2021年12月4日土曜日

草凪みずほ 暁のヨナ 23巻

ヨナはの過去に王家の人間が残虐な行為を行ったことで、今回真国(シンコク)が戦を仕掛けようとしていることを知ります。

なんとか憎しみの連鎖を食い止めたいヨナはどのように戦を回避するのか。

ドキドキする展開です。




ミザリが屋敷に火を放ち、タオ姫が避難していた所にまで燃え移ります。

ゼノは辺りに焦げ臭さを感じ、屋敷の中にいるであろうタオ姫を探しに入ります。

タオ姫は護衛とともに火の中を走り抜ける覚悟をします。ゼノはすぐタオ姫を見つけ外に出そうとします。

しかし、燃えた大きな柱が倒れてきます。ゼノはタオ姫を庇い、背中で柱を受けます。

アルギラがタオ姫を探しに来ます。ゼノが柱を支えているから早く逃げてと言うと、アルギラはタオ姫を抱えて外に脱出します。

ゼノの助力でアルギラがタオ姫を救います。


ミザリは屋敷に火がいきわたったことを確認すると窓から逃げます。

ヨナがタオ姫を早く探しに行かないとというと、ヴォルドが、

「タオ姫はアルギラが必ず何とかします あなた方は早く脱出を」

といい、ヨナ、ハク、ヴォルドも屋敷の外に出ます。


タオ姫が外に出ると、ヨナ達もすで外に出ていて待っていました。

タオ姫はゼノが屋敷の中で守ってくれたと言うと、キジャとシンアが屋敷の中に入ろうとします。

ハクとジェハが二人を止めます。

ゼノが出てきます。全身真っ黒です。

ヨナがゼノを抱え見守り、時間と共に元に戻っていきます。

タオ姫、アルギラ、ヴォルドがその光景を目にして驚いています。


桃地渓谷の洞窟に避難します。

ゼノは何事もなかったように飲み物を飲み寛いでいます。

ユンは泣いています。アルギラはゼノがなんで無事なのか理解はできないけれど、タオ姫を助けてくれたことに感謝します。

タオ姫はヨナ達に大変な事に巻き込んでしまったと謝ります。

真国は危険だから高華国に戻れるようにすると言います。



翌日、ヨナは真国の町の様子、コウレン姫に存在感を見て、これでは高華国と真国の戦は避けられないと考えます。

ヨナはタオ姫にどうしてコウレン姫が戦の道を選ぶのか尋ねます。

タオ姫はスウォンの父ユホンを深く憎んでいるからだと答えます。

ユホンが行った残虐な行為が今も心深く刻まれていると言います。



夜になり、ユン、キジャ、シンア、ジェハ、ゼノ、食料調達のため町に出ると、ミザリに見つかり、コウレン派の者に捕まります。



知らせを受けた、タオ姫は姉のコウレンに会いに行って皆を解放するよう頼むと言います。

ヨナはタオ姫にコウレン姫に会わせてほしいと言います。



ヴォルドとアルギラに守られてタオ姫はコウレン姫に会いに行きます。

タオ姫は捕らえられている方たちは私の大事なお客であり、スウォン王とは何ら関わりないから釈放してくれと言います。

コウレンは高華国の人間と接触し国家の内情を暴露したとタオ姫を非難します。

ヨナが登場します。

ヨナは素性を明らかにします。そして、

「――少し時間をちょうだい 私がスウォンに会って 戦を回避出来ないか交渉してくる」

と言います。コウレンは、

「…いいだろう お前が戻るまで戦仕度をして開戦は待とう その間お前の仲間は人質だ」

と言います。

タオ姫はヴォルドとアルギラにヨナを守るようお願いします。



ヨナが一つ当てがあると言い、水の部族領の仙水にあるリリの屋敷に向かいます。

しかし不在でした。

ヴォルドがハクに風の部族の里に行ってみては? と言います。

ハクは王に関わる問題で里の手は借りられないと言います。

ヴォルドが定期的に情報交換する取引相手がいるというので会ってみることにします。

水の部族領竜水(リュウスイ)にやって来て、ヴォルドが連絡をつけてると、運がいいことに情報屋の頭に会えると言います。

ヴォルド、アルギラ、その後ろにヨナとハクという並びで情報屋の頭に会うと、情報屋の頭はハクを見つけるなり、

「…おい 気分が悪い 今日はもう帰る」

と顔を伏せて、背中を向けます。

ハクが引き留めます。

「俺を知ってるな?」

情報屋の頭はとぼけるけれど、逃れられそうにありません。

ハクは、

「忘れちまったのかよ? オギさん」

と言います。汗だくのオギは、

「…目つきの悪さは変わらねぇな 高華の雷獣 ハク」

と認めます。

続きます。



草凪みずほ 暁のヨナ 23巻
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2021年11月4日木曜日

草凪みずほ 暁のヨナ 22巻

ヨナは高華国の南にある真国の姫に会いに行きます。真国は考えが真っ二つに割れていて互いが邪魔で力で排除するまでの状態になっています。

ヨナは真国で何をするのか楽しみです。




リリは仙水(センスイ)の屋敷にいます。

水の部族の民がリリを一目見ようと集まっています。

もう誰にも会わないと言った矢先にスウォンが面会にやって来ます。

テトラは興奮して急いでリリに化粧を施します。

リリはテトラから自分を救ってくれたのはスウォンとハクということを聞いています。

「斉国(セイコク)では危ない所をお助け下さり ありがとうございます」

スウォンは屋敷の前に押しかけているリリを見たいという民の声に応えないのですかと聞きます。

リリは英雄扱いされてるようで、皆思い違いをしていると言います。

スウォンは、

「意味ある事だったんです 貴方が斉国でした事は」

と言います。

リリはヨナを危険な目に合わせ、自分の命もどうなるかわからない状況に自ら進んで行ったこと、力を借りないと何もできなかったことへの反省が大きいようです。

でも、行方不明の人々を探し出せた、水の部族を困らせていたナダイ(麻薬)の密売ルートを潰した、生きて帰って来たからこそ、解決できたことなので、リリの役割は本人が思うよりとても大きいものだと言えます。


グンテ将軍が見舞いにやってきます。

リリはスウォンに対して敬意を示さなかったのに、グンテが現れると、さっきまでのリリとどこに行った? と二度見してしまいそうなほど、淑やかな少女になります。

スウォンもリリの変身に目が点です。



夜、リリが待ち焦がれていたヨナがやって来ます。

ハクも一緒に来ていたので、食料と、砦で取り上げられたヨナの荷物を手渡します。




リリは王都空都(クウト)にやって来ています。アン・ジュンギ将軍の命令で緋龍城に向かいます。

アユラとテトラと歩いていると、リリは見覚えがある後ろ姿を発見します。

その人物が入っていった裏路地に行くと、やはり見覚えがあります。追いかけるとある建物に入っていきます。

リリがその建物に入ると、ガラの悪そうな連中がたくさんいて、リリを見ています。

リリは怖気ずくことなく、

「ここに白い外套を羽織った背の高い男来なかった?」

と尋ねます。

「さあ… 知らねえなぁ…」

と言われ、アユラとテトラが男達に囲まれてしまいます。リリは、

「――ちょっとそこ 私のアユラとテトラに触らないで 宦官にされたいの?」

と言い、その言葉でアユラとテトラが暴れます。

「……どうやら血の雨が見たいらしいな…… 姉ちゃん」

と言うと、

「ちょっと待って下さい オギさん」

奥からスウォンが出てきます。

ここは情報屋の集まるところで、スウォンはいろんな情報をここで入手しています。

新しく入って来ている噂として、戦場に四龍が出るという話をします。

風の部族や真国(シンコク)の情報を入手して城に戻ります。



ヨナたちは風の部族の領地を歩いています。何者かに取り囲まれてしまいます。

「我々は真国(シンコク)からやって来た」

と言います。別の人物がやって来て、

「私は真国第二王女タオ様にお仕えするヴォルドと申します」

と言います。斉国の砦の建設に真国の民も連れて行かれて、ハク達が解放した後、自国に戻った人達が高華国に化け物がいたという話が人伝えに広がり、高華国に探しに来たと言います。

「それで? 僕らを探してどうるすんだい?」

と聞くと、

「我が姫 タオ姫に会って頂けませんか?」

「我々には時間がない ただ真国と高華国の未来の為 我が姫と会って頂きたいのです」

ヨナは真国に向かいます。

真国国境近くの町潸潸(サンサン)でアルギラというヴォルドの仲間と合流し、タオ姫の私邸がある桃地渓谷(トウチケイコク)に向かいます。

タオ姫はヨナに、姉で第一王女のコウレンは国を束ねて高華国に戦を仕掛けようとしていると言います。タオ姫の国は真国は今2つの派閥に分かれていて一つはコウレンの開戦派、もう一つはタオの真国が高華国の属国になることを望んでいる派閥であると説明します。


夜、ヨナが一人で考え事をしていると刺客に襲われそうになります。気配を消してハクがヨナを護衛していたおかげで無事です。

ヨナは、自分をタオ姫だと思って襲ったと言います。急いでタオ姫を探します。

タオ姫を狙うのは開戦派の連中だとヴォルドは言います。

タオ姫の寝室に行くと男が立っています。ヴォルドは男をミザリと呼びます。

ミザリは剣をベッドに向けます。ベッドの中にいたのはタオ姫ではなくアルギラでした。アルギラはタオ姫はすでに避難させたと言います。

ミザリはアルギラに力で及ばないので、屋敷に火を放つよう指示していて、タオ姫がどこにいようが屋敷内にいるなら助からないと言います。

ゼノが焦げ臭いに匂いに気づきタオ姫を救出するため屋敷の中に入ります。

続きます。



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2021年10月4日月曜日

草凪みずほ 暁のヨナ 21巻

ハクとスウォンの息がぴったりです。

ヨナの言う通り、二人が共に在ったら一体どれだけの事を成し遂げることが出来ただろうと思います。

スウォンがハクを手放した理由は描いてほしいです。



リリが斉国の兵士に捕えられてしまい、ヨナは助ける手段はないけど、リリを追いかけます。

ヨナも兵士に見つかり捕まえられそうになるけど、ゼノとジェハがヨナを発見し、ヨナを救います。

ヨナはジェハに泣きながらリリが連れて行かれた、守れなかったと言います。


リリは兵士に砦に連れて行かれます。


スウォンは砦の中に入り、捕われた人達が持っていた物を集めた小屋でヨナに贈った簪を見つけます。ここに簪がある理由でハクがここいる理由が分かります。


斉国の最高権力者クシビが登場します。

クシビは公開処刑を行うといいます。

砦で働かされている人達は砦の奥の広場に集められ、アユラもそこにいます。

公開処刑と聞き顔をあげるとリリが立っています。

絞首台に連れて行かれるリリをスウォン達、一方でハク達が発見します。

リリの首に縄がかけられようとしています。

空でジェハの背に乗るヨナが指差し、リリが危ないと叫びます。

スウォンがジュンギから弓矢を借り、リリの立つ絞首台にむけて構えます。

縄を切るつもりのようですが、落下するリリを受け止める人がいません。

スウォンは矢を放つ瞬間、ハクを見ます。ハクもスウォンを見ています。

矢が放たれてと同時にハクが走り出します。

絞首台から落ちるリリは地面に真っ逆さまに落下します。

ハクがリリをギリギリで救います。

誰もが息を止めてその光景を見つめています。

ヨナは泣いています。リリを救えた安堵と、ハクとスウォンの美しすぎる連携を目にしたことの興奮です。


ハクはリリを救えてとりあえずほっとします。

すぐに兵士がハクを取り囲みます。グンテ将軍が駆けつけハクを囲む兵士をやっつけます。

クシビが号令をかけます。一気に全兵士が動きます。

ハクのところにムンドクがやって来ます。

アユラとテトラもハクの元に駆けつけてきて、ハクはリリを預け、戦闘に参加します。

テウ将軍、ヘンデも加勢します。ジェハもやって来て、ヨナの無事を伝えます。

兵士はばたばたと倒れていきます。ほぼ壊滅状態です。

スウォンがクシビの前に立ちます。剣を突きつけ降伏を迫ります。

クシビは要求を全部受け入れると言います。


ハクはヨナを見つけ駆け寄ります。

スウォンは引き揚げようとするとジュドに止められます。

ジュドはハクを生かしておくつもりはないようです。剣を抜きます。

スウォンはジュドを制止させ、周りを見ろと言います。

ムンドク、テウ、ヘンデがジュドへ殺気を放っています。

四龍が迎え撃とうとしています。

ジュドは断念しスウォンとともに引き揚げます。



ヨナはみんなの元へ戻ることができてようやく安心します。

続きます。



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2021年9月4日土曜日

草凪みずほ 暁のヨナ 20巻

リリの突っ走りすぎが招いた失敗なのではないかと思います。

ナダイ(麻薬)を排除するために頑張らないといけないのはわかります。

ちょっと無茶し過ぎだな、警戒心が足りないな、という気持ちが大きいです。




眠らされてしまったヨナとリリは意識が戻ると馬車の中でどこかへ運ばれていました。

連れてこられたのは斉国(セイコク)の建設中の砦です。



ハク達はツバルの仲間を捕えて尋問します。

わかったことは斉国の国境付近に建設中の砦が二つあるということです。

ハク、ユン、キジャ、シンア組、ジェハ、ゼノ、アユラ組に分かれて砦を捜索します。

テトラは灯水町で待機です

テトラが報告を待っていると、アン・ジュンギ将軍がやって来ます。

「テトラ 私は斉国の調査で灯水町にやって来たのだが なぜ君がここにいる?」

答えずにいると、テトラの横で控えているラマル隊長がリリが事件に巻き込まれ行方不明であると報告します。

その話を聞いている人物がいます。スウォンです。ジュンギと共に調査に来ていたのでした。

テトラはスウォンを知りません。ですが、ヨナ達のことは抜きにして昨夜の事件を説明します。

話を聞いたスウォンが、

「うーん… ―ー仕方ない 乗り込みますか 斉国に」

という声にすぐ

「陛下!!」

と反応する声がします。ジュド将軍です。

「一体何を言い出すんですか!?」

と言います。テトラは物腰柔らかい雰囲気の人物がスウォン陛下だと、その側にいる人物が空の部族のジュド将軍だと知ります。

テトラはヨナ姫のことハクのことをどうすればいいか、リリを助けるにはこんなに心強いことはないと頭の中で駆け巡ります。



砦に連れてこられて二日目。ヨナとリリは働かされています。

働かされている者は喉が渇くと酒(ナダイ)を飲まされていて、中毒になり働けなくなるとどこかに連れて行かれ処分されています。

ヨナは逃げなくてはと、リリと共に砦を脱出し、山へ入り身を隠します。



スウォンはリリを救出するため、地の部族グンテ将軍、風の部族テウ将軍、テウとともにムンドク長老を呼びます。

テトラは高華国の最高の人物を招集していることに頼もしさと不安を抱えています。



ハクはヨナの行方を掴めず焦っています。

一人頭を冷やしていると、壁の向こう側から声がします。ハクの心臓が大きく跳ねます。壁のむこうからする声はスウォンです。

リリの捜索にスウォンが関与していることを知ります。

スウォンは明日の朝砦を壊し中に侵入すると言います。

「その時… そちらに囚えられた人に被害が出ないように避難させておいて頂きたい …お願い… 出来ますか…?」

と言うと、少しの沈黙の後、ハクは、

「……暁に… 合図する」

と答えます。

スウォンも話しかけた壁の向こうにいる人物はハクであることが声で分かったようです。



夜が明けます。

ハクはキジャに投石のための大きな石を、シンアに取り上げられた武器を取ってくるように、ユンに囚らえられて人達を安全な場所に誘導するよう指示します。

キジャが投石に乗せた大きな岩石は、ハクが引き金を引いて、砦の壁に豪快に飛んでいきます。

壁に大きな穴が開きます。

壁の外で合図を待っていたスウォンは、

「派手な合図だなぁ ハク」

とつぶやきます。


兵が爆音で、砦が壊されていいることに気づきます。

ハクはキジャに投石機を全て破壊しろと言います。それから火薬を処分するため向かいます。

砦の壁の破壊された穴からムンドク長老、グンテ将軍、テウ将軍が入ってきます。

兵を片っ端からやっつけます。

ムンドクとハクのやり取りが面白いです。

キジャとシンアは壁の穴から外に出ます。そこにはスウォンが立っていました。

キジャが戦闘態勢に入ると、ジュンギ将軍がキジャに矢を向けます。シンアも剣を抜きます。

スウォンはキジャに、

「……あの… その手は… 生まれつきですか? あなたは 何者なのでしょう」

と問いかけます。

「四龍の戦士 白龍と青龍 緋龍王に仕える者だ」

と答えると、スウォンは少し驚いた表情になります。キジャの手に触れ、

「あなたが仕える“緋龍王”とは誰ですか?」

とさらに問うと、

「そなたもよく知っている御方だ」

と答えます。キジャは何かしら攻撃的な反応をすると思ったのに、

「……そうですか」

と一言だけで背中を向けてしまいます。



ヨナとリリは斉国の軍の兵士に見つかってしまいます。

リリはヨナが足を負傷してしまったので、ヨナを木の根の隙間に隠し、兵士に捕えられてしまいます。

続きます。




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2021年8月4日水曜日

草凪みずほ 暁のヨナ 19巻

ヨナ達が野宿しようと決めたところは、ずっとずっと昔、青龍の里だった場所でした。

何代目かの青龍の思念が残っていて、ヨナ達を襲います。

ヨナが青龍の思念を鎮めます。

緋龍王を切望して、叶わなかった龍たちの無念はヨナにしかできません。



ヨナ達は水の部族領の竜水(リュウスイ)に来ています。

ゼノの服を買いに来ました。

ユンから貰った金では、ちゃんとした服が買えなくて困っていると、

「じゃあ お姉さんが買ってあげましょうか?」

声をかけてきたのは、アユラとテトラでした。

目的があってヨナ達に近づいていました。

リリが隣国斉国(セイコク)に行くと言い出し、止めても聞かないのでヨナ達にリリの護衛をお願いしに来ました。


リリが拠点にしている仙水(センスイ)の屋敷では、兵がリリを必死に引き留めています。

リリはテトラの声で振り返るとヨナ達がいることに驚きます。

ヨナ達は協力するといい、リリと灯水(トウスイ)町というところに向かいます。



灯水町にはツバルという知人がいて案内してもらうつもりでした。

なのにツバルが町の人が行方不明になる事件を引き起こしている張本人でした。

ヨナとリリはツバルと手下によって拉致されてしまいます。

続きます。



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2021年7月4日日曜日

草凪みずほ 暁のヨナ 18巻

ゼノの緋龍王と出会いからヨナに会いに行くまでが描かれています。

ゼノはここに至るまでのとてつもなく長い時間の大半が孤独だったと想像します。

ヨナは緋龍王の生まれ変わり。これで四龍が龍の洗礼でヨナに呼応したのがわかります。

どうして、今緋龍王の生まれ変わりがこの世に復活しなければならなかったのか。ヨナでなくてはならなかったのか。この理由はいつ分かるのか。このあたりをどう描いてくれるのか楽しみです。




村を襲おうとした敗残兵たちはゼノの異様さに恐怖し、逃げていき、村の人達は被害に遭わずに、ヨナ、ユン、ハク、キジャ、シンア、ジェハも負傷したけど助かります。



翌日、ゼノのところに集まります。

ゼノはこれまで通り変わりなく対応しています。それぞれが疑問に持っていることがあるらしく、キジャが、

「ゼノ そなたは 初代なのか…?」

と尋ねます。ゼノは

「そだよ 俺は緋龍王に仕えていた始まりの龍 黄龍ゼノ」

と言います。

神話の時代からの龍。ヨナは信じ難い気持ちの様です。さらに驚くことに、

「緋龍王の生まれ変わりが現れるのを 娘さんが現れるのを待ってたんだ」

と言います。

ヨナは衝撃の連続だと思います。緋龍王は実在していたんだろうけれど、ひとりの人間として感じられるものが何一つなく、そんな人がいて、高華国を建国したんだなくらいに思っていたと思います。

緋龍王の側にいて、しゃべって、共に時間を過ごした人物が目の前にいる。どういう感覚になるんだろう。

そして、緋龍王の生まれ変わりと言われ、戸惑い、いろんなことが頭に浮かんだろうなと思います。

ハクはこれを聞いてどんな気持ちだったんだろう。不老不死? 生まれ変わり? 頭の中で処理しきれなかったかもしれません。そしてヨナは、姫はどうなるんだ? とよぎったかも知れません。


ゼノは緋龍王を失い、初代の白龍、青龍、緑龍を失い、気の遠くなるような時間を過ごしてきました。

もう一度仲間として一緒に行動しようと思ったからには思い入れは相当にあるんだろうなと思います。


ゼノが幼い白龍、青龍、緑龍に会いに行っている場面が好きです。

暁の光がヨナが誕生して16年の時間は何に費やしていたのだろう。

続きます。



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2021年6月4日金曜日

草凪みずほ 暁のヨナ 17巻

国を治める側の人の視点、平民の視点、戦に負けた兵達の視点。それぞれの視点で戦争を描いています。

戦争が及ぼす、その後の憎悪がヨナ達を襲います。

ゼノの能力が明らかになります。




ヨナ達は地の部族領の国境沿いのとある村を訪れています。

そこで戒帝国から来た少年カルガンに出会います。高華国がどんなところか一度見てみたかったと言います。

帰ろうとすると、シンアが兵士がいっぱいいて戒帝国への道が通れないと言います。

カルガンは困ります。

ヨナはジェハにどこかに道はないかと聞きます。

ヨナ達はカルガンを村まで送ってあげることにします。


村へ向かっている途中、キジャが体調を崩します。

カルガンの村までなんとか辿り着き、カルガンの父親の部屋を用意してもらいます。

ユンがキジャの治療にあたります。



緋龍城のスウォンは準備を整え各将軍に指示を出しています。



ヨナ、ハク、ユンが部屋からいなくなって、ジェハが、

「キジャ君 龍の手の調子はどうだい?」

と聞き、

「白龍の里に新たな龍が生まれた… とかいう訳じゃないよね?」

と尋ねます。キジャは長い沈黙の後、

「………………いや それは ない そういう… 感じではない」

と答えます。

龍の寿命は短い。そんな話をしているとユンが戻って来ていて、聞いていました。

ユンは、

「頼むから しぶとく生きてよね 珍獣共」

と涙を溜めていいます。ジェハは、

「ヨナちゃんには僕らの事黙っておいて」

と言います。


夜になると、ジェハもキジャと同じ症状で倒れてしまいます。

カルガンの父親は、流行り病かもしれん。村に病が広がったらどうしてくれる? 早く出ていけ、と言います。

言われたとおりに、外に天幕を張り移動します。

シンアも同じ症状で倒れてしまいます。

そんな中、村の人から高華国が攻めてきたという声を聞きます。


戦は数日で決着します。高華国の勝利です。

敗北した戒帝国の兵達が、切り取られる領土の平民から略奪を始めます。


敗残兵はヨナ達のいる村に押し寄せます。

ハクはヨナにここは何とかするから、ユンとゼノと一緒にキジャ、シンア、ジェハを連れて逃げろと言います。

ヨナはユンに状況を説明します。ユンが天幕を覗くと三人がいません。

三人はハクのところへ行って敗残兵と戦います。

しかし、病から回復したわけではないので、力が出ません。

ハクも奮闘するも兵士の数が多すぎて力が尽きそうです

兵が四人が守るところを突破します。

ヨナは弓で応戦しようとします。

ヨナの後ろから、

「娘さん 下がって!!」

と声がします。

ゼノが兵士に向かって走り出し、体当たりします。兵は体勢を崩す程度です。別の兵がゼノを狙い、背中を斬られてしまいます。

「娘さん 逃げろおっ」

なおもゼノは兵士に突進していきます。兵士の剣は向かってきたゼノの胸を貫きます。

ゼノは倒れてしまいます。その光景を見るヨナ、ユン、ハク、キジャ、シンア、ジェハ。

ヨナがゼノに駆け寄ります。泣きながらゼノを抱きかかえます。

「泣かないで」

動くはずのないゼノの手がヨナの頬を触れます。

ゼノはユラユラしつつ立ち上がります。

「娘さん だいじょうぶだから 黄龍は死なない 俺は娘さんの盾になる為生まれてきた龍だから 黄龍っつー盾に守られていれば 絶対に 娘さんは傷つかない」

兵士に切られ刺された傷はどこにも見当たりません。

続きます。



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2021年5月4日火曜日

草凪みずほ 暁のヨナ 16巻

体温が上がり感情が揺さぶられる展開です。これまでの物語で一番好きです。




ヒョウから文を受けて、懇意にしている南戒(ミナミカイ)の貴族が、船隊を率いて仙水(センスイ)にやって来ます。

水の部族駐屯地の兵舎では、沖の船隊に反応して忙しなく兵士が動き回っています。

リリは駐屯地の門番に、隊長に会わせて欲しいと言います。門番は取りあおうとはしないので、スウォンが、

「この御方は水の部族長アン・ジュンギ様がご息女リリ様にあられます」

とさらっとリリがヨナに隠していた身分を明らかにしてしまいます。

ヨナの視線にリリは必死に無表情を装おうとします。

門番はジュンギ将軍の娘と言われ、慌ててラマル隊長のところに案内します。


リリは兵を動かすよういいます。

隊長は前例がないと躊躇します。

リリは水呼城から持ち出した水の部族長の象徴、水の金印を兵に見せます。駐屯地の兵士達はリリに従います。

ラマル隊長は、ここの兵力では船隊に対抗できないと進言します。

スウォンが口をはさみ、隊長に策を示します。ヨナの眼を見ず、

「それに、いるんでしょう? 向こうには 雷獣が ならば 何が来ても負けませんよ」

と言います。



スウォンの策、ハク、キジャ、シンア、ジェハの武力は船隊をどんどん沈めていきます。

ハクは戦いながら、兵士たちに策を授けた人物について考えています。一人しか心当たりがないので表情が険しくなっていきます。



ヨナたちは高台から沖の様子を見ています。スウォンはヒョウの行動を予想します。

ヨナ達がヒョウを探していると、襲撃を受けます。ヒョウの命令で赤い髪の女ヨナを狙っています。

スウォンと護衛ジュドがヒョウの部下をやっつけます。

スウォンは襲ってくる数が多いのでヒョウは近くにいるのではと考えていると、ヒョウは本当に近くにいて、ヨナを狙っていました。ヒョウは剣を持ってヨナに迫ります。ゼノがヨナの前に立ちヨナをかばおうとします。

ヒョウが目前に迫ると、ゼノの前に腕でヒョウの剣を受けるハクが現れます。ハクは見たこともない恐ろしい表情です。

ヒョウが何事か叫ぶも、ハクが拳一撃で沈めます。

左腕に刺さった剣を抜き捨てスウォンを見据えます。

一歩一歩スウォン近づいていきます。

スウォンの護衛ムアとギョクがハクの前に立ちはだかります。一人は殴られ吹っ飛び壁にたたきつけられて気を失い、一人は剣を持つ拳を握りつぶされてしまいます。続いてジュドがハクに剣を振り下ろします。胸が斬られてしまいますが、ハクの目はジュドを見据えています。ジュドの腹に蹴りを入れ、身体が浮き、くの字になったところを顎に下から突き上げるように拳を入れます。ひっくり返って地面に叩きつけられ、ジュドは動けなくなります。

ハクはスウォンを掴もうとする手をジェハに掴まれます。

ハクは手を振りほどきジェハの腹を殴ります。ジェハは本気でいかないとハクを止められないと悟り、やり合います。

ジェハはキジャにハクを抑えるように言います。

スウォンが護衛とともにその場から去ります。

ハクは叫びます。

「はなせ はなせェェェ あいつは あいつだけは!!!」

ハクは怪我をした左手にそっと触れる小さな手を感じます。

「ハク」

ヨナの声です。

「大丈夫 私は 大丈夫だから」

ハクが止まります。

一部始終を見ていたリリは呆然としています。




数日後。

ヒョウおよびヒョウの残党はほぼ捕えることができました。

リリはあの日起こった出来事を回想します。

ウォンがスウォン陛下だった。ヨナは…?


ヨナ達は町の外れで野宿しています。

リリは食料を差し入れます。

ヨナはリリに仙水を発つと言おうとしたのに、リリは食料を手渡すとすぐ帰っていきました。

キジャはハクを気遣います。ウォンと名乗っていた男がスウォンだったと知り、キジャとジェハはハクを止めたことにいろんな感情を抱いています。


スウォンは緋龍城に戻ります。ケイシュク参謀が出迎えます。護衛が怪我をしているので慌てて医務官を呼びに行きます。

ジュドはスウォンにハクが殺意を持って迫ってきているのに棒立ちで動かなかったことに怒っています。

スウォンは、

「すみません」

と謝り、次は斬ると約束します。



リリがヨナのところに訪れると、明日発つと言われてしまいます。

「じゃあリリ 元気で」

と素っ気なく言われてしまい、駐屯地に戻り一人で泣いています。

そこにアユラとテトラがやって来ます。リリが滞在していることを駐屯地の兵士が水呼城に伝えていました。

テトラがリリに涙の理由を聞くと一人で解決すると後悔しますよと言い、もう一度ヨナに会いに行きます。



ヨナはリリと一緒にアユラとテトラも来たことを喜んでいます。今夜一緒に食事でもどうかと探しに行こうとしていたところでした。

リリはもう会うことはないかもと思っていたのに、ヨナが微塵も考えていなかったことに安堵と誤解していた恥ずかしさと平常運転の怒りがこみ上げています。

ユンが料理を作ります。

ヨナと話すリリが楽しそうなので、テトラは嬉しそうに眺めています。酒瓶を持ってハクに話しかけに行きます。

話しかけられたハクは、自分の正体は知られているし、リリの素性も分かったので、どうする? と問いかけます。


雨が降ってきます。

ヨナは天幕にリリを連れて行きます。

ゼノとジェハはヨナのところに行こうとして、アユラとテトラに止められ、ギュウギュウで男達の天幕に移動します。

テトラはハクに先程の話ですけれどと切り出します。

「私はアン・ジュンギ様とリリ様に全てを捧げる身… ジュンギ様の利になる事は何でもいたします ですが」

と続き、

「ジュンギ様とリリ様さえ良ければよい ――なんて馬鹿な事私は思いません 貴方方は水の部族の恩人 緋龍城のお姫様は従者に連れ去られ殺されたと聞いておりました 真実はなかなかに届いて来ぬもの… きっと様々な苦難がおありだったのだとお察しします ですから リリ様と私達の大切な貴方方へ これからの道中 どうか お気をつけて」

と思いを伝えます。


ヨナと二人きりのリリは今後の目標と少しの愚痴と親への不満、アユラとテトラにしか話さないことを打ち明け、一番聞きたいことを尋ねます。

「…… …… …あんたは 失踪して殺されたはずの…… ヨナ…姫…?」

ヨナは無言です。ヨナの顔が答えでした。

リリの眼から涙がこぼれます。知り合ってからここまでたくさん助けてもらったこと、ヨナのようになりたいと思ったこと、してあげられること、かけてあげられる言葉など今の自分にはないと考えています。ヨナの力になれるよう頑張ろうと決心します。


翌日日が昇るとヨナ達は仙水を発ちます。


水呼城から兵士がやって来ます。リリに、

「リリ様 水の金印はお持ちですか? ジュンギ将軍がお呼びです 速やかに水呼城へお戻り下さい」

と言います。リリは

「私はまだここで後始末がある 水呼へはその後 帰るわ」

と言います。

「いつまで我儘を言うつもりだ」

と声がします。リリが振り向くとアン・ジュンギ将軍が立っています。

アン・ジュンギはリリに水呼城からの追放を命じます。

アユラとテトラは慌てて撤回を求めます。しかし、リリは受け入れると言います。


ジュンギは仙水で後処理と今後の指示をし、五部族会議が行われるため、緋龍城に向かいます。

会議の内容は、高華国北西部…地の部族と南戒の国境沿いの地域をとるため出陣するというものです。

ケイシュク参謀はアン・ジュンギ将軍に今回は静観は許されませんと圧力をかけようとします。

ジュンギは恐ろしいほど冷静に、でも攻撃的にケイシュク参謀を見返します。

リリの行動力と気持ちの熱さにジュンギの心も動かされています。

高華国は南戒に出陣します。



リリは父から仙水の別邸を与えられます。

ジュンギから水呼を追放を言われ、牢獄を用意したというから覚悟して来て見れば、水呼城のリリの部屋より快適かもしれない屋敷を与えられます。

テトラは、

「『お前が決めた道だ この地で最後までやり通せ』と背中を押してらっしゃるように思えますけど」

とジュンギの考えをリリに伝えます。

リリはようやく父に思いが届いたと感激し、すぐに行動し始めます。

続きます。



草凪みずほ 暁のヨナ 16巻
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2021年4月4日日曜日

草凪みずほ 暁のヨナ 15巻

じわりじわりと密売人に迫っていきます。

思いもよらない人物がヨナ達に加勢します。

展開が面白いです。



ヨナは意識が途切れそうになりながら踏ん張っています。

密売人ヒョウが部下に命じ、部下がヨナにとどめを刺そうとする寸前で、シンアがやってやっつけます。

シンアはヨナが斬られたの見ると怒りで残りの密売人も次々にやっつけ、ヒョウに狙いを定めます。

ヨナはシンアを止め、ヒョウに聞きたいことがあるといいます。

ヒョウは懐に手を入れ、短剣を抜こうとします。ヨナは察知していて剣を振り上げます。ヨナの剣はヒョウの額を斬ります。

ヒョウは斬られた痛みと、また額に傷が増えたことで叫びます。

「ゆるさない」

と言い捨て、逃げ去ります。

追おうとするシンアをゼノが止めます。

ヨナとテトラを部屋に運びます。

ヨナは幸い傷が浅く命は無事でした。

そこにハク、キジャ、ジェハが戻ります。ヨナの姿を見て動揺します。


テトラは重傷でなんとか一命は取り留めました。

リリはヨナに会いに行きます。家は水呼(スイコ)にあってテトラはそこで休ませようと思うと言います。

水呼と聞いてユンが、

「水の部族領沿岸部がこんな状態なのに部族長は何をしているんだろう」

とつぶやきます。リリは黙って聞いています。ハクが、

「アン・ジュンギ将軍… どうしているかは知らんが冷静で慎重な人物だ 相手は戒帝国 迂闊に動けんのだろう」

と言います。

ヨナが、

「リリ… 私達は仙水(センスイ)に行くわ」

と言います。ヒョウが仙水にいるはずだというのです。

「だからリリ ここでお別れね 大丈夫 必ず彼らを水の部族から追い出す リリは早く安全な場所な所へ 今まで危険に巻き込んでしまって ごめんね」

と言います。

リリは自分の部屋に戻り、アユラに胸の内を打ち明け涙します。

黙って聞いていたアユラは、立ち上がり荷物をまとめ、テトラを背負います。

その様子にリリは驚きます。テトラは意識が戻っていて、リリを元気づけます。



リリは水呼に戻ります。水の部族長アン・ジュンギ将軍はリリの行方を探してます。

リリは懸命に父を説得します。しかし、ジュンギには届きません。

リリは自分の部屋に閉じ込められてしまいます。

父に言葉が届かなかった。リリは一人で問題解決に乗り出します。

リリは水の部族長の象徴である水の金印を持ち出し、馬で仙水に向かいます。



ヨナ達は仙水に向かう途中、何度も襲われます。ヒョウが赤い髪の女を探しているという情報を入手し、ヨナは居場所を知らせるため暴れてやろうと言い出します。

リリも仙水に着きます。これからどうしようかと考えていると男二人に、赤い髪の女を知らないか?と尋ねられます。

知らないと言い、立ち去ろうとすると、背中に背負っていた荷物を斬られてしまいます。その荷物の中に金印が入っているので悲鳴をあげると、どこからかやって来た男に助けられます。


男はリリの顔を見ると、

「水の部族長のご息女リリ様」

と言います。

リリは父が差し向けた刺客だと思い全力で逃げます。

男は走りながらリリに話しかけ、リリの誤解を解きます。

男は商人だと言います。仙水の状況を知りたいと言います。リリに護衛がいないようだし、我々を用心棒として雇いませんかと提案します。

リリは自分の持っている情報は大したことはないが、用心棒として雇うと言います。

男の護衛が男に話しかけます。

「陛… ウォ…ウォン様 仙水の調査をするだけのはずでしょう 用心棒なんて長居は出来ませんよ」

男はスウォンだったのです。


リリはウォン(スウォン)と情報交換します。

話しているうちにリリはヨナと合流した方がいいと言います。


翌日、リリはヨナに再会します。

ヨナはリリが仙水にいることに驚きますが、リリの後ろにいる男にもっと驚きます。

リリがヨナ、スウォンの互いを紹介する場面は三人の心境を想像すると面白いです。

ゼノがヨナに海の向こうからたくさんの船がこっちに来ていると知らせます。

ヨナはリリに高台に案内してもらいます。

高台から海を見ると南戒の方角から商船にしては多すぎる数の船がこちらに向かってきています。

スウォンは事もなげに、帰ってもらいましょうか、と言います。

スウォンはリリとジェハに指示を出します。

リリはスウォンに言われ商業組合の定例会議の場にやって来ます。

リリは集まっている商人に船を貸すよう言います。

商人たちは取りあいません。

それならばとリリは軍を連れてきたら、船を貸すかと再度尋ねます。

続きます。



草凪みずほ 暁のヨナ 15巻
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2021年3月4日木曜日

草凪みずほ 暁のヨナ 14巻

ヨナたちは水の部族の地の問題を解決するため行動し、麻薬を水の部族の沿岸部にばら撒いている密売人にたどり着きます。

ヨナと水の部族長の娘リリ。二人の頑張りがどういう展開になるのか楽しみです。




ヨナ達は水の部族の地の沿岸部の治安が悪いと聞き、港町の四泉(シセン)にやって来ました。

ジェハは町を歩いていると、声をかけられ、店で勧められた酒を飲むと、酒ではなく麻薬で倒れてしまいます。

キジャ、シンア、ゼノがジェハの気配がおかしいと感じ、倒れているジェハを見つけます。

ジェハは目を覚ますと、部屋にはシンアしかいなくて、ヨナ達が昨晩ジェハが行った店を調べるため出掛けていることを知ります。


ヨナ達はジェハが倒れていた場所のあたりを捜索します。川に浮かんでいる人がいても誰も驚くことはなく、道では叫んでいる人がいても気にかける人もいません。

ヨナはこの町全体がどこか変だと感じています。

四泉に住んでいる男に話しかけられます。この町には長居するな、と言われ、南戒(ミナミカイ)の商人が水の部族の港町にナダイという麻薬を持ち込んでいるという話を聞きます。

ナダイを排除するためヨナ達は行動します。



ヨナ達を尾けている人物がいます。水の部族長アン・ジュンギ将軍の娘リリです。

リリは七人で行動している怪しい連中を見たと、お付きのアユラとテトラに言います。

リリは水の部族の地からナダイをなくすため父親である水の部族長アン・ジュンギ将軍になんとかするよう言ってみても何も行動に移さないことにがっかりし、それなら自分が水の部族を救ってみせると考えています。

仕方がないとアユラとテトラはリリに従い、四泉の港で怪しい七人組を探し始めます。



あっさりと七人組は見つかります。

リリはアユラとテトラにあれが言ってた怪しい七人組だと言います。

しかし、テトラはリリの言う怪しい七人組はしっかりリリを見てると尾行しているのがバレていますと言います。

ヨナは四泉の港に来てから視線を感じていて、リリの存在をしっかり把握しています。何もしてこないから警戒はしていません。

リリ達は慌ててその場から逃げます。

アユラはよく頑張りました、今日は宿をとって明日水呼に帰りましょうと言います。リリに危険なことをさせたくないようです。

リリは、自分は父親とは違う、自分が水の部族の危機を救うんだと考えています。部屋の窓から外を眺めていると、ヨナ達が店に入っていくところを目撃します。ヨナ達を麻薬の密売人だと思っているリリは一人で、宿を抜け出し後を追います。



ヨナ達が入っていったのは酒場でした。

リリは麻薬密売の経路を突き止めれば、父も動いてくれるかもしれないと勇気を出して酒場に潜入します。恐々店内を見渡すと別段危険な感じはないことがわかり、ヨナを探します。

ヨナは踊り子として舞台で踊っています。

リリはヨナしか見えていなくて近づこうとすると、客の一人とぶつかってしまいます。リリは手を掴まれ、ふりほどくと今度は肩を掴まれ鼻血が出るほど思いきり殴られてしまいます。顔を殴られたのが初めてで恐怖で立ち上がることすらできなくなります。

男はもう一発リリを殴ろうとします。

舞台の上にいたヨナはリリを救うため、男に飛び蹴りを食らわします。

それをきっかけに店中の客が大暴れしだします。ハク、キジャ、シンア、ジェハが動けなくなる程度に痛めつけます。

リリは店の隅で泣いています。ヨナはリリを抱きしめ、もう騒ぎは収まったと言います。


店の外に出てリリは落ち着きます。冷静になって水の部族長の娘なのに怖くて泣いてしまったことを恥ずかしがります。ヨナを見て助けてくれたし、密売人ではないのかもしれないと考えていると、ヨナの方から、

「あなた 名前は? 私達をずっと見てたわよね? 訳を聞かせてくれる?」

と尋ねられます。

尾行してたことがバレていて、取り繕えないけれど虚勢を張って、

「自分から名乗るのが礼儀ではなくて?」

と言います。

ヨナが名乗ると、リリは、

「緋龍城の失踪した姫の名ね」

と言い出し、皆を動揺させます。ユンが名前が一緒だからシャレで姫ってあだ名で呼んでると胡麻化します。

リリを探すアユラとテトラがやって来ます。リリの頬が腫れているのを見つけると笑っていたのに急に戦闘態勢に入ります。リリがヨナ達に助けられたというと、すぐさま、

「これは とんだ ご無礼を リリ様がお世話に」

と深々と頭を下げお礼を言います。

ハクはアユラとテトラがリリ様と言ったことに聞き覚えがあるはずが思い出せません。

アユラとテトラもハクの顔を見て、どこかで見た覚えがあるのに思い出せません。

アユラとテトラはリリを連れて宿に戻ります。明日は水呼に帰りましょうというテトラにリリはもう少しここいると言います。



翌日、リリはヨナに会いに行きます。

ヨナ達は野宿をしたと言うと、リリは滞在している宿に泊まりなさい、とヨナ達と連れて行きます。

ハク、キジャ、ジェハはジェハが麻薬を呑んだ店、水麗(スイレイ)に潜入捜査に出かけます。



ヨナは久しぶりに女同士で話が出来て楽しそうです。

リリが同じ年頃の子と話す姿をアユラとテトラは微笑ましく見ています。


ハク、キジャ、ジェハが水麗でこの店の主の名と特徴を特定します。名前はヒョウ。額に傷のある男です。


ヨトとリリは話が尽きず、テトラがお茶とお菓子を用意するため席を外します。

ヨナがユン達も誘うと言うと、リリはテトラに人数が増えると言いに行きます。ヨナもリリについて行きます。


テトラがお茶菓子を持ってリリの元に戻ろうとすると、どこから話し声が聞こえてきます。耳を澄まし聞こえてくる会話は密売人、今回に事件の主犯と思われる人物のものでした。

詳しく知りたいけれど、リリの安全が最優先のため、この宿から別の場所へ移らないといけないとテトラが行動しようとしたら、密売人の仲間に見つかり、刺されてしまいます。

ヨナとリリはちょうどその場を目撃してしまいます。

密売人は二人を始末するよう部下に命じます。

ヨナは持っていた剣で戦おうとします。一人は戦闘不能にします。しかし、二人目にヨナは背中を斬られてしまいます。

斬られてもヨナはリリの前に立ち、戦うことを止めません。

リリはそんなヨナの自己を犠牲にする姿に涙します。ヨナのように自分もなりたいと強く思います。

続きます。



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2021年2月4日木曜日

草凪みずほ 暁のヨナ 13巻

カン・スジン、リ・ハザラの反乱においてスウォンの采配はすべてに置いて一枚上手でした。

スウォンの誤算を挙げるとするなら、戦場にヨナ達が現れたことくらいです。

カン・テジュンは本当に変わりました。ゼノの言うように、高華国において大きな存在になりそうです。




火の部族長カン・スジン将軍はこの戦の勝利を確信しています。

スウォンの戦術を見くびってしまい、戦況は次第に劣勢に追い込まれてしまいます。

地の部族グンテ将軍がスウォン率いる空の部族の援軍としてやってきて暴れまわると、火の部族、千州の兵士は退却し始めます。

千州の軍リ・ハザラの前にヨナ達が現れます。ものすごい勢いで千州の兵士をやっつけていき、リ・ハザラは撤退します。

火の部族の兵士はカン・スジンに降伏をすすめます。

カン・スジンは進言した兵士を斬ります。他の者に闘え、スウォンの首を獲れと叫びます。

スジンの前にヨナが現れます。ヨナは、

「己がどれだけの民に生かされているとも知らずに お前は 王の器ではない」

と言います。

スジンは、

「私の前から消してしまえ!!!」

と兵士に命じます。


スウォンに、火の部族本陣に正体不明の連中が乱入し乱闘になっていると伝わります。

見に行くと、正体不明の連中がヨナ達だとわかります。

ヨナとスウォンの眼が合います。

ヨナは自分の存在が知られては困るから撤退すると言います。

スジンは逃げようとするヨナと追おうとするところで、スウォンが近くにいることを発見します。ヨナよりもスウォンの首が欲しいスジンは矢を向けます。

矢を放とうとする前に、火の部族の兵士の槍によってスジン胸が貫かれます。落馬するスジン。その場で絶命します。

反乱は鎮圧されました。



スウォンは彩火城に向かいます。

カン・キョウガは平伏しています。父スジンの罪を自分が償う、ですが母とテジュンの命だけは見逃してほしいとスウォンに言います。

スウォンはキョウガに高華国五将軍の一人、火の部族長に任命すると言います。そして、見せたいものがあると城の外に連れ出します。



スウォンがキョウガに見せたのは、テジュンがやっていることでした。

テジュンは一心不乱に村の人達のために動き回っています。

キョウガは弟のそんな様を信じられないようです。

話をしている最中なのに、村の人達を優先しているテジュンを見てキョウガは、

「火の部族の事も弟の事もわかっているつもりだった」

と言います。スウォンは、

「あなたの有能さはこの地の誰もが知っています ただ少し偏りがあるようだ」

と言います。キョウガには空都(クウト)緋龍城で書物や学者からもっと広い知識を得て欲しい。テジュンには彩火城に戻り部族長代理として城を守ってほしいと言います。今テジュンがやっていることは空の部族からも出来るだけ支援すると約束します。



スウォンとテジュンが歩いていると村の人セドルはお届け物です、とイザの実を手渡します。

スウォンが何ですかそれは、と訊くとセドルはこれは千州から持って来た寒さや乾燥に強い実らしいと言います。テジュンに、植物に詳しい人が安全な畑で大切に育てて欲しいそうだと言います。

テジュンは、

「私に? 一体誰が?」

と問うと、

「ああ ヨナちゃん達が」

とセドルは普通に答えたのですが、テジュンにビンタを食らいます。

顔から夥しい量の汗をかきながらテジュンはスウォンに、

「…い…っ… いまの… きこえ……ました…?」

と聞くとスウォンは表情を変えず、

「いいえ?」

と答え、心の中でイザの実を見つけて来たヨナを思います。



続いてスウォンは戒帝国国境付近でリ・ハザラ会談します。

スウォンがリ・ハザラに突きつけた条件は、

我が国に損害を与えた実費の賠償、高華国と不戦協定を結ぶ事、千州の国境近くにある村を一つ高華国に、という三つです。


風の部族風牙の都、水の部族水呼城にもカン・スジンの反乱が伝わります。



テジュンが村の人の名を覚えるまでに村に寄り添っているのが良かったです。

続きます。



草凪みずほ 暁のヨナ 13巻
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2021年1月4日月曜日

草凪みずほ 暁のヨナ 12巻

戦が始まります。

火の部族が緋龍王の末裔であると自負するがゆえに起こった反乱です。

利用しようとして利用されているカン・スジンやヨナ達が外から考えて行動する姿が面白かったです。




火鎮(ほしずめ)の祭りが終わり夜が明けます。

村の女たちがハク達の天幕にやって来て、最近兵がよく村の外に兵を見かけると言います。

話を聞いていたヨナは、

「見てくる」

と一人出ていきます。

ハク、キジャ、シンア、ジェハが急いで後を追います。


村のおじいさんはユンにイザの実を渡します。

ユンは感謝し、ヨナに伝えます。

ヨナ達は兵を見つけます。千州の兵士ではありません。火の部族の兵士だったので驚きます。なぜ戒帝国に火の部族の兵士がいるのか気になり調査することにします。



高華国国境近くでは、高華国火の部族長カン・スジン将軍と戒帝国千州の豪族リ・ハザラが会談しています。

リ・ハザラは、

「こちらの準備は整いましたがよろしいか?」

と言うと、カン・スジンは笑みを浮かべ、

「では…… 来る3日後 予定通りに」

と返答します。



ヨナは考え込んでいます。

シンアが、

「……ヨナ 下がって 馬が来る」

と知らせると、高華国側から走ってくる集団の先頭にリ・ハザラを見つけます。

ヨナは何かを感じ、

「戻ろう 高華国へ」

と言います。



スウォンはイ・グンテと雑談しています。雑談しながら以前言ったことが近々動きそうだと伝えると、グンテは、

「では俺は一旦地心(チシン)へ戻ります」

と言い、何やら準備を始めるみたいです。



ヨナ達は火の部族の彩火の都に戻ってきます。

情報を得るために裏町にいます。ハクはスウォンのやり方を真似ています。複雑な思いのはずです。

ハクの読み通り、一番に情報が入ってくるのは裏町の酒場でした。

一人の男が慌てた様子で入ってきます。戒帝国の千州の軍が国境の関所を突破して高華国に侵入してきたと言います。

千州の豪族リ・ハザラが大軍を率いて彩火に向かって進軍している。ヨナの予感が的中します。


彩火城ではカン・キョウガに進軍の知らせが入ります。

続いて、六火の砦が突破されたと報告が入ります。

父親のカン・スジン将軍は自ら出向き、キョウガに彩火城を守るよう命じます。


裏町にいるヨナ達にもほぼ同時に情報が入ってきます。


カン・テジュンはといえば、ヨナ姫のため開墾に一生懸命です。

千州の軍が畑を踏みつぶして進もうとします。

テジュンは軍の先頭に立ち、畑を踏み荒らすなと警告します。千州の兵士は退かんと斬るといいテジュンに剣を向けます。

兵士の剣は側近のフクチが受け、テジュンの部下がテジュンを守ります。

リ・ハザラが現れます。テジュンを見て、

「他の道を行こう 失礼した」

と進路を変更します。

テジュンはなぜ千州の軍リ・ハザラが引いたのかはわからないけれど、畑が無事だったので安堵します。彩火城にいる父や兄、そしてヨナ姫の心配をします。


ヨナたちは独自に情報を集めようとします。ジェハの脚、シンアの眼を駆使して集めた情報でヨナは彩火の都の前にいる二千の兵士を蹴散らすと言い出します。


ゼノが入手した地下道を通って二千の兵が陣を張っているど真ん中に現れ、暴れまわります。

攪乱に成功し、シンアが能力で遠くを見渡すと、カン・スジン将軍の軍、リ・ハザラの軍共に彩火城には向かっておらず、南西へ向かっていると言います。南西には王都緋龍城があります。

導き出される結論はカン・スジンとリ・ハザラは手を組んでいて、目的は緋龍城、スウォンの首を狙っているのではということになります。


ヨナはカン・スジン、リ・ハザラを追うことを決めます。


カン・スジンとリ・ハザラは思いもよらない場所でスウォンと対峙します。

丘の上にいるスウォンはカン・スジンの不穏な動きを察知し、何もかも想定していて備えも抜かりないようです。冷静に、

「では 参りましょうか 功を焦って捨て身にならないように 何しろこの戦は一つ目の小さな山にすぎないのだから」

といいます。



カン・スジンは自らを緋龍王の末裔と言うけど、末裔だから王の座に就くのは自分なのだと信じ込んでいるのは滑稽に映りました。もう少し別の大儀があればかっこよかったのになと思います。

続きます。



草凪みずほ 暁のヨナ 12巻
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