●66
ゼンの協力で白雪とオビは王城の夜会で、ラタ・フォルゼノとの対面にようやくこぎつけます。
ラタは夜会にクラリネス王国第二王子の名で招待され、拒めるわけもなく、渋々参加しています。貴族とは言え、なぜ接する機会のない第二王子から夜会の招待状が届いたのか分からず、ぽつんとひとりで過ごしています。
白雪とオビはラタに声をかけます。
ラタはふたりの顔を見て、リリアスで自分を探していた人物だと気がつきます。
そして、ゼンの名で夜会に呼びつけた相手が誰であるか理解します。
ラタは白雪とオビによくもこんな反則技を使ってくれたな、と文句を言います。
白雪はラタに研究している煌晶石について話を聞きたいと言います。
そして、ラタがリリアスで逃げ回ったことを引き合いに出し、この王城で追いかけっこをするなら、我々が圧倒的に有利です、と話をするまで離れる気はないと言います。
ラタは観念し、白雪の話を聞きます。
白雪の話す仮設はラタの興味を引き出すことに成功します。
ラタは白雪とオビに後日連絡すると言い、別れます。
●67
白雪は目的を果たせたことをゼンに手紙で知らせます。
王城ウィスタルで白雪は注目の的です。
ゼン殿下の名で部屋を与えられ、タンバルン王国の王家の友人である白雪と関係を築いておきたい貴族や役人はたくさんいます。
ユウハどのはどうしているんだろう。遠くから白雪を見ているのかな。
白雪は失礼のない対応を心がけるあまり、話の切り上げ方がわからずに困っています。
その様子を初めから見ていたセレグ騎士団副団長のヒサメが割って入り、困っている白雪を助けます。
白雪とオビはヒサメに初めて会います。
オビはミツヒデが苦手とするヒサメに会ってみたいと思っていたようで楽しそうです。
ミツヒデが白雪とオビの元にやって来て、夜会の後は気楽な集まりに行こうと誘います。
着替えて兵が集まる宴会に向かうところで、白雪とミツヒデと木々とオビは、イザナ陛下に出会います。
イザナ陛下はミツヒデに白雪を借りると連れて行きます。
イザナ陛下と白雪はゼンを見つけ、ゼンの部屋に向かいます。
ゼンにいたずらをしたあと、イザナ陛下は白雪に、
「リリアスはあなたとリュウに合いそうか?」
と聞きます。白雪は、
「学べる事が多いです」
と言い、続けて、
「私は 今 オビと共に リュウと同じウィラント城に行く事を指針としています」
とリリアスでオビに夜明けに語った目標をイザナ陛下に表明します。
イザナ陛下は、
「へえ」
と自身が考えるこれからの事と重なる白雪の考えに感心し、白雪に任せるつもりでいる事について話します。
研究の報告を期待していると言い、イザナ陛下はゼンの部屋を出ます。
白雪は初めてイザナ陛下と話せる機会を持って、緊張しています。
●68
イザナ陛下は、ミツヒデにゼンと白雪がゼンの部屋にふたりきりでいることを告げ、適当にゼンの部屋に行くように言います。
ミツヒデは困ります。
どんな対応をしてもゼンに怒られるからです。
ゼンの部屋に入ると、物音も話し声もせず、ミツヒデと木々とオビは気まずさを抱えながら寝室をのぞくと、ゼンと白雪はソファで眠っています。
そのまま朝まで眠ってしまい、白雪はゼンのベッドで眠ってしまったことを悔やみます。
ゼンは白雪とオビと砦で別れ、それぞれの役割に戻ります。
●69
白雪とオビはディラッツという採石場が近い町でラタが待っているというので向かいます。地図に示された宿に行くと、その宿にはラタは来ていなくて、また行方不明です。
白雪は宿の人に伝言か何か残していないかとたずねます。
何も残していないと言われ、いい加減振り回されっぱなしでオビはご立腹です。
ラタを探し回りようやく見つけた時のオビの目は怒りでいっぱいです。
ラタは飯をおごるから怒るなと、白雪とオビと食事をします。
ラタはまず白雪とオビに二人の正体をたずねます。
ラタは白雪は宮廷薬剤師というので、ガラク・ガゼルトのところだと想像がつくと言います。
オビです。
オビについては白雪につく騎士とだけしか分かっていないので、ラタはオビの所属をたずねます。
オビはゼン・ウィスタリア公爵殿下直属とこたえます。
ラタはオビの肩書に驚きます。
そして、なぜ自分を王城の夜会に招待できたかについて納得します。
続いて、ラタは白雪に夜会で見たリリアスの薬室の研究員で合成した煌晶石をもう一度見せてくれと言い、
「よし 行くぞ」
と鉱石を扱う店に移動します。
ラタは鉱石の店で鉱石を注文し、白雪に煌晶石の作り方を教えると約束します。
ラタが注文した鉱石の代金があまりに高額なので、白雪は一旦リリアスに戻り、薬室のみんなに相談してくると言い、ラタと別れます。
リリアスに戻り、白雪は、シダン、リュウ、鈴、イヅル、カザハに事情を話します。
煌晶石をつくるための鉱石を購入する資金を集め、約束の期日までに鉱石を入手します。
●70
白雪と鈴がラタから煌晶石を合成する方法を学びます。
シダンとリュウはさらにオリンマリスを研究し、オリンマリスが強く光るための新たに条件を発見し、問題の解決に取り組みます。
●71
リュウのひらめきで問題の解決の糸口をみつけます。
試行錯誤の末、研究が実を結びます。
ひとつの区切りがつき、あとは花が咲くのを待つだけになり、ささやかな宴をひらきます。
白雪はその場で、夜会に行った時、イザナ陛下より直接言われた言葉をみんなに伝えます。
シダン、イヅル、鈴、ユズリ、カザハ、そしてキリトはオリンマリスの件がイザナ陛下まで届いていて、灯りの花をどう活用していくかまで考えていることに驚きます。
リュウは、白雪とオビが灯りの花を北の拠点に広めるため動いている間、白雪がリリアスからいなくなることに驚いています。
続きます。
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