2017年11月30日木曜日

あきづき空太 赤髪の白雪姫 7巻

白雪はこの先クラリネス王国でゼンとどうありたいのか。
白雪の心は決まります。



●26話
海の鉤爪を壊滅させ、頭を捕らえ一件落着します。
ようやく白雪が自由になります。
鹿月に背中を押され、山の獅子の頭がゼンに、
「村で休んでいかねえか」
という声に白雪が視線を向けます。
山の獅子の頭を見て白雪が、
「……!!! とっ… 父さん…!?」
と、驚きの声をあげます。
山の獅子の本拠地に到着し、山の獅子の大将武風(ムカゼ)は白雪の父親だということが明らかになります。
まさかの展開です。
たしかに髪の色が白雪と同じっぽいです。

木々がミツヒデに、
「心配 どうもね」
と言います。短い言葉にたくさんの思いがこもっていることがわかります。
ミツヒデと木々の少ないやり取りが好きです。

鹿月が白雪をさらった理由が明らかになります。
鹿月は、
「ここで一緒に暮らすわけにはいかないかな」
白雪は、
「ごめんなさい」
「私は……クラリネスにいたいんだ」
即答で、自分の意志を明確にします。
武風との再会を終えると、白雪はオビを探します・
ゼンと再会し、海の鉤爪を捕えて、一安心した時点からずっと白雪はオビを探していて、みつけられないでいます。
白雪はようやくオビに会えます。
オビの表情はいつになくまじめです。そして、
「ごめん」
2度白雪に言います。
白雪は言葉を遮ろうとしても、オビはそれさえも受け入れることなく、自分の責任だと断固として譲りません。
白雪は何を言ってもだめだというオビに、これからのことを話します。

オビは白雪の、
また次もオビがいい
という言葉に意表を突かれます。
白雪はオビに責任はないよというための最善の方法で、オビの肩から重いものを取り去ったのです。

宴が盛大に行われます。
ゼンと武風が面白い会話をしているのを白雪が聞いてしまいます。
白雪の顔は真っ赤です。

タンバルンの城に着くと、到着を聞きつけたラジ王子は待ちかねていたようで、息を切らして、出迎え、白雪を見てようやく安心した表情になります。

城ではもう一度夜会を開く準備ができて、当初の目的も果たされます。

ラジはもう一度会いたいと素直に言えなくて、白雪に、
「白雪どのの… 髪が伸びたら 見せに来てくれ 今度は切らずに」
と言います。
白雪は、
「ラジ王子が友人として訪ねてきて下さるなら 喜んで」
と返します。
ラジ王子は次に会うまでになんとしても頑張って成長しなくてはと心に誓ったと思います。


●27話
ゼンは城に戻り、イザナ王子に帰還の報告をします。
白雪は薬室長に挨拶し、すぐに通常の業務に戻ります。
リュウは白雪が戻っているのに気づいても、特に反応もなく普段通りです。

数年に一度、市民に王城の一画を開放する行事、王城開放日がやってきます。
ゼンは兵舎を訪れ衛兵たちに声をかけます。衛兵たちはゼン王子が直々に兵舎にやって来て言葉をかけていることに驚きます。
初めて見る王城開放日のにぎやかさに白雪は、城がいつもいる場所ではないように思えています。
白雪がゆっくり歩いていると、衛兵がゼン王子の話をしています。知らない人がゼンの話をしているのも初めて耳にすることです。
白雪は自由にゼンに会いに行ったりすることはできないみたいです。
ゼンは衛兵の格好をして、普段は見られない城内の仕事ぶりや市民の様子を見てまわっています。こうして歩いていると、もしかしたら白雪に会えるのではないかとも考えていて、本当に白雪を見つけ話ができてうれしそうです。
白雪はゼンの言葉に、タンバルンでのことを思い出し顔を赤くします。
白雪はゼンと別れると、オビがやって来て、
「主の出番もうすぐだから」
と白雪を呼びに来たと言います。
オビの案内で連れられて来た場所から、バルコニーに立つゼンがよく見えます。
白雪は民衆の声に応じて、手を振る王族としてのゼンを初めて見ます。
オビは王族のゼンと普段接しているゼンは別人なんじゃないかと言います。
白雪は触れられるところにいるゼンと、本当の自分との距離を感じます。

ゼンは役目が終わると城内を歩くつもりらしく再び護衛服姿に戻ります。
オビはゼンにバルコニーで立っているところを白雪と一緒に見ていたと伝えます。
リュウがやって来ます。白雪を探していると言い、オビが白雪を連れてきます。
リュウは白雪に外から来ている劇団の中で怪我人が出ていて、一緒に来てほしいといいます。ゼンとオビもついていきます。

劇団員の控室に入ると役者二人が足首あたりを痛めたと訴えます。このあとまだ出番があるから痛み止めがほしいと言います。
役者の二人は王城で演じることで広がる可能性を口にします。
リュウは患部を診察すると、舞台に立つのは無理だと判断します。
白雪は処置しようと、かぶっていたフードをとり髪を束ねます。
劇団の人たちは白雪の赤い髪に目がとまります。
役者を手当てしている白雪に劇団の座長が代役として舞台に立ってほしいと頼みます。
白雪は拒みます。
劇団員はあきらめず、矢継ぎ早に白雪にお願いします。
劇団員と白雪のやりとりを見ているオビはゼンに白雪がまだ目立つ場所に出たくないようだと話します。
白雪は髪を隠すことを条件に舞台に立つことを了承します。

演劇をミツヒデと木々が見ています。姫役の芝居を見てぎこちない感じがする、とよく観察してみると役者が白雪であることに気がつきます。
劇団の座長は白雪の赤い髪は、観衆に大きな反響を得られると感じていて、白雪の相手役の演者にヴェールを奪うように指示します。
ゼンは座長の様子に気づき、オビに指示を出します。
ゼンは舞台に立ち、ヴェールをとろうとする役者から白雪を守ります。

舞台を終え、白雪とゼンは二人で話します。
ゼンは白雪が二人でいる時の様子がおかしいことに気づいてます。
白雪はゼンと二人になると、
「惚れてるよ」
と白雪の父武風に言っていた時のことを意識せずにいられない、なんてとても言えません。
白雪はゼンに、タンバルンで助けられたこと、そして、今日また助けてもらったこと、それらに対して何か返したいと思っています。
ゼンはただ白雪が笑顔でいられるようにしていることだ、と言います。
白雪はゼンに感謝の気持ちを伝えたくて、ゼンの左手の甲にくちづけします。
「来てくれて ありがとう」
笑顔でゼンに言います。
ゼンは白雪のぎこちなく伝える気持ちに顔を真っ赤にします。こんなこと誰にもされたことがないので動揺しています。


●28話
ある朝、白雪とオビは歩いていると、ミツヒデに声をかけられます。
ミツヒデはゼンが王城開放日からぼーっとしていることがよくあって気にかかるので、白雪に何か知らないかと尋ねます。
白雪は心当たりがありません。
話していると、メイドが慌ててミツヒデと白雪のところに来て、
「わっ… 私達の不注意でゼン殿下がお怪我を…っ」
と一緒に来てほしいと言います。
白雪はびっくりし、ミツヒデは顔が青ざめています。

ゼンのぼーっとしている原因は白雪です。
白雪がゼンの手の甲にくちづけしたことを何度も思い返しています。
ゼンの頭の中は白雪のことでいっぱいです。何も手につかなくなっています。注意力も落ちていて、メイドが上から落とした布にも気づかず、頭から布をかぶり、首を痛めてしまいます。
ミツヒデは大丈夫たというゼンを疑っています。
ミツヒデは薬室長を呼びに行きます。薬室には誰もいなくて、探していると薬瓶が身体に触れ、割れてしまいます。割れて瓶を片付けていると入っていた液体が発するにおいを吸い込んでしまいます。

ゼンの元に戻ってきたミツヒデの様子が変です。
薬室長はミツヒデが催眠作用のある薬をかいでしまったと言います。
その薬のにおいをかぐと、普段深く持っている一面が助長されて前面に出ている状態になると言います。
ミツヒデはゼンへの忠誠心が特に強くあらわれた状態になっています。
ゼンはその状態のミツヒデが言った言葉に引っかかります。
木々もミツヒデの言葉に反応します。
白雪はゼンにぬり薬をぬって処置します。

夜、白雪はミツヒデがかいだ薬をつきとめるため本を調べます。治療薬をつくる気でいるようです。

翌日、ミツヒデの様子に変化はありません。
ゼンは執務をこなす傍らに控えるミツヒデの様子が気に入らないようです。
夜、ゼンは白雪のところを訪れます。
ゼンは白雪に自分の考えを話します。
白雪はゼンに、ミツヒデは欠くことができない必要なひとなんでしょう、と言います。
ゼンは白雪にミツヒデを直してほしいと頼みます。

ミツヒデは白雪から手渡された薬を飲む前、白雪に自分の思いを話します。
白雪は進むべき方向を決めなくてはいけないと思い始めます。


●29話
タンバルンから使者がやって来ます。
白雪は見習い課程を修了し、正式な宮廷薬剤師となります。
タンバルンからの使者として来たのは巳早と第一王子側近のサカキです。
サカキは白雪に用があって来ています。
白雪は城に行くとゼンが待っています。自分に何の用事があるのかわかりません。
イザナ王子も来ています。
サカキはラジ王子の名代で来たと言い、クラリネス王国白雪どのにタンバルン王国より”王家の友人”の称号を与える、というラジ王子の言葉を伝えます。
なんのことかわからない白雪は、称号という言葉で思い当たることを探します。
白雪が海の鉤爪に捕えられ、船の上でラジ王子が、
「貴様らが手を出した赤髪の娘はこのタンバルンで唯一人 ”王家の友人”の称号を与えられた者だ!!」
と警告を発したことを思い出します。
サカキはラジ王子が白雪をタンバルンの国賓として扱いたい言い、国王が認めたと言います。
サカキが退いた後、イザナ王子は、
「”王家の友人”とはね……」
とつぶやき、声を出して笑います。
イザナ王子はゼンが連れてきた白雪の見せる変化に興味を持ち始めています。
イザナ王子は以前白雪に言ったことを改め、タンバルンが白雪に与えた称号によって、ゼンと友人であると言っても問題はないという姿勢に変わります。そして、白雪にゼンとどうありたいか聞いてみたいと言います。

白雪はミツヒデに言われ、イザナ王子に言われ、この先のことをゼンに告白します。白雪の心は決まります。
ゼンも白雪に自分の思いを伝えようとします。
続きます。


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