2017年11月2日木曜日

ななじ眺 ふつうの恋子ちゃん 2巻

夏目恋子は二宮剣のことが少し気になって見ていた人から、次第に目で追うようになり、相手も想ってくれていればいいのになと思う存在になっていきます。

恋子にとって剣は「ふつう」という自分で決めた姿勢を捨ててもいいと思える存在のようです。



恋子は剣におでこにキスされて、もう「ふつう」の状態ではいられません。「ふつう」が剣によって乱されてしまいます。意識せずにいようとすればするほど意識してしまいます。

「ふつう」を取り戻したい恋子はこれまでよりも特に注意して「ふつう」に過ごそうとします。だけど、恋子の「ふつう」は剣のなんでもないことで一瞬で崩れてしまいます。



恋子は「ふつう」と取り戻したくて、意識していないということを言葉にするため剣におでこにキスしたことを忘れてと言います。剣は忘れるのは無理だと言います。

「オレ あんなことしたの初めてだもん」

と言われ、恋子は自分も忘れることなんてできなくてさらに「ふつう」から遠ざかってしまいます。



剣の出来事すべてが恋子の心に引っかかりを残します。剣のことを何も知らないのに交わした言葉、表情が何度も何度もよみがえってきます。

恋子は忘れようとすればするほど、しっかり心に残り記憶されます。

佐藤くんには感じることのなかった気持ち、今まで感じたことのない気持ちが、剣とのなんでもないことを含め、グッと感情が動くことに、それが恋なのか? と思い、もしそうなら、「ふつう」でいられなくなると動揺してしまいます。



恋子は恋をして、体温が上がるという恋子の考える「ふつう」ではない状態に落ちつていられません。

剣は恋子にクリスマス予定はある? と誘います。恋子は即答で誘いを断ります。

恋子のクリスマスの予定はないので、なんとか埋めようとします。心当たりのすべてがうまくいかず、空白になります。

恋子はクリスマスに剣と過ごしたい気持ちはあるものの、何かがその気持ちを動かそうとしません。それは「ふつう」でありたいからなのか、剣を意識する気持ちが何なのか気づけていないからなのか、まだわかりません。



恋子は剣へクリスマスのプレゼント買ってしまいます。いつ渡す気なんだろう?

恋子は目で剣を追いかけるようになります。気がついたら存在を探したり、追いかけたりするのはもう「ふつう」ではありません。

ふたりは学校では会話はせず、時々剣から恋子へ携帯にメッセージが送られてきます。恋子はかわいく返信したい気持ちと、「ふつう」が一番だからかわいく演出する自分は「ふつう」ではなくなってしまうという気持ちとで揺れ、結局「ふつう」にとどまることにして、ふつうの短い文を送り返してしまいます。



クリスマスの日。

恋子は結局予定を埋めることはできず、家にいます。

剣はこの日、バイトを入れていて、恋子とバッタリ出会います。友達と予定があるって言ってたのに、どうして家にいるの? と恋子は言われてしまいます。

恋子は言い訳にならない言い訳をし、剣のほうこそクリスマスになんでバイト入れてるの? 聞き返します。

剣は、

「誘った子からは断られてし」

と恋子を見て言います。

恋子と剣の会話を聞いていた母親は、素直じゃない娘のために少し助けてあげます。



二人でクリスマスの夜に歩くことに、剣は、

「ラッキー」

と素直に嬉しさを言葉にします。

一方、恋子は「ふつう」ではないこの状況をうだうだと考えています。恋子は素直じゃないです。それでいて、剣が他の人に取られてしまうかもしれないと感じると、剣との距離が離れるのは嫌だとはっきり主張します。やっかいな子です。



剣は今度は初日の出を見に行こうと誘います。恋子はようやくこれは恋だと認めたらしく、即答で返事します。

これは恋だと認めた恋子は剣に対する想いが同じように、剣も想ってくれてほしいと思い始めます。



恋子は「ふつう」を一旦封印することにしたみたいです。

恋子は「ふつう」でなくなってもいいと思うほど、人を好きになるなんて自分の人生に起こるなんて考えても見なかったと思います。

「ふつう」ではなくなった恋子がこれからどうしていくのか楽しみです。あと、剣は恋子の母親から恋子の気持ちは伝わったので、剣はどうしていくのかというのも楽しみです。

続きます。



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