野田恵(のだめ)の福岡弁が炸裂。九州出身だったんですね。
新しいのオケでの飲み会が始めは落ち着いてて、大人な雰囲気だったのに、たった30分で見慣れた光景に変わってしまうところ、いぶし銀のモーツァルトだった黒木くんオーボエの音色がのだめを一目見たとたんピンクのモーツァルトに変身したところが面白かったです。
二ノ宮知子 のだめカンタービレ 7巻
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野田恵(のだめ)の福岡弁が炸裂。九州出身だったんですね。
新しいのオケでの飲み会が始めは落ち着いてて、大人な雰囲気だったのに、たった30分で見慣れた光景に変わってしまうところ、いぶし銀のモーツァルトだった黒木くんオーボエの音色がのだめを一目見たとたんピンクのモーツァルトに変身したところが面白かったです。
裏軒で千秋真一とクラシック・ライフの編集者河野さんと音楽評論家であり引用の詩人、佐久間学の取材で、君のような人間が日本にいてはいけない、はやくヨーロッパに行くべきだとそれはもう大層な詩にのせて説得します。
千秋真一は飛び立てない理由に腹が立ち、クラシック・ライフの二人は詩がいけなかったと反省するところが面白かったです。
野田恵(のだめ)が千秋真一の家族から千秋真一が飛行機に乗れないこと、本当はいますぐにでも海外に行きたがっていることを知ります。
日本でできることに悩む千秋真一と演奏家として進むことを拒むのだめ。
今回はゆっくり展開していきます。118ページののだめ、120ページの由衣子のような絵がとても好きです。
シュトレーゼマンの指揮と千秋真一のピアノによるラフマニノフ ピアノ・コンチェルト。
シュトレーゼマンからすると千秋真一のピアノに関して特に指導するところもなく、ほぼ出来上がっていて自分なりの表現を高めていくほうがいいと考えているようです。
名探偵シャーロックホームズの姪クリスティ。ある日街に現れたのはサーカス団。少女らしくはしゃぐクリスティだが機を同じくして老婆が非業の死を遂げる。その密室の謎とは…(『空飛ぶ踊り子』) ホームズの正典で名のみを残した事件『名うてのカナリア教練師』にクリスティと巨匠新谷かおるが挑む第6集。
シュトレーゼマンと千秋真一の間に師弟関係が芽生え始めたのもつかの間、秘書のエリーゼが来日し、ドイツに強制送還されてしまいます。
2日後、千秋真一が大学へ行くと、何もなかったようにシュトレーゼマンが再登場します。
千秋真一は忙しいスケジュールのなか、日本にこだわる理由をこちらも再び来日したエリーゼに尋ねると原因は自分にあることがわかり、弟子をとらないシュトレーゼマンを本気にさせた人物としてエリーゼからも目をつけられます。
野田恵(のだめ)のピアノは光るものがあるけど、機会がなく、なかなか認めてもらえません。
名探偵シャーロックホームズの姪クリスティ。彼女の元に家庭教師グレースの友人からの奇妙な依頼が舞い込んで来る。彼女を付回す影の狙いとは?そしてホームズの姪であるクリスティの隠された出自もついに明らかに。クリスティの思い描く理想の未来が彼女の口から語られる感動の第5集。
名探偵シャーロック・ホームズの姪クリスティ・クリスタル・マーガレット・ホープ。伯父勝りの知力と少女らしい奔放な行動力で様々な事件に立ち向かっていく!クリスティを支えるスーパーメイドムチ使いのノーラ二丁拳銃の使いのアンヌマリーそれぞれの過去が紐解かれる第4集!
泣きながら試験を受ける野田恵(のだめ)。
留年を逃れるためにのだめと峰龍太郎は千秋真一に助けを求めます。
救いの手を差し伸べると、二人の勉強不足を思い知る千秋真一は一晩中勉強に付き合ったあげく自分の実技試験を欠席してしまいます。
クラブで自分を差し置いて女性を独占する千秋真一にシュトレーゼマンは宣戦布告。
Sオケの指揮を放棄しAオケに専念すると宣言し、千秋真一にSオケの指揮を振るチャンスが巡ってきます。
千秋真一が指揮者デビューします。
初舞台のヴァイオリンの演出により笑い混じりの拍手を浴びますが評価は上々。
シュトレーゼマンと千秋真一はどうなっていくのでしょう。シュトレーゼマンのキャラクターが面白いです。
デヴォンシャーで起こった謎の怪死事件。そこには旧バスカヴィル家に伝わる魔犬伝説が関わっているというのだが…。真実に迫るのはホームズかクリスティか!?
ここには笑顔が詰まってる。喜び、嫉妬、安堵、恥じらい、哀しみ…
様々な感情が生んだ「笑顔」たち。短編の名手が二十年に渡り描き続けた物語を一冊にまとめた珠玉の短編集。
いろんなかたちの笑顔が描かれています。
その他に、笑顔になってもらいたくてなんとか事態が良くなるように動いてみても上手くいかなかったという話も描かれています。
●スイーツメモリーズ
作者巻末コメント
すでに次回連載「光速シスター」のネームを完成させ連載のタイミングを待っている状況にあったので、同テイストのSFコメディで行こうという打ち合わせになりました。タイムトラベル物は一度やってみたかったし。「スイーツ」が女性を揶揄する言葉として定着し始めた頃だったのでタイトルはすぐ決定した覚えがあります。何かから捩ったタイトルを付ける事が多いですが、コメディ作品ではよくあることです。
麻丘翔子に別れをきりだしたい原和樹。彼女のいいところ、好きだと思ったところが時間が経つにつれ嫌になったといいます。
話を聞いてくれない彼女になんとか別れ話をしたいと思っているところに、巻き込まれるかたちで、未来からやってきたという男が目的を果たす手助けしてほしいと言われます。
本当に未来から来たのか確かめるために、二人はタイムマシンで希望する時間に行ってみることします。それぞれが記憶に残っている一番の思い出の日に移動し、そのときの自分たちを眺めます。
和樹は自分が記憶している思い出が違っていることに気づきます。自身が変わってしまい、翔子との距離が大きくなってしまったのに、彼女に責任を押しつけて関係を終わらせようとしてしまったことに後ろめたさを感じているように感じました。
翔子はそんな和樹の気持ちに気づいていて、和樹の思うようにしようと言います。 最後に粋な未来人の贈り物。未来の思い出を知ることになり、ふたりで確認するために関係は修復されます。
●道草探検隊
作者巻末コメント
復帰第2作。猫と散歩が好きな私が、猫と散歩をヒントに描きあげた一本。当初ネームは母親と息子設定で描き始めましたが上手く行かず、逆にしてみたらすんなりドラマが出来上がりました。ボケとツッコミを入れ替えたら売れた漫才コンビみたいな。違うか。
友香は七歳。1年ほど前に飼っていた猫ちゃぼが死んでしまい、ママも亡くなってしまって、パパとふたりで暮らしています。ママがいなくなって、父娘の間にはいくつかの約束事をつくりました。
互いに約束を守っていたある日の学校帰り、友香はちゃぼによく似た猫をみかけます。父に、ちゃぼがいた、といってから約束事が徐々に破られてしまいます。
パパもママを思い出してしまうから、ちゃぼやママの話しは楽しかったことだけにするという約束でした。
しかし、七歳の友香には守れそうにない約束でした。その気持ちを察してパパもちゃぼに似た猫がどこの飼い猫か探すのに協力することになります。
知らずにいたママの思い出を知り、写真を撮る側が多かったので、被写体になることが少なかったママの笑顔の写真が見つかり、ちょぼ似の猫を追跡して父娘にとって貴重な思い出が増えました。
●パパと呼ばれたい
作者巻末コメント
「怪獣の家」連載終了後しばらく休載してた時期があり、復帰第1作で執筆したのが本作です。ネームも作画もじっくりじっくり大切に描き上げました。タイトルはドラマ「パパと呼ばないで」から拝借。劇中の「ドリーミィルル」は私がアマチュア時代に描いた漫画作品を転用。元ネタはもちろんアニメ「魔法の天使クリィミーマミ」。
自分のよく知る80年代アニメ業界を再現する作業はとても楽しかったです。
アニメーション制作会社で演出を担当している芝田。二人暮らしの沙織と明菜の母娘に気に入れれて一緒になりたいというお話しです。
もっとがんばって二人のパパになります。 最後のページを見ると、言葉どおり、明菜にとってしばちゃん(芝田)はいい父親になっているようです。
●パパ!あっちもこっちも
作者巻末コメント
「ルナハイツ」連載中に平行してビッグコミック増刊で執筆。実在する(笑)二人の娘をモデルにしてユルく長い連載が続けられればなと思いましたが、大人の事情により4話で終了。今では実在モデルの娘達もすっかり成長して劇中の様なモテモテお父さんはどこにもいなくなりました(笑)。この作品の発展系が月刊COMICリュウ(徳間書店)の「ちゃんと描いてますからっ!」になります。本短編集のタイトル元になりましたし色々実りの多い作品ですね。
秋実(6歳)と小夏(4歳)の姉妹が父にかまってもらいたいと奮闘する様子が描かれています。
父はそう遠くない日に娘たちが自分から離れていくだろうと、現状を楽しみながら、その日が来たときの覚悟は決めているようです。親は大変です。
●最も危険な人事
作者巻末コメント
シリアス作品「本気のしるし」の連載終了直後に描いたため、絵が暗いですね。作品世界には合ってましたが次回連載作「ハルナイツ」では元のコメディ調の絵に戻すのに少し時間がかかりました。
人事異動で小笠原に転勤になることを部長の前畑に告げられる藤木拓郎。同じ会社で働く彼女池田裕子に小笠原に転勤になることを言えず、結婚の申し込みをします。
裕子は話を取り違え、小笠原に転勤するのは藤木ではなく前畑部長だと思い、大喜びします。なぜなら、裕子は前畑の愛人だったからです。藤木は裕子と前畑の関係には知りません。嘘をつけない藤木は裕子を失い、単身小笠原に転勤してしまうのかというお話です。
藤木がバカを見なくてよかったです。
●カントリーロード
作者巻末コメント
ビッグコミックスペリオールで「夢かもしんない」を連載中にスピリッツ増刊で描いた作品。ロードムービー的な事がやりたかった。登場人物の背景の説明を可能な限りオミットしシンプルな物語を心がけました。主人公達が喋ってる言葉は島根弁です。「りびんぐゲーム」のヒロインが島根出身だったにも拘わらず方言にまで気を回せず心残りがあったため、リベンジしたかった。編集部の島根出身の方に翻訳して頂きました。島根弁の響きが気に入り、後の連載作品「オムライス」でも採用する事に。
劇中に公衆電話が出てきますね。ケータイやスマホが普及した現在なら別の展開になってたのでしょうか。「電波が悪い」とか言って車の外に出されたかもしれませんね。そういう事考えるのも楽しいです。
毎年行われている同窓会に参加する上野。8年ぶりに帰郷してみるとガラリと景観が変わっていました。8年という時間に変化することはあっても、前を向いて歩かなきゃいけないと思います。
●朝まで待てない
作者巻末コメント
「りびんぐゲーム」終了後、次の週間連載「結婚しようよ」までの間に描いた作品。サスペンス導入でドラマに転換している構成が気に入ってます。劇中に出てくる「とう道」の資料がなくて担当さんがNTTの内部資料を手に入れてくれました。
ことごとくお見合いに失敗している長谷晴彦32歳。
仕事は忙しく、毎日終電ぎりぎりまで働いています。最寄り駅のタクシー乗り場で見かけた女性が気になっていて、タクシーで後をつけても、いつも同じあたりの場所で彼女を見失ってしまいます。
姿を消してしまう駅で見かける女性に声をかけることができるのかというお話です。
タクシーでの尾行を断念し、彼女を見失う場所でヤケになって酔っ払って座り込むと、思いがけない再開ができて、これも縁があったからなんだろうなと思います。
●テールライト
作者巻末コメント
ビッグコミックスピリッツで「りびんぐゲーム」を週間連載中に描いた作品す。当時スピリッツには週間連載+αくらいの量をこなして普通みたいな雰囲気があって、休載なんて許されない恐ろしい状況でした。しかし私も若かったし違うテイストの作品を描いてみたいという野心もあって、まぁ増刊号連載なら大丈夫かと始めてみました。結果、無理でした。いや、週間+αをこなしてらっしゃる作家さんもたくさんおりますが、それは超人な人が出来るのだと自分の力不足を知る結果になりました。
過疎化の進んだ町、田上市。
畑山はレジャーランド建設委員会事業部から遊園地やレジャーランドを建設するにあたって調査するコンサルタントです。
どう頑張って計画を見積もっても、
「費用構成に難あり」
「建設は実質的に実現不可能」
で、開業してもおそらく1年半でつぶれるという報告書しか書けなくて、部長を困らせています。
炭鉱の閉山と共に産業を失ってしまった町。高度成長から取り残された滅んでゆくだけの町。しかし、畑山はこの町になくなってほしくないもののために全力で町の活性に尽力する話です。
畑山は彼女の笑顔が見たかったんだろうな。彼女がいなくなってしまったこの町を好きになれる他の何かはなさそうです。だけど、好きになれたらいいなと思います。
作者まとめ
コミックス化に当たり、古く作画がアレな原稿を全部描き直したい衝動に駆られましたが、執筆当時の状況をそのまま残す事を優先し修正は最低限に留めました。タイムトラベル物を先頭に過去に遡る構成の掲載順は、このタイミングでの出版だからこそ出来た事なので結果良かったと考えます。いやー、ずいぶんと長いこと漫画家やってますねー(笑)。
最後に、歴代担当編集さん、変わらずお世話になってるデザイナーの関さん。各作品及び短編集の為にご尽力下さった皆様、長く応援いただいてる読者様に感謝です。
2013年1月 星里もちる
情熱的なティンパニーを奏でる、打楽器の女王?である奥山真澄(男性)が登場します。
千秋(千秋真一)さまを慕い憧れていていつも遠くから眺めています。
ある日、いつものように真澄ちゃんは千秋さまを眺めていると、野田恵(のだめ)が千秋真一と腕を組んでいるのを目撃してしまいます。真澄ちゃんは野田恵(のだめ)を恋のライバルとし、小さないたずらを繰り返します。
野田恵(のだめ)は峰龍太郎に協力をお願いし、犯人を探し出します。
見つかった真澄ちゃんは野田恵(のだめ)に宣戦布告、クリスマスイブにどちらが千秋さまをデートに誘えるか勝負します。
シュトレーゼマンという世界で超有名な指揮者が登場します。
そんな彼の眼にも千秋真一は特別に映るようで、直接指導はしませんが自分の指揮を千秋真一に披露します。
シュトレーゼマンの演奏は千秋真一の指揮者としての考え方に大きな影響を与えるようになります。シュトレーゼマンとヴィエラの出会いが面白かったです。
霧深き19世紀ロンドン。わずか数平方マイルに数百万人もの人々がひしめき、彼等が望み、企み、絶望するがゆえ起こる幾つもの難事件。名探偵と名高きシャーロック・ホームズの姪クリスティがつまびらかにする真実が人々を救い導いていく。そして彼女は事件と出会う…。
記憶を失くし、古びた洋館に閉じ込められたイヴ。彼女を発見した蛍たちはイヴの記憶を頼りに真相を探る。アダムに会うことは出来るのか。だけどそこには衝撃の事実が…! 魂が呼び合う純愛。病院で意識が戻らないまま眠り続けている望月美月の姿は古びた洋風の建物で白石蛍だけに見えているイブという女の人そのものでした。杉崎哲、三浦正輝、香山沙絵が見えない、蛍の左手中指の指輪も病室で見ることができました。白川蛍、杉崎哲、三浦正輝、香山沙絵たちは古びた洋風の建物の中に閉じ込められたイヴが、病院で意識がないまま眠り続けている望月美月だと確信します。美月の意識が戻らないのは、彼女の魂がなんらかの理由で身体から抜け出てしまい戻れなくなってしまったと考えがまとまります。アダムがイヴにどのように関係してくるのかを突き止めるために、アダムの所在を探し出そうとします。蛍が病院でみた音楽番組で流れていたう曲とイヴがピアノで弾くアダムの曲だという曲が同じ曲なのを頼りに、蛍がピアノで弾いたものを録音したカセットテープをたくさん作り、CDショップやレンタルCDショップなどに持ち込んで聴いてもらいタイトルとバンド名を探し当てようとします。蛍は病院で見たとき、Evil Eyeの「Last Quarter」というテロップは流れていたけれど、後に重要な手がかりとなることまでは知りようがなく、ぼんやりと画面を見つめ、音楽を聴いていただけなので、探しているうちに蛍は夢の中の出来事で、アダムの曲は存在しないのではと思い始めます。アダムの曲を知る人を見つけられず、あきらめそうになったとき奇跡が起こります。背中がゾクゾクとしました。 曲のタイトルもバンド名も分かり、アダムがいまどこにいるのかを探すと、蛍たちに残酷な現実が突きつけられてしまいます。イヴ(望月美月)は上條さやかの生まれ変わりなのでしょうか。たまたま手にした指輪は偶然ではなかったのでしょうか。指輪にこめられた念で美月が変ったのではなく、指輪が鍵となり前世のさやかの記憶がよみがえったのでしょうか。いずれにせよ、想いが時空を超えて残り続けているっていうのがロマンティックだなと思いました。また、イヴ(望月美月)はS.Kという刻印が刻まれた指輪を手にしてしまったため、巻き込まれてしまった出来事と考えられます。言ってみれば、呪いの指輪です。意識が戻ってからの美月が描かれていますが、別人のような笑顔をみせています。そして、蛍たちのことをまったく覚えていないのもイヴがさやかの生まれ変わりではないということにもつながるような気がしています。上條さやかの未練が指輪に残っていて、その思いを求めるアダムが指輪の持ち主の美月をを引き寄せてしまいました。蛍はルルに案内されイヴと出会います。イブは他の人には見えなくて、見えないのに三浦正輝は天国にいけるよう手助けしようと言い、香山沙絵、杉浦哲は協力します。小学生たちだけでよくここまでたどり着けたなと思います。物語の展開と余韻に思い巡らせることがたくさんある作品です。
-End of the world-
“まるで…普通の人間みたいだ…この私が…死ぬなんて…”
教授とオーディンの行く先々で見え隠れする、イエスの存在。その思惑に、導かれるようにして明かされた、教授<幼体化>の謎に迫る重大な事実とは――!?滅びゆく体を超えて、心が交差していく、ファンタジック・サーガ待望の第8巻!!
千秋真一は有名なピアニストである千秋雅之を父に持つ、桃ヶ丘音楽大学のピアノ科3年の学生です。
彼は指揮者になるためにヨーロッパへ今すぐにでも飛んでいきたい気持ちでいっぱいです。
だけど、飛行機恐怖症で、しかも水が怖くて船にも乗ることもできなくて、渡欧を諦めていました。
にとって日本の学生の演奏は、
「へたくそ」
で、
「平凡」
なやつばかりで毎日が退屈で、自分より劣る指揮者志望の学生がドイツに留学することも、エリート専門「江藤塾」というカリスマ教師のハリセンを使ったわけのわからないレッスンにもイライラし、やりきれない思いを抱えながら悶々としているのでした。
千秋真一はたまたま通りかかったレッスン室から流れてくるベートーヴェンのピアノ・ソナタ<悲愴>を耳にします。デタラメなのに、心に響いて耳にとまります。
演奏していたのはピアノ科2年の野田恵(のだめ)。彼女は素晴らしい才能を持っていながら、音楽に対して情熱がありません。
彼女は楽譜を見ながらピアノを弾く習慣がなく、耳で聴いて自分流に自由にそのときの気分でアレンジします。一度聴いたフレーズはどんなに難しくても難なく弾きこなせるタイプのピアニストなのでした。
千秋真一は、ゴミ溜めの部屋で生活していようが、風呂に何日も入らないでいようが、野田恵(のだめ)のピアノのセンスに惹かれていきます。
大学の裏にある、学生にも人気の中華料理屋「裏軒」の息子、ヴァイオリン科2年の峰龍太郎は試験のピアノ伴奏を千秋真一にお願いしたけど、演奏を聴いて、
「へたくそ」
「不愉快だ。帰る」
と言われ断られます。
自尊心を傷つけられた峰龍太郎は偶然出会った野田恵(のだめ)にピアノ伴奏を依頼します。
千秋真一は毎晩、ご飯をねだりに来ていた野田恵(のだめ)が突然来なくなったので、理由を探ると峰龍太郎の伴奏を引き受けていたのでくやしさが爆発します。
その展開の中の130ページ、145ページの野田恵(のだめ)は笑ってしまいます。
峰龍太郎の試験は無事パスします。ヴァイオリン・ソナタ第5番へ長調 作品24<春>の演奏は春なのに……と、試験官を困惑させる演奏はどんな音だったんでしょう。
作者のコメントでピアノを描いていると憎しみを覚えるというのには笑いました。頻繁に描かないといけないので大変だろうな。
-End of the world-
“本当は…あなたと二人で行きたかったまだ人類が愛というものに縋って未来を信じた時代に”人類存亡の世界を知る教授とオーディン。研究者として志を共にし、未来を切り拓くことを諦めず<過去>へとジャンプしたその瞬間と経緯が明かされる!!すべてが複雑に連鎖していくファンタジック・サーガ待望の第七巻!!
父親が再婚し、新しい母とその連れ子との生活に馴染めない美月。渋谷のストリートでギターを爪弾くアダムという青い瞳の男性と出会い、強く惹かれた。彼にもう一度会いたい美月は…? 時空を超えた魂の愛!
高校生の望月美月は路上で弾き語りをしているアダムに魅了されます。アダムについて行こうと決め、待ち合わせた場所で交通事故に遭ってしまいます。意識が遠のいている間に夢を見ます。
自分が誰なのか。どこへ行こうとしていたのか。どこへ行けばいいのか。何も思い出せません。目の前にひとりの少女が立っています。いなくなった猫を探してます。探していた根が見つかったとたんその少女は美月の目の前から忽然と姿を消します。
小学生の白石蛍は入院しています。いなくなった飼い猫ルルを探して交通事故に遭ってしまいました。入院中テレビの音楽番組を見ていると、EVIL EYE(イーブルアイ)の「Last Quarter(ラスト・クオーター)」という曲が流れていました。蛍はこの曲がどの曲よりもかっこよく感じ、ピアノを習っているからなのか、曲は頭に残っています。だけど、誰が歌っている、何ていう曲かまではしっかり見ていませんでした。
蛍は事故に遭ってから夢を見るようになりました。ルルを見つけたかと思うと、ルルが女の人に変り、その女の人は悲しそうに泣いている、という夢です。
夢で見る女の人は知らない人なのに蛍は鮮明にその顔を覚えています。
退院してからも同じ夢を見続けます。
美月同様、蛍も家庭が温かいとはいえず、蛍の支えとなったのは飼い猫のルルでした。ルルのことが忘れられず、探しに行く蛍。ルルに似た猫を見つけ、ついて行くと、立ち入り禁止と立札がかけられた傷みのひどい洋風の建物の中に入っていったので、入れそうなところを見つけ蛍も建物の中に入っていきました。
いまにもお化けが出てきそうな雰囲気の中、猫を探す蛍。誰もいないはずなのにピアノの音が聴こえてきます。蛍は人がいたことにびっくりし、あわてて建物から出て行こうとするが、耳がピアノの旋律をとらえます。それは入院中テレビから流れていたEVIL EYEのLast Quarterだったのでした。
逃げ出すことも忘れ、誰が弾いているの知りたくなって、ピアノが聴こえる部屋をのぞくと、女の人がピアノを弾いていました。猫が鳴く声でピアノはとまり、蛍の存在に気づき、
「誰?」
と女の人は蛍に声をかけます。
蛍は勝手に家に入ってきたことを謝りながら、女の人の顔を見ると、夢の中で見る女の人なのでびっくりします。
わかっていはいるけれど、自分の夢の話を女の人に話し、覚えていますか? と問いかけると、女の人は、
「覚えてる…猫を探してた女の子…うれしい…もう一度あんたに会いたかった」
と答えます。
蛍は夢じゃなかったと知ります。
蛍は不思議なことに遭遇します。女の人はこの建物から出ることができず、名前、年、住所、家族の顔、友達の顔、なにも思い出せないと泣き出します。
蛍はどうしていいかわからず、自分より大きな身体を抱きしめてあげることしかできませんでした。
蛍は女の人に明日も来ると約束し、女の人は蛍に友達のしるしに指輪をプレゼントしました。
翌朝、蛍は自分の左の中指の指輪を見て、もう一度夢じゃないことを確認しました。
古びた建物に閉じ込められた女の人を蛍は友達に協力してもらって救おうとします。
蛍にしか見えない女の人は誰なのか。小学生の推理と行動でハラハラドキドキする展開が面白いです。