2016年7月4日月曜日

入江亜季 群青学舎 3巻

いろんな「気づき」が描かれていました。



●赤い屋根の家

愛されていないと誤解している父娘の話です。

主人の補佐と娘の世話を引き受けているハロルドがふたりの間を行き来し、双方にそのままきちんと見聞きしたことを伝達しているのに、なにひとつ信じていないところや、父娘のそれぞれの態度が互いの溝をさらに深くしてしまっているのが面白かったです。

ハロルドがもっと早く旦那様が慌てるようなことを仕組んでやれば、ジルはこんなにもさみしい思いをせずに済んだのになと思ってしまいます。

といいつつ、父親もジルも自分の考えが間違っていないと信じているところがそもそもの原因なんですけどね。似たもの親子です。



●続々ピンク・チョコレート

自由すぎる都三也子に春日くんがとうとう怒り爆発という話。

もうあとひと我慢、いえ、あと一晩こらえていられたら都さんのほうから謝ってきてくれたのに。

愚痴りつつも都さんを誰よりも大切に思っている春日くんでした。



●薄明

存在がなくなってしまい、関係できなくなってしまった話。

あの時、ああ言えばよかった。

そう悔やまなくてもいいように生きられればなと思いつつ、なかなかそうはいかなかったりします。


●メリー・ガーデン

心配や不安もあるけれど、同じものを楽しみにしているブンタ先生とマコさんがなんかいいなと思いました。


●待宵姫は籠の中

これほどまでに自分が知らなかった世界が広がっているなんてことを待宵姫(まつよいひめ)が知ることができてよかった、よかったと思う話でした。

待宵姫が自分で行動するまでじっと待っていたマミジロ。かっこいいです。


●雪降り積もる

大切なのは場所ではありません。

どこだっていいんです。

大切なのは全員が欠けることなく、その日を忘れずに、集まってバカ騒ぎすることです。そんな話でした。



入江亜季 群青学舎 3巻
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