記憶を失くし、古びた洋館に閉じ込められたイヴ。彼女を発見した蛍たちはイヴの記憶を頼りに真相を探る。アダムに会うことは出来るのか。だけどそこには衝撃の事実が…! 魂が呼び合う純愛。病院で意識が戻らないまま眠り続けている望月美月の姿は古びた洋風の建物で白石蛍だけに見えているイブという女の人そのものでした。杉崎哲、三浦正輝、香山沙絵が見えない、蛍の左手中指の指輪も病室で見ることができました。白川蛍、杉崎哲、三浦正輝、香山沙絵たちは古びた洋風の建物の中に閉じ込められたイヴが、病院で意識がないまま眠り続けている望月美月だと確信します。美月の意識が戻らないのは、彼女の魂がなんらかの理由で身体から抜け出てしまい戻れなくなってしまったと考えがまとまります。アダムがイヴにどのように関係してくるのかを突き止めるために、アダムの所在を探し出そうとします。蛍が病院でみた音楽番組で流れていたう曲とイヴがピアノで弾くアダムの曲だという曲が同じ曲なのを頼りに、蛍がピアノで弾いたものを録音したカセットテープをたくさん作り、CDショップやレンタルCDショップなどに持ち込んで聴いてもらいタイトルとバンド名を探し当てようとします。蛍は病院で見たとき、Evil Eyeの「Last Quarter」というテロップは流れていたけれど、後に重要な手がかりとなることまでは知りようがなく、ぼんやりと画面を見つめ、音楽を聴いていただけなので、探しているうちに蛍は夢の中の出来事で、アダムの曲は存在しないのではと思い始めます。アダムの曲を知る人を見つけられず、あきらめそうになったとき奇跡が起こります。背中がゾクゾクとしました。 曲のタイトルもバンド名も分かり、アダムがいまどこにいるのかを探すと、蛍たちに残酷な現実が突きつけられてしまいます。イヴ(望月美月)は上條さやかの生まれ変わりなのでしょうか。たまたま手にした指輪は偶然ではなかったのでしょうか。指輪にこめられた念で美月が変ったのではなく、指輪が鍵となり前世のさやかの記憶がよみがえったのでしょうか。いずれにせよ、想いが時空を超えて残り続けているっていうのがロマンティックだなと思いました。また、イヴ(望月美月)はS.Kという刻印が刻まれた指輪を手にしてしまったため、巻き込まれてしまった出来事と考えられます。言ってみれば、呪いの指輪です。意識が戻ってからの美月が描かれていますが、別人のような笑顔をみせています。そして、蛍たちのことをまったく覚えていないのもイヴがさやかの生まれ変わりではないということにもつながるような気がしています。上條さやかの未練が指輪に残っていて、その思いを求めるアダムが指輪の持ち主の美月をを引き寄せてしまいました。蛍はルルに案内されイヴと出会います。イブは他の人には見えなくて、見えないのに三浦正輝は天国にいけるよう手助けしようと言い、香山沙絵、杉浦哲は協力します。小学生たちだけでよくここまでたどり着けたなと思います。物語の展開と余韻に思い巡らせることがたくさんある作品です。
矢沢あい 下弦の月 下
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