2015年10月2日金曜日

高野苺 orange 1巻

高宮菜穂(たかみやなほ)は高校二年生です。

一学期の始業式の朝、菜穂宛に手紙が届きます。差出人は高宮菜穂。

内容は、




高宮菜穂様 高校二年生の私、元気ですか? 私は10年後の未来から手紙を書いています。 なぜ高校二年生のあなたにこの手紙を書いたのかというと、あなたにどうしても叶えてほしいお願いがあるからです。

私と同じ間違いを繰り返さないように、この手紙にこれから起こる出来事と、その時に選んでほしい道を書いておきます。




一枚目にはこんなことが書かれてありました。菜穂はイタズラかなにかだと思いながら、続きを読んでいきます。




『4月6日』朝、目覚ましをかけ忘れて人生初の寝坊。




菜穂は目を見開いてしまいます。確かに今朝、人生初の寝坊をして慌てて出かけたのでした。




6組に東京から転校生がやってくる。名前は「成瀬翔」




菜穂がこの手紙を読んでいるとき、教室ではホームルームが行われていて、担任は新学期の簡単な挨拶を終え、転校生を紹介しようとしているところでした。

「おーい静かにしろー。今日からこのクラスに転校生が入る事になった。成瀬翔(なるせかける)君だ」

担任が転校生を紹介しているのを菜穂は、混乱しながらも冷静に眺めています。そしてもう一度手紙に目をやります。




名前は「成瀬翔」席はとなり。




続きの文面に目を通したと同時に、

「じゃあ席は高宮の隣で」

と担任の声。

手紙に書かれていることは現在進行形で起こり、これから起こることについてどうしてほしいかが書かれています。本当のことなのか、それともイタズラなのか。菜穂は迷います。はっきりと気持ちを伝えたり、行動したりするのが苦手だからです。


始業式を終え、須和弘人(すわひろと)が翔を一緒に帰ろうと誘い、仲の良い友達、村坂あずさ(むらさかあずさ)、茅野貴子(ちのたかこ)、萩田朔(はぎたさく)の六人で帰ることになりました。

しかし、菜穂に送られてきた手紙の続きにはこんなことが書かれています。




●翔に一緒に帰ろうと誘っても翔は断る。

◎この日だけは翔を誘わないでほしい。絶対に。




一緒に帰ったことで何も起こりませんでした。夜、菜穂は自分の書いた日記と10年後の未来から送られてきたという手紙を見比べます。




『4月6日』

朝、目覚ましをかけ忘れて人生初の寝坊。

始業式で半日授業。

転校生の成瀬翔くんが6組にやってきて私の隣の席になる。

帰りは翔くんも誘って、みんなで日が暮れるまでしゃべって歩いた。

私は翔くんの後ろを歩いた。

月曜からは「翔」と呼ぶ事にする。




同じで同じ内容の日記でした。

「その時に選んでほしい道を書いておきます。

◎この日だけは翔を誘わないでほしい。

絶対に。」

菜穂は選んでほしいとと言われた選択をしなかったことで未来が悪い方向に変わったりすることを心配しました。未来なんて知りたくない。菜穂はそう思いました。


月曜日から2週間、翔は学校に来ませんでした。菜穂は、「この日だけは翔を誘わないでほしい。絶対に。」という選択をしなかったとこに関係しているかもしれないと思うようになり、

引き出しにしまっておいた未来からの手紙の続きを読みます。




『4月20日』

球技大会

ソフトボールの試合で私は代打を頼まれる。

◎この時、私は代打を断って後悔した。どうか断らずに引き受けてほしい。

この日、私は翔を好きになる。




どうして翔が学校に来なかったということは書かれていませんでした。菜穂は始業式翔を誘わなければ防げたのかもしれないと思います。

4月20日の球技大会。菜穂は勇気を出して10年後の自分が後悔しているという代打を引き受けます。日記に書かれている通り行動しました。菜穂は手紙に書かれていることは本当に起こると信じます。

手紙にはこんなことが書かれていました。




最後に、この手紙を書いた一番の目的をあなたに伝えておきます。

26歳になった私には、後悔している事がたくさんあります。

この手紙を書いたのは16歳の私にこの後悔を一生残してほしくないからです。

10年後の今、翔はここにいません。

大切なものを失わないで。

翔の事をしっかり見ていてあげて下さい。




10年後の翔を除いた5人と、高校生の6人の物語が交互に描かれています。

未来からの日記は菜穂が勇気を出して頑張ったときに少しだけ変わっていきます。日記に書かれた10年後を変えることができるのでしょうか。



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