婚約者への未練から成仏できない落武者霊。未練が何か忘れてしまったプールに棲まう少女霊。次々と巻き起こる怪奇現象に立ち向かうのは死神みたいな少年と霊感少女の名コンビ!?そんな時、りんねに根深い怨みを持つ心の狭い悪魔・魔狭人(まさと)が現れ、また大騒動!!
成仏できないくらい執着していたわりに、探し人が思っていた人と違うことが判ると、あっさりと成仏してしまう落ち武者や、雲外鏡(うんがいきょう)という前世の姿を映す道具でりんねの依頼人である姫川カオリを映し出すと落ち武者と結ばれるはずの姫の生まれ変わりなどではなく、人間ですらなかったのが面白かったです。
時を経て、女性の好みが現代の感覚になってしまい落武者は、結ばれる約束をした姫の右手の手首にあった花びらのアザをいまさらながら思い出したり、保健室のサトウ先生を雲外鏡で映し出してみると、
「姫でありませんように。ありませんように!」
前世姫であったことよりも現世の姿を重要視して、サトウ先生が姫ではないという結果にはにぎりこぶしを握り、
「っしゃあ!」
声を上げて歓喜する始末。成仏できない落武者も本来の願いそっちのけで楽しんでいる様子が面白いです。
最後のオチは落武者の現世での未練をきっぱり断ち切れるほどのもので、なんとか姫川カオリの依頼は解決します。
真宮桜が体育の授業のプールで遭遇した自由気ままな歌姫の未練をりんねとともに解決します。
桜はプールの中から響いてくる叫びのような不思議な声に気がつきます。
クラスメイトが目の前で突然おぼれるので、もぐって見てみると足を引っぱっている霊らしきものと目が合います。
じっと見つめていると、
「あんた…私が見えるの?」
問いかけられ、うなづくと、
「昼休み、もう一度来なさい」
と言われ、りんねとともに昼休みにプールへ向かいます。
りんねもこの歌姫歌川ミソラのことを気づいていて、依頼もあったので協力することになったのです。
成仏できるように未練の原因を探るのですが、一向に糸口が見当たりません。
歌川ミソラのプライドが高く、なんだかわからないけど、プールで足をひっぱるいたずらをするのや、夜合唱部に所属していた彼女が課題曲をアレンジして高らかに歌いあげて練習しているのが笑えます。
美人で頭もよく、スポーツ万能で歌もうまい歌川ミソラが唯一気にしていたことが未練となり、成仏できないことに気がついたりんねにより一件落着します。
人間味があふれていて悪魔とは程遠い魔狭人という悪魔が登場します。
自分でも、
「心の狭さは誰にも負けない」
自信満々に言い、りんねにただならぬ恨みを持っています。
りんねを地獄におびき出して、メッタメタにやっつけてやる気でいるのに、魔狭人はツメが甘すぎます。
これからも度々登場してりんねを困らせるキャラになるようです。
高橋留美子 境界のRINNE 2巻
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