人の心を読み取れる特殊な能力を持つ高台家の人々が平野木絵(ひらのきえ)に出会うお話です。
平野木絵と高台光正(こうだいみつまさ)が交際し、光正をはじめ、光正の妹茂子(しげこ)、弟の和正(かずまさ)が木絵から影響を受けて生きる上での考えに変化が出てくるのが面白い作品です。
平野木絵はごくごく普通の地味めの会社員です。彼女は空想癖があります。バカバカしくて何の役にも立たない空想は彼女の人生を大きく変えます。
高台光正はテレパスの能力を持っています。ある日頭に入ってきた木絵の空想が光正のツボに入ります。木絵を見かけるたびに頭の中を覗いて、バカバカしい空想を読み取って行くうち、話してみたくなり食事に誘います。
木絵は光正にどうして誘われるのか何が好かれているのかよくわかりません。ひとつ気になっていることがあり、光正は自分の考えている頭の声が聞こえているのではないかということです。
光正は木絵を妹の茂子、弟の和正に紹介します。
茂子も和正も光正に彼女を紹介されたのは初めてのことなのでびっくりしています。
茂子と和正も光正同様テレパスの能力を持っていて、木絵の空想を読み取ることができます。木絵の空想を読み取り、人柄を理解し、光正がどうして彼女を紹介したのか納得します。
茂子は木絵に会うまでは人の心が読める能力を嫌っていました。
知らなくていいことを知ってしまうからです。木絵がうすうす光正の能力をわかっているのに一緒にいることが驚きのようで、茂子はそういう人と出会いたいと思っています。
友人関係を続けている岸本浩平(きしもとこうへい)との仲で悩んでいます。彼に彼女ができたことを知り、茂子は自分の気持ちに気がつきます。
茂子は木絵から勇気をもらい、浩平に告白しようとします。しかし、告白はできずに終わります。
浩平は何かに気がつき、茂子との関係を大事にしたいと彼女と別れてしまいます。
木絵は光正がかっこよすぎるて不安になります。
光正の能力は会わないと心を読み取ることができないので木絵の不安になっている理由を知りたいのに忙しくて会えない日々が続きます。
光正は木絵に会って彼女の不安を拭います。
和正は木絵の空想を読み取ることで自分の気持ちに気がつき、悔しがります。
木絵の空想、妄想が面白いです。
特徴的な人物や状況で、脈絡のない物語が始まったり、声に出して言えない思いを頭の中で大声で叫んでみて、きちんとオチをつけたりするのが面白いです。
森本梢子 高台家の人々 1巻
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●関連リンク
集英社 高台家の人々
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