樫沢の顔を見て意識を失う部長と、想うだけでドキリとする飯倉智花。
本当についてない役回りの樫沢がかわいそうになってきました。
まークンがどうして優しい男になりたいのか、というきっかけになる幼少時代のエピソードが描かれています。
優しい人になると、君の欲しいものが全部手に入るよと言ってくれる人。
なれるわけがねえと言い切る面識のない父親だという男の言葉。
まーくんを見てニオイとか勘で優しくなれないと断言する祖父。
反発心とまったくわからない気持ちを手に入れたいという思いが、これほどまでに優しい男になることにこだわっている理由なんだなと思いました。
部長を家まで送るときに話した会話はまークンにとって、自分のことを聞かれて話すことがおそらく初めてのことで、うれしいやらどうしていいやらわからず必死だったのが伝わってきます。
言葉にできないくらい舞い上がったような、興奮したような感情が、
「なんかこう、なんかこう、なんかこう」
ということで伝わってきます。
欲しかった日常だったんだろうな。
夏帆がまだわからない恋するという感情を一足先に知ったような気になり、
「そーか、それは夏帆が恋をした事がないからだよ」
というまークン。
子供のような男に恋を知らない呼ばわりされた夏帆の受けた衝撃、そして、すぐさま怒りに変わっていく様子は面白かったです。
文化祭での電子レンジパントマイムも面白い場面でした。
下校時にまークンが優しい男になりたい理由を山田から聞いた夏帆が、まークンに対して山田と同じく、目指していいけど、なれなくても別にいいよというような感情を抱いていて、今のままのまークンもいいと思っているのが、さすがよく観察している夏帆らしいなと思いました。
西森博之 お茶にごす。 9巻
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