2023年8月28日月曜日

森本梢子 高台家の人々 1巻

人の心を読み取れる特殊な能力を持つ高台家の人々が平野木絵(ひらのきえ)に出会うお話です。


平野木絵と高台光正(こうだいみつまさ)が交際し、光正をはじめ、光正の妹茂子(しげこ)、弟の和正(かずまさ)が木絵から影響を受けて生きる上での考えに変化が出てくるのが面白い作品です。




平野木絵はごくごく普通の地味めの会社員です。彼女は空想癖があります。バカバカしくて何の役にも立たない空想は彼女の人生を大きく変えます。


高台光正はテレパスの能力を持っています。ある日頭に入ってきた木絵の空想が光正のツボに入ります。木絵を見かけるたびに頭の中を覗いて、バカバカしい空想を読み取って行くうち、話してみたくなり食事に誘います。


木絵は光正にどうして誘われるのか何が好かれているのかよくわかりません。ひとつ気になっていることがあり、光正は自分の考えている頭の声が聞こえているのではないかということです。


光正は木絵を妹の茂子、弟の和正に紹介します。

茂子も和正も光正に彼女を紹介されたのは初めてのことなのでびっくりしています。

茂子と和正も光正同様テレパスの能力を持っていて、木絵の空想を読み取ることができます。木絵の空想を読み取り、人柄を理解し、光正がどうして彼女を紹介したのか納得します。


茂子は木絵に会うまでは人の心が読める能力を嫌っていました。

知らなくていいことを知ってしまうからです。木絵がうすうす光正の能力をわかっているのに一緒にいることが驚きのようで、茂子はそういう人と出会いたいと思っています。

友人関係を続けている岸本浩平(きしもとこうへい)との仲で悩んでいます。彼に彼女ができたことを知り、茂子は自分の気持ちに気がつきます。

茂子は木絵から勇気をもらい、浩平に告白しようとします。しかし、告白はできずに終わります。

浩平は何かに気がつき、茂子との関係を大事にしたいと彼女と別れてしまいます。


木絵は光正がかっこよすぎるて不安になります。

光正の能力は会わないと心を読み取ることができないので木絵の不安になっている理由を知りたいのに忙しくて会えない日々が続きます。

光正は木絵に会って彼女の不安を拭います。


和正は木絵の空想を読み取ることで自分の気持ちに気がつき、悔しがります。




木絵の空想、妄想が面白いです。

特徴的な人物や状況で、脈絡のない物語が始まったり、声に出して言えない思いを頭の中で大声で叫んでみて、きちんとオチをつけたりするのが面白いです。



森本梢子 高台家の人々 1巻
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●関連リンク
集英社 高台家の人々

2023年8月24日木曜日

ろびこ 君と僕の大切な話 7巻

最終巻です。

だらだらとしゃべって、夢中になって楽しくて過ぎていく高校生活。

自分の欠点に悩んで、泣いて、なんでもないことにはしゃいで、落ち込んで。

恋が実って、破れて、気づいてそっと優しく励まして。

登場人物が様々なことを考えて行動して、と楽しい作品でした。

一ノ宮鈴と圭介は実ってほしいです。




●ep.32宇宙戦争

「相沢さんのことが好きです」

ついに東くんが告白します。

告白を聞いた相沢さんの頭の中は混沌としています。

「………この間 デートの時あやふやなことを言ったまま終わったからこのままではよくないと思って」

と東くんは言います。

相沢さんは届いてほしいと願った告白がなかったことにされたと思っていたのに、ようやく願いが叶います。もちろん返事は決まっています。ひとつしかありません。声に出そうとして東くんに遮られてしまいます。

「準備ができたら改めて気持ちを伝えるから返答はその時にもらえないか」

と待ってほしいと言われます。

東くんは小説を完成させるのが目標のようで新しい筆記用具を購入し執筆しようとします。


クラスの女子がケンカをしてしまい、東くんたち男子が仲裁に入ろうとします。結局男子は何もできず、女子は勝手に仲直りして解決します。



●ep.33相談男、再び

東くんは執筆に行き詰まり浜田さんに助言を求めます。


相沢さんはウキウキしながら待っています。東くんとカフェインくんが話しているのを見つけ話に加わります。

東くんは相沢さんにカフェインくんに彼女が出来たと言います。

相沢さんはカフェインくんの彼女が浜田さんだと知っているので、東くんには初めて知った演技をします。

カフェインくんは彼女について相談します。

東くんはことごとく的確に応えていき、カフェインくんの悩みは晴れていきます。

相沢さんは東くんに驚いている様子です。


浜田さんとカフェインくんは待ち合わせて帰ります。

見方を変えたカフェインくんは浜田さんのいいところを引き出します。


東くんが相沢さんからカフェインくんの彼女が誰なのかを知ります。



●ep.34ボーイズ・ラビリンス

一ノ宮(一ノ宮鈴)さんと圭介くんについて描かれています。

東くんの叔母が全員登場します。

東くんは執筆に行き詰まっています。

圭介くんはずっと一ノ宮さんに恋しています。一ノ宮さんが進学して、一人暮らしをするので会える機会が減ってしまうので焦っています。気をつけて思いを伝えずにいたのに、ついポロっと好きだと捉えられかねない言葉を出してしまいます。


圭介くんは東くんの部屋で中途半端なことを言ってしまって落ち込んでいます。

東くんは圭介くんの思いに気づいていたので、背中を押します。

圭介くんは一ノ宮さんを公園に呼び出します。

東くんは小説を完成させます。



●ep.35僕と君の大切な話

準備ができたら改めて気持ちを伝えるからと言って、2週間が過ぎます。

相沢さんはさすがに長いと感じています。

「相沢さん おはよう 約束してた例の件ですが 今日 ちょっと時間もらえるかな」

と東くんに声をかけられ昼休みに会います。

相沢さんは何と言われても答えは「イエス」と決めています。

東くんが来ます。東くんは相沢さんに封筒を手渡します。

「見てもらえないかな 小説です 創作小説 僕が書きましたっ…」

強張った表情で言います。

相沢さんは小説を大事に抱えて持ち帰ります。


駅で電車を待つ東くん。

相沢さんは東くんが座るベンチに座ります。

東くんは電車ではなく相沢さんを待っていました。

「……どうして女は… 恋愛が好きなのかな」

1巻の相沢さんのように、何を話せばいいのか困って漫画の話をします。

相沢さんその時の東くんのように応えます。そして、小説の感想を話します。

東くんは、

「相沢さんが好きです 僕と 付き合ってください」

と言います。

相沢さんは、はい、と返事します。



●ep.36それから これから

3年生に進級します。

朝礼があるのに東くんは学校に来ていません。

圭介くんも来ていなくて、一ノ宮さんとしゃべっています。仲は少しだけ良くなっています。

東くんは学校に着いて、教室には行かず、ベンチに座ってアイスを食べています。

相沢さんは窓から東くんが学校に入って来るのを見つけ、きっと教室には来ないでサボるだろうと予測し、東くんならいるだろうと考えた場所に行きます。

相沢さんは東くんと会い仲良くおしゃべりします。

終わり。




男女が互いにわかりあえなくて、通じ合えなくて、ワチャワチャ会話しているのが面白かったです。

浜田さんは東くんに話すようにカフェインくんに話すようになる日が来るのかな、相沢さんの部屋のコレクションを東くんが目にする日は来るのかな、まだいろんなことが描けそうなところで終わるので、そのちょっと先を想像して楽しめる作品になりましただ。



ろびこ 君と僕の大切な話 7巻
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2023年8月22日火曜日

ろびこ 君と僕の大切な話 6巻

●ep.27相沢さんお見舞いに行く

東くんの叔母一ノ宮鈴の野呂先生への告白を心配した相沢さんと東くんは学校の駐輪場で待機していました。

東くんは寒い中外でじっと一ノ宮さんが来るのを待っていたので風邪をひいてしまい学校を休んでいます。

相沢さんは東くんが4日も学校を休んでいるので心配して圭介くん具合を訊ねます。

圭介くんは、

「…行く? 東んち 一緒に行く?」

と言います。

相沢さんは東くんに会いたいので家に行きます。


東くんは圭介くんが相沢さんを部屋に連れてきたので混乱しています。

圭介くんはゲームをするからとすぐに部屋を出ていき、相沢さんと東くんを二人きりにしようとします。

東くんは圭介くんに表情で必死に行かないでくれと訴えます。

圭介くんは東くんに、

「あのな ただのお見舞いだ いいか? ただのお見舞いなんだ わかったら 仲良くプリンでも食べてなさい」

と言って部屋を出ていきます。

相沢さんは、

「ご ごめんなさい 急に押しかけてしまって 遠慮したんだけど 圭介くんが『いいから』って…」

と困ったような嬉しいような表情で言います。

東くんは、うん、と返事します。ふと、3日も風呂に入っていないことにき気がつき、慌てて、

「ごっ ごめん!! ちょっと顔洗ってくる!!」

と部屋を出ていきます。

一人残された相沢さんは初めて来た東くんの部屋に興奮しつつ堪能します。

すぐに東くんは髪を洗って戻って来ます。

相沢さんは心ゆくまで堪能することはできませんでした。

相沢さんと東くんで交わされる会話の中でそれぞれの脳内の温度に差があるのが面白いです。

東くんは熱で意識が朦朧としてつい、

「…ああ もう かわいいなあ 相沢さん…」

と思っていることを口に出してしまいます。

相沢さんは通常通りだと思っていたのに、必死に平静を装っていたことがわかります。好きな人の部屋にいるのだからそりゃ気持ちも上がるというものです。

圭介くんはずっと相沢さんと東くんの様子をのぞき見して楽しんでいます。

一ノ宮さんも加わり圭介くんと一緒になってのぞき見します。



●ep.28文系女子は空を飛ぶ

相沢さんは浜田さんを連れて東くんの見舞いにやって来ます。

東くんは体調がよくないから学校を休んでいるのに浜田さんから相談を持ちかけられます。

東くんは浜田さんの相談にきちんと助言します。


翌日、浜田さんはカフェインくんを待ち伏せ返事をします。

浜田さんが頑張って勇気を出して恋が実ります。

東くんはようやく回復します。



●ep.29僕と君のデート編その1 行く前からがデートです

相沢さんと東くんはようやく約束していたデートが実現します。

相沢さんは今日告白すると、東くんは男としての株を上げると意気込んでいます。



●ep.30僕と君のデート編その2 デートとはプレゼンである

相沢さんと東くんはこのデートを成功させることに集中しすぎて、緊張もあるからか、 相手のことを気にする余裕すらありません。

映画を観て、食事をして、ゲームをして、街をブラブラ歩いてイベントを見て、公園を歩いてようやく肩の力が抜けてきたようで、東くんはデートは成功したと手応えを感じます。デートは楽しくて、相沢さんも同じように楽しんでくれているといいなと思います。相沢さんの笑顔で楽しそうに話すのを見ていると東くんは満たされた気持ちになっているようです。

相沢さんはこのデートで告白するとするのだったと思い出します。

「……東くん あの 今日は誘ってくれてどうもありがとう …あのね 私」

と言ってその次が出てきません。

東くんが促すと、

「…私 東くんに告白した時はこんなふうに仲良くなれるなんて思ってもみなかったわ 東くんてば『女が告白するのは愚策だ』とかひどいこと言うし」

と言います。

東くんは動揺します。

「え 何!? なんで今その話!? ていうか告白って」

「…あの時勇気出してよかったなっていうお話!」

と告白まで突き進めなくて、話を終えようと移動しようとします。

東くんは歩き出そうとする相沢さんの腕を掴み、

「…あの時はてっきり冗談かと思ったんだ」

と言います。

「…今は?」

と相沢さんは訊ねます。

「本当だったらいいなって思ってる」

と言います。



●ep.31僕と君のデート編その3 後始末はきっちりと

デートの日、人が来てそれ以上は話しませんでした。

相沢さんは次に東くんに会うのを楽しみにしています。

翌日の相沢さんは顔から幸せがあふれています。

東くんは次に相沢さんに会ったらどうしたらいいかわからないようです。相沢さんを見かけると隠れてしまうというのが2日続きます。


東くんは図書室に行きます。

浜田さんがいて、浜田さんは東くんが落とした小説のコピーを、

「これ あんたのでしょ 返す 部室の前に落ちてたから部員のかと思って読んじゃったけど」

と言って手渡します。

東くんは浜田さんから小説の助言をもらいます。そして、相沢さんに会いに行きます。デートの時の続きを話そうとするも、恥ずかしさからか回りくどい言い方をして相沢さんを困らせます。相沢さんに伝わっていないとわかり、

「相沢さんのことがすきです」

と思いを伝えます。

続きます。




ろびこ 君と僕の大切な話 6巻
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2023年8月18日金曜日

ろびこ 君と僕の大切な話 5巻

三学期が始まります。

新たな人物が登場します。東くんの4番目の叔母一ノ宮鈴(いちのみやスズ)です。同じ高校に通うひとつ年上の3年生です。見た目はお人形のようなのに東くんからは怖れられています。

一ノ宮鈴の片想いが描かれていて、相沢さんと東くんや浜田さんとカフェインくんの仲は少しだけ進みます。

東くんは相沢さんを特殊だと思う気持ちが何なのかわかります。自覚していなかったからデートという言葉で相沢さんを誘うことができなかったんだと分かりました。




●ep.22 1月はロマンチック1000%

3学期に入っても相沢さんはこれまで通り東くんとお昼ご飯を食べています。日課にしていることがあって浜田さんにもう何日もそれができていないと嘆いています。

浜田さんは昨日の放課後、図書室で東くんを見かけたと言います。

どうしても東くんを一目見て帰りたい相沢さんは図書室に行ってみることにします。


扉をそっと開けると、寝ている東くんの頭を見知らぬ女子生徒が触れようとしているところを目撃します。

小さな物音がして女子生徒は振り返ります。相沢さんを見て、東くんに向き直り、

「おい 起きろ司朗」

と頭をバシッとはたいて起こします。

乱暴に起こされた東くんは、おまえの客だろ、と言われ見てみると相沢さんに気がつきます。

相沢さんは二人の関係性がわからないでのどうしたらいいか困っています。

東くんは相沢さんに女子生徒を、一ノ宮鈴、4番目の叔母と紹介します。

相沢さんは東くんの身内だと判り安心します。東くんが叔母のことを「鈴」と呼び捨てにするので、自分も下の名前で呼ばれたいと羨ましがります。


相沢さんは帰り道東くんに3学期に入って放課後見かけなくなった理由を訊ねます。

東くんは放課後毎日図書室に来いと命令されたので行っていると応えます。なぜ図書館なのか理由はわからないと言います。

相沢さんは一ノ宮さんが東くんに好意を持っているかもしれない疑惑を持ちます。


翌日、東くんは一ノ宮さんに一体何がしたいのか理由を話せと言います。相沢さんに一ノ宮鈴という人物がどんな人物なのか説明します。

聞いていた一ノ宮さんは東くんの腹を殴って黙らせます。東くんの身体が浮き上がっています。とんでもない腕力です。

相沢さんと東くんは一ノ宮さんがなぜ放課後図書室にいて何を待っているのか知ります。一ノ宮さんの目的が達成された喜びを噛みしめる姿を目の当たりにします。二人は呆気にとられた様子です。


それからも放課後に図書室に通う日々が続きます。

相沢さんも東くんといられるから図書室通いにつき合います。

東くんはこの時間に書いている小説の読み返しと推敲をしようと鞄から小説のコピーを探します。鞄には入っていなくてどこかで落としてしまったことに気がつきます。



●ep.23東くんペンが鈍る

東くんが落とした小説のコピーを拾ったのは浜田さんでした。

相沢さんは放課後の図書室で東くんが一日中何かを探していたので一緒に探そうかと言います。

東くんは大丈夫と断ります。

一ノ宮さんが図書室に入って来ます。

相沢さんは一ノ宮さんが機嫌がよさそうなので何かいいことでもありましたか、と言います。

一ノ宮さんは今朝あった些細な出来事について話します。

聞いていた東くんは嚙みつき、まくしたてます。平手が飛んできて黙らされます。


東くんは帰宅すると小説を書きます。その日は思うように進みません。

一ノ宮さんがご飯だと呼びに来ます。

東くんは一ノ宮さんに一人でさっさと帰ってしまったことに怒っています。

一ノ宮さんは、

「いいんだよ それで じゃあな」

と言います。

東くんは一ノ宮さんが帰ってしまった理由がわからず、一ノ宮さんは東くんにはわからないかと思っているようです。


翌日、東さんは相沢さんをデートに誘おうとします。口にしようとした時一ノ宮さんが入ってきて言えずに終わります。

東くんはデートになんていつでも誘える、焦る必要なんてないと心の中で言い訳をします。



●ep.24王子の反乱

環くんが相沢さんに接するようになって、東くんは焦っています。ついこの前焦る必要なんてないと言っていたのに焦り始めます。

環くんに背中を押されるかたちで相沢さんをデートに誘います。

相沢さんは涙ぐんで、

「…はい。」

と言います。



●ep.25スクール♡スクランブル

一ノ宮さんは圭介がウザいという話しから東くんのデートについてちょっかいを出します。

相沢さんは浮かれています。全身が喜びと幸福感であふれています。

浜田さんは文芸部が廃部になりそうだと悩んでいます。運動場を見るとバレー部がいるのに気がつきます。カフェインくんがいるかもしれないと隠れてしまいます。3学期が始まり、カフェインくんとは言葉を交わしていません。そのことも気落ちする原因となっています。やっぱりカフェインくんを一目見たくてバレー部員の中を探します。すると、

「あれ 何してんの浜田さん」

と背後からカフェインくんに声をかけられます。浜田さんはまさか背後にいるとは思わなくて緊張しています。

カフェインくんは運動場にバレー部がいるのに気がつきます。

浜田さんは、

「ちっ 違うから!! 別に高橋くんいるかと思って見てたわけじゃないから!!」

と言います。自分からあなたの事が気になっています、と言っているようなものです。浜田さんは半泣きです。

カフェインは突然、

「浜田さん …あの よかったらなんだけど 俺たち付き合わない?」

と言います。

浜田さんは気持ち悪がられていると思っているのに、思いもよらないことを言われて思考が停止しています。


一ノ宮さんは回想しています。幼い日のこと、野呂先生に恋した時のことです。ぼーっと思い出していると野呂先生に、

「お 一ノ宮 今帰りか」

に声をかけられます。会いたかったのでうれしくて少し話をします。やっぱり好きだと、先生を見ると左手の薬指に指輪を見つけます。



●ep.26結婚するって本当ですか

野呂先生は結婚したと言います。

翌日、一ノ宮さんは机や東くんに八つ当たりします。

相沢さんは一ノ宮さんに野呂先生に好きだという気持ちを伝えようと言います。

一ノ宮さんは野呂先生に告白する決意をします。先生を待ち伏せます。しかし、気持ちは伝えず、三年間の感謝の気持ちを伝えます。

相沢さんは東くんは駐車場で結果を待っています。なんだかんだ言っても心配だったようです。

一ノ宮さんは東くんに明日から図書室に来なくていいと言い、相沢さんを送るよう言い、バイクで帰って行きます。

帰り道、相沢さんは東くんにひどいことを言ったと謝ります。

東くんは女心がわからないと拗ねたフリをします。それよりも、明日から放課後一緒にいる理由がなくなりどうしたらいいか考えています。どうしてこんなにも相沢さんと一緒にいたいのか考えて考えてひとつの答えにたどり着きます。


「一緒にいたい」この気持ちが恋なんだ


東くんは相沢さんに恋していることにようやく気づきます。

続きます。




ろびこ 君と僕の大切な話 5巻
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2023年8月16日水曜日

ろびこ 僕と君の大切な話 4巻

相沢さんと東くんより、浜田さんの頑張りが面白かったです。

無愛想で、人見知りの浜田さん。人間修行の頑張りがどう実るのか楽しみです。




●ep.17「友達」と書いてキープと読む

へいわ台中央駅へいわ一番街商店街にある喫茶店「マリソル」。相沢さんと東くんはここで待ち合わせてひとときを過ごします。

二人は互いの私服を見て楽しんでいます。

相沢さんが想像する東くんの私服が面白いです。本当に好きなんだよね? 、と確認したくなります。

東くんは相沢さんの服を褒めようとします。しかし、きっと良い方向には進んでいかないと考え、褒めるのをやめます。


ポクポクというオノマトペは好きな人のことを考えている時に起こる現象の音なのかな、どういう状態のことを示す音なんだろうな。


今日は男友達について話しが広がります。

東くんは饒舌に話します。

相沢さんは、

「私 男友達っていたことないからなあ…」

と言います。

それを聞いた東くんは時が止まります。友達だと思っていたのに自分と相沢さんとはどういう関係なのかと脳をフル回転して考えます。一旦落ち着かないといけないと席を立ちます。友達ではないなら…。期待が膨らみます。


相沢さんは戻ってきた東くんの様子がおかしいことに気がつきます。

「? どうかしたの 東くん?」

「…い いや……… さっき『男友達いない』 って言ってたから…」

と言います。

相沢さんは言葉に気づいて焦ります。すぐに、

「ご… ごめんなさい そうだったわね 今は東くんが一番の友達ね 男友達の!」

と言います。

強調して言うものの、東くんは期待していたこととは違うことを言われ崩れ落ちてしまいます。


店を出て相沢さんは東くんにプレゼントを贈ります。手作りのしおりです。

東くんはありがとうと受け取ります。



●ep.18高校生は芋づる式に集まる

年が明けます。

東くんは大晦日からパソコンに向かい、そのまま寝落ちしてしまいます。

圭介が部屋に入ってきて東くんを起こします。

東くんはちゃんと眠ろうとベッドに入ります。

圭介の携帯にメールが届き、

「中川が天國神社に初詣行こうってよ どーする? おまえ行く?」

と言います。

東くんは行かないと言ってから、相沢さんが喫茶店で浜田さんと初詣に行くと言っていたのを思い出して、やっぱり行くと言います。

天國神社には学校の同級生の友達が集結しています。

相沢さんは環くんに会い、東くんが神社に来ていることを知ります。

浜田さんはカフェインくんとばったり出会います。

相沢さんはこそこそ隠れている東くんをみつけます。カフェインくんと浜田さんが一緒にいるのでニヤニヤします。

相沢さんも浜田さんも会いたい人に会えて、新年幸先のいいスタートです。



●ep.19文系女子は塔の上から降りられない・前編

喫茶店マリソルで相沢さんと東くんが会っているところに、浜田さんと文芸部の部員が同席しています。

部員は新人賞に投稿するために描いた作品が行き詰まっていて、東くんに意見を求めに来たのでした。

東くんは部員のネームを読んで意見を言います。思うように言うと全部を否定するような感想になったので参考にならないと言われてしまいます。

相沢さんはネームを読んで具体的に登場する人物の気持ちをもっと読みたいと感想を言います。

部員は相沢さんの感想から行き詰まってぐちゃぐちゃだった頭の中が少し整頓され、方向性がぼんやり浮かんできてやる気が戻ったようで、お礼を言い帰っていきます。

東くんは相沢さんの相手を乗せる話し方に感心します。

部員は帰ったのに、浜田さんは帰ろうとしません。何か話したそうです。でも切り出しにくいようです。初詣でのカフェインくんとの会話を後悔していて相談したいようです。恥ずかしいので、自分の友達の話ということで相談を始めます。

東くんは得意げに相談にのります。

相沢さんは事の成り行きを黙って見守っています。

東くんは慰めるように気にすることではないと言います。

浜田さんはトイレに行き、気持ちを落ち着かせて戻って来ます。戻るとカフェインくんがいます。せっかく落ち着いた気持ちがまた高鳴ります。

カフェインくんは相沢さんと浜田さんに水族館の入場券がタダで手に入ったので行かないかと誘います。

相沢さんは東くんと水族館に行けるというので浜田さんに訊かず行くと言います。



●ep.20文系女子は塔の上から降りられない・後編

東くんは相沢さんと二人で水族館に行くつもりでした。誘う勇気がなくみんなで行くことになります。何とか自分に言い訳をして家を出ます。

水族館の前で券をもらった同級生が集まっています。

人見知りの浜田さんはしゃべったことのない人ばかりで表情が苦しそうです。

水族館の中に入ると相沢さんは浜田さんと二人で行動します。

浜田さんは同級生の七島さんと言い合いになり、相沢さんに、

「…ちょっと 頭冷やしてくる」

と一人深海生物のコーナーに行きます。

浜田さんは相沢さんをかばうためとはいえ七島さんと言い合いになってしまって反省しています。深海生物を眺めながら人となじめない自分に嫌気が差しています。

カフェインくんがやって来ます。

浜田さんは自分を探しにまさかカフェインくんが来るとは思っていなくてドキドキしています。話しかけてくれるカフェインくんに、

「…ト トラブル起こして ごめん」

と申し訳なくて謝ります。いろいろ言ってくれるカフェインくんがやっぱりいい人だと再確認し、勇気を出して、水族館に誘ってくれたことが嬉しかったと感謝を伝えます。


相沢さんはようやく東くんと話しができます。東くんの行動に感じたことを言って互いに赤面してしまいます。

相沢さんと浜田さんにとって来てよかったと思う一日になりました。



●ep.21東くんはペンを取る

冬休み最終日です。

相沢さんと東くんは喫茶店で楽しい時間を過ごします。

東くんは相沢さんと少しでも長く一緒にいたいようです。

相沢さんはこの冬休み楽しかったと言います。東くんが、じゃあまた来ようよと言うと、

「そ それってデートのお誘いかしら」

と言います。二人の心の声が面白いです。恥ずかしくて話題を変えます。

別れ際、相沢さんは東くんのアウターのすそを掴み、

「私 さっきの デートだったらいいなって思ってる」

と言います。

東くんは肝心なことを相沢さんに言わせるのはずるいです。どんなかたちでも東くんがなにかを言うべきではないかと思います。

東くんは帰宅し、パソコンに向かい小説を書き始めます。

続きます。




ろびこ 僕と君の大切な話 4巻
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2023年8月14日月曜日

ろびこ 僕と君の大切な話 3巻

相沢さん(相沢のぞみ)は気持ちが上に行ったり下に落ちたりして大変そうです。東くんと話す前は平坦な日々だったので楽しんではいるみたいです。

東くん(東司朗)は駅のホールでの相沢さんの告白が本当だったことを知ります。話しているうちに特別な存在のように思うようになり、まさかその人が自分のことを好きだと知ってどうしたらいいかわからない様子が面白いです。

うまく自分の気持ちを出せない性格の浜田さん(浜田まりん・はまりん)はカフェインくん(高橋卓也)とどう仲良くなっていくのか楽しみです。




●ep.12胸キュンってなあに

東くんは漫画の感想を文芸部の部員と話しています。

その横で相沢さんは無の状態で座っています。昼ご飯を東くんと二人で食べる貴重な時間が中庭は寒くなって来たので続けることが難しいと思っていたのに、東くんがいい場所を知ってるというので、期待して行ってみると文芸部の部室でした。ストーブがあるので寒くありません。しかし、文芸部の部員がいるので二人きりではありません。東くんに怒りを覚える反面、東くんの知らない部分を知ることができるので言いようのない感情がせめぎ合っています。


文芸部部長の浜田さんが入って来ます。浜田さんは相沢さんに部長としてかっこいい姿を見せたいようです。

しかし、相沢さんはそんな浜田さんのことを気にすることもなく東くんとしゃべっています。東くんにどうしてこの場所、理科準備室に文芸部の人たちがいるのか訊ねます。

東くんは文芸部は他部に部室を奪われ、自分が見つけた理科準備室にやって来て、活動するようになったと話します。


東くんは家から持って来た漬物を相沢さんにすすめます。

相沢さんは漬物を食べ、東くんは文芸部の部員がすすめた漫画を読んでいます。

東くんは、

「……相沢さん 胸キュンって…なんだろう」

と言います。そこから胸キュンについて話します。

相沢さんは妄想を始めます。

東くんは相沢さんの照れた表情にドキドキし、向けられる表情ひとつひとつに目を奪われます。

相沢さんは漬物ごちそうさまと言うと、東くんは喜んでもらえたと感じ、ここが僕の一番好きな場所だから相沢さんにも楽しんでほしいなと思ったと言います。

相沢さんは、

「私はどこでも東くんと一緒なら楽しいわ」

と言います。

相沢さんと東くんは互いの言葉にキュンとします。



●ep.13好きになってくれますか?

相沢さんは自宅の前で弟を取り合う2人の女子生徒に会った話をします。女の子を泣かせる弟を心配します。

東くんはモテる男の気持ちを知るにはと環くんに相談します。

相沢さんの質問に環くんが答えます。環くんが答えていくと相沢さんは呆れてしまいます。

相沢さんの心の温度が下がっていくのに気がつかない環くんに代わって東くんがなんとかこれ以上悪くさせないために懸命に理屈を展開します。

しかし、東くんは環くんをフォローできず、相沢さんをはっきりと怒らせていると感じます。

相沢さんは東くんの理屈を聞いて、自分が告白したことを忘れていると判ります。くやしいので東くんに反論します。

東くんはあくまで僕の意見だと譲りません。

環くんが二人の間に入り、場を和らげます。話を変え、東くんに相沢さんをどう思うか訊ねます。

相沢さんは環くんが訊きたいことを言ってくれて気持ちが上がります。

東くんは急にどう思うかと言われ、躊躇してから、

「…ぼ 僕にとっては なんでも話せる …唯一の女子だ」

と言います。

相沢さんは唯一と少しだけ特別感を出してくれたことに嬉しさがこみ上げます。

相沢さんの弟の話は解決しませんでした。鐘が鳴り教室に戻ります。

相沢さんは東くんにさっきは悔しくて反論したと言い、東くんは相沢さんの言う通り理屈ではないと言います。

東くんと話す相沢さんの表情を見て環くんは何か発見があったようです。



●ep.14文系女子は塔の上で踊る

浜田さんは恋なんてしないと思っていました。しかし、ある出来事を境にある男子のことを目で追うようになります。興味のないフリをして東くんからある男子についての情報を得ようとします。

浜田さんはその男子はカフェインと呼ばれていることを知ります。相沢さんと東くんがカフェインくんについて話しているのを聞き耳を立てて内容に一喜一憂しています。冷静でいたいのに心がそうさせてくれなくて言わなくてもいいカフェインくんのことについて顔を真っ赤にして言い訳するように言います。

相沢さんと東くんは、急にどうした? と驚きつつも黙って浜田さんの話を聞いています。

浜田さんの後ろに話していた張本人カフェインがいて、浜田さんが気づき恥ずかしさのあまり逃げ出してしまいます。



●ep.15東くんは忘れてる・前編

相沢さんはジレンマを抱えています。

東くんがどうやら告白したことを忘れているらしく、恋心に気づかず無神経な発言を繰り返すことに穏やかではいられません。でも、告白について確認し返事が望まない結果になっては昼ご飯さえなくなってしまうと困っています。


いつものように東くんは話しています。

相沢さんは大きなため息をつきます。

東くんは相沢さんの樣子に異変を感じつつも気づかないフリをします。

相沢さんは浜田さんに東くんが告白したことを忘れていて悩んでいると言います。


東くんは相沢さんが元気がないので、また何か余計なことを言ってしまったのかと心配します。自動販売機の前で相沢さんを見かけます。元気がなく見えるのでどうしたのか心配していると言います。

相沢さんは、

「……東くん 私たちが出会った日のこと覚えてる?」

と言います。

東くんは、

「? うん 収穫祭の準備中。」

と言います。

相沢さんはびっくりします。

相沢さんの反応に東くんは、

「ーー ああ 覚えてないかな 僕たち1年生の時少し話したことがあるんだけど」

と言います。

相沢さんが驚いたのは東くんを好きになったのがその時だったので、東くんがその時のことを覚えていたからです。相沢さんは嬉しさがこみ上げてきます。

東くんは相沢さんが急に元気になって何がなんだかよくわからないようです。


東くんは昼ご飯で理科準備室にやって来ます。ストーブの前で暖を取っていると、浜田さんがやって来ます。

浜田さんは、

「あんた うちののぞみんを振るなんてどういうこと?」

と言います。

東くんは思ってもいないことを言われ、

「………は?」

と訊き返すと、

「しらばっくれんな のぞみんから聞いたわ 駅のホームで断ったんでしょ のぞみんの告白」

東くんは初めて駅のホームで相沢さんと会って話したときの記憶を呼び起こします。あの告白はからかわれただけ、冗談だったのではと思い返します。しかし、相沢さんと話すようになって彼女がそんな冗談を言う女の子ではないということもわかっています。結果、東くんは、俺、相沢さんをフッたの? と自分に問いかけます。そして急に相沢さんを恋の対象として意識してしまいます。



●ep.16東くんは忘れてる・後編

東くんは相沢さんが今はどう思っているのか気になります。

相沢さん普段通り東くんに接しています。

東くんは普段、相沢さんとこんなにも近い距離で接していたのかと意識してしまったせいで冷静ではいられません。

会話の中で相沢さんが、

「あはは 東くんメガネなのにはそれなんだもの ほんとガッカリがすぎるわー」

と言って、東くんが仮にもし好きな相手だとしてこんなことが言えるだろうか… 、という場面あって笑ってしまいました。


期末試験が終わります。

東くんは相沢さんに会えていないのでさみしさを感じています。

相沢さんは東くんに会えていなくて禁断症状で体が震えています。

東くんは相沢さんを見つけて声をかけます。相沢さんは久しぶりに東くんに会えて嬉しそうです。

東くんは相沢さんについていろいろ考えていたのに会ってみると、今こうして仲良くしてくれるならいつもの自分でいいかもと考えます。

そして、日常に戻りいつもと変わらぬ日々を過ごし、2学期が終わります。

終業式、東くんは勇気を出して相沢さんに、

「ぼ 僕は 休日はいつも午前中に図書館で本を借りて駅前の喫茶店でお茶をしてかえるんだ よかったら 相沢さんもどうかな」

と冬休みに会わないかと誘います。

相沢さんも東くんも顔が真っ赤です。

続きます。




ろびこ 僕と君の大切な話 3巻
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2023年8月10日木曜日

ろびこ 僕と君の大切な話 2巻

浜田まりん(はまりん)という人物が登場します。相沢さん(相沢のぞみ)の友人で、文芸部の部長です。東くん(東司朗)のことは文芸部にたまに顔を出すので知っています。自信がなくて臆病なところがあるのに、人前では強気を見せようとするところが面白いです。

相沢さんは本当に東くんのことが好きなんだよね? と訊きたくなります。東くんに可愛いと思われたいとは思っていないような刺さることを言うのが面白いです。




●ep.7ラブラブですか?

相沢さん(相沢のぞみ)と東くん(東司朗)は中庭のベンチで昼ご飯を食べます。

相沢さんは東くんと一緒にお昼を過ごせるので幸せに満ちあふれた表情です。

クラスメイトが相沢さんと東くんが二人でいることに興味津々です。

仲間に入れてとやってくる者、偶々を装って絡んでくる者、みんなの代表として一人が来てどういう関係なのか訊ねる人が次々とやって来ます。とにかく相沢さんと東くんが気になって仕方ないようです。

環がやって来て、

「東くんと相沢さんは付き合ってるの? ラブラブなの?」

と誰もが訊きたくて仕方ないことをいとも簡単に訊いてしまいます。

相沢さんが立ち上がり、

「付き合ってませんし ラブラブもしていません 私と東くんはただここで友人として話をしているだけです それ以上でも以下でもありません なので あまり騒がれるのは困ります どうか 誤解のないようお願いします」

と言います。

はっきり言葉にしてくれたのでクラスメイトは解散します。

東くんは自分が言うべきことだったと相沢さんに謝ります。そして、

「だからどうか これに懲りずにまた僕と話してほしい」

と言います。

相沢さんは笑顔です。


教室に戻った東くんはクラスメイトに東くんが相沢さんを好きなのだと理解し応援の言葉をかけます。

相沢さんの友人はまりんは、

「…ねえのぞみん のぞみんの好きな人って4組の東?」

と訊ねます。相沢さんの動揺する表情から理解します。



●ep.8猫にひっかかれるとなんだか嬉しい

鮭弁当を食べている東くんのそばにはまりんが地面に座っています。

東くんははまりんを部長と呼びます。

相沢さんがやって来ます。

相沢さんは東くんにはまりん(浜田まりん)を友人と紹介します。

浜田さんは相澤さんに東くんのことを知っていて、部活にたまに顔を出すと言います。

東くんも文芸部には知り合いがいて浜田部長にはお世話になっていると言います。

知らなかった相沢さんは浜田さんに教えてくれればいいのにと言います。

浜田さんは相沢さんに東くんのことを好きって知らなかったと言います。相沢さんと東くんがどれくらい仲がいいのか確かめに来たようです。

「東… あんたなんでのぞみんとここで昼飯食ってんの?」

と訊きます。

東くんは考えに考え抜いて完璧な返答を導き出した気になり応えます。

浜田さんは冷めた感じで対応します。相沢さんと東くんが仲良くするのが気に入らないようです。


お昼ご飯を終え、相沢さんは浜田さんになぜ東くんに素っ気ない態度を取るのか訊ねます。

浜田さんは東くんが女子苦手って言ってるのに相沢さんが美人だから仲良くしようとしていてむかつくと応えます。

相沢さんはありがとうと返し、

「本当に美人だというなら 少しはなびいてほしいものだわ…」

とつぶやきます。

浜田さんは相沢さんがいいならいいんだけどと言い、一人トイレに行きます。個室に入ると隠していた感情を吐き出します。平静を装っていただけで、相沢さんが東くんに恋しているのがわかり、相手が東くんなのが腹が立つし、何より相沢さんが遠くに感じてさみしくなります。誰にもぶつけられない感情があふれています。


相沢さんは東くんに初めて会った時のことを思い出します。それがきっかけで東くんを目で追うようになり、距離を縮めていって、駅にホームの告白に至ります。ようやく相沢さんがどうして東くんなのかがわかりました。


図書室で浜田さんは東くんを見つけ、お昼の態度を謝ります。

東くんは理由を訊き、それだけ相沢さんのことが大事なんだろうと浜田さんの気持ちを推し測って謝る必要はないと言います。

相沢さんが図書室入ってきます。東くんと浜田さんがいてびっくりしています。

相沢さんは浜田さんに東くんと何を話していたのか訊ねます。

浜田さんは相沢さんにも、東くんに素っ気なくしたこと、付き合うとか言われたらどうしようとさみしくなってしまったと謝ります。

相沢さんは、

「何を差し置いても東くんと付き合いたいと常々思っているわ」

と笑顔で応えます。

浜田さんは笑顔でその場は対応します。でも、付き合ったら嫌なので、自分が見ているときは東くんを威嚇することにします。



●ep.9思春期ですから

相沢さんと東くんはいつもの場所でお昼を食べます。

今日は東くんのクラスの女子の傍若無人ぶりについて話します。

そこから相沢さんの質問が始まります。

東くんは自分を偽って質問に答えていきます。そんな自分に嫌気が差してきて額に手を当てて考え込んでしまいます。

そんな東くんを見て相沢さんは顔色が悪いと心配します。

東くんは相沢さんが急に顔を近づけてきたので照れて飛び跳ねてしまい、植え込みに背中から落ちてしまいます。そして、素直に相沢さんの前では格好つけたくなると白状し、相沢さんは自分にとって特殊な人間なのかもしれないと言います。

相沢さんは、

「私のほうこそいい格好しようとしてばかりだわ だって私 東くんに女の子として見てもらいたいんだもの」

と言います。

東くんはそう言う相沢さんの表情に心臓が跳ねます。このタイミングで相沢さんにはっきりさせたいことを言おうとします。しかし、風に邪魔されてタイミングを逃してしまいます。東くんが特殊だと感じる人が特別なのだと気づくにはもう少し時間がかかりそうです。



●ep.10デートに行こう!

相沢さんは映画鑑賞券を入手します。東くんを誘うと、その日は補習だと言われます。

相沢さんは勉強ができるので補習はありません。

東くんはメガネをかけているのに勉強ができません。残念メガネです。

浜田さんも東くんの仲のいいクラスメイトのほとんども補習です。


教室に集まり、補習の前にいろんな話で盛り上がります。

浜田さんは黙って話を聞いていて、心の中で持論を展開しています。


後日、相沢さんは東くんと映画に行くことができました。



●ep.11恋は嵐

相沢さんと東くんがお昼を食べていると環くんがやって来ます。

環くんは相談を始めます。


浜田さんは高橋(カフェイン)くんと何か始まりそうです。


相沢さんは運動場にいる東くんを見つけます。

東くんは相沢さんの視線に気づき手を振ります。

相沢さんは東くんが気づいてくれた慶びを噛み締めています。

環くんが相沢さんに話しかけます。

相沢さんは環くんの踏み出そうとした誘起をとても格好いいと言います。

環くんは自分の意図に気づいてくれた相沢さんにこれまで感じたことのない感情を覚えます。


お昼いつもの場所で東くんは独女をしています。

相沢さんが声をかけます。もう少し寒くなったら中庭でひるごはんは食べられなくなるねと言います。

東くんは相沢さんの顔を見て、

「そうなったら また別の場所を考えなくてはいけないな 大丈夫 僕はいい場所を知っている」

と言います。

相沢さんは二人のお昼ご飯が続くのがうれしいようです。


「何イチャイチャしてるの?」

環くんがやって来ます。相沢さんと東くんが座るベンチに座ります。

相沢さんは東くんと少し距離をとって座っていたので、環くんが座り、東くんの方へ押しやられます。東くんとの距離がグッと近づきます。

「ありがとう」

相沢さんは環くんに感謝します。

続きます。



ろびこ 僕と君の大切な話 2巻
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2023年8月8日火曜日

ろびこ 僕と君の大切な話 1巻

好きだと気持ちを伝えたい女の子。

からかわれていると思い、隙を見せてはならないと構える男の子。

そんな二人が駅のホームのベンチで思いつくまま会話しているというお話です。


学校の最寄り駅「へいわ台」のホームのベンチで交わされる会話が男女の考え方の相違によって盛り上がったり、互いに主張したいことが対立してしまったりします。本音が誤解されたり会話にいろんな温度を感じたりしながらなかなか二人の距離が近づいていかないのが面白いです。


女の子は相沢のぞみと言います。美人で近寄りがたい存在のようで、相沢さんは他の生徒と距離があると感じています。

男の子は東司朗と言います。東くんは場の空気を読めず、相手を怒らせていますことが多いです。自分が原因で怒っているのはわかっていて、何故怒らせたかについてはまったくわからないようです。しかし、色んな人に絡まれ見方によっては人気者にも見えます。




●ep.1これから大切な話をします

東くんと相沢さんはへいわ台駅のホームのベンチに座っています。

東くんは読書をしています。

相沢さんは東くんに話しかけます。

しかし、会話のきっかけをつかめず、なんとか切り出したのは

「…… …… どうして男は…戦いが好きなの」

というものです。弟の漫画を読んで感じたことを隣に座る本を読む東くんに話しかけます。

東くんはは、

「…それを言ったら少女漫画だって似たようなものじゃないか」

と女の子が読む漫画についての疑問をぶつけかえします。

相沢さんは、

「それが少女漫画のいいところじゃない」

と理不尽な返答をします。

東くんは言葉が出ません。

相沢さんは、

「…なんて そんなことはどうでもいいんだけど…」

と自分が言い出したことはさておき、

「2年4組東司朗くん 私 あなたが好きです」

と急に告白をします。

東くんは驚いた様子で女の子を見ます。

女の子は真っ赤になった顔を手で覆っています。

東くんはからかわれていると思い、

「…2組の相沢さんだっけ」

と言うと、学校から駅までの間ずっと後ろから尾けられたことを、

「そういうのよくないよ」

と冷たく対応します。東くんは相沢さんの気持ちを伝えたかったということについても、

「いやそれもやめたほうがいい」

と持論を展開し始めます。

女性から告白することについての東くんの説明は相沢さんにとって全く理解できるものではありません。

相沢さんは東くんに気持ちを伝えることができてうれしかったのに、冷静に指摘され驚いてしまい謝ります。

相沢さんに謝られてしまうと、東くんはそれはそれで申し訳なく思い、続く言葉が出てきません。

相沢さんは告白をして、今後どうしていきたいかを言おうとしたその時、東くんのズボンの裾と靴下の隙間からのぞく素足、肌からまばらに生えているスネ毛を目撃してしまいます。

東くんは相沢さんが言いかけたことを聞こうとします。

しかし、相沢さんは東くんのスネ毛によって熱くなりすぎた気持ちを冷まされてしまい、告白のその先はお預けになってしまいます。

相沢さんは、用事を思い出したからとその場を立ち去ってしまいます。

東くんは相沢さんと交わした会話について考えてみても何がなんだかよくわかりません。


翌日、東くんは学校で相沢さんと目が合ったけど逸らされたので、駅でのことは全て忘れることにします。



●ep.2男と女の交差点

学校で目を合わそうともしない相沢さんは東くんに助けられて、また駅のホームのベンチで話しかけます。

東くんは相沢さんの行動が理解できず、冷静に応対します。

相沢さんは、

「…この間はごめんなさい 東くんの男らしい下半身を見て私ちょっとびっくりしたっていうか なんかどん引きしたっていうか……」 

と理想と現実のギャップに耐え切れなくてと言います。

東くんはよくわからない、女は自分に甘いと興奮気味に語ります。男の気持ちと女の気持ちは絶対に理解し合えないと言います。

相沢さんはならどうして構ってくれるのかと訊ねます。

東くんはこちらから拒むのはもったいない、相沢との会話はあまりに自分と違ってなんだか面白いと言います。

相沢さんは、

「…東くん あのね 改めて私と友達に−−」

再度言おうとしたところ、駅を通過する急行が入ってきて風を巻き起こし、相沢さんのスカートがめくれてしまいます。

東くんは相沢さんの正面の位置にいます。

相沢さんは赤面して取り乱し、東くんが宥めて落ち着きます。

この日も相沢さんは思いを言えませんでした。



●ep.3女の不安は納豆のようにからむ

相沢さんは東くんがクラスメイトの女の子と話しているのを見かけてしまいます。

危機感が募り、焦り、慌てて気にして、やきもちを焼いてしまいます。


三度目の駅のホームのベンチでの会話です。

東くんは相沢さんに学校ではしゃべらないのに、駅ではよくしゃべるんだなと言います。

相沢さんはクラスの女子とすごく親しげで、交友関係が広いだねと言います。相沢さんの目には東くんは人気者に映っていて、いつも誰かとしゃべっているので話しかける勇気が出ません。 

東くんは言わなくていいことをつい調子に乗って言ってしまいます。

会話が途切れてしまいます。

相沢さんは黙ってうつむいています。

一方東くんは黙ってうつむいている相沢さんを横目で感じて、

落ち込んでいる理由を探します。わからないので、考え抜いた結果ダジャレを言います。

相沢さんは怖ろしく冷たい目で東くんを見ます。

東くんは挫けず、何か悩みがあるなら相談に乗ると言います。相沢さんが、え? 、と言うと、元気がないように見えたからと言います。

相沢さんは東くんが気にかけてくれていると感じうれしくなります。そして、もっと親しくなりたいと言います。

東くんは、

「え? 僕 今 女子で一番仲いいのたぶん相沢さんだけど」

と言います。

それを聞いた相沢さんは嬉しくて震えています。


東くんはさらっと相沢さんが求めていることを言ってしまう

のに的を外してしまうこともあるので面白いです。



●ep.4相談男

相沢さんは調理実習で作ったクッキーを持って東くんが来るのをを待っています。ようやく来たと東くんをみると、すぐ後ろに友人を連れてきています。見たことはあるものの、名前は知りません。

東くんは相沢さんに彼をカフェインと紹介します。

カフェインは高橋と名乗ります。駅で東くんを待っているのが相沢さんなのでびっくりしています。

東くんはカフェインが悩みを抱えていて一緒に相談にのってほしいと言います。

カフェインの悩みは付き合ってる彼女についてです。

恋の話に相沢さんは興奮します。

東くんはデータはバッチリなので何でも相談してくれと言います。


カフェインの相談というのは、彼女が二股しているみたいなんだけど、どうすればいい、というものです。

東くんも相沢さんも即答で別れろと助言します。話を聞けば聞くほど付き合う理由がないと言います。

カフェインはそれでも彼女が好きだから一回ちゃんと話してみると言います。話していると携帯にメールが届きます。彼女からのもので別れるという内容です。悩みは強制に終了します。

相沢さんは東くんに手作りクッキーを渡せませんでした。


翌日、東くんは下駄箱で相沢さんからの手作りクッキーを見つけます。昨日熱くなって、手作りについて熱弁したことを思い出し、後で相沢さんに昨日の言動を謝りました。



●ep.5ほめられて伸びるタイプなんで

東くんはクラスの女子に入口をふさがれて教室に入れません。駅のホームのベンチで相沢さんにそのことについて話します。

相沢さんは隠れてその様子をの一部始終を見ていたので知っています。

二人は女子を怒らせないようにするため練習してみます。

後日、東くんは練習通り教室で女子に実践してみると怒らせることなく上手くやりとりができます。



●ep.6高嶺の花は意外とフリー

東くんは駅で相沢さんを待っても来ないようなので帰ろうとします。

相沢さんがやって来ます。今日は相沢さんが人を連れています。

環(たまき)という学校一のモテ男です。

環くんは東くんと友達になりたくて相沢さんに紹介を頼んだのでした。環くんはフワフワしていて東くんのように自分の意見を持つようになりたいと思っています。

相沢さんもズバッと核心を突くことを言い、環くんは嬉しそうです。

ここでも男と女の相容れない考え方で盛り上がります。

翌日、相沢さん東くんは、環くんが髪型を変えているのを発見します。環くんの変化をきっかけに二人は学校でも話すようになります。

東くんは明日からここで弁当を食べるから、よかったら話しかけてと言います。

相沢さんと東くんが仲よさそうに話すのをクラスの人たちが見つけザワザワしています。




東くんは考え抜いて口にしたことは、相沢さんに冷たくあしらわれて、不意に思って言ったことが相沢さんの心に響いてしまうのが面白いです。

会話がすれ違わないまでも、うまくかみ合わないのが楽しいです。

続きます。



ろびこ 僕と君の大切な話 1巻
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2023年8月4日金曜日

あきづき空太 赤髪の白雪姫 26巻

●第128話

白雪は王城から次の指示を待っています。

薬室長の指示はリリアス勤務の継続です。


リュウは白雪を食事に誘います。そして、薬室長にリリアスで薬剤師を続けると伝え、正式に許可が出たと言います。

白雪とリュウは離れることになります。

白雪は一緒にリリアスで仕事を使用と誘われなかったことにさみしさを感じているようです。



●第129話

白雪にまだ王城から次の指示が来ません。

ゼンとミツヒデと木々がリリアスにやって来ます。

白雪はゼンに王城で何か言ってなかったか訊きます。

ゼンは何も聞いていないと言います。

白雪は落ち着くように自分に言い聞かせます。歩いていると、求人掲示板を見て騒いでいる人たちがいるので、何だろうと覗いてみます。



●第130話

薬剤師募集

1.隣国王家より賜与された称号を持つ者

2.クラリネス王国の爵位の証を持ち当家を訪れられる者

依頼主 シンス・ジラン


求人の内容は特定の人物を指名しています。


オビは求人を見つけゼンに報告します。

ゼンはマキリに相似行きます。リュウの辞令を受け取った時もう一人分の辞令を受け取っただろうと訊ねます。

マキリは受け取ったのはゼン殿下の指令だと言います。


薬室では鈴がリュウに話しかけています。求人の募集で貼られていた内容についてです。

白雪が条件に当てはまっているのかと訊ねると、リュウは認めます。

鈴はオビの身分について大体想像がついています。だけどきちんとは知らないようです。知らないほうがいいと思っているようです。白雪も同様に驚くような身分証を持つと知って静かに驚いています。


白雪はマキリに会おうとします。ミツヒデと木々に呼び止められ、ゼンとオビがマキリに会っていると聞かされます。シンス・ジランという人物について訊ねます。

ミツヒデはシンス・ジランはゼンの叔父だと言います。


白雪はゼンに会い、明日ジラン家に出発すると言います。

ゼンは求人の二つ目の条件も揃うので一緒に行くと言います。

白雪はエイセツに署名をもらうつもりでいたようです。しかし、ゼンが一緒に行くのであれば、二つ目の条件は満たされます。



●第131話

夜、ゼンミツヒデと木々と白雪とオビで食事をします。

ゼンと白雪は二人で外に出ます。久しぶりにゼンと白雪が

描かれます。



●第132話

ゼンと白雪の二人だけの場面です。

白雪はウィラント城に行くのか訊ねます。

ゼンは先王から継ぐと応えます。

白雪は必ず味方になりに行くよと改めて言葉にして言います。




ゼンの叔父だというシンス・ジランが白雪の味方になれば、ウィラント城へ行く道が一気に開けるのかなと想像します。




あきづき空太 赤髪の白雪姫 26巻
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2023年8月2日水曜日

可歌まと 狼陛下の花嫁 19巻

最終巻です。

第二部は夕鈴が国と国の関係を改善したり、陛下と王族の関係をや陛下と臣下の関係を良いものにしたり大活躍します。その方法がこれまで読んできた夕鈴という人物らしいやり方で突き進むのが面白かったです。

夕鈴が自分以外のことに興味が向いていると陛下の機嫌が悪くなるのが面白かったです。




●第101話

夕鈴は目覚めると、頭に痛みを感じます。

女官は騒がしくて、

「お妃様!! お目覚めになられましたのね!」

「階段で転倒して気を失われて…っ もう三日も眠ったままでしたのよ」

「早く陛下にお知らせして」

「李順様ならちょうど先程こちらに…っ」

と夕鈴が目覚めたことを喜んでいます。

夕鈴はきょとんとしています。


老師は李順に夕鈴が後宮に来てからの記憶がごっそり抜け落ちていると言います。

夕鈴は記憶喪失になったようです。

報せを聞いた陛下が慌ててやって来ます。目を覚ました夕鈴を見て安堵しています。

夕鈴は陛下に抱きしめられ失神します。


意識が戻り夕鈴は陛下から説明を受けます。

今いるのは後宮で、夕鈴は妃で目の前にいる陛下が国王であり、夫であると説明されます。

夕鈴は庶民がどうしたら妃になれるのか訊ねます。

陛下は、

「僕が君を愛してしまったから」

と応えます。


夕鈴は夢だと思い、目が覚めれば元の生活に戻っているはずだと眠りにつきます。翌日、夢のはずなのに、下町ではなく後宮で目を覚まします。


夕鈴は李順に帰りたいと言います。どこへと訊かれ、下町の実家にと言います。すぐに却下されてしまいます。

李順は一刻も早く元の状態に戻ってほしい、陛下のためにどうか頼みますと言います。

夕鈴はどうしても思い出せません。



●第102話

李順は妃の記憶を取り戻すため、柳方淵(りゅうほうえん)と氾水月(はんすいげつ)と面会させます。

続いて徐克右(じょこくう)とも面会します。

夕鈴は三人に会って、疑問がさらに増したようです。


夕鈴は陛下に下町の実家に帰りたいと言います。

陛下は一緒について行くことを条件に許可します。



●第103話

夕鈴は実家に帰ります。弟の青慎(せいしん)、父親の岩圭(がんけい)に会います。

岩圭は陛下(李翔・りしょう)の顔を知っているようで、陛下の顔を見るとどこかに逃げてしまいます。

李翔と夕鈴は青慎に事情を説明します。

几鍔(きがく)がやって来て、李翔と二人で話をします。

夕鈴は部屋が物置になっていて、使った形跡がないことがわかり、我が家に帰って来たのに居場所がないと感じます。大事なことを忘れているとは感じていてどうにかして思い出そうと記憶をたぐります。ふいに頭を打った理由がわかり、忘れていた大事なことを思い出します。



●第104話

夕鈴は李翔を探します。

李翔は几鍔と話しを終えると、夕鈴のところへ戻ります。

李翔を見つけた夕鈴は泣きじゃくります。

夕鈴の記憶が戻ったことがわかり、李翔は忘れていた大事なことを訊ねます。


夕鈴と岩圭が話します。最終巻でようやくちゃんと話します。


大事なこととは、夕鈴のお腹に新しい生命が誕生したかもしれないということでした。



●最終話

正妃冊立の儀が執り行われます。

夕鈴はたくさんの人から祝福を受けます。

氾紅珠の陛下と夕鈴を題材にした小説は国を超えて支持されています。

陛下と夕鈴は人生ってわからないとしみじみ語り合います。二人の間に飛龍という息子が生まれ、支え合って生きています。




喜怒哀楽で理不尽だと思うことに抗ったり、陛下のためと一生懸命行動する夕鈴が面白いです。

陛下は自分が生きてきた中で出会ったことのないタイプの夕鈴と言う女性に惹かれ、離れがたくなり、だけど、政争に巻き込みたくないから逃がしたものの、埋めることができないどうしようもない感情がずっと覆っていて、思いもよらない場所で再会し一緒に生きてくと決めた第一部の最後の物語は大好きです。

第二部の夕鈴に嫌われないように、苦手なことも頑張る陛下が面白かったです。

おわりです。



可歌まと 狼陛下の花嫁 19巻
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