相沢さんは訊ねます。

「本当だったらいいなって思ってる」

と言います。



●ep.31僕と君のデート編その3 後始末はきっちりと

デートの日、人が来てそれ以上は話しませんでした。

相沢さんは次に東くんに会うのを楽しみにしています。

翌日の相沢さんは顔から幸せがあふれています。

東くんは次に相沢さんに会ったらどうしたらいいかわからないようです。相沢さんを見かけると隠れてしまうというのが2日続きます。


東くんは図書室に行きます。

浜田さんがいて、浜田さんは東くんが落とした小説のコピーを、

「これ あんたのでしょ 返す 部室の前に落ちてたから部員のかと思って読んじゃったけど」

と言って手渡します。

東くんは浜田さんから小説の助言をもらいます。そして、相沢さんに会いに行きます。デートの時の続きを話そうとするも、恥ずかしさからか回りくどい言い方をして相沢さんを困らせます。相沢さんに伝わっていないとわかり、

「相沢さんのことがすきです」

と思いを伝えます。

続きます。




ろびこ 君と僕の大切な話 6巻
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2023年8月18日金曜日

ろびこ 君と僕の大切な話 5巻

三学期が始まります。

新たな人物が登場します。東くんの4番目の叔母一ノ宮鈴(いちのみやスズ)です。同じ高校に通うひとつ年上の3年生です。見た目はお人形のようなのに東くんからは怖れられています。

一ノ宮鈴の片想いが描かれていて、相沢さんと東くんや浜田さんとカフェインくんの仲は少しだけ進みます。

東くんは相沢さんを特殊だと思う気持ちが何なのかわかります。自覚していなかったからデートという言葉で相沢さんを誘うことができなかったんだと分かりました。




●ep.22 1月はロマンチック1000%

3学期に入っても相沢さんはこれまで通り東くんとお昼ご飯を食べています。日課にしていることがあって浜田さんにもう何日もそれができていないと嘆いています。

浜田さんは昨日の放課後、図書室で東くんを見かけたと言います。

どうしても東くんを一目見て帰りたい相沢さんは図書室に行ってみることにします。


扉をそっと開けると、寝ている東くんの頭を見知らぬ女子生徒が触れようとしているところを目撃します。

小さな物音がして女子生徒は振り返ります。相沢さんを見て、東くんに向き直り、

「おい 起きろ司朗」

と頭をバシッとはたいて起こします。

乱暴に起こされた東くんは、おまえの客だろ、と言われ見てみると相沢さんに気がつきます。

相沢さんは二人の関係性がわからないでのどうしたらいいか困っています。

東くんは相沢さんに女子生徒を、一ノ宮鈴、4番目の叔母と紹介します。

相沢さんは東くんの身内だと判り安心します。東くんが叔母のことを「鈴」と呼び捨てにするので、自分も下の名前で呼ばれたいと羨ましがります。


相沢さんは帰り道東くんに3学期に入って放課後見かけなくなった理由を訊ねます。

東くんは放課後毎日図書室に来いと命令されたので行っていると応えます。なぜ図書館なのか理由はわからないと言います。

相沢さんは一ノ宮さんが東くんに好意を持っているかもしれない疑惑を持ちます。


翌日、東くんは一ノ宮さんに一体何がしたいのか理由を話せと言います。相沢さんに一ノ宮鈴という人物がどんな人物なのか説明します。

聞いていた一ノ宮さんは東くんの腹を殴って黙らせます。東くんの身体が浮き上がっています。とんでもない腕力です。

相沢さんと東くんは一ノ宮さんがなぜ放課後図書室にいて何を待っているのか知ります。一ノ宮さんの目的が達成された喜びを噛みしめる姿を目の当たりにします。二人は呆気にとられた様子です。


それからも放課後に図書室に通う日々が続きます。

相沢さんも東くんといられるから図書室通いにつき合います。

東くんはこの時間に書いている小説の読み返しと推敲をしようと鞄から小説のコピーを探します。鞄には入っていなくてどこかで落としてしまったことに気がつきます。



●ep.23東くんペンが鈍る

東くんが落とした小説のコピーを拾ったのは浜田さんでした。

相沢さんは放課後の図書室で東くんが一日中何かを探していたので一緒に探そうかと言います。

東くんは大丈夫と断ります。

一ノ宮さんが図書室に入って来ます。

相沢さんは一ノ宮さんが機嫌がよさそうなので何かいいことでもありましたか、と言います。

一ノ宮さんは今朝あった些細な出来事について話します。

聞いていた東くんは嚙みつき、まくしたてます。平手が飛んできて黙らされます。


東くんは帰宅すると小説を書きます。その日は思うように進みません。

一ノ宮さんがご飯だと呼びに来ます。

東くんは一ノ宮さんに一人でさっさと帰ってしまったことに怒っています。

一ノ宮さんは、

「いいんだよ それで じゃあな」

と言います。

東くんは一ノ宮さんが帰ってしまった理由がわからず、一ノ宮さんは東くんにはわからないかと思っているようです。


翌日、東さんは相沢さんをデートに誘おうとします。口にしようとした時一ノ宮さんが入ってきて言えずに終わります。

東くんはデートになんていつでも誘える、焦る必要なんてないと心の中で言い訳をします。



●ep.24王子の反乱

環くんが相沢さんに接するようになって、東くんは焦っています。ついこの前焦る必要なんてないと言っていたのに焦り始めます。

環くんに背中を押されるかたちで相沢さんをデートに誘います。

相沢さんは涙ぐんで、

「…はい。」

と言います。



●ep.25スクール♡スクランブル

一ノ宮さんは圭介がウザいという話しから東くんのデートについてちょっかいを出します。

相沢さんは浮かれています。全身が喜びと幸福感であふれています。

浜田さんは文芸部が廃部になりそうだと悩んでいます。運動場を見るとバレー部がいるのに気がつきます。カフェインくんがいるかもしれないと隠れてしまいます。3学期が始まり、カフェインくんとは言葉を交わしていません。そのことも気落ちする原因となっています。やっぱりカフェインくんを一目見たくてバレー部員の中を探します。すると、

「あれ 何してんの浜田さん」

と背後からカフェインくんに声をかけられます。浜田さんはまさか背後にいるとは思わなくて緊張しています。

カフェインくんは運動場にバレー部がいるのに気がつきます。

浜田さんは、

「ちっ 違うから!! 別に高橋くんいるかと思って見てたわけじゃないから!!」

と言います。自分からあなたの事が気になっています、と言っているようなものです。浜田さんは半泣きです。

カフェインは突然、

「浜田さん …あの よかったらなんだけど 俺たち付き合わない?」

と言います。

浜田さんは気持ち悪がられていると思っているのに、思いもよらないことを言われて思考が停止しています。


一ノ宮さんは回想しています。幼い日のこと、野呂先生に恋した時のことです。ぼーっと思い出していると野呂先生に、

「お 一ノ宮 今帰りか」

に声をかけられます。会いたかったのでうれしくて少し話をします。やっぱり好きだと、先生を見ると左手の薬指に指輪を見つけます。



●ep.26結婚するって本当ですか

野呂先生は結婚したと言います。

翌日、一ノ宮さんは机や東くんに八つ当たりします。

相沢さんは一ノ宮さんに野呂先生に好きだという気持ちを伝えようと言います。

一ノ宮さんは野呂先生に告白する決意をします。先生を待ち伏せます。しかし、気持ちは伝えず、三年間の感謝の気持ちを伝えます。

相沢さんは東くんは駐車場で結果を待っています。なんだかんだ言っても心配だったようです。

一ノ宮さんは東くんに明日から図書室に来なくていいと言い、相沢さんを送るよう言い、バイクで帰って行きます。

帰り道、相沢さんは東くんにひどいことを言ったと謝ります。

東くんは女心がわからないと拗ねたフリをします。それよりも、明日から放課後一緒にいる理由がなくなりどうしたらいいか考えています。どうしてこんなにも相沢さんと一緒にいたいのか考えて考えてひとつの答えにたどり着きます。


「一緒にいたい」この気持ちが恋なんだ


東くんは相沢さんに恋していることにようやく気づきます。

続きます。




ろびこ 君と僕の大切な話 5巻
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2023年8月16日水曜日

ろびこ 僕と君の大切な話 4巻

相沢さんと東くんより、浜田さんの頑張りが面白かったです。

無愛想で、人見知りの浜田さん。人間修行の頑張りがどう実るのか楽しみです。




●ep.17「友達」と書いてキープと読む

へいわ台中央駅へいわ一番街商店街にある喫茶店「マリソル」。相沢さんと東くんはここで待ち合わせてひとときを過ごします。

二人は互いの私服を見て楽しんでいます。

相沢さんが想像する東くんの私服が面白いです。本当に好きなんだよね? 、と確認したくなります。

東くんは相沢さんの服を褒めようとします。しかし、きっと良い方向には進んでいかないと考え、褒めるのをやめます。


ポクポクというオノマトペは好きな人のことを考えている時に起こる現象の音なのかな、どういう状態のことを示す音なんだろうな。


今日は男友達について話しが広がります。

東くんは饒舌に話します。

相沢さんは、

「私 男友達っていたことないからなあ…」

と言います。

それを聞いた東くんは時が止まります。友達だと思っていたのに自分と相沢さんとはどういう関係なのかと脳をフル回転して考えます。一旦落ち着かないといけないと席を立ちます。友達ではないなら…。期待が膨らみます。


相沢さんは戻ってきた東くんの様子がおかしいことに気がつきます。

「? どうかしたの 東くん?」

「…い いや……… さっき『男友達いない』 って言ってたから…」

と言います。

相沢さんは言葉に気づいて焦ります。すぐに、

「ご… ごめんなさい そうだったわね 今は東くんが一番の友達ね 男友達の!」

と言います。

強調して言うものの、東くんは期待していたこととは違うことを言われ崩れ落ちてしまいます。


店を出て相沢さんは東くんにプレゼントを贈ります。手作りのしおりです。

東くんはありがとうと受け取ります。



●ep.18高校生は芋づる式に集まる

年が明けます。

東くんは大晦日からパソコンに向かい、そのまま寝落ちしてしまいます。

圭介が部屋に入ってきて東くんを起こします。

東くんはちゃんと眠ろうとベッドに入ります。

圭介の携帯にメールが届き、

「中川が天國神社に初詣行こうってよ どーする? おまえ行く?」

と言います。

東くんは行かないと言ってから、相沢さんが喫茶店で浜田さんと初詣に行くと言っていたのを思い出して、やっぱり行くと言います。

天國神社には学校の同級生の友達が集結しています。

相沢さんは環くんに会い、東くんが神社に来ていることを知ります。

浜田さんはカフェインくんとばったり出会います。

相沢さんはこそこそ隠れている東くんをみつけます。カフェインくんと浜田さんが一緒にいるのでニヤニヤします。

相沢さんも浜田さんも会いたい人に会えて、新年幸先のいいスタートです。



●ep.19文系女子は塔の上から降りられない・前編

喫茶店マリソルで相沢さんと東くんが会っているところに、浜田さんと文芸部の部員が同席しています。

部員は新人賞に投稿するために描いた作品が行き詰まっていて、東くんに意見を求めに来たのでした。

東くんは部員のネームを読んで意見を言います。思うように言うと全部を否定するような感想になったので参考にならないと言われてしまいます。

相沢さんはネームを読んで具体的に登場する人物の気持ちをもっと読みたいと感想を言います。

部員は相沢さんの感想から行き詰まってぐちゃぐちゃだった頭の中が少し整頓され、方向性がぼんやり浮かんできてやる気が戻ったようで、お礼を言い帰っていきます。

東くんは相沢さんの相手を乗せる話し方に感心します。

部員は帰ったのに、浜田さんは帰ろうとしません。何か話したそうです。でも切り出しにくいようです。初詣でのカフェインくんとの会話を後悔していて相談したいようです。恥ずかしいので、自分の友達の話ということで相談を始めます。

東くんは得意げに相談にのります。

相沢さんは事の成り行きを黙って見守っています。

東くんは慰めるように気にすることではないと言います。

浜田さんはトイレに行き、気持ちを落ち着かせて戻って来ます。戻るとカフェインくんがいます。せっかく落ち着いた気持ちがまた高鳴ります。

カフェインくんは相沢さんと浜田さんに水族館の入場券がタダで手に入ったので行かないかと誘います。

相沢さんは東くんと水族館に行けるというので浜田さんに訊かず行くと言います。



●ep.20文系女子は塔の上から降りられない・後編

東くんは相沢さんと二人で水族館に行くつもりでした。誘う勇気がなくみんなで行くことになります。何とか自分に言い訳をして家を出ます。

水族館の前で券をもらった同級生が集まっています。

人見知りの浜田さんはしゃべったことのない人ばかりで表情が苦しそうです。

水族館の中に入ると相沢さんは浜田さんと二人で行動します。

浜田さんは同級生の七島さんと言い合いになり、相沢さんに、

「…ちょっと 頭冷やしてくる」

と一人深海生物のコーナーに行きます。

浜田さんは相沢さんをかばうためとはいえ七島さんと言い合いになってしまって反省しています。深海生物を眺めながら人となじめない自分に嫌気が差しています。

カフェインくんがやって来ます。

浜田さんは自分を探しにまさかカフェインくんが来るとは思っていなくてドキドキしています。話しかけてくれるカフェインくんに、

「…ト トラブル起こして ごめん」

と申し訳なくて謝ります。いろいろ言ってくれるカフェインくんがやっぱりいい人だと再確認し、勇気を出して、水族館に誘ってくれたことが嬉しかったと感謝を伝えます。


相沢さんはようやく東くんと話しができます。東くんの行動に感じたことを言って互いに赤面してしまいます。

相沢さんと浜田さんにとって来てよかったと思う一日になりました。



●ep.21東くんはペンを取る

冬休み最終日です。

相沢さんと東くんは喫茶店で楽しい時間を過ごします。

東くんは相沢さんと少しでも長く一緒にいたいようです。

相沢さんはこの冬休み楽しかったと言います。東くんが、じゃあまた来ようよと言うと、

「そ それってデートのお誘いかしら」

と言います。二人の心の声が面白いです。恥ずかしくて話題を変えます。

別れ際、相沢さんは東くんのアウターのすそを掴み、

「私 さっきの デートだったらいいなって思ってる」

と言います。

東くんは肝心なことを相沢さんに言わせるのはずるいです。どんなかたちでも東くんがなにかを言うべきではないかと思います。

東くんは帰宅し、パソコンに向かい小説を書き始めます。

続きます。




ろびこ 僕と君の大切な話 4巻
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