2018年8月30日木曜日

篠原千絵 天は赤い河のほとり 16巻

ナキア皇太后に操られていたのは正妃候補のセルトだった。彼女は次々と他の候補を殺害し、犯人だとばれると、ユーリを道連れに後宮から飛び降りた。間一髪、カイルの風の魔力で命を救われたユーリ。しかし気づくと、弓兵隊長ルサファが、ユーリののど元に短剣を突きつけ…。


ユーリとウルヒがじっくり会話を交わしたのは初めてなんじゃないでしょうか。
ナキア皇太后の境遇、権力への執念がすこし明らかになりました。

劇的な舞い戻りかたをしたユーリも描かれていましたが、それよりなにより、ルサファ。
彼が16巻の主役です。
不可触の女神への崇拝の念。
泣けてきます。

2018年8月28日火曜日

篠原千絵 天は赤い河のほとり 15巻

自らの意思でユーリはカイルのもとに残る。だがナキア皇太后の策で、後宮に正妃候補たちが多数集められていた。身分の高い姫が正妃につくほうが、カイルのためになると思うユーリ。しかし自分のそばが、彼が一番くつろいでいることを知る。そんなユーリを何者かが狙い…。


ギュゼル姫がユーリに告げる、誰も陛下の寝顔を見た者はいない、泊まっていくことはないとの会話は泣けてきました。
ユーリの存在がカイルにとって唯一くつろげる場所であることを知る良い挿話でした。

2018年8月26日日曜日

篠原千絵 天は赤い河のほとり 14巻

東西両端から攻め込まれたヒッタイト帝国。二手に分かれ、鎮圧に向かうカイルとユーリ。だが首都ハットゥサではその隙に、ナキア皇太后がユーリが日本に還るのに必要な泉を壊し始めた。それを知り首都に急ぐユーリ。しかし不吉にも、カイルから貰った額飾りが切れ…




考えるより先に身体が動いたユーリ。
どうしても捨てられないもののために日本に還ることをあきらめました。


こういう展開になりましたか。
どのようにこの地に残る決心がつくのか待ち遠しかったです。


カイルもユーリがこの地に残り共に生きていくことを決めたことで決心がつきます。
ユーリがいなければカイルはホレムヘブにやられていたかもしれないところですが、実際の歴史でのこの戦いはどうだったんだろう。
いや、ユーリがいなければ兵を半分に割らずにすんだので結果は同じだったのかな。


後宮での権力争いで揺れるユーリの気持ち。どんどん面白くなります。

2018年8月24日金曜日

篠原千絵 天は赤い河のほとり 13巻

ついにヒッタイト帝国皇帝となったカイル。だがユーリは、カイルの正妃の座を拒み、あくまで戦いの女神(イシュタル)に徹した。暁の明星(イシュタル)が昇れば、ユーリは日本へ還れるが、あと半月というところで、ヒッタイトは東西から侵攻を受ける。ユーリは遠征軍を率いて、侵攻阻止に向かうが…!?


ユーリ、ハディ、リュイ、シャラのイル・バーニを驚かせるベイジェル攻略法。
武装解除させ、街を開放した後の処理、アルザワ攻略での降伏勧告の演出と手にした成果。
すばらしいものでした。


さて、いよいよユーリが日本に還る時期がやってきました。
ナキア皇太后はユーリを自分の切り札だと思っているようですが、ユーリによって窮地に立たされているということは考えないのでしょうか。
ナキア皇太后は率先してユーリを日本に還すのに力添えすれば望みのものすべてを手にすることができると思うのにな。

2018年8月22日水曜日

篠原千絵 天は赤い河のほとり 12巻

皇帝暗殺の疑いをかけられたユーリ。彼女を救うために、ウルスラは自ら暗殺犯として名乗り出る。ウルスラの犠牲によりユーリの疑いも晴れ、自由に動きがとれるようになったカイル。一気に皇太后の私兵を鎮圧し、私兵を扇動していた皇太后の側近・ウルヒを追いつめ…!?



犠牲をともなったカイルの皇帝即位。
民衆のユーリへの支持はますます大きくなります。
空位の王妃の席。
ユーリを手放したくないが、このヒッタイト帝国の重責を背負わせるわけにはいかないと苦悩するカイル。


「あなたの手にオリエントの覇権を」
のユーリの言葉はグッときました。

2018年8月20日月曜日

篠原千絵 天は赤い河のほとり 11巻

皇太后の私兵に取り囲まれてしまったユーリ。カイルは内戦ぼっ発の危機のため、ユーリ救出に向かえないでいる。弓兵隊長の活躍でなんとか包囲を突破したユーリだが、敵に追い詰められ赤い河に落ちてしまう。おぼれかけたユーリは、ラムセスに助けられるのだが!?


ルサファの弓、イル・バーニの命がけの説得、ウルスラの自己犠牲、かっこよかったです。

2018年8月18日土曜日

篠原千絵 天は赤い河のほとり 10巻

カイルの息子を育てているという女性が現れた。…がそれは皇太后の陰謀らしい。その目的は一体!?そんな折ユーリは、皇太后が毒薬を入手したことを知る。皇太后は皇帝を暗殺し、罪をカイルに被せようとしているのだ。企てを阻止すべく、ユーリは単身、王宮に向かうが…。



これまで登場した人物たちが入り乱れて、策略や駆け引きがあり面白い展開でした。

2018年8月16日木曜日

篠原千絵 天は赤い河のほとり 9巻

カタパにユーリの偽物が現れ、カイルの評判を落としている。放っておけず1人で乗り込むユーリだが、誰も彼女を本物のイシュタルだとは信じない。捕らえられ、恐ろしい伝染病・七日熱の患者を収容する谷に入れられてしまったユーリ。しかし、ふしぎとユーリは発病せず…。



谷でのカイルの振舞いは劇的で感動しました。
いよいよユーリが日本に還れる季節が迫ってきました。
揺れるカイルとユーリ。ユーリはどう決断するのか楽しみです。

2018年8月14日火曜日

篠原千絵 天は赤い河のほとり 8巻

皇妃の放った刺客により、ザナンザは死に、ユーリも深手を負った。皇妃はこれをエジプトの仕業にと企んでいる。このままでは戦争が起こってしまう。早くハットゥサに帰り、カイルに真実を伝えなければ!!もうろうとする意識の中でユーリは、あるエジプト兵と出会い…。


ユーリの気力を思い知りました。
もう普通に生活していた現代に戻ってもいろんなことが元通りに戻らないだろうな、ウセル・ラムセスもユーリに惚れちゃうんだろうな。
勘がよく、ラムセスの情報をきいてしまい、単独でカタパに乗り込むユーリ。
偽イシュタルが存在し、自分がイシュタルだと名乗っても誰にも「そうなのかもしれない」と思われないのがちょっとかわいそうでした。

2018年8月12日日曜日

篠原千絵 天は赤い河のほとり 7巻

カイル皇子はユーリ奪還のため、女官に変装してカルケミシュの城に潜入。そのころ、ユーリは黒太子に襲われ、無理やり抱かれそうになっていた。そこに反乱を起こした将校たちが乱入。ミタンニ王の死体をつきつけ、黒太子とさらにはユーリの命も奪おうと襲ってきたが…!?


これだけヒッタイト帝国に大きな影響を与えているのに、約束だからと日本に還す儀式を行わせるわけにはいかないですよね。
イル・バーニの企みよく分かります。
キックリの口を手で押さえる仕草がおかしかったです。
戻れなくなったユーリと渋っているカイルにザナンザ皇子や側近たちが挑発的なことをいったり、あおったりする所が面白かったです。

2018年8月10日金曜日

篠原千絵 天は赤い河のほとり 6巻

黒太子に捕らえられ、彼の後宮に入れられてしまったユーリ。そこには、彼女のほかに28人の側室たちが。その中には、ユーリを狙っているヒッタイトの皇妃ナキアの妹、ナディアがいた。ナキアの側近ウルヒにそそのかされ、ユーリの命を狙うナディア。はたしてユーリは…。



ウルヒの存在が気になります。
イル・バーニがカイルに尽くすのと同じ理由なのか。
ユーリの求心力がますます大きくなりますが、捕らえられてばかりいます。
会えない間のカイルとユーリの心の動きが面白かったです。

2018年8月8日水曜日

篠原千絵 天は赤い河のほとり 5巻

時空を超え、古代ヒッタイト帝国に連れてこられたユーリ。カイル皇子のミタンニ征伐に同行した彼女は、皇子とともに、敵軍の駐留する都市国家マラティアへ。マラティアの太守をあざむき、敵城内に入り込んだ皇子一行。だが、城の外では王妃の手の者が…!?


カイルの演じていない芝居、イル・バーニの機転、イル・バーニをも驚かせるユーリの芝居。
マラティア攻略は面白かったです。


ミタンニ王国の首都ワスガンニ捕虜として捕らえられてしまったユーリが自分の力で初めて勝ち取った勝利。
望みをかなえるとの約束に対して言い放ったユーリのかけひきが頼もしく感じました。


普通の女の子だったのにこんな風に考えられるようになったのか。
たくましく成長したなと思いました。
カイルからの書簡にはグッときました。想われすぎです。

2018年8月6日月曜日

篠原千絵 天は赤い河のほとり 4巻

時空を超え、古代ヒッタイト帝国に連れてこられたユーリ。カイル皇子とともに、自分の命を狙う皇妃に戦いを挑む。だが、ユーリは王妃に操られたザナンザ皇子にさらわれてしまう。なんとかザナンザ皇子を正気に戻したユーリだが、ミタンニの急襲にあい…!?



モテモテな上に民衆からの支持も高いユーリ。
ザナンザ皇子に嫉妬するカイル皇子。
ミタンニとの戦中ですよカイル皇子。
そんなツッコミを入れながら読みました。
冷静なカイル皇子がユーリに心乱れている様子が面白かったです。
カイルとユーリの仲を取り持ったザナンザ皇子かっこよかったです。
カイルとユーリの遠征はどんなことが起こるんでしょう。
マラティアではカイルの違う一面が見れそうです。

2018年8月4日土曜日

篠原千絵 天は赤い河のほとり 3巻

時空を超えて、古代ヒッタイト帝国に連れて来られた夕梨。カイル皇子とともに悪い皇妃に戦いを挑む。だが、皇妃のワナで地下道に連れこまれ、狂暴なズワに命を狙われる。なんとか逃げ出した夕梨だが、今度はタロスという老人に!?


ユーリは山積みされた中から偶然選んだ剣によって国の武力を強大にします。
馬術も剣術も上達しイシュタル(戦いの女神)としての存在感も少しずつ大きくなっていきます。
カイルが皆のいるまえだけどユーリに自分の夢を語りだし、ユーリもカイルに惹かれ始めます。
日本の家族や恋人のことは思い出さなくなっています。


帝国の拡大と次第に縮めるカイルとユーリとの距離をいい具合に描いているなと思います。
たまたま連れて来られた少女が大活躍です。


2018年8月2日木曜日

篠原千絵 天は赤い河のほとり 2巻

作品紹介より時空を超えて、古代ヒッタイト帝国に連れて来られた夕梨(ユーリ)。第3皇子・カイルの力を借りて、20世紀の日本に戻ろうとする。その手始めとして、ナキア皇妃(おうひ)の宮に忍び込むが、そこには恐ろしいワナが!?夕梨は逃げ出したものの、身代代わりとなったティトが…!?大ヒット!大型歴史ロマン第2巻!!


カイル皇子はユーリ(鈴木夕梨)に還す約束をしたのに心が揺れ始めます。


残念ながら還す儀式を執り行っているときに邪魔が入り戻れませんでした。
ユーリは連れてこられて危ない目にあったのにティトの仇を討ちたいとカイルに言います。
気持ちは分からないでもないけど、どうやって?と思います。
ページをめくり、ユーリ自身も、冷静になったのか、どうやって?と思いふけっているのを見て、そうだろう、そりゃそうだろうと思いました。


ユーリにカイルの置かれている立場を聞かせることによってどういう反応を示すか判断しようとするイル・バーニの政務面での能力の高さ、カイルの民衆を惹きつける演出はなかなかかっこよかったです。


夕梨が苦し紛れに馬に飛び乗ったことが大ごとになるのも面白かったです。


馬に乗ってみようと思った最初の人って誰なんだろう。


安らぐ暇もないくらいユーリに次々と災難が降りかかります。