2017年3月16日木曜日

あだち充 QあんどA 1巻

こういうことがあればいいな、あってほしいなと思う作品です。


高校入学直前、父親の転勤で6年ぶりに生まれ故郷に帰ってきた庵堂厚。その街は、6年前にたった一人の兄を事故で失った街。そして気になる同い年の女の子・前沢遊歩の暮らす街でもあった。そんな厚の前に現れたのは、死んだはずの兄・庵堂久の幽霊!!?とんでもない再会を果たした庵堂兄弟の運命は…!?あだち充が久々に描くちょっぴりせつない兄弟の絆の物語、ここに開幕!!


クロスゲーム5巻の、
「幽霊でもいいから会いたい人がいるんですよ」
といった青葉のセリフを思い出させる設定です。

成仏できずに両親と厚が戻ってくるのを待っていた久(通称キューちゃん)。
別に驚きもしなければ、怖がりもせず冷静に状況を把握する厚。
6年ぶりにこんなかたちとはいえ、再会できたのはやっぱりうれしかったのだと思います。
だけど、キューちゃんは小学六年生のままの姿。厚は高校一年生。行動と思考のあまりの違いが笑いを誘います。
キューちゃんとの思い出がたくさん詰まった街に戻ってきたのは6年ぶりなのに、親しかった人たちはキューちゃんとそのあとをくっついて歩いていた厚を覚えていて、誰の記憶の中にもまだキューちゃんが生きているのがあだち作品のその後の人たちを描いているようでちょっと嬉しいです。
あだち充の過去の作品、スローステップ、いつも美空に負けないくらいゆったりしたテンポで庵堂兄弟の高校生活が描かれています。

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