安政2年(1855年)12月。
土佐では坂本竜馬の父直足(なおたり・八平)が、江戸では北辰一刀流の開祖千葉周作が没。
真剣に学問に取り組む竜馬、乙女の結婚と続き、藩から武市と竜馬がともに剣術修行で一年間の江戸留学が許され東上します。
以蔵が武市に一緒に連れて行ってほしいと望むが、
「道場を守れ、こんな事を任せられる男は土佐中にお前しかおらん」
あきらめさせられます。
その後の、
「今度わしの手足として役に立つ!!」
との武市の台詞。
この頃からすでに自分の手足となる捨て駒を探し始めていたのかなと思えるエピソードでした。
異人に対する考え方の違う竜馬と武市。竜馬のぼんやりと考えるこの国のかたちなどが描かれています。
江戸では千葉道場に世話になる竜馬。
それが気に入らないさな子。
さな子につきまとう人物として桂小五郎が登場します。
ハリスと幕府との交渉。この場で使われている言語がオランダ語なんだとはじめて知りました。
アメリカが日本語を学んで日本にやって来たとは思えないし、素朴な疑問が解決しました。
幕府側が使っているオランダ語が300年も前のオランダ語だったのには驚きました。
ハリスとの交渉中にロシア船がやってきて、対応に大忙しの幕府。
外国船の出入りで行われる礼砲は、庶民にとって何のことだかわからず、攘夷志士にとっては苛立ちそのものだっただろうなと思います。
村田蔵六。
台場の配置を批判し、顔面蒼白で鳩居堂を訪れた伊藤雋吉にとんでもない提案を実行するよう助言します。
川路聖謨が鳩居堂の村田蔵六を訪れ、蔵六は小川町蕃所調所の総裁大久保忠寛に会いにいき、蕃所調所の兵学書の翻訳を引き受けます。
この蕃所調所には、箕作阮甫、杉田成卿、手塚良仙、川元幸民、東条英庵、原田敬策、手塚律蔵といった有名人がいたという説明があります。
村田蔵六はじめ、こういう人物がいたんだと驚くばかりです。
大坂適塾の福沢諭吉、長崎の勝麟太郎(勝海舟)と中島三郎助のいさかい、将軍徳川家定と篤姫(天璋院)、薩摩藩士島津斉彬と阿部正弘の外様大名の慶喜擁立の工作などが描かれています。
見所は、アロー戦争です。欧米列強、ロシアのすさまじい力技。清国の内外の問題。洪秀全の太平天国を利用し、ぶっ潰す様子。
弱いところは徹底的に潰す帝国主義の正義が味わえました。
●その他登場した人物
大石円、さな子、桂小五郎、ヒュースケン、ポシェット、リムスキー・コルサコフ、フハビウス、緒方洪庵、ハリー・パークス、咸豊帝、ニコライ・ムラヴィヨフ=アムールスキー、吉田松陰、西郷隆盛
みなもと太郎 風雲児たち 幕末編 11巻
(アマゾンのサイトに移動します)
0 件のコメント:
コメントを投稿