第一部が終了です。
第57話のから描かれる物語がとても面白いです。
夕鈴は後宮を出て下町に戻り、周宰相から陛下の指示王都を去り、壬州に移って、荷長官が手配し晏流公(あんりゅうこう)の邸に潜入し、そこで見聞きしたことを未然に防ぎたい思いで王都に戻り、柳方淵と氾水月に協力してもらい、闇商人を捕える。そこでばったり陛下に出くわし、後宮に閉じ込められてしまいます。陛下に怒られると思ったら思いを告げられ、本当の妃になります。
これまで登場した人物が夕鈴に協力して展開していく物語を読んで、11巻までは夕鈴を助けるための登場する人物の紹介だったのかなとさえ思えてきます。描かれた人物がそれぞれ特徴があったのでより想像が膨らんで楽しい物語になりました。
柳大臣は陛下と対立するのかなと思っていました。だけど、王に敬意を払いつつ、言う事は言う忠実な臣下だったのが意外でした。
氾大臣はこれからも策略はやめないだろうなと思います。
柳方淵は兄経倬をどうするのでしょうか。これまでよりもっと蔑んだ視線で兄を見るのだろうなと思います。
氾水月は夕鈴を見て陛下に対して変化を見せました。水月の視点で語られることが面白かったです。
氾紅珠の創作活動はどこまで行くんだろう、当代の有名作家になるのでしょうか。
浩大はつかみどころがなくわかりにくい人物です。己の意思はないはずなのに、夕鈴を支えようとすることに関しては意思を感じてしまいます。読みが浅かったからわからなかったようです。
徐克右は夕鈴の感情を直接揺さぶる数少ない人物です。なにも事情をわからないから言えたこと、夕鈴の立場を知ってからは遠慮して言わないようにしていたところが面白かったです。
闇商人韋良(いりょう)はどうなるのでしょう。ずっと投獄されたままなのか、何か罰を食らうのか。人を選んで経倬とは関係を持たなければ白陽国にいくらかは打撃を与えられたはずの人物だっただろうなと思います。
●第66話
陛下(珀黎翔・はくれいしょう)は独自の情報網を使って、今夜妓館楽麗館(がくれいかん)で闇商人韋良(いりょう)が柳経倬(りゅうけいたく)が密会することをつきとめていて妓館に向かっています。
夕鈴は妓女に扮して妓館で調査を行っています。あっちこっちと走り回って密会が行われる部屋を特定しようとしています。
柳方淵と氾水月も楽師として妓館に潜入しています。
氾水月ははりきっている夕鈴をみて、陛下に知られてたと思うと気が気じゃないと言います。背筋に冷たいものを感じます。
柳経倬は闇商人韋良と会っています。
夕鈴は密会の部屋を特定し浩大と徐克右に知らせます。
浩大と徐克右は夕鈴にあとは大人しくしていてくれと言います。
陛下が妓館に到着します。
妓女は客としてやって来た陛下を見て興奮しています。
夕鈴は妓女が集まっているので何だろうと気になって視線の先に行こうとします。トントンと一番前に押し出されてしまいます。妓女の視線の先を見ると陛下が座っています。妓館に陛下がいて驚いています。
陛下は妓女の中から押し出された女性が夕鈴なのでこちらも驚いています。夕鈴を抱え、女将に袋いっぱいのお金を渡し、部屋に連れていきます。
部屋に入り、陛下は気が立っています。夕鈴がなぜ妓館で働いているのか浩大と周宰相に怒っています。
夕鈴は訳を話そうとします。だけど、感情があふれ涙がこぼれ言葉にならず、
「ほんと ばか…っ」
と言い、陛下に抱きつきます。
騒がしい物音がします。
夕鈴は浩大と徐克右が動いたことを知ります。
陛下は夕鈴の表情から外で起こっていることと夕鈴が妓館にいることが同じ理由だとわかります。夕鈴に口づけし、
「――――よくわかった これはもう君が悪い!!」
と言い残し部屋を出ます。
●第67話
浩大と徐克右は密会が行われている部屋に押し入り、闇商人韋良を捕えようとします。
韋良は手下と大勢連れていて、逃げようとします。
陛下が部屋に入っていきます。浩大と徐克右に、
「今は各自己の為すべきを為し 目標を捕えよ」
を命令します。
浩大と徐克右は陛下がいて驚いています。
夕鈴は柳方淵と氾水月のところへ行き、陛下がいることを知らせようとします。
柳方淵と氾水月はすでに陛下と鉢合わせしていて、二人とも顔色が悪いです。
闇商人韋良は捕らえられます。
夕鈴も後宮に連行され監禁されてしまいます。
数日が過ぎます。
ようやく夕鈴がいる後宮に陛下がやって来ます。
夕鈴がじっと陛下を見つめると、陛下は目を逸らしてしまいます。
夕鈴はショックを受けます。
目を逸らした陛下はどこかそわそわとしています。
夕鈴は顔を見るのも嫌なのかと受け取り、涙ぐみます。
陛下は慌てて否定します。だけど、夕鈴の目をまだまっすぐ見ることはできません。気持ちを整理して後宮の夕鈴に会いに来たつもりが、夕鈴を見たら感情を抑えることができなくなります。
陛下は妓館で起こった事のその後を話します。
夕鈴は晏流公と陛下が話す機会を持てないか言います。
陛下は夕鈴に謀反計画の中心におかれた者をかばうのかと言います。
夕鈴はなぜこんな行動を取ったのかを切実に訴えます。
●第68話
陛下は夕鈴に話していきます。晏流公の心配はしなくていいこと、闇商人を捕えるために今回は動いていたこと、自分の母のこと、狼陛下の役割について、夕鈴対しての思いについて話します。
夕鈴は陛下の気持ちを知り、これまでのことは演技ではなく本当の気持ちだったと知ります。
陛下の告白に、夕鈴は、
「私も貴方の側にいたい…っ 貴女がいるのなら どこでもいい」
と言います。互いの気持ちが通じ合います。
」
●第69話
夕鈴は玉砕覚悟で王都に戻って来たのに、陛下も思っていてくれていたという思いもよらない展開で一緒にいることなり、感情の制御が難しそうです。
そんな夕鈴の元に李順がやって来ます。
陛下は柳大臣と会います。
李順は陛下から夕鈴を正式な妃として迎えたいと言われたと言います。夕鈴にはやめておきなさいと言います。
柳大臣は陛下に身辺整理をしてきた、息子経倬の愚行の責任を取り命で償うと言います。
陛下は驚きます。
柳大臣は息子たちには王を正しく導く臣下でなくてはならないと教えてきたのに、反国王を掲げ国を乱す者と関わりを持つなど陛下に顔向けできないと言います。
陛下は柳大臣に誤解していたと笑います。辺境育ちの王が気に食わないのだろうと思っていたと言い、辞めさせるわけにはいかないと罪の問わないと言います。
夕鈴は李順に陛下と生きていくと言います。
●第70話
陛下は晏流公、蘭瑶を王宮に迎えます。
夕鈴は妃として二人と対面します。
陛下は闇商人韋良と会います。
すべての準備が整い夕鈴は本当に後宮入りします。
●第71話
夕鈴は誰も近づくことのない後宮の奥のほうでひそかに過ごしていました。ようやく後宮の女官が知ることになります。それから、柳方淵、氾水月、柳大臣、氾大臣、浩大、徐克右と会います。
夕鈴はずっと陛下に言いたかった告白をします。
これで一件落着です。
続きます。
可歌まと 狼陛下の花嫁 13巻
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