杉本恭己の一時帰国、箱根への旅行、久しぶりのお泊まり、クリスマスが描かれています。
やっちゃん(杉本恭己)が帰ってきたのがうれしいのか、井汲京子や各務正則や和佐の反応を観察したいのか、姿子が楽しそうです。
恭己と京子の会話のあいだに入ってニコニコ、恭己と各務と和佐の会話に入ってニコニコ。恭己の行くところについてまわっています。
「…君たちは本当に仲がいいよね…」
各務正則のいうとおりだと思います。
箱根の一行も楽しそうです。
春ちゃん(大野春花)、あーちゃん(奥平あきら)、ふみちゃん(万城目ふみ)、ポンちゃん(本厚木洋子)、モギー(茂木美和)、やっさん(安田美沙子)の他に春ちゃんの姉の織江と、織江の友人?で藤が谷女学院の先生であーちゃんの担任の山科日向子という顔ぶれです。
春ちゃんは同学年を誰も連れてこなかったんですね。
ん?あれれ?演劇部に一年は春ちゃんひとりだったっけ?いたよね?演劇祭の受付は一年生だったはず。
同学年を連れてこないなんて春ちゃんはちょっと変わっている子だなと思います。
夕食を楽しみ、お風呂に行こうということになり、ここではやっさんが面白かったです。ふみちゃんに、
「あたしたちの体みて笑わないでね」
恥ずかしそうに言うのがかわいらしいです。
ふみちゃんとやっさんの会話をすこし離れたところで訊いていたあーちゃんが浴場でふみちゃんの体をじっと見つめます。
視線に気づき、あーちゃんと目が合うふみちゃん。
見とれていたことに照れるあーちゃん。
「きれいだから」
という、あーちゃんの言葉にうれしハズカシのふみちゃん。
ふたりのドキドキするやりとりの間に、バスタオルぐるぐる巻きで、静かにそっと浴場に現れる春ちゃん。
見逃すはずがないポンちゃん、モギー、やっさん。
心底旅行を楽しんでいる春ちゃんとポンちゃんとモギーとやっさん、ぎこちない感情が揺れ動いているあーちゃん、あーちゃんの言葉に舞い上がって湯あたりしてしまったふみちゃん。
読んでいてとても楽しいです。
あーちゃんなら想いにこたえてくれるかもしれない、というふみちゃんの思いはわからなくはないです。
杉本先輩(杉本恭己)とのときも拒否反応を示すこともなく相談に乗ってくれたし、ダメになったあとも、想いを告げたときも、過剰に意識することはあっても途切れることはなかったあーちゃんとの関係を思うと、期待してしまうのは無理ないかなと思います。
「つけこむ」はふみちゃんの中での大胆さと繊細さが大波となって交互にやってきているんだろうな思う台詞でした。
予定したものではなく、あーちゃんが母親とふみちゃんの家に遊びに来て、泊まることになったその夜、ふみちゃんが口に出して言ったのはつけこんでるなって思います。
「うん 知ってる」
あーちゃんの言葉のあと、起き上がり、ふみちゃんは言おうとしたのかな。言おうとしたけど、恐くなってやめたのかな。
一睡もせず朝を迎えたふみちゃんとあーちゃん。
話しはじめるあーちゃんに、やっぱりダメだと思ったふみちゃん。涙ぐみながら、なんとか友達としていられないかと、それすら無理なんじゃないかとどんどん落ち込んでいっている様子が伝わってきます。
なのに……。こんなときってどんな気持になるんだろう。これこそ「声にならない」なんだろうな。
ふみちゃんの無敵感と恐怖感が面白いです。
デートでは一歩前進します。先に動いたのはあーちゃん。
「あのさ」
いつ切り出そうか、なるべく自然に切り出そうとしているあーちゃんの表情がいいです。
ここではふみちゃんがよく頑張れました。コマごとにふみちゃんの心情を想像すると面白いです。
クリスマスをどうするか考える季節に入ります。
ポンちゃんとやっさんの会話や、とにかく平静を保とうとするふみちゃんとあーちゃんが面白かったです。
クリスマス。シャンパンを開けてからのふみちゃんがかわいらしいです。
頭ではわかっているけど、ふみちゃんの行動に緊張してしまうあーちゃん。
抱きしめることしかできないけれど、それでもふみちゃんにとっては最高の贈り物だったと思います。
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