●第30話
ようやく二人きりになり陛下は夕鈴に怒っている理由を問いつめます。
周宰相がやって来ます。夕鈴に不吉な予言をした官吏です。
夕鈴は官吏だと思っていた人物が大臣の中でいちばんえらい人で驚きます。
周宰相は陛下に署名が欲しいという用で来ました。
陛下が内容に目を通している間、夕鈴と周宰相は話をします。周宰相は新たな不吉な予言をします。
陛下は二人の話を遮ります。周宰相に詳細の説明を求め執務室に向かいます。
夕鈴は一人取り残されてしまいます。
陛下は周宰相の用を済ませ、戻ると夕鈴が一人でお酒を飲みいい具合に酔っ払っていました。昼間の宴で両隣に女性を座らせていたことが夕鈴を怒らせた理由だとわかり、宥めるように言って聞かせます。
夕鈴は納得がいかないものの仕方ないことだと思うことにし、この話を終えます。
夕鈴は春の宴を機に、柳方淵と氾水月は仲良くなると思っていたのに、全く変わったところもなく残念そうです。
●第31話
夕鈴はがんばったのに手ごたえがなくて、その理由を探し始めます。陛下に関する調査が足りないからだと考え、聞き込みを始めます。
氾水月の妃の評価が面白いです。
●第32話
夕鈴の弟汀青慎(ていせいしん)から手紙が届きます。何かもめ事があったようで戻ってきてほしいという内容です。
夕鈴は陛下にお休みの許可を求め、家に帰ります。
夕鈴の父が几鍔(きがく)のおばあさんが怪我させてしまったようです。
夕鈴は謝りに行きます。
几鍔のおばあさんは夕鈴に気が済むまで小間使いをするよう言います。
一日でへとへとになります。いつまで続くのかと考えてしまいます。
陛下がやって来ます。来てはいけないのに来てしまいます。
陛下は全然大丈夫と笑顔です。夕鈴に解決してあげようかと持ち掛けます。
夕鈴は断ります。
陛下は頼ってくれない言うことをきかない夕鈴が愛しいようです。
●第33話
陛下は夕鈴が頼って来るまで王宮に戻るつもりはないようです。
夕鈴は下町の友人明玉(めいぎょく)に会いに行きます。酒場のような場所で知った客がたくさんいます。
明玉は夕鈴を、下町の悪女と呼びます。客のひとりに夕鈴を紹介します。初めて見る顔で当たりのよさそうな男性です。
馴染みの客が明玉に、
「しかし 明玉! 夕鈴ちゃんを後宮の悪女と並べちゃいかんだろう」
「そりゃ あっちの相手は狼陛下ですもんねえ」
夕鈴にとって聞き捨てならない言葉が飛び交います。
狼陛下のお妃様が下町では有名で、狼陛下を手玉に取ってやりたい放題していると噂されています。
夕鈴は驚いています。
夕鈴が紹介された客は、
「―――――笑い話で済むうちはいいが 王が美女に溺れて国を傾けるなんて事にならなきゃいいがな」
と夕鈴の背筋がヒヤッとするようなことを言います。
夕鈴を監視している浩大は男を見て何か思うところがあるようです。
陛下は几鍔に接触します。宿に戻ると夕鈴が待っています。
夕鈴は男が言ったことが気になり、陛下に臨時花嫁を甘やかしすぎていると王宮に戻るよう説得します。
夕鈴は帰ろうとすると陛下に日没の閉門に間に合わないと言われ、翌朝の開門まで陛下が取った部屋で過ごすことになります
●第34話
部屋は夕鈴に譲り、陛下は出て行きます。外で待機していた浩大から酒場の男の報告を受けます。
翌朝夕鈴は家に戻ります。酒場の男に出会います。
男は狼陛下の話を始めます。
夕鈴の知らない陛下の母、兄の話です。陛下の家族の話は聞いた事がないから、話したくないことなのか、そもそも臨時花嫁だから話す必要がないと思われているのか、夕鈴はさみしさを覚えます。
おばあさんは夕鈴を連れ商売敵の高商店の店主を偵察に行きます。高商店の店主が料亭に入っていくのを確認し、何を話すのか盗み聞きするつもりです。
相手に盗み聞きしているのがバレてしまいます。高商店の店主と一緒にいるのは酒場の男です。
●第35話
夕鈴とおばあさんは捕らえられてしまいます。
夕鈴は浩大が近くで監視していて陛下に知らせるだろうから、陛下に助けてもらうと後でちくちく言われるのが嫌なので自力で脱出しようとします。縄をほどくと、おばあさんもほぼ同時に縄をほどきます。
高商人の店主と相談していた相手は几家の女主人をこの都から消してしまおうと言います。
夕鈴は自分が囮になるからおばあさんはその隙に逃げるように言います。おばあさんを逃がし、夕鈴も逃げようとします。しかし、酒場の男に見つかってしまいます。囲まれて逃げ場がなくなったところで陛下が助けに入ります。
酒場の男は陛下を見て驚きます。
陛下は夕鈴に、
「そっちの 人の話を聞かないで 危険に自ら頭をつっこんでいく困ったお嬢さんは後で少し覚悟をしておけ」
と言います。
夕鈴は陛下が助けに来てくれたのにそんなことを言うから怖がっています。
商人の手下が陛下に襲いかかります。
酒場の男が味方である商人の手下に剣を向けます。男は、
「―――心臓に悪い現れ方せんで下さいよ こんな所で何をしてんですか あなたは」
と陛下に言います。陛下のことを知っているようです。
陛下と男で商人たちを捕えます。
男は徐克右(じょこくう)という陛下の臣下です。下町で諜報活動をしていたのでした。
徐克右は陛下に夕鈴について訊ねます。
陛下はそれっぽいこと、夕鈴は下町で私の内密行動の協力者だといいます。
スラスラと即席で作り上げていく夕鈴という人物の説明をそばで聞いている夕鈴はようやく緊張から解放されたからか、朝から頭がクラクラしていたのがまた始まります。
陛下は夕鈴の様子がおかしいのに気がつき、抱き寄せ、
「―――どうした 大丈夫か?」
と訊ねます。
夕鈴は徐克右が見ているから必死に陛下から離れようとします。しかし陛下は離そうとしません。そのまま徐克右に、
「――――…克右 詳しい話は後だ 今回の件の収拾にあたれ」
と命じます。
徐克右は陛下の命令に従いその場を離れます。
夕鈴は徐克右に変に思われたと泣きながらグラグラする頭で陛下に放してと言います。
陛下は、いやだ、と夕鈴を強く抱きしめます。
続きます。
可歌まと 狼陛下の花嫁 7巻
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