火の部族の地でヨナたちは苦しんでいる人たちを助けるため行動します。
最後はカン・テジュンが再登場します。2巻で登場した時とは別人になってます。
テジュンが展開を面白くしてくれるといいなと思います。
ユンはヨナと出会うまで近くの村に住む困っている人に食料や薬材を届けていました。久しぶりに戻ってきて荷車に物資を乗せて火の部族の地加淡(カタン)村へ向かうと、こっそりヨナたちがついてきていました。
ヨナは村の生活を見て、この問題をどうにかしたいと考えています。
食べるものがないのに、火の部族の役人がやってきて村長に税を取り立てにやってきます。役人はユンが持ってきた荷車を見つけ税の代わりに持って行こうとします。
それを見ていたジェハが怒ります。
ハクもキジャも怒ります。
最後にヨナが怒ります。
「そこの鼻タレ役人共!! ここが私らの縄張りと知っての狼藉かい!?」
と賊を名乗り、役人たちを追っ払います。
このことがきっかけとなってヨナは自分達を「暗黒龍とゆかいな腹へり達」と名乗り、縄張りを主張し、悪となり村人は仕方なく従っているというかたちにすれば役人から咎められずにすむという方法を作り出しました。
役人が税として村から奪った物資を襲撃して横取りし、村人に返すということをします。
ヨナたちは手分けして近隣の村にも同じようにして勢力を拡大しようとします。
ハクとキジャとゼノは秋村(シュウムラ)という離れた村に行き、ジェハは加淡村に様子を見に行きます。
ヨナとシンアが待機していると、盗賊がやってきます。
村人に危害を加えるので、ヨナは弓で戦おうとします。しかし捕まってしまいます。
シンアはヨナの異変に気がつき駆けつけます。
シンアは使うなと言われていた龍の能力を解放します。青龍の能力は眼に宿っています。シンアの眼を見た者は心を支配されるようで、盗賊はシンアの存在に恐怖します。
能力を解放したシンアは我を忘れて全力で盗賊を追いつめようとします。
ヨナがシンアの前に立ち必死に説得しシンアは正気を取り戻します。
盗賊が去り、ユンたちが戻ってきます。
シンアは能力を使った代償に身体が麻痺してしまい、脇腹に傷を負ってしまったのでしばらく安静となります。
ヨナはハクに守りたいものを守るために剣を教えてほしいと言い、ハクはヨナの本気に従います。
彩華城ではカン・スジン将軍の長男カン・キョウガにヨナが率いる賊の情報が耳に入ります。
キョウガは弟のテジュンに賊を捕えてくるよう命じます。
カン・テジュンはヨナを死なせてしまったと悔やんでいて、日常生活もままならない状態です。火の部族の南方の役所に賊討伐のためにやって来てもやる気が出ません。賊が現れたという情報が入ってもテジュンの反応は鈍く、側近のフクチがどうにか言いくるめて加淡村に向かいます。
加淡村で手荒に調査する役人を見てフクチは、
「品がない……」
とつぶやきます。火の部族にいる少ないまともな人物です。
もう誰も犠牲を出したくないヨナたちは村の人たちに役人が来たら隠れるように言っていたのに、ヨナたちが戦っているのを見ていたからなのか少女が役人にむかって石を投げます
「加淡村から出てけっ」
よりにもよってテジュンの額に当たります。
慌ててユンが出てきて少女をかばいます
石をぶつけられたテジュンはユンの予想とは違う反応を見せます。テジュンの側に立っているフクチがユンに話しかけます。
ユンは
「毎日の食糧もやっと確保してんだ もうこれ以上は税は払えないから帰って」
と言うと、フクチは納税は民衆の義務だと言い、税を取り立てに来たのではない、賊を捕えに来たと言います。
フクチの言葉にユンは合図を出します。
ジェハが空からキジャが地上から役人を蹴散らします。
キジャはテジュンに狙いをつけ、龍の右手を振り上げます。
テジュンはキジャの右手を見て死神が命を狩りに来たと覚悟を決め抵抗せず目を閉じます。
キジャはまったく抵抗しないので痛い目に合わせる気も失せます。
キジャに早くしろと言うテジュンをジェハが踏みつけ、
「ここいらは俺らの縄張りだ」
と言います。
そして、どこから声が聞こえます。
「小僧共 とっととそいつら放り出しな 村の連中が怯えてるよ」
踏みつけられているヨボヨボのテジュンの耳に聞きたくて聞きたくてたまらなかった声が入っていきます。
テジュンは力を振り絞ってジェハの脚をもろともせず立ち上がり、声の主を確かめるため探そうとします。
しかし、ヨナの放った言葉でキジャが役人を次々投げ飛ばしていきます。
キジャに投げられたテジュンはどこまで飛ばされたんだろう。見えなくなるくらい投げられたら地面にたたきつけられた時無事ではいられないのではないかと思ってしまいました。
続きます。
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