国を治める側の人の視点、平民の視点、戦に負けた兵達の視点。それぞれの視点で戦争を描いています。
戦争が及ぼす、その後の憎悪がヨナ達を襲います。
ゼノの能力が明らかになります。
ヨナ達は地の部族領の国境沿いのとある村を訪れています。
そこで戒帝国から来た少年カルガンに出会います。高華国がどんなところか一度見てみたかったと言います。
帰ろうとすると、シンアが兵士がいっぱいいて戒帝国への道が通れないと言います。
カルガンは困ります。
ヨナはジェハにどこかに道はないかと聞きます。
ヨナ達はカルガンを村まで送ってあげることにします。
村へ向かっている途中、キジャが体調を崩します。
カルガンの村までなんとか辿り着き、カルガンの父親の部屋を用意してもらいます。
ユンがキジャの治療にあたります。
緋龍城のスウォンは準備を整え各将軍に指示を出しています。
ヨナ、ハク、ユンが部屋からいなくなって、ジェハが、
「キジャ君 龍の手の調子はどうだい?」
と聞き、
「白龍の里に新たな龍が生まれた… とかいう訳じゃないよね?」
と尋ねます。キジャは長い沈黙の後、
「………………いや それは ない そういう… 感じではない」
と答えます。
龍の寿命は短い。そんな話をしているとユンが戻って来ていて、聞いていました。
ユンは、
「頼むから しぶとく生きてよね 珍獣共」
と涙を溜めていいます。ジェハは、
「ヨナちゃんには僕らの事黙っておいて」
と言います。
夜になると、ジェハもキジャと同じ症状で倒れてしまいます。
カルガンの父親は、流行り病かもしれん。村に病が広がったらどうしてくれる? 早く出ていけ、と言います。
言われたとおりに、外に天幕を張り移動します。
シンアも同じ症状で倒れてしまいます。
そんな中、村の人から高華国が攻めてきたという声を聞きます。
戦は数日で決着します。高華国の勝利です。
敗北した戒帝国の兵達が、切り取られる領土の平民から略奪を始めます。
敗残兵はヨナ達のいる村に押し寄せます。
ハクはヨナにここは何とかするから、ユンとゼノと一緒にキジャ、シンア、ジェハを連れて逃げろと言います。
ヨナはユンに状況を説明します。ユンが天幕を覗くと三人がいません。
三人はハクのところへ行って敗残兵と戦います。
しかし、病から回復したわけではないので、力が出ません。
ハクも奮闘するも兵士の数が多すぎて力が尽きそうです
兵が四人が守るところを突破します。
ヨナは弓で応戦しようとします。
ヨナの後ろから、
「娘さん 下がって!!」
と声がします。
ゼノが兵士に向かって走り出し、体当たりします。兵は体勢を崩す程度です。別の兵がゼノを狙い、背中を斬られてしまいます。
「娘さん 逃げろおっ」
なおもゼノは兵士に突進していきます。兵士の剣は向かってきたゼノの胸を貫きます。
ゼノは倒れてしまいます。その光景を見るヨナ、ユン、ハク、キジャ、シンア、ジェハ。
ヨナがゼノに駆け寄ります。泣きながらゼノを抱きかかえます。
「泣かないで」
動くはずのないゼノの手がヨナの頬を触れます。
ゼノはユラユラしつつ立ち上がります。
「娘さん だいじょうぶだから 黄龍は死なない 俺は娘さんの盾になる為生まれてきた龍だから 黄龍っつー盾に守られていれば 絶対に 娘さんは傷つかない」
兵士に切られ刺された傷はどこにも見当たりません。
続きます。
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