月は晴貴のことが好きになります。
現代の言葉で話す月にびっくりする晴貴が面白いです。
月は江戸に行って、晴貴を狙う正室お倉の方と直接会うことになるのかな、そうなると月は次の満月は江戸にいることになります。現代に帰っても玉姫と勇之進はまた江戸時代に戻れないことになります。想像すると展開が楽しみです。
月は晴貴に文を送ります。満月の夜に来て欲しい。そんな内容です。
満月は明日だというのに返事がありません。
月は直接会って話そうと晴貴に会いに行きます。晴貴の寝所のふすまの前に誰も通さぬようにと小姓の粂太郎が見張りをしています。話したいことがあると言っても取り合ってもらえません。
志喜芳之助が晴貴の寝所から出てきます。芳之助は月に自己紹介します。小姓から玉姫(月)が若君の寝所に押し通ろうとしていると告げられます。
月は小姓に妻が夫のお見舞いに来て何がいけないのかと怒ります。
芳之助は月の言い分がもっともだと小姓に寝所の中に入れるよう言います。
晴貴は床に臥せっています。
寝所には医師、小姓、家老のような人物が晴貴を見守っています。
月が呼びかけると晴貴は目を開けます。月だとわかると、
「たま…か」
と声を出します。
月が、
「はい! 晴貴様」
と返事すると、晴貴は笑みを浮かべます。しかし、すぐに目を閉じて眠りに落ちてしまいます。
月は晴貴が毒を盛られていること、晴貴の周囲に継母お倉の方の手先がいることを確信します。
その手先をどうやって探すか考えます。
月は小笹に黒い着物を用意してもらい、志喜芳之助について調べてもらいます。葛葉には屋敷の図面を入手してもらいます。計画は夜の闇に紛れて晴貴の寝所に侵入し、晴貴を現代に連れていって治療するというものです。
月は黒い着物に着替えます。着てみると盗人にしか見えなくて、盗人がどうして黒い格好をしているのか理解します。葛葉と小笹の助けを借りて、庭から晴貴の寝所の隣の部屋にたどりつきます。急いで晴貴の寝所に向かおうとします。何かに足が引っ掛かってつまづいてしまい、見てみると薬箱のようで寝所に医師がいることがわかります。
曲者が侵入したと報告を受け宿直の者、見張り番たちが寝所に集まってきます。
月はこのままでは捕らえられてしまうと観念し刀を抜きます。晴貴を現代に連れていくという作戦は失敗し、心の中で晴貴にあやまり、現代に戻ります。
月の両親、祖父母、玉姫と勇之進は月が戻ってくるのを研究室で待っています。
戻ってきたのは薬箱を抱えた黒装束姿の月です。月は泣いてます。
月の父親尊はいったい誰が戻って来たのかと不信がっています。
祖父母が黒装束姿の人物が月だとわかります。祖父母は薬箱を抱えなぜか泣いている月を見て、盗人になったのかと言います。
居間へ行き、月は事情を説明します。晴貴を助けられなかったことを悔やんでいます。
父親尊と母親奈津美は月が志喜家に輿入れしたことに驚いています。
事情を把握した尊は玉姫と勇之進に次の満月に二人は戻ることができないと言います。
月はもう一度行くと言います。
奈津美は反対します。
月は晴貴を助けたいと言います。
祖母は次の満月まで一か月あるからゆっくり考えましょうと言います。尊がきっといい方法を見つけるわと言います。速川家の問題はすべて尊に投げられます。
尊は月の様子を見て悩んでいます。
奈津美は江戸時代に行かせる気なのかと言います。
尊は月があきらめない気がすると言い、祖父母も尊の意見に同意します。
月は玉姫と話します。
尊は志喜家の家系図を見て、七代藩主正晴の次は晴貴のはずなのに名前が違っているのを発見します。
月は高校に通いもとの生活に戻ります。一日でも早く江戸時代のことは忘れようとします。しかし、晴貴のことが頭から離れません。志喜家の家系図を見てしまいます。八代藩主に晴貴の名前がありません。嫌な想像が膨らみます。
月は食欲がないと夕食を残します。
奈津美は尊に月が志喜家の家系図を見たのだと言います。
尊は月の表情を見て、姉の唯を思い出します。月が何を考えているかわかっているようです。
月は尊に金のけむり玉の作り方を教えてと言います。
尊は月に江戸時代に行くつもりなのか訊きます。
月は自分が状況を悪化させてしまったと責任を感じているし、晴貴を助けてあげたいと言います。
尊は病気なのか毒を盛られたのかもわからないのにどうやって助けるつもりなのか訊きます。
奈津子が来て、月が江戸時代から持ってきた薬箱の中身を調べて、解毒剤を作ったと言います。
月はその解毒剤を飲んだら元気になるのと喜びを爆発させます。
奈津美はただし、と言い、結果がどうなっても一か月後に必ず戻ること、玉姫と勇之進が緑合に戻れること、うまくいくすべての作戦を尊が立てることを条件にします。
尊はやっぱりすべての問題を解決する責任を背負わされます。
尊と奈津美の出会いが描かれます。
一か月後。月は大きな荷物を背負って江戸時代にタイムスリップします。一か月前にいた場所に戻ります。月はすぐに金のけむり玉を使い晴貴の寝所に向かいます。晴貴を起こして奈津美の作った解毒剤を飲ませます。
月は金のけむり玉の効果がなくなる前に部屋に戻ります。
翌朝、晴貴は気持ちよく目覚めます。
小姓が昨夜曲者が侵入し、霧に紛れて逃げた事件があったと話します。
晴貴は昨夜の出来事は夢だと思っていたのにそうではないと知り、月に言われた解毒剤の残りを飲み干します。
月は奈津美の診断が正しければ晴貴は2、3日中に回復するはずだと思っているのに、10日が過ぎ晴貴から何の報せもないのでやきもきしています。もう一度金のけむり玉を使って晴貴の様子を見てくると言います。
小笹は自分に任せてほしいと言います。お殿様が江戸に出立するのでその前に宴が催され、お手伝いをしなくてはいけなくて、それにまぎれて晴貴の様子を調べてくると言います。
月は小笹に一緒に行くと言います。
月はお手伝いに紛れて、晴貴に会いに行きます。
晴貴は廊下に立っています。
月は晴貴が元気そうに見えたので知らせくらいくれてもいいのにと思います。
晴貴の側に仲の良さそうな女性を見つけます。お殿様の側室の姪で晴貴の側室の座を狙っている人物です。月と同じく宴のお手伝いに紛れて晴貴に接近したようです。
女性は晴貴に羽織を着せようとします。
月は持っていた膳を落とします。
晴貴は月を見てたまだとわかります。
月は晴貴の側に女性がいることに怒ります。
女性は弁解します。
晴貴は女性が悪くないと庇います。
月は晴貴が女性を庇うのでさらに怒りがまし、
「元気になったらなったってひところ知らせてくれてもいいじゃない!! こっちは心配してやってるのに!!」
とまくし立てます。そして帰っていきます。
晴貴は驚いています。
月は怒り心頭です。尊が立てた作戦で緑合に帰り、現代に戻るつもりです。
志喜芳之助が月に会いに来ます。芳之助は晴貴の思いを伝えます。
月は晴貴の思いを知って怒りが冷めます。
夜月は葛葉と小笹に話します。
晴貴が回復してよかったと話していると、小姓がやって来て、小宵晴貴が月のもとへ来ると報せに来ます。
月は晴貴が女性と仲睦まじくしている光景が許せなくて、葛葉に調子が悪いから来るなと伝えてと言います。
小姓は晴貴にお身体の具合が思わしくないご様子で今宵のお成りはお控えくださいますようと伝言があったことを伝えます。
晴貴は月に来るなと言われて驚きます。
芳之助は面白がっています。
翌日、月はお菓子を食べていると、晴貴が会いに来ます。
小姓ではなく晴貴自身がやって来て月のところへ行くと言い帰っていきます。
晴貴が元気になり月と親密になります。
晴貴は江戸へ行くことになります。
月は話したいことがあると言います。
晴貴はすぐに父上に追わねばならぬと時間は取れないと言います。
月は江戸に行くなと言います。
晴貴は月を抱きしめ、江戸で待つと言い行ってしまいます。
月は晴貴のことが好きだと気がつきます。
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