●第83話
夕鈴は蘭瑶(らんよう)から妃教育を受けています。
蘭瑶は今後も教育が必要か訪ねます。
夕鈴は自分の望む妃の形がかすかに見えてきたので力を貸してほしいとお願いします。
蘭瑶は引き続き力になると言います。
男女の駆け引きについての講義を受けて、夕鈴は頭の回路が焼け切れそうな表情をしています。技術が高度過ぎてどれも使えそうにありません。蘭瑶から教えられたことを思い返し、それらの技術を使っている身近な人物は誰か考えてみると、陛下が当てはまることに気がつきます。
夜、夕鈴は陛下に陛下がもし女性だったらどんでもなく厄介な美女になっていると言います。
陛下は、
「…僕がもし女だったとしても きっと僕は夕鈴が好きだよ」
とさらっと夕鈴を赤面させることを言います。
夕鈴は上手く返そうとして、
「… 私も 私がもし男だったとしたら 柳方淵みたいになっていると思います!」
と陛下が喜んでくれそうにないことを言います。
結局、夕鈴は陛下相手に駆け引きはできそうにないという結論に至ります。小細工せず、思うまま口にすれば陛下をいつでも振り回せることに気づくことはなさそうです。
●第84話
夕鈴は陛下から王宮で晏流公(あんりゅうこう)に会ったと聞きます。以前と変わらず冷めた関係でどうしたら互いの距離が縮まるか考え、次に会うときは一緒に会いたいと言います。
数日後、夕鈴は晏流公に会う機会を得ます。行ってみると徐克右(じょこくう)がいて、陛下はすでに晏流公と話しているというので、二人のところに急ぎます。二人の間に入って会話を弾ませるつもりでいるようです。
陛下と話す晏流公は緊張して震えています。
それでも晏流公は勇気を出して話そうとするのに邪魔が入ります。
隠居した臣下が陛下に会いに来たのでした。せっかくの陛下と晏流公の交流を台無しにしてしまいます。
夜、李順は陛下に不手際を謝ります。
夕鈴は久しぶりに王宮での狼陛下の冷たい表情を見て何か思うところがあるようです。
別の日の晏流公の剣術の見学に夕鈴も参加します。
和やかに話していると風で夕鈴が身に着けている物が飛んでしまい屋根の下に引っ掛かってしまいます。晏流公が飛ばされた物を取って来ると言います。不安定な場所に足をかけ手を伸ばして取ろうとすると体勢を崩し落ちそうになります。陛下が晏流公を助けます。
陛下は晏流公に助言します。
晏流公は陛下の言葉を震えて聞いていたのに次第に笑顔になります。
陛下は少し疲れています。夕鈴が陛下に求める兄弟の形を演じてはみるものの、そこに何の感情もなく、想像で演じているので苦労しているようです。
●第85話
李順が休暇を取ります。
陛下と夕鈴も静かな休日を過ごそうとします。しかし、夕鈴がうっかり晏流公のことを瑛風(えいふう)様と名前で呼んだことで慌ただしくなります。
李順は休日を持て余しています。何をしていいかわからないようです。
陛下は夕鈴に名前で呼ぶよう迫ります。
夕鈴は陛下を名前で呼べなくて、部屋にこもってしまいます。
浩大は李順を呼びに行き、李順は後宮へ行き、陛下から事情を聞き、夕鈴と話します。
李順の陛下に対する思いがわかります。
●第86話
陛下の伯母珀瑠霞(はくるか)から夕鈴に贈り物が届きます。瑠霞が住む蒼玉国で流行っている衣装です。
老師は贈られた衣装を夕鈴が着ないので怒っています。
陛下は夕鈴にあれこれ言う老師を好ましく思っていないので圧力をかけます。
陛下は後宮へ行くと、夕鈴は瑠霞から贈られた衣装を着て出迎えます。
陛下は夕鈴に瑠霞が衣装を送った真意について自分の考えを話し、瑠霞から助言されたことも話します。
夕鈴は元気が出たから返事を書きたいと言います。
●第87話
陛下は忙しくなり、王宮に泊まり込む日が続きます。
李順は夕鈴にまた政務室に通うよう言います。
翌日、夕鈴は政務室へ向かいます。陛下は周宰相と会っているので官吏にこちらでお待ち下さいと案内されます。
初めて見る官吏で恵紀鏡(けいききょう)と名乗ります。
恵紀鏡は妃と話したいようです。
感情を読み取れない雰囲気の恵紀鏡は妙にひっかかるような物言いで妃に絡みます。
「陛下は あんなにも あんなにも 怒っていらっしゃったのに」
陛下のことをそう表現して夕鈴は気にします。
夜、夕鈴は政務室の陛下に会いに行きます。
陛下は疲れているように見えます。
夕鈴は陛下は変わったという言葉が気になって考えていると、変わったのではなく隠されているのではと思い、もしそうならと涙がこぼれます。
陛下は夕鈴が急に泣き出すのでびっくりしています。
夕鈴は陛下が隠そうとしている狼の時の陛下にも恋していることに気がついてしまいます。
●第88話
夕鈴の動きが誰の目から見てもおかしいです。
陛下は狼陛下のまま夕鈴に接したことを反省しています。
夕鈴は陛下が見せてくれることと隠そうとするところがあって、自分にも上手く陛下に伝えられない感情を抱えているところがあって、全て通じ合えないもどかしさのようなものを感じているようです。
続きます。
可歌まと 狼陛下の花嫁 16巻
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