2018年4月16日月曜日

あだち充 クロスゲーム 17巻

コウのガッツポーズに涙ぐみました。
決勝の前に交わした会話と試合を交差させながら、青葉の表情を追うところに背中がゾクゾクしました。
そして、ホッとしてニヤニヤしました。思いがクロスするいい最終回でした。


高校最後の夏、光たち星秀学園は来た東京大会決勝に進出。しかし、強豪・竜旺学園を相手に、試合は9回で決着がつかず、延長に突入。はたして若葉が夢見た「超満員の甲子園」へと、光はたどり着けるか?ちょっぴりせつない四つ葉の野球青春ストーリー、感動の最終巻!!


東雄平でさえ打ちたいと思うあまり肩の力が入りすぎ、振り遅れます。

「楽しめ!雄平!」
兄の純平から出るこのセリフ。
いろんな思いを背負いながらバッターボックスに立った雄平にかける最高の言葉でした。
東雄平のガッツポーズを見て涙がこみ上げてきました。

東兄弟のコウと青葉にかける言葉は感動します。

試合の展開、コウのバッティングセンターでの成績の結びつけ、四番三島敬太郎の最後の対決の模様も迫力があって、これまでにない伝わり方でした。

青葉のウソはずっとずっと小さな頃からのものだったのが涙で感じることができました。

コウが160キロにこだわった理由。
コウも青葉も若葉と交わした記憶が何ひとつ失せることがなかったと思うとまたグッときました。

若葉の夢。
青葉の公式の試合で投げる夢。
青葉の代わりに投げるピッチャーが160キロを投げる。
ありとあらゆる場面がクロスしすぎて心拍数が上がりっぱなしです。

若葉と関わった大事な人物がもうひとりいます。
若葉が見た夢の中に出てきたことがうれしくてたまらなかった赤石です。
夢の話を聞いたのが若葉との最後の会話で、彼女の夢を実現させたくて始めた野球。
キャッチャーのポジションになった理由はコウをも驚かせます。
見かけはごつごつしているのに、繊細でひたむきな赤石が野球のほかにも救われるというのは大げさな言い方だけど、なにか彼にあってほしいと思っていたのでここでも感動しました。
仲間のおぜん立てで、いいきっかけができたのはよかったです。

青葉の精一杯と、ほんのちょっと変化したコウと青葉の関係での締めくくりは、これまでのあだち作品でも1、2を争うものです。(もうひとつは「ラフ」です)

あだち充 クロスゲーム 17巻
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