リリの突っ走りすぎが招いた失敗なのではないかと思います。
ナダイ(麻薬)を排除するために頑張らないといけないのはわかります。
ちょっと無茶し過ぎだな、警戒心が足りないな、という気持ちが大きいです。
眠らされてしまったヨナとリリは意識が戻ると馬車の中でどこかへ運ばれていました。
連れてこられたのは斉国(セイコク)の建設中の砦です。
ハク達はツバルの仲間を捕えて尋問します。
わかったことは斉国の国境付近に建設中の砦が二つあるということです。
ハク、ユン、キジャ、シンア組、ジェハ、ゼノ、アユラ組に分かれて砦を捜索します。
テトラは灯水町で待機です
テトラが報告を待っていると、アン・ジュンギ将軍がやって来ます。
「テトラ 私は斉国の調査で灯水町にやって来たのだが なぜ君がここにいる?」
答えずにいると、テトラの横で控えているラマル隊長がリリが事件に巻き込まれ行方不明であると報告します。
その話を聞いている人物がいます。スウォンです。ジュンギと共に調査に来ていたのでした。
テトラはスウォンを知りません。ですが、ヨナ達のことは抜きにして昨夜の事件を説明します。
話を聞いたスウォンが、
「うーん… ―ー仕方ない 乗り込みますか 斉国に」
という声にすぐ
「陛下!!」
と反応する声がします。ジュド将軍です。
「一体何を言い出すんですか!?」
と言います。テトラは物腰柔らかい雰囲気の人物がスウォン陛下だと、その側にいる人物が空の部族のジュド将軍だと知ります。
テトラはヨナ姫のことハクのことをどうすればいいか、リリを助けるにはこんなに心強いことはないと頭の中で駆け巡ります。
砦に連れてこられて二日目。ヨナとリリは働かされています。
働かされている者は喉が渇くと酒(ナダイ)を飲まされていて、中毒になり働けなくなるとどこかに連れて行かれ処分されています。
ヨナは逃げなくてはと、リリと共に砦を脱出し、山へ入り身を隠します。
スウォンはリリを救出するため、地の部族グンテ将軍、風の部族テウ将軍、テウとともにムンドク長老を呼びます。
テトラは高華国の最高の人物を招集していることに頼もしさと不安を抱えています。
ハクはヨナの行方を掴めず焦っています。
一人頭を冷やしていると、壁の向こう側から声がします。ハクの心臓が大きく跳ねます。壁のむこうからする声はスウォンです。
リリの捜索にスウォンが関与していることを知ります。
スウォンは明日の朝砦を壊し中に侵入すると言います。
「その時… そちらに囚えられた人に被害が出ないように避難させておいて頂きたい …お願い… 出来ますか…?」
と言うと、少しの沈黙の後、ハクは、
「……暁に… 合図する」
と答えます。
スウォンも話しかけた壁の向こうにいる人物はハクであることが声で分かったようです。
夜が明けます。
ハクはキジャに投石のための大きな石を、シンアに取り上げられた武器を取ってくるように、ユンに囚らえられて人達を安全な場所に誘導するよう指示します。
キジャが投石に乗せた大きな岩石は、ハクが引き金を引いて、砦の壁に豪快に飛んでいきます。
壁に大きな穴が開きます。
壁の外で合図を待っていたスウォンは、
「派手な合図だなぁ ハク」
とつぶやきます。
兵が爆音で、砦が壊されていいることに気づきます。
ハクはキジャに投石機を全て破壊しろと言います。それから火薬を処分するため向かいます。
砦の壁の破壊された穴からムンドク長老、グンテ将軍、テウ将軍が入ってきます。
兵を片っ端からやっつけます。
ムンドクとハクのやり取りが面白いです。
キジャとシンアは壁の穴から外に出ます。そこにはスウォンが立っていました。
キジャが戦闘態勢に入ると、ジュンギ将軍がキジャに矢を向けます。シンアも剣を抜きます。
スウォンはキジャに、
「……あの… その手は… 生まれつきですか? あなたは 何者なのでしょう」
と問いかけます。
「四龍の戦士 白龍と青龍 緋龍王に仕える者だ」
と答えると、スウォンは少し驚いた表情になります。キジャの手に触れ、
「あなたが仕える“緋龍王”とは誰ですか?」
とさらに問うと、
「そなたもよく知っている御方だ」
と答えます。キジャは何かしら攻撃的な反応をすると思ったのに、
「……そうですか」
と一言だけで背中を向けてしまいます。
ヨナとリリは斉国の軍の兵士に見つかってしまいます。
リリはヨナが足を負傷してしまったので、ヨナを木の根の隙間に隠し、兵士に捕えられてしまいます。
続きます。
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