2016年1月11日月曜日

新谷かおる クリスティ・ハイテンション 2巻

サセックスの吸血鬼と踊る人形の事件が収録されています。
現代と違う時間の流れと物語が面白いです。


●サセックスの吸血鬼
グレース・ダンバーはクリスティにとって最適の家庭教師だなと思う場面が何度もありました。
レディ ミナ・ヴラドがパーティ来たのはクリスティに会うためだとしたなら、どこでクリスティを知ったのか。
その話もいつか描いてほしいです。
ロバート・ファーガソン、彼の姪のレディ コニーがホームズ、クリスティそれぞれにチーズマン屋敷で起こった事件の相談を持っていったけど、事件そのものよりレディミナとクリスティが面白かったです。
チーズマン屋敷でのクリスティの無邪気な子供を装った芝居にワトソン博士が、
「この娘には敵わんよ」
というときにする仕草を、ホームズが先取りして壁にうなだれていたのと、ホームズとクリスティが同じ目線で駆け引きするところ、クリスティが推理力で完敗したり、体重を気にする女の子らしいところが面白く、レディ ミナとクリスティの対決が可愛らしかったです。

今回の事件をうまい落としどころによって解決したのはホームズではなく、クリスティでもなく伝説の一族だったのでした。
真実を明かさず角の立たない方法を一晩かけて探ってはみたど、よい解決策はみつからず、どうすべきか迷っているところに、幸か不幸か良い落としどころが向こうからやってきて誰も傷つくことがないという最良の結末になったのはよかったけど、ホームズとワトソン博士の複雑な表情がいいオチになりました。


●踊る人形
ホームズは不在で、ワトソン博士とクリスティが会話しているところにグレグスン警部がやってきて、不気味な記号をみて苦しむ妻エルシーを助けてほしいというヒルトン・キュビットの依頼がやってきました。
記号が何かの暗号文であり依頼人の妻への不吉な伝言であると推理するクリスティが解決に導きます。
叔父のホームズに褒められて一件落着。
クリスティが仮定し、グレース・ダンバーが記号が文字なら頻繁に使われるアルファベットを一番多くでてくる記号に当てはめるといった知識の助言をし、ノーラが単語の区切りを示す記号を習ったことを応用して発見するという3人の連携によってトントンと進む会話がとても好きです。
クリスティのひ孫が登場し、時間を超えてレディ ミナに再会するショートストーリーがひ孫のクリスティがミナに言ったセリフがよかったです。


新谷かおる クリスティ・ハイテンション 2巻
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