四龍の血の盃は、緋龍城から持ち出されても、紛失しても、必ずゼノの手に戻ってくる、もしくはゼノが四龍の血の盃の元に寄せられるのかと思いました。
ゼノを除く三龍が自我を失い、本当の姿を現し暴走したとき、鎮める役目を担っているのが、不老不死であるゼノなのかもしれません。孤独で悲しい役割を何度か経験したのかもと想像するとゼノの終わりは苦しいものになりそうだと思います。
ヨナの夢、ゼノの様子の変化、真国との戦、スウォンの容態、スウォンの父ユホンを信奉する者たちの動き、描かれることがたくさんありすぎて展開を追うのも大変です。
ジェハは姿を消します。
村人は驚きと恐怖心でキジャを襲おうとします。
馬が2頭走ってきて、キジャを抱えたハクとヨナは馬に飛び乗り、村を離れます。
馬はハクを助けた、ソノン母子が準備したのでした。
安全な場所まで移動し、休息をとります。
ヨナは目が覚めてキジャを探します。
キジャは体の状態が良くないようです。
ヨナはキジャに一旦高華国に戻って身体を休めるよう言います。
ハクも心配でシンアとゼノはヨナと探すと言います。
キジャはハクにジェハが言ったこと、もしかしたら誰かから何か聞いたのかと訊きます。ハクが何も言わず黙っていると、キジャが四龍はゼノを除いて短命であるとヨナに話します。だからその時が来るまでまで姫様を守りたい、お側にいたいと言います。
ヨナは四龍の秘密を聞かされ動揺しながらも、キジャに思いを伝えます。
キジャはヨナの思いに生まれてきてよかったと心から感じます。
三人でジェハ、シンア、ゼノを探しに行きます。
夜、ヨナはハクと話します。
ヨナは夢でゼノに会ったこと、その時四龍の血の盃を持っていたこと、盃で四龍の力が回復すると言っていたことなどを話します。
高華国軍は進軍します。
予定していた場所に着き、野営の準備を始めます。
ミンスがスウォンにヨナたちは四龍と合流できたでしょうか、と話しかけると、スウォンはヨナたちはもう戻らないかもしれないと言います。
ミンスがなぜ? と聞き返そうとすると、ユンがやって来ます。
ユンはミンスに頼まれていた薬を届けにやって来ました。
スウォンはユンがヨナたちと行かなかったことに驚いています。なぜがと訊きます。
ユンは仕事があるからと応えます。
スウォンはやや驚いた表情でユンを見つめています。
ミンスはスウォンにヨナたちがもう戻らないとお思いでしたか? と訊ねます。
スウォンは応えす、じっと何かを考えています。
風の部族は野営の準備を始めていると、何か気配を感じます。
ヨナは夢を見ます。ゼノが夢に出てきて、必死に話しかけます。
ゼノはシンアの居所を示します。
ヨナは目を覚まします。ゼノが示した方向に向かいます。
風の部族の野営地に龍が現れます。矢を放ち、龍を傷つけます。
テウ将軍は攻撃するなと言います。
ジュド将軍は報告を受け駆けつけると青い龍を確認します。
ジュドは青い龍が四龍だと言い、兵士たちに保護するよう指示します。
ユンはメイニャンに薬を処方していると、外が騒がしくて行き交う人に何かあったのかと訊くと、兵士が大勢倒れて運ばれていて、全員が麻痺したように動かないのだと言われます。
ユンは麻痺という言葉が気になります。
ケイシュク参謀は青い龍を見てシンアであると確信します。皆で無事に確保しようとします。
縄と薬を使い、青い龍を拘束します。
シンアである青い龍は能力を使います。
ケイシュク参謀は足を食いちぎられる幻想を見て身体が麻痺します。
龍は縄から逃れるため暴れます。
スウォンが現れます。青い龍を見つめます。
ジュド将軍とケイシュク参謀は驚きます。
青い龍はスウォンを襲います。スウォンの頭部に牙を向けます。
見ている者はスウォンが龍に食われたように思います。
ケイシュク参謀は力を振り絞り、全兵士に陛下を助けるため、青い龍を仕留めるよう命令します。
将軍、兵士が一斉に龍に攻撃します。
ユンがやって来ます。青い龍がシンアだとすぐにわかり、攻撃しないでと叫びます。手当てをするため龍に近づこうとすると、キョウガ将軍に止められます。
ユンはなんとか制止を振り切ろうとします。
キョウガ将軍は兵士にユンをこの場から連れだすよう命令します。
青い龍はキョウガ将軍を攻撃します。一撃でキョウガ将軍は気を失います。ユンに近づきじっと見つめます。
ユンは龍にここから逃げるように言います。
ユンの言葉が通じたのか、青い龍は移動を始めます。
ジュド将軍、ジュンギ将軍は逃すまいと攻撃の体勢をとります。
ユンはジュド将軍攻撃しないようお願いします。
青い龍は去ります。
傷ついた青い龍は彷徨いながら、ヨナの元にかえりたいと願います。
視界の先にヨナとハクとキジャを見つけます。
ヨナはようやくシンアを見つけます。懸命にシンアに話しかけます。
傷だらけのシンアにキジャは四龍の血の盃があれば傷が回復するかもしれないと言います。
ヨナはゼノが近くにいるかな、と言うとシンアは目を使いゼノを探します。
遠くを見渡せるシンアの目はゼノを見つけます。
ゼノは、
「…あ 見つかっちまったか」
といいます。
ゼノの話しに夢中でシンアに背中を向けていたヨナは、振り返り、シンアを見上げると、姿が消えてしまっています。
高華国野営地では、ミンスによってスウォンの治療が行われています。
スウォンの護衛を務めるソガは青い龍を始末するため、出発します。
確かにいたはずのシンアが消えていなくなり、ヨナは気が抜けたようになります。
キジャはさっきまであったシンアの気配がなくなったと言います。
ヨナは気持ちを奮い立たせゼノを探そうと言います。
「呼んだ?」
とゼノが現われます。
あまりに緊張感のない登場にヨナとハクとキジャは気が抜けその場にへたり込みます。
ヨナは安堵の表情で、ゼノに、
「帰って来てくれて… よかった…」
と言います。
ゼノは会話を交わしていても何か隠しているか曖昧な反応です。
ハクは気配を察知します。
やって来たのは、スウォンを護衛している者たちでした。
護衛する者たちのリーダーらしきソガはスウォン陛下に重症を追わせた青い龍を追っていると、見つけ次第処分すると言います。
ヨナはソガの言い分に表情をこわばらせます。
ハクとキジャは少し構えます。
ヨナはシンアはここにいない、知っていたとしても渡せないと言います。
ソガ及び配下の者たちは殺気だちます。
ソガは自らの理屈を繰り広げます。
ハクはソガの言い分を否定し、護衛なのにスウォンを守れなかったことを指摘します。そして、スウォンが四龍を探しに行けと言ったと言います。
ソガはスウォン陛下が四龍を探しに行くよう言ったこと、ハクにだけに打ち明けたことも知っていると言います。
そのことについて、我々は認めないと言い、ここで全員消えてもらうと言います。
ヨナはスウォンがハクに行ったことをソガの口から聞きます。
ソガはスウォン陛下は誤った選択をした、その選択を断ち切るのは我々の役目だと剣を抜き、ハクと闘います。
他の配下の者はヨナを襲います。キジャはヨナを守るため闘います。身体が万全ではないため、太刀を浴び倒れてしまいます。
ヨナは矢で闘います。
ゼノはヨナの前に立ち守ります。
キジャは意識が遠のいていきそうてす。ヨナを守ろうと奮い立たせると龍に変身します。
龍に変身したキジャはスウォンの護衛を次々に倒します。
ソガはヨナを狙います。しかし、ハクが逃すわけもなく、仕留めます。
ヨナは暴れ狂うキジャに声をかけます。ヨナの声はキジャには届きません。
ゼノがキジャに向かって歩いていきます。耳飾りを手にし、盃を取り出します。不思議なことが起こります。龍は盃に吸い込まれていきます。すべて吸い込み耳飾りで盃にフタをします。
「おつかれ 白龍」
と言うゼノをヨナが呆然と見つめます。
続きます。
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