2023年7月30日日曜日

可歌まと 狼陛下の花嫁 18巻

●第95話

恵紀鏡(けいききょう)は夕鈴にどこから仕入れるのか噂話を伝えます。

噂話とは陛下と周宰相の不仲説です。

夕鈴は気になって陛下に訊ねます。陛下は笑顔ではぐらかします。そうなると、余計に気になるもので浩大に訊いてみます。

浩大は陛下が言わないなら言えないと言います。

夕鈴は思っていたよりもちゃんとした理由がありそうなので、周宰相に直接訊いてみることにします。

周宰相は、

「陛下の私生活へは極力 関わらぬよう日頃より心掛けております」

と応え、なぜと訊くと、

「…私が以前 陛下からのご信頼を失ったから …に ございます」

と応えます。

そして、

「…『この国のために』 『王のために』 貴女は必要な方でございます お困り事がございましたら お申しつけください …お妃様」

と言います。

周宰相の背後から、

「周康蓮」

と声がします。陛下です。恐ろしく冷たい声です。

「己の領分からは出るなと 私は昔 お前に言ったな?」

と言う陛下はひどく怒っています。

周宰相はすぐにひれ伏し、

「立場をわきまえず 軽率な発言を申しました …ご処分を」

と言います。

その様子を見ていた夕鈴はあまりの陛下の迫力に腰が抜けてしまいます。

陛下は夕鈴を抱きかかえて、

「…今日のところは聞かなかったことにする 戻れ」

と周宰相に言います。


落ちついた夕鈴は陛下に訊ねます。

陛下は、

「なんでもないんだ 夕鈴は心配しなくていい」

と言います。



●第96話

夕鈴は陛下の怒りを目の当たりにして、何かしらの確執はあるとわかります。徐克右(じょこくう)に訊いてみることにします。

徐克右は、

「−――――… あれはどちらかといえば裏切り、かと」

と応えます。

夕鈴は想像していたよりもずっと重い出来事のようで、李順に相談しようとしてみます。しかしすぐに、教えてくれないだろうと結論を出し、陛下の口から話してもらおうと、強硬手段に出ます。


陛下は後宮からの報せで、夕鈴の元へ向かいます

夕鈴は以前監禁された檻部屋に籠城することにしたのでした。

檻部屋にやって来た陛下は、

「何をしているんだ 君は!」

と言います。

夕鈴は陛下に周宰相とどんなケンカをしているのか教えてくれるまで檻部屋に閉じこもると決意を表明します。

夕鈴を影から護衛している浩大は夕鈴に期待しています。

陛下は、

「…わかったよ 少し話そうか」

と言います。

夕鈴は陛下が話してくれないだろうと思っていたのに、あっさり話すと言ってくれたので、檻部屋から出てきて、陛下に抱きつきます。

陛下は夕鈴を失うわけにはいかない、奪われるわけにはいかないと考えています。



●第97話

陛下(珀黎翔・はくれいしょう)は幼少期王都を離れ、静かに暮らしていました。

李順の父親が黎翔を世話していた縁で李順がその頃からお守り役をやっていました。

黎翔の兄は黎翔を暗殺しようと暗殺者を送り込んでいました。

黎翔の父である国王が亡くなり、兄がその後を継ぎました。

兄が国王になり権力を握ると、一番最初にするのは黎翔の処刑です。

李順の父は黎翔を隠します。王宮には行方不明と報告し、黎翔は北の辺境で国境警備をしている隊長桓行(かんこう)に預けられます。

桓行は黎翔に、

「―――おい小僧! 今日から俺がお前の親父で お前はうちの一員だ いいか!?」

と言います。黎翔の人生が大きく変化します。


北の辺境で生活していると、王都で国王の不興を買って左遷されて周康蓮がやって来ます。

周康蓮は黎翔の正体を知っていました。

黎翔は周康蓮から多くのことを学びます。



●第98話

黎翔が守りたいものがあっけなくなくなってしまいます。

野蛮な異民族を完全に排除せよと国王陛下から任務が与えられた将軍がやってきます。


将軍が指揮を誤り、自軍を壊滅させてしまいます。

桓行は黎翔にこれからどうするか伝え、自分は敵を足止めすると言います。

黎翔は逃げ延びます。桓行に言われた通り、王弟を名乗り、軍を立て直し異民族を撃退します。せっかく手に入れた自由がなくなり、幼い頃の窮屈な状況に戻ってしまいます。



●第99話

黎翔はさみしさを感じます。仲間たちも接する態度が変わり、孤独感が増していきます。

周康蓮は黎翔に話があると言います。国王が倒れ、危険な状態であると報告します。そして、黎翔に王都へ向かうように言います。国王に正当な手順で王位を譲ってもらいこの国の王になってくださいと言います。そのための手回しもしたと言います。

黎翔は周康蓮が無断で行ったことを怒ります。


その後、白陽国の国王となり実績を積み上げていきます。黎翔が冷酷非情の狼陛下と呼ばれるようになった頃、周康蓮に、

「決してその己の領分から出るな 私に隠れて 私の周りに干渉するような真似はするな 不愉快だ」

と言います。家族も仲間もすべて手からすべりおちたと感じた瞬間でした。


陛下は夕鈴にこの一連の話が周宰相とケンカというのかはちょっとわからないと言います。

「…でも君は あまり気を許さないようにして 『国のため』ならいつ利用されるかわからないから」

と本気で怒った理由を説明します。

夕鈴は裏切られまいとする陛下に涙します。


翌日、夕鈴は周宰相と話をします。

周宰相の思いがわかり、夕鈴は周宰相とともに陛下のいる政務室に向かいます。



●第100話

夕鈴は陛下に周宰相と対話をしてほしいと言います。

陛下は必要ないと言います。

夕鈴は陛下の空腹を満たしてあげたいと周宰相と二人きりにします。

周宰相は妃が用意してくれた機会なのでひとつだけ発言の許可を求めます。

陛下は許します。

周宰相は桓行について話します。

陛下は夕鈴と出会ったことで別の考え方ができるようになったと言い、気持ちを明かします。

陛下の言葉を聞いた周宰相は、立派になられたと泣き出します。


夕鈴によって、陛下の空腹は少し満たされたようです。

続きます。



可歌まと 狼陛下の花嫁 18巻
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2023年7月28日金曜日

可歌まと 狼陛下の花嫁 17巻

●第89話

夕鈴は先日行われた賞月の儀式(しょうげつのぎしき)について話を聞いています。中でも柳方淵が語る儀式での陛下の様子はかっこよさが伝わって興奮しています。柳方淵が陛下のことが大好きなのがわかり、陛下が以前とどこか変わられたかと思うかと訊ねます。

柳方淵は夕鈴の質問の意図がわかりかねています。

夕鈴は視線を感じます。恵紀鏡(けいききょう)がじっと夕鈴を見つめています。

夕鈴と恵紀鏡は周りの官吏が見て奇妙な二人のようです。

柳方淵は夕鈴の質問が気になり、歩きながら陛下についてと、陛下に忠誠を誓った出来事について思い出します。

恵紀鏡は何か起こるのを待っているのか起こそうとしているのか、何か仕掛けそうな雰囲気です。

夕鈴は奇妙な目でじっとどこかを見つめている恵紀鏡に何か探られていると感じます。陛下の素の姿、夕鈴の出自、知られてはマズいことだらけなので気をつけなくてはと警戒します。


夕鈴は李順から政務室へ行くのを日課にするよう告げられます。

陛下は夕鈴が政務室に通うのは楽しいかと訊ねます。

夕鈴は、

「皆とお喋りできるのはやっぱ楽しいですね」

と応えると、陛下は夕鈴のほっぺたを咬みます。

夕鈴は驚いて、

「!? へーか 今 なんでほっぺ咬んだ!?」

と言います。

陛下はなぜ夕鈴のほっぺを咬んだのかわからないようです。

この後狼の陛下が多くなっていきます。



●第90話

陛下は何が不満なのか咬みグセがついてしまいます。

夕鈴は政務室でも咬んだりしないか注意しています。陛下ばかり注意を向けているわけにはいきません。恵紀鏡は要注意人物です。

氾水月は柔らかな空気をまとって夕鈴に話しかけます。変わらず面白い人物です。夕鈴と会話を終え、陛下に捕まって話す氾水月がさらに面白いです。

陛下は咬むと夕鈴が反応するので楽しくて仕方ないようです。



●第91話

氾紅珠について描かれています。どうして創作に没頭しているのかわかりました。

氾紅珠は今この時間がいつまでも続いてくれることを願っています。氾家の娘として生まれたから覚悟はしています。望まない婚姻など来なければいい、後宮に入れようとする父の考えが変わらなければいいと思っています。夕鈴が気にかけてくれることが嬉しいようです。妃と同じように気にかける柳方淵も自然に笑みがこぼれてくる人物です。

氾紅珠は明るい人生を歩んでいって欲しいです。



●第92話

陛下は飢えが満たされないようで、夕鈴はその正体がわからず、ちょっとしたズレのようなものを感じていて見つけてあげたいと思っています。


元重臣の長老たちは陛下の振る舞いを憂いています。恵紀鏡は長老たちの会話を聞き妃はいなくならなければいけないと強く感じます。


政務室の前では夕鈴と恵紀鏡はどうすれば勝敗がつくのかわからないたたかいを繰り広げています。


周宰相が政務室から出て来ます。周宰相は夕鈴の足元に何かを見つけます。取り上げて見てみると呪符のようなものです。

夕鈴は恵紀鏡の仕業だとすぐにわかります。メラメラとこみ上げる怒りを抑え、証拠の品で見つけ次第恵紀鏡をたたきのめすつもりのようです。

周宰相は恵紀鏡を呼び止め、祖父の恵采(けいさい)近々挨拶に伺いたいと伝えるよういいます。


後宮で陛下は夕鈴の表情が険しいことに気がつきます。



●第93話

夕鈴は妖怪妃という不名誉な呼び名を払拭するため、恵紀鏡と話をつけるため闘志に燃えています。


周宰相は長老衆に会っています。


恵紀鏡は呪符を妃の額にどうやって貼ろうか思案しています。

夕鈴は恵紀鏡を見つけ話しかけます。


周宰相は妃に対し変な動きをするなと忠告します。

長老は王のため国のため妃がどのような方なのか知らねばならないと言います。


夕鈴は恵紀鏡に呪符を取り出し覚えはないかと言います。

呪符が効かないとわかり、恵紀鏡は敗北を確信し涙します。

夕鈴はあまりにあっけなくて恵紀鏡慰めようとします。

近寄る夕鈴の額に恵紀鏡は呪符を貼りつけます。

夕鈴はせっかく冷めた怒りが再燃します。


周宰相は妃を失えばこの国がようやく得たものを失うことになると言います。


夕鈴が呪符について問いただそうとしているときに、陛下がやって来て、夕鈴を抱きしめます。

陛下は夕鈴の額呪符を手に取ります。冷たい目で恵紀鏡を睨み、

「…なんだ? これは」

と言います。

夕鈴は陛下の手にある呪符を取り返し、

「これはっ 魔除けについて教えてもらっていたのですよ!」

と恵紀鏡をかばいます。それらしい言葉を並べ陛下の背中を押し、その場を去ります。


「―――――…君は 何に対しても優しすぎるのではないか」

夕鈴は陛下が恵紀鏡をかばったことをわかっていたので、言い訳してみせます。


その後、恵紀鏡は夕鈴に普通に話しかけて来ます。

夕鈴は納得がいかないようです。なぜ平気な顔をして話しかけられるのでしょう。

恵紀鏡は祖父から話を聞いて、妃は只者ではないと考えるようになります。



●第94話

夕鈴は蘭瑶にからかわれます。涙目で見捨てないでくださいとお願いします。

陛下は夕鈴を見つけ、晏流公と徐克右の武術稽古が終わったから顔を見に来たと言います。

晏流公は夕鈴を見つけ駆け寄ろうとします。途中で派手に転んでしまいます。

夕鈴は血相を変えて晏流公のもとへ走ります。


蘭瑶は活き活きと笑う晏流公見て陛下に、今の思い、これまで抱えていた思い、夕鈴への思いを打ち明け感謝します。

陛下は蘭瑶の言葉に毒がないことがわかり、夕鈴のすごさを改めて感じます。


夕鈴は妖怪妃という呼び名を受け入れます。考えを改めることにしたようです。

李順は夕鈴が前向きに開き直ったと捉え、たくましくなったと思っているようです。

続きます。




可歌まと 狼陛下の花嫁 17巻
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2023年7月26日水曜日

可歌まと 狼陛下の花嫁 16巻

●第83話

夕鈴は蘭瑶(らんよう)から妃教育を受けています。

蘭瑶は今後も教育が必要か訪ねます。

夕鈴は自分の望む妃の形がかすかに見えてきたので力を貸してほしいとお願いします。

蘭瑶は引き続き力になると言います。

男女の駆け引きについての講義を受けて、夕鈴は頭の回路が焼け切れそうな表情をしています。技術が高度過ぎてどれも使えそうにありません。蘭瑶から教えられたことを思い返し、それらの技術を使っている身近な人物は誰か考えてみると、陛下が当てはまることに気がつきます。


夜、夕鈴は陛下に陛下がもし女性だったらどんでもなく厄介な美女になっていると言います。

陛下は、

「…僕がもし女だったとしても きっと僕は夕鈴が好きだよ」

とさらっと夕鈴を赤面させることを言います。

夕鈴は上手く返そうとして、

「… 私も 私がもし男だったとしたら 柳方淵みたいになっていると思います!」

と陛下が喜んでくれそうにないことを言います。

結局、夕鈴は陛下相手に駆け引きはできそうにないという結論に至ります。小細工せず、思うまま口にすれば陛下をいつでも振り回せることに気づくことはなさそうです。



●第84話

夕鈴は陛下から王宮で晏流公(あんりゅうこう)に会ったと聞きます。以前と変わらず冷めた関係でどうしたら互いの距離が縮まるか考え、次に会うときは一緒に会いたいと言います。


数日後、夕鈴は晏流公に会う機会を得ます。行ってみると徐克右(じょこくう)がいて、陛下はすでに晏流公と話しているというので、二人のところに急ぎます。二人の間に入って会話を弾ませるつもりでいるようです。

陛下と話す晏流公は緊張して震えています。

それでも晏流公は勇気を出して話そうとするのに邪魔が入ります。

隠居した臣下が陛下に会いに来たのでした。せっかくの陛下と晏流公の交流を台無しにしてしまいます。


夜、李順は陛下に不手際を謝ります。

夕鈴は久しぶりに王宮での狼陛下の冷たい表情を見て何か思うところがあるようです。


別の日の晏流公の剣術の見学に夕鈴も参加します。

和やかに話していると風で夕鈴が身に着けている物が飛んでしまい屋根の下に引っ掛かってしまいます。晏流公が飛ばされた物を取って来ると言います。不安定な場所に足をかけ手を伸ばして取ろうとすると体勢を崩し落ちそうになります。陛下が晏流公を助けます。

陛下は晏流公に助言します。

晏流公は陛下の言葉を震えて聞いていたのに次第に笑顔になります。


陛下は少し疲れています。夕鈴が陛下に求める兄弟の形を演じてはみるものの、そこに何の感情もなく、想像で演じているので苦労しているようです。



●第85話

李順が休暇を取ります。

陛下と夕鈴も静かな休日を過ごそうとします。しかし、夕鈴がうっかり晏流公のことを瑛風(えいふう)様と名前で呼んだことで慌ただしくなります。


李順は休日を持て余しています。何をしていいかわからないようです。


陛下は夕鈴に名前で呼ぶよう迫ります。

夕鈴は陛下を名前で呼べなくて、部屋にこもってしまいます。

浩大は李順を呼びに行き、李順は後宮へ行き、陛下から事情を聞き、夕鈴と話します。

李順の陛下に対する思いがわかります。



●第86話

陛下の伯母珀瑠霞(はくるか)から夕鈴に贈り物が届きます。瑠霞が住む蒼玉国で流行っている衣装です。

老師は贈られた衣装を夕鈴が着ないので怒っています。

陛下は夕鈴にあれこれ言う老師を好ましく思っていないので圧力をかけます。

陛下は後宮へ行くと、夕鈴は瑠霞から贈られた衣装を着て出迎えます。

陛下は夕鈴に瑠霞が衣装を送った真意について自分の考えを話し、瑠霞から助言されたことも話します。

夕鈴は元気が出たから返事を書きたいと言います。



●第87話

陛下は忙しくなり、王宮に泊まり込む日が続きます。

李順は夕鈴にまた政務室に通うよう言います。


翌日、夕鈴は政務室へ向かいます。陛下は周宰相と会っているので官吏にこちらでお待ち下さいと案内されます。

初めて見る官吏で恵紀鏡(けいききょう)と名乗ります。

恵紀鏡は妃と話したいようです。

感情を読み取れない雰囲気の恵紀鏡は妙にひっかかるような物言いで妃に絡みます。

「陛下は あんなにも あんなにも 怒っていらっしゃったのに」

陛下のことをそう表現して夕鈴は気にします。


夜、夕鈴は政務室の陛下に会いに行きます。

陛下は疲れているように見えます。

夕鈴は陛下は変わったという言葉が気になって考えていると、変わったのではなく隠されているのではと思い、もしそうならと涙がこぼれます。

陛下は夕鈴が急に泣き出すのでびっくりしています。

夕鈴は陛下が隠そうとしている狼の時の陛下にも恋していることに気がついてしまいます。


●第88話

夕鈴の動きが誰の目から見てもおかしいです。

陛下は狼陛下のまま夕鈴に接したことを反省しています。


夕鈴は陛下が見せてくれることと隠そうとするところがあって、自分にも上手く陛下に伝えられない感情を抱えているところがあって、全て通じ合えないもどかしさのようなものを感じているようです。

続きます。




可歌まと 狼陛下の花嫁 16巻
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2023年7月24日月曜日

可歌まと 狼陛下の花嫁 15巻

●第77話

夕鈴は交流会に出席します。

陛下と夕鈴は寄り添って座っています。赤朱音(せきしゅおん)姫から縁談の申し込みが来ないようにするためのものです。

赤朱音(せきしゅおん)姫はこの程度のことでは動じません。陛下に文官の飛録(ひろく)、学者の孫把留(そんはる)、護衛を務める武官の夏豪(かごう)という外交使節団の中でも陛下に紹介しておきたい人物として三人を挙げます。三人の自身の援護を期待していたのに、飛録はお転婆だと、夏豪はお転婆エピソードを、孫把留はさらに付け加えてお転婆ぶりを披露します。朱音は三人が援護してくれないのでこみ上げてくる怒りを隠せません。

李順が助け舟を出し交流会を終えます。


夕鈴は朱音姫と親善交流を通じて仲良くなる方法を考えます。


それぞれ部屋に戻ります。

朱音姫は飛録と孫把留と夏豪に怒りをぶつけます。

飛録と孫把留と夏豪は忠実な臣下というわけではないようで、朱音姫の計画をあきらめさせようとしています。しかし、朱音姫は白陽国に嫁ぐと気持ちは決まっているようです。

夏豪は朱音姫に協力すると言います。


後宮では陛下は夕鈴を抱きしめ、甘い言葉を並べています。

夕鈴は一日ずっといちゃいちゃしていたので、なんだか冷静に対応しています。それよりも朱音姫と仲良くなるためにどうすればいいかを考えることに必死です。


翌日夕鈴は蘭瑶(らんよう)と会います。

蘭瑶は炎波国の姫の様子を聞いて、夕鈴に忠告します。一度事態が動いてしまえば誰も止められなくなると言い、夕鈴を怖がらせます。



●第78話

夕鈴は積極的に陛下とのスキンシップを増やします。それは蘭瑶と氾紅珠の助言によるもので浮気対策として頑張っています。

夕鈴はそんなことする必要はないと思いつつ、不安な気持ちがないわけではないので頑張っています。


氾水月と柳方淵が話しています。


陛下は夕鈴が急に優しくなっているので不思議そうです。


朱音姫は思うように事が運ばないのでじれったいようです。

孫把留は今は静かにしている時だと言い聞かせます。


飛録は朱音姫が白陽国に嫁ぐのは反対のようです。

孫把留は姫は覚悟を決めている、考えを変える気はないでしょうと言います。


夕鈴は浩大と話しています。

浩大は夕鈴が積極的に陛下に密着している様子を陰で見ていて楽しいと言います。

夕鈴は陛下に浮気対策の話をしていないか確かめます。

浩大は楽しいから言わないと言っています。

夕鈴と浩大が話しているのを気配を消して陛下が聞いています。

ふっと陛下が現れ、浩大は、

「あ やべえ」

と言い、窓から出て行きます。

夕鈴は浮気対策の話が聞かれてしまい動揺します。

陛下は夕鈴に詰め寄ります。笑顔で怒っています。



●第79話

陛下は夕鈴にここ数日の奇妙な動きは浮気を疑っていたからかと問います。

夕鈴はあたふたしています。結果陛下との仲はいらないことをしたせいでぎくしゃくすることになり、頭を悩ませることになります。考えれば考える程夫婦の危機に陥っていると心配します。


夕鈴と朱音姫は打ち解けられません

朱音姫は陛下を二人で話したいと誘います。

陛下は応じ、二人は庭に出て行きます。

夕鈴は焦ります。蘭瑶の言葉がよぎり不安が大きくなります。二人がいない間炎波国の飛録と話します。

陛下と朱音姫が戻って来ます。朱音姫は夕鈴にどこか勝ち誇った表情で、

「それでは今日のところはごきげんよう」

と去っていきます。


夕鈴は陛下と朱音姫の会話の内容が知りたくてたまらないようです。



●第80話

夕鈴は陛下に朱音姫と何を話したか気になると言います。

陛下は変わった要求をされたと言います。

朱音姫の変わった要求とは兵士の訓練風景が見たいというものでした。

兵士の訓練の後炎波国の護衛兵を交えて間接的な試合をすることになっています。

朱音姫はこの機会でなんとか陛下との関係の足がかりにしたいようです。試合を観戦していると官吏に話しかけられます。陛下には気分が悪くなったと言い席を外します。

飛録と孫把留は一緒に行くと言います。しかし、朱音姫はすぐ戻ると一人で行きます。

官吏には姉から火急の報せがあると言われ、朱音姫は人気のないところへ行くと何者かに襲われてしまいます。

「姫 報せなどはございません 貴女には 今 ここで消えて頂きたく」

と言います。

「――――姫サマ!」

黒装束の小さな護衛が現れ、朱音姫を守ります。後宮に侵入し、陛下に斬られかけ、熱を出し夕鈴に看病してもらった侵入者です。

刺客は分が悪いとみたのか去っていきます。


夕鈴が朱音姫を探しに来ます。朱音姫の前に以前会った侵入者が立っているのでびっくりします。

侵入者は朱音姫を襲った敵が誰の指示によるものかわからないので夕鈴を警戒しています。

続いて李順がやって来て、夕鈴に下がるように言います。

しかし、夕鈴は両手を広げて、

「大丈夫だから! 絶対に弱ってる子 イジメたりしないから おいで!」

と言います。


侵入者は夕鈴の言うことを聞いたようで、朱音姫は運ばれます。

報告を受けた陛下は李順にどう考えているか訊ねます。李順と考えが同じで計画的な暗殺と判断します。

夕鈴は陛下に朱音姫を世話する許可をもらいます。

侵入者はマナと言い、朱音姫の直属の隠密のようです。



●第81話

氾紅珠は後宮に朱音姫がいると聞きつけ、兄水月に確かめます。

氾水月は本当だと言い、紅珠にお妃様に会いに行くのを控えるように言います。

氾紅珠は朱音姫が後宮に入りこんだことで、想像が膨らみ、陛下と妃と朱音姫の三角関係の物語をどんどん創作していきます。その様子を近くで見てより自身の作品に反映させたいと気が荒くなっています。


夕鈴と朱音姫は一緒に湯に入っています。

夕鈴は刺客に狙われた朱音姫を心配しています。朱音姫に刺客を送り込んだ人物が外交使節団の中にいる可能性が高いようです。


陛下は夕鈴が朱音姫につきっきりなので不満そうです。炎波国の問題だからあまり首を突っ込むなと言います。

夕鈴は考え込んでうつむいている朱音姫を見て放っておけないと言います。

陛下は何か手を打たないといけないと言います。


飛録と孫把留と夏豪は李順に朱音姫会わせるよう要求します。

李順はのらりくらりとかわします。


陛下は朱音姫に会います。朱音姫の核心をつく指摘をして朱音姫を動揺させます。そう警戒するなと言い、自分の言葉は信じられなくても妃の言葉は信じて欲しいと言います。


朱音姫は夕鈴と話します。炎波国が不安定なこと、白陽国に来た理由などを話します。

夕鈴は自分と同じくらいの年齢の女の子が背負っているものの大きさを知ります。

朱音姫は刺客を送り込んだ人物をある程度見当をつけています。飛録と孫把留と夏豪の三人の誰かだと言います。

夕鈴は朱音姫がうつむいて考え込んでいたのは刺客に狙われたショックなどではなく、怒りに震えていたのだとわかります。


氾紅珠は後宮に行って妃に会えない代わりに、想像を駆使して筆を進めています。


陛下は夕鈴に会いに来たのに、また朱音姫と湯に入っていると知り、頭を抱えています。



●第82話

飛録が朱音姫を迎えに行きます。

朱音姫は飛録を殴ります。誰が犯人なのかわかっていないようで、全員殴るつもりでいたようです。一人目で犯人がわかりました。

飛録はなぜ刺客を送り込んだのか話します。

朱音姫は信じて欲しかったと言います。


朱音姫は国へ帰ることになります。

夕鈴と朱音姫は今回のことで仲良くなります。

続きます。




可歌まと 狼陛下の花嫁 15巻
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2023年7月22日土曜日

可歌まと 狼陛下の花嫁 14巻

第二部が始まります。




●第72話

夕鈴は妃として学ばければいけないことがたくさんありすぎるのに、陛下が二人の時間をたくさん作ろうとするので困っています。


李順から近隣国の炎波国について報告があり、陛下は静観すると言います。


夕鈴は妃の勉強の合間の休憩に散歩していると侵入者と出くわします。

浩大と陛下に守られて何ごともありませんでした。

陛下は夕鈴を心配します。

夕鈴はこういうことも含めて覚悟して陛下といたいと決めたと言います。

侵入者は何者かはわかりません。陛下と鉢合わせしたことでかなりの恐怖を感じています。



●第73話

夕鈴は李順から巷で妃のことを妖怪妃と噂されていると知り、立派な妃になるため蘭瑶(らんよう)に教育係を依頼します。

夕鈴が切実にお願いすると、面白がって蘭瑶は引き受けてくれます。



●第74話

夕鈴は新婚生活が日に日に甘さが加速していくので困っています。

氾紅珠は夕鈴を崇拝しているようで、巷で噂される妖怪妃という言葉に心を痛めています。


夕鈴は蘭瑶から妃教育を受けます。


柳方淵は氾家を訪れます。

氾水月はまた出仕をさぼっているようで柳方淵に怒られます。

氾紅珠と柳方淵のやりとりが面白いです。


氾紅珠は夕鈴とのお茶会で完成した新作を届けます。



●第75話

夕鈴は陛下との生活がまだ本当のことのように思えず、まだバイト妃だった時の片想いしていた気持ちがよみがえって不安に揺れることがあります。


李順は二か月後炎波国の外交使節団が王都に来ると言います。夕鈴に王宮でのもてなしの際に出席することがあるから備えて欲しいと言います。


夕鈴と蘭瑶の妃教育授業は続いています。


夕鈴は勉強の合間に一人で休憩していると以前見た侵入者を見つけます。侵入者はぐったりしているので、後宮の奥、老師がいるところへ連れていき看病します。

侵入者は回復し出て行きます。


陛下は夕鈴が侵入者を看病していたと報告を受け、何か言いたそうだけど飲み込んで自分もかまって欲しいと言います。


李順は炎波国の使節団に王女が同行していると報告を受けます。



●第76話

炎波国からやって来た王女は第二王女赤朱音(せきしゅおん)と言います。

李順は使節団とともに第二王女が来たので扱いに頭を悩ませています。


夕鈴は白陽国の歓迎の宴に出ます。

赤朱音は冷たい対応です。

夕鈴は顔には出さず笑顔で外交をします。

夕鈴が一生懸命外交しているのを心配して陛下がやって来て、宴を抜け出します。


李順は陛下と夕鈴に使節団がいる間、仲睦まじい様子を見せつけて下さいと言います。

続きます。



可歌まと 狼陛下の花嫁 14巻
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2023年7月20日木曜日

可歌まと 狼陛下の花嫁 13巻

第一部が終了です。

第57話のから描かれる物語がとても面白いです。

夕鈴は後宮を出て下町に戻り、周宰相から陛下の指示王都を去り、壬州に移って、荷長官が手配し晏流公(あんりゅうこう)の邸に潜入し、そこで見聞きしたことを未然に防ぎたい思いで王都に戻り、柳方淵と氾水月に協力してもらい、闇商人を捕える。そこでばったり陛下に出くわし、後宮に閉じ込められてしまいます。陛下に怒られると思ったら思いを告げられ、本当の妃になります。

これまで登場した人物が夕鈴に協力して展開していく物語を読んで、11巻までは夕鈴を助けるための登場する人物の紹介だったのかなとさえ思えてきます。描かれた人物がそれぞれ特徴があったのでより想像が膨らんで楽しい物語になりました。

柳大臣は陛下と対立するのかなと思っていました。だけど、王に敬意を払いつつ、言う事は言う忠実な臣下だったのが意外でした。

氾大臣はこれからも策略はやめないだろうなと思います。

柳方淵は兄経倬をどうするのでしょうか。これまでよりもっと蔑んだ視線で兄を見るのだろうなと思います。

氾水月は夕鈴を見て陛下に対して変化を見せました。水月の視点で語られることが面白かったです。

氾紅珠の創作活動はどこまで行くんだろう、当代の有名作家になるのでしょうか。

浩大はつかみどころがなくわかりにくい人物です。己の意思はないはずなのに、夕鈴を支えようとすることに関しては意思を感じてしまいます。読みが浅かったからわからなかったようです。

徐克右は夕鈴の感情を直接揺さぶる数少ない人物です。なにも事情をわからないから言えたこと、夕鈴の立場を知ってからは遠慮して言わないようにしていたところが面白かったです。

闇商人韋良(いりょう)はどうなるのでしょう。ずっと投獄されたままなのか、何か罰を食らうのか。人を選んで経倬とは関係を持たなければ白陽国にいくらかは打撃を与えられたはずの人物だっただろうなと思います。





●第66話

陛下(珀黎翔・はくれいしょう)は独自の情報網を使って、今夜妓館楽麗館(がくれいかん)で闇商人韋良(いりょう)が柳経倬(りゅうけいたく)が密会することをつきとめていて妓館に向かっています。


夕鈴は妓女に扮して妓館で調査を行っています。あっちこっちと走り回って密会が行われる部屋を特定しようとしています。

柳方淵と氾水月も楽師として妓館に潜入しています。

氾水月ははりきっている夕鈴をみて、陛下に知られてたと思うと気が気じゃないと言います。背筋に冷たいものを感じます。


柳経倬は闇商人韋良と会っています。

夕鈴は密会の部屋を特定し浩大と徐克右に知らせます。

浩大と徐克右は夕鈴にあとは大人しくしていてくれと言います。


陛下が妓館に到着します。

妓女は客としてやって来た陛下を見て興奮しています。

夕鈴は妓女が集まっているので何だろうと気になって視線の先に行こうとします。トントンと一番前に押し出されてしまいます。妓女の視線の先を見ると陛下が座っています。妓館に陛下がいて驚いています。

陛下は妓女の中から押し出された女性が夕鈴なのでこちらも驚いています。夕鈴を抱え、女将に袋いっぱいのお金を渡し、部屋に連れていきます。

部屋に入り、陛下は気が立っています。夕鈴がなぜ妓館で働いているのか浩大と周宰相に怒っています。

夕鈴は訳を話そうとします。だけど、感情があふれ涙がこぼれ言葉にならず、

「ほんと ばか…っ」

と言い、陛下に抱きつきます。


騒がしい物音がします。

夕鈴は浩大と徐克右が動いたことを知ります。

陛下は夕鈴の表情から外で起こっていることと夕鈴が妓館にいることが同じ理由だとわかります。夕鈴に口づけし、

「――――よくわかった これはもう君が悪い!!」

と言い残し部屋を出ます。



●第67話

浩大と徐克右は密会が行われている部屋に押し入り、闇商人韋良を捕えようとします。

韋良は手下と大勢連れていて、逃げようとします。

陛下が部屋に入っていきます。浩大と徐克右に、

「今は各自己の為すべきを為し 目標を捕えよ」

を命令します。

浩大と徐克右は陛下がいて驚いています。


夕鈴は柳方淵と氾水月のところへ行き、陛下がいることを知らせようとします。

柳方淵と氾水月はすでに陛下と鉢合わせしていて、二人とも顔色が悪いです。


闇商人韋良は捕らえられます。

夕鈴も後宮に連行され監禁されてしまいます。


数日が過ぎます。


ようやく夕鈴がいる後宮に陛下がやって来ます。

夕鈴がじっと陛下を見つめると、陛下は目を逸らしてしまいます。

夕鈴はショックを受けます。

目を逸らした陛下はどこかそわそわとしています。

夕鈴は顔を見るのも嫌なのかと受け取り、涙ぐみます。

陛下は慌てて否定します。だけど、夕鈴の目をまだまっすぐ見ることはできません。気持ちを整理して後宮の夕鈴に会いに来たつもりが、夕鈴を見たら感情を抑えることができなくなります。


陛下は妓館で起こった事のその後を話します。

夕鈴は晏流公と陛下が話す機会を持てないか言います。

陛下は夕鈴に謀反計画の中心におかれた者をかばうのかと言います。

夕鈴はなぜこんな行動を取ったのかを切実に訴えます。



●第68話

陛下は夕鈴に話していきます。晏流公の心配はしなくていいこと、闇商人を捕えるために今回は動いていたこと、自分の母のこと、狼陛下の役割について、夕鈴対しての思いについて話します。

夕鈴は陛下の気持ちを知り、これまでのことは演技ではなく本当の気持ちだったと知ります。

陛下の告白に、夕鈴は、

「私も貴方の側にいたい…っ 貴女がいるのなら どこでもいい」

と言います。互いの気持ちが通じ合います。


●第69話

夕鈴は玉砕覚悟で王都に戻って来たのに、陛下も思っていてくれていたという思いもよらない展開で一緒にいることなり、感情の制御が難しそうです。

そんな夕鈴の元に李順がやって来ます。


陛下は柳大臣と会います。


李順は陛下から夕鈴を正式な妃として迎えたいと言われたと言います。夕鈴にはやめておきなさいと言います。


柳大臣は陛下に身辺整理をしてきた、息子経倬の愚行の責任を取り命で償うと言います。

陛下は驚きます。

柳大臣は息子たちには王を正しく導く臣下でなくてはならないと教えてきたのに、反国王を掲げ国を乱す者と関わりを持つなど陛下に顔向けできないと言います。

陛下は柳大臣に誤解していたと笑います。辺境育ちの王が気に食わないのだろうと思っていたと言い、辞めさせるわけにはいかないと罪の問わないと言います。


夕鈴は李順に陛下と生きていくと言います。



●第70話

陛下は晏流公、蘭瑶を王宮に迎えます。

夕鈴は妃として二人と対面します。


陛下は闇商人韋良と会います。


すべての準備が整い夕鈴は本当に後宮入りします。



●第71話

夕鈴は誰も近づくことのない後宮の奥のほうでひそかに過ごしていました。ようやく後宮の女官が知ることになります。それから、柳方淵、氾水月、柳大臣、氾大臣、浩大、徐克右と会います。

夕鈴はずっと陛下に言いたかった告白をします。

これで一件落着です。

続きます。



可歌まと 狼陛下の花嫁 13巻
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2023年7月18日火曜日

可歌まと 狼陛下の花嫁 12巻

●第60話

夕鈴の家にやって来た周宰相はしばらく王都を離れて欲しいという陛下の命令でやって来たと言います。

夕鈴は後宮を出ろと言い、次は王都を離れろと言う陛下に怒ります。

周宰相は王宮の勢力争いについて話し、夕鈴を巻き込みたくないので一時的に身を隠すのが安全だと言います。

夕鈴は後宮を出ても心配する陛下に思いを募らせます。こんなことならいっそのこときちんと気持ちを伝えておけばよかった、フラれておけばよかったと後悔します。

夕鈴は自分で避難先を選びます。壬州の荷文応長官のところに行きます。陛下とお忍び視察で訪れた場所です。その近くで過ごしている晏流公(あんりゅうこう)に接触を試みます。



●第61話

夕鈴は壬州の荷文応長官が手配した家に住みます。

徐克右(じょこくう)が訪ねてきます。

夕鈴は浩大と徐克右に今王宮で何が問題になっているのか訊ねます。

浩大が晏流公の存在が王宮の勢力争いの大きな争点になっていることを説明します。

夕鈴は晏流公が過ごす邸に下働きとして潜入します。自分の目で晏流公を見て判断したい考えています。



●第62話

夕鈴はすぐに晏流公と接触する機会を得ます。

晏流公の母蘭瑶(らんよう)の存在を知ります。


柳方淵は氾水月を訊ねます。

氾水月は出仕をさぼっています。

柳方淵は早く出てくるよう言います。

氾紅珠がやって来て、柳方淵にお妃様の行方を訊ねます。急に後宮からいなくなって体調を崩さんばかりに悲しみに暮れています。

柳家と氾家は対立する家同士なので互いの持っている情報は出せないようです。しかし、柳方淵と氾水月は考えが似ているようで、家という枠を超えて陛下に忠誠を誓っているのは同じようです。


陛下は李順から王宮の勢力争いについていつまで放っておくのかと訊ねられ、まだ待つよう言います。何かを待っているようです。


夕鈴は晏流公と母蘭瑶の関係を少しずつ知ります。



●第63話

晏流公から夕鈴に話しかけてくるようになります。

夕鈴は蘭瑶とも話すようになり、陛下と仲良くできるのでは、と考えています。


陛下の元には蘭瑶から書簡が届きます。一日も早く王都に呼んでほしいという内容です。


徐克右は情報屋から闇商人の一味が晏流公の邸に出入りしているという話を聞きつけます。


夕鈴は仕事を終え、使用人部屋に帰る道を間違えてしまいます。

明かりのついた部屋を見つけ誰かいるのかと近づくと、蘭瑶が誰かと話してします。蘭瑶の話す内容に驚きます。これまでの蘭瑶が話していた事とまるで違っていて陛下を追い落とそうと計画していることがわかります。韋良(いりょう)という人物が王都にはとても頼りになる協力者がいると言っているといいます。

王都の協力者の名前を聞こうとするところで夕鈴を浩大が抱えてその場から離れます。

夕鈴は王宮が大変なことになるから、急いで王都に戻らなくてはと言います。



●第64話

夕鈴は浩大に説教されます。徐克右も来ています。

夕鈴は陛下に知られる前に闇商人を捕えて蘭瑶の計画をあきらめさせたいと言います。


夕鈴は浩大と徐克右に協力してもらい王都に戻ります。まず柳方淵に会いに行きます。柳方淵に晏流公の邸で聞いた韋良という人物を探し出すのに力を貸してほしいと言います韋良は柳方淵の兄経倬と懇意にしているといいます。夕鈴は蘭瑶が話す王都の協力者の名前を聞いていました。



●第65話

夕鈴は氾家の屋敷にいます。柳方淵と氾水月の三人で話し合います。

柳方淵も氾水月も夕鈴を手伝うと言います。

夕鈴は氾紅珠に会います。

氾紅珠は夕鈴が無事でいたことに涙しています。


柳方淵と氾水月の情報網で三日後の夜に密会の約束があることをつきとめます。密会の場所は妓館です。

夕鈴は自分も潜入すると言います。絶対に韋良という人物を捕えてやるとやる気がみなぎっています。

続きます。



可歌まと 狼陛下の花嫁 12巻
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2023年7月16日日曜日

可歌まと 狼陛下の花嫁 11巻

●第54話

陛下はお忍び視察の目的を果たし、壬州(じんしゅう)の閑積(かんせき)に戻ります。不在中に溜まった仕事を片づけ王都に戻る予定です。

夕鈴は口づけしたことをどう処理すればいいか悩んでいます。陛下に呼ばれ行ってみると徐克右(じょこくう)が別れの挨拶に来ています。

徐克右はまさか夕鈴が妃だとは思ってもいないし、夕鈴は妃のバイトだとバレてはいけないのでピリピリしていたので、正体が明かされ互いにどう振る舞っていいか迷っています。この場面が面白いです。


夕鈴は壬州長官荷文応と話す機会があり、陛下が辺境で生活をしていた時代を知る人物で、昔の陛下の様子を知ることができます。そのあと、陛下に会いに行きます。二人のやりとりや夕鈴の陛下への思いがあふれていて面白いです。



●第55話

陛下は王宮に戻ります。

夕鈴は王宮に戻ってきてから陛下の様子がおかしいことを気にします。

壬州で言ったことが陛下を困らせているのではないかと心配しています。

何かぎこちない様子が続きます。


柳経倬(りゅうけいたく)は妃の不満を父にぶつけます。

近くで柳方淵がかたい表情をしています。

氾水月の父は何かを企んでいるようです。


●第56話

陛下と夕鈴の朝の行程にギュッと抱きしめるが加わります。

陛下は幸せそうに、夕鈴は二人きりなのに演技が必要な理由を探しています。

老師と浩大は夕鈴をからかいます。

夕鈴は政務室に行きます。

柳方淵は妃を呆れたような表情で、

「貴女もいつも呑気そうで」

と言います。

夕鈴はなぜ顔を見た途端そんなことを言われなくてはいけないのかと怒ります。

夕鈴と柳方淵を見ていた氾水月は夕鈴が去って行って柳方淵に話しかけます。夕鈴が王宮で今何が起きているか、全く知らない様子だと言います。


柳大臣は陛下に後宮に新しい妃をご正妃をお迎え下さいと意見します。

陛下と李順はいつかは訪れるであろうことがついに来たと決断を迫られます。


後宮で夕鈴は陛下が元気がないように感じられてできることがあれば何でも言って下さいと言います。

陛下は二人きりなのに急に狼陛下になり夕鈴に迫ります。

「ごめん 今のは ―――ごめん」

慌てて夕鈴に謝ります。


翌日、夕鈴は李順からバイト終了を告げられます。



●第57話

陛下は夕鈴にバイト終了のいきさつを話します。

夕鈴は陛下を困らせたくないから何も言わずバイト終了のその日まで務めようとします。

ある日陛下は夕鈴が李順に残った借金を地道に返すと言ったと聞き、理由を訊ねます。

夕鈴は己の責任を果たしたいのだと言います。

陛下は何も受け取ってくれない、苦労をさせたくないから言ったのち口を滑らせてしまいます。

夕鈴は何を言っても後宮にとどまることはできないので怒ります。

陛下は狼陛下の冷たい表情で夕鈴に話します。


●第58話

夕鈴は狼陛下が距離を詰めてきてるのに逃げることができません。陛下の話を聞いていると狼の陛下は演技ではないことがわかります。

後宮から妃が姿を消します。


下町に戻った夕鈴は以前のように暮らします。

浩大は夕鈴の側にいます。

夕鈴は一人になると陛下のことばかり考えています。子犬の陛下と狼の陛下のどちらも本当の陛下の姿なのだと知ります。そのどちらの陛下も好きだという気持ちがなくなりません。どうすればいいか答えはまだ出ません。


陛下は夕鈴が後宮から去り、子犬に戻ることはなくなってしまったようです。



●第59話

陛下は夕鈴が初めてやって来た日のことを思い出します。夕鈴を次第に気持ちを寄せていき、いつの間にか手放せなくなってしまったことを回想します。


氾大臣と柳大臣は王宮で立ち話をします。

氾大臣は妃はどこへ行ってしまったのかと言い、柳大臣は王が誤ったことをしていれば正すのが我らの務めだと言います。


夕鈴は忙しくしています。

浩大がお客を連れて来ます。

周宰相です。

「――――… このような時間に突然の訪問申し訳ございません …少々 お時間を頂いてもよろしいでしょうか お妃様 いえ …汀夕鈴殿」

なぜ周宰相は夕鈴の家に来たのでしょう。

続きます。



可歌まと 狼陛下の花嫁 11巻
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2023年7月14日金曜日

可歌まと 狼陛下の花嫁 10巻

●第48話

夕鈴にとって後宮生活の仕事で幸せに感じるのは季節の味覚、果物やお菓子を存分に食べるときです。

浩大は時々夕鈴から分けてもらっているみたいです。その日も浩大が嗅ぎつけて夕鈴からお菓子を貰おうとやって来ます。

ところが夕鈴は前日のおやつを浩大がほとんど食べてしまっていたので、今日はあげないと言います。

浩大は、ひとりでそんなに食べると太るよと言います。食べるのを手伝ってあげてると夕鈴がそれじゃあお菓子あげるよと言ってくれるのを待っています。

夕鈴は太るという浩大の言葉で葛藤します。美味しいお菓子の魅力には勝てず食べてしまいます。


王宮では柳大臣が陛下に意見しています。

柳大臣は近々陛下が視察に行くのに妃を同行させることに反対しています。

柳大臣は夕鈴に会った時にこのことについて忠告します。

夕鈴は視察に同行するという話は聞いていないので、柳大臣が何について話しているのか見当がつきません。突然イヤミを言うのはなぜだろうと考えるうちになぜか太ったのではと言うのを遠まわしに言われてたと勘違いします。


後宮に戻り、夕鈴は浩大に言われ、柳大臣にも言われ、太ったのかもしれないと思い身体を動かそうとします。

静かに陛下は後宮にやって来ていて、夕鈴が体操する様子を黙って眺めています。

夕鈴は振り向いた拍子に陛下が立っているからびっくりします。

陛下から体操は何だったのか訊かれ、夕鈴はちょっと体を動かしたいなと思っただけだと応えます。

夕鈴は思い切って陛下に、

「へへへ陛下っ 最近の私に関して変化や気付いたことはありますか?」

と訊ねます。

陛下は、夕鈴を眺めて、

「…いつも可愛い」

と言います。

顔を真っ赤にした夕鈴は、

「やっぱりあまーーーい そして全然現実が見えなーい!!!」

と言います。


夕鈴は陛下から視察に同行してもらうと聞かされます。ここで柳大臣が忠告したいことを取り違えていたことに気がつきます。



●第49話

夕鈴は陛下の視察に同行します。

王都から東に行った壬州(じんしゅう)の閑積(かんせき)という街に来ています。

陛下はずっと仕事をしていて夕鈴は留守番です。


ある日の夜明け、夕鈴は陛下から起こされ目を覚まします。

陛下はちょっと僕の遊びにつきあってと連れ出します。

李順は夫婦演技はいらないと夕鈴にきつく言います。

陛下と夕鈴は二人きりになり街を歩きます。陛下は夕鈴と歩きたかった言います。

李順に言われたのに二人きりになると自然に手をつないでしまい気がついた夕鈴は慌てて手をほどきます。クビになったら大変なので陛下に気をつけましょうと言います。

陛下は夕鈴を抱きしめます。間を置くと演技なんてすぐ忘れるからやめないと言います。

夕鈴はドキドキしっぱなしです。

徐克右(じょこくう)が苦笑いでやって来ます。徐克右は陛下に夕鈴がいるので、妃は閑積に置いてきたかと訊ねます。

陛下は言う気はないようです。

「…まあ そういうことだな」

と言います。

徐克右は絶世の美女見たかったと言います。

夕鈴は黙って陛下と徐克右の会話を聞いています。



●第50話

陛下は知人に会いに行くというので、目的地に移動です。

同行するメンバーは李順、浩大、徐克右です。

船に乗ります。陛下の夕鈴へのスキンシップは激しくなります。

夕鈴は李順に見られたらと必死に陛下から離れます。

陛下は夕鈴の機敏な動きが面白くてたまらないようです。


目的地蓉州(ようしゅう)に到着します。

陛下と李順と徐克右は情報屋のところへ行き、夕鈴と浩大は休憩することになります。

夕鈴は浩大に陛下が徐克右と仲良く話しているところを見て、いろいろ聞いてみたい事があると言います。だけど、バイトの身だから教えてくれない気がすると言います。

浩大は聞いてみるべきだと言います。

陛下が戻り夕鈴は気になる事を訊いてみることにします。

陛下は笑顔で応えます。

夕鈴は自分の知らない陛下を知っている李順と浩大と徐克右がすこしうらやましく感じます。



●第51話

昨夜夕鈴は陛下と話しながら眠ってしまいます。目が覚めると陛下がいてびっくりします。

馬に乗って移動し、目的地に到着します。

李順は夕鈴に陛下が知人のところへ行っている間、雨宣(うぜん)の街で待っているよう言われます。

夕鈴は陛下が会うという知人がどういう人なのか気になります。

徐克右は夕鈴に自分の仕事を手伝って欲しいと言います。雨宣の街で情報収集したいと言います。徐克右は闇商人の居所を探っていて手がかりになる情報を探しています。

特に危険なことをするわけではなく、飲食店で周囲の客の会話を盗み聞きするというものです。

聞こえてくる話は狼陛下と妃の悪口ばかりで、夕鈴は怒っています。

徐克右は悪口ばかりなところが少しあやしいと言います。探している闇商人の特徴として決まって狼陛下や妃の悪評がついてまわるのだと言います。

夕鈴は狼陛下の悪口に怒り、徐克右の言葉に泣かされてしまいます。

陛下が戻ってきて、夕鈴の様子がおかしいのに気がつきます。

夕鈴は笑顔で食べ過ぎて苦しくなったと言って涙の理由を隠します。

陛下はそれ以上追及せず、徐克右の調査に自分も協力すると言います。

李順はやっかいなことになり頭を悩ませます。


陛下と夕鈴二人で行動します。

夕鈴は陛下に知人について訊きます。

陛下は言ってなかったっけ、と夕鈴を抱きしめ、弟だと言います。

蓉州で暮らしていて、晏流公(あんりゅうこう)と呼ばれている、会おうと思ったら難しそうで、会えないなら会わなくてもいいと言います。



●52第話

陛下と夕鈴は調査という名のデートを楽しみます。

水を差す出来事が起こります。賊が陛下と夕鈴を尾行していて、人気の少ないところで襲いかかります。

賊は浩大がやっつけます。ずっと陛下と夕鈴を護衛していたようです。

陛下は内に外に敵が絶えないと冷たい目で静かにつぶやきます。

夕鈴は側にいたいという気持ちを抑えるのが難しくなってきています。



●第53話

陛下は弟晏流公と直接言葉を交わすことはできませんでした。そっと隠れて様子を伺うだけになってしまいました。

陛下と夕鈴は二人で食事をします。

いい雰囲気になり互いが望んでいるものが重なります。本当に口づけするとは互いに思っていなかったようで軽く唇が触れてそれぞれが驚いた表情になります。

「―――――ごめん えっと 今のはやりすぎた」

陛下はなんとか絞り出して言います。

続きます。




可歌まと 狼陛下の花嫁 10巻
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2023年7月12日水曜日

可歌まと 狼陛下の花嫁 9巻

●第42話

汀夕鈴(ていゆうりん)はバイトなので超えてはいけない境界線を気にしています。なのに、陛下(珀黎翔・はくれいしょう)と唇と唇が触れてしまい、激しく動揺します。

陛下は夕鈴を抱きしめて落ちつくように言います。

夕鈴は抱きしめられて余計に混乱してしまいます。


夕鈴は掃除の仕事をして陛下とのことを紛らわせようとします。

陛下の伯母珀瑠霞(はくるか)は陛下と夕鈴に何か仕掛けようとしています。

陛下は夕鈴のことを気にしすぎて調子が悪そうです。

後宮へ行き夕鈴と話をしようとします。

陛下が女官をさがらせます。

夕鈴は、

「―――陛下 私… クビの覚悟はできております。」

と切り出します。

陛下は驚きます。

「だって… 私 バイトの分際で 足を滑らせて 王様の久…っ 唇を奪うなどという大罪を…っ」

と夕鈴は涙目で話します。

陛下は考え過ぎ、事故だからと言います。夕鈴が気にしていたことがわかり少し気が軽くなります。しかし、続いて言ったことでぎこちない関係に戻ってしまいます。

陛下は、「いつも通り」「あれくらいのコト」と言ってしまい、夕鈴が変に気にし始めてしまいます。元通りに戻りたいのに戻れそうにありません。悩みが消えたと思ったのに別の悩みが生まれます。


珀瑠霞は夕鈴を王都の端にある白華園でピクニックに誘います。

夕鈴は紅珠と珀瑠霞の三人だと思っていたのに着飾った女性がたくさんいるので何ごとなのかと警戒します。



●第43話

珀瑠霞の招待で来た女性が夕鈴を見ます。

夕鈴は自分を見る目が語る内容が手に取るように分かります。出来るだけ知らない顔をして視線に耐えます。氾紅珠がいてくれたおかげで居づらさを隠してなんとか過ごします。


陛下のところに周宰相が書簡を持ってやって来ます。周宰相は陛下に珀瑠霞について知っている情報を伝えます。


珀瑠霞は夕鈴を舟遊びに誘います。二人きりになり白陽国(はくようこく)に来た目的を話します。王宮の外で噂されている妃についてどんな人物なのか自分の目で見て判断したいようです。

夕鈴は珀瑠霞の話をまっすぐに受け取り、心の内を隠さず思いを伝えます。

珀瑠霞は夕鈴の反応が意外で噂通りではないことを確認します。


陛下がやって来ます。

珀瑠霞に招かれた女性は陛下に姿に色めき立ちます。

夕鈴は船を降りて陛下の元へ行きます。

陛下は珀瑠霞に勝手にこんな催しを行ったことに不快感を示します。

珀瑠霞は気にすることなく笑顔で対応します。

陛下は夕鈴に後宮に戻るよう言います。

夕鈴は戻らないと言います。そこから二人はまた事故について言い合いを始めます。務めを果たすと言い返すと、陛下は、

「…務めを果たす …か」

とつぶやき、夕鈴を引き寄せ口づけます。

「よかろう …これで許す」

と言い去っていきます。

女性たちは呆然とします。

珀瑠霞は陛下の行動で全てが無駄になってしまったとため息をつきます。

夕鈴は衝撃が大きすぎて気絶してしまいそうです。

氾紅珠は感動と興奮がとまりません。



●第44話

珀瑠霞の催しが終わり、夕鈴は後宮に戻ります。

陛下と昼間の出来事について話します。

陛下はすまなそうにするでもなく、手っ取り早かったからと説明します。

夕鈴は怒りのあまり陛下が見たことのない表情で何かをこらえているのか、噴火寸前なのか陛下を見つめています。恥ずかしいし気まずいのに全然気にしていないと言い残し部屋を出て行きます。


翌日、夕鈴は珀瑠霞に会います。

珀瑠霞は夕鈴に舟で話したことを謝り、その理由と陛下と陛下の母についての昔話をします。

陛下の幼少期の話を初めて聞いた夕鈴は政務室へ向かい陛下に会います。寂しかっただろうと想像し

夕鈴は泣きながら悲しかったらちゃんと言って欲しいと訴えます。

陛下は泣きじゃくる夕鈴を抱き寄せ、

「僕のことなんかで君は泣かなくていいんだよ」

と泣きやむのを待ちます。


珀瑠霞は夕鈴を励まして帰って行きます。珀瑠霞は噂の真相を確かめに来ただけだったみたいです。



●第45話

氾紅珠は陛下と夕鈴の口づけの光景を目に焼きつけ創作活動に熱が入っています。

物語を聞く夕鈴は疲労困憊です。


陛下の夕鈴に対するスキンシップが増えます。

夕鈴は内心ドキドキしていても平常心を装っています。

陛下は夕鈴にまた疑惑の目を向けられたくないので加減はしているようです。


氾大臣は娘紅珠に妃と仲良くするよう言います。

紅珠は兄水月に、

「お父様はまだ私を後宮へ入れたいとお考えなのでしょうか…」

と訊ねます。

水月は可能性がある限りはそうだろうと応えます。


夕鈴が妃の演技を頑張れば頑張るほど陛下が混乱していくのが面白いです。



●第46話

妃の演技に異変が起こり陛下が対応に困っています。

李順はバイト妃に執着する陛下に困り気味です。


夕鈴は浩大に陛下の様子がおかしい帰りが遅いと相談します。

老師が会話に入って来て、夕鈴をあおります。

夕鈴は老師の言葉がすんなりと入って来て、陛下が後宮に戻ってきて疑惑の目を向けます。我慢できなくなり、陛下に直接訊ねます。

陛下は今度直接見に来るように言います。


浩大に連れられ夕鈴が目にしたのは陛下が徐克右(じょこくう)を相手に木刀で実践のように戦っている光景です。

誤解だと分かり夕鈴は安心します。



●第47話

陛下からもう少し妃らしい仕事でもしてみるか? という提案をされ、夕鈴は夕鈴なりに妃演技を頑張ります。

夕鈴の陛下に対する思いはどんどん大きくなります。

続きます。



可歌まと 狼陛下の花嫁 9巻
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2023年7月8日土曜日

可歌まと 狼陛下の花嫁 8巻

●第36話
汀夕鈴(ていゆうりん)は几鍔(きがく)のおばあさんの小間使いをして疲れがたまり体調を崩していたようで、狼陛下(珀黎翔・はくれいしょう)に助けてもらって安心しそのまま倒れてしまいます。
目が覚めたのは自分の部屋で、陛下に助けてもらったあとのことが夢なのか本当にあったことなのか定かではないようです。
几鍔のおばあさんが夕鈴の家にやって来ます。
夕鈴はおばあさんに高商会の主人とその商談相手は捕らえられたと教えてもらいます。
おばあさんは夕鈴に几鍔の嫁に来るよう言います。
夕鈴は断ろとしてもおばあさんは聞く耳を持っていません。
陛下が部屋に入って来ます。そして、おばあさんに耳打ちし、少し外で話しませんかと言うと、おばあさんは従います。
陛下は夕鈴に几鍔のお嫁に行きたいか訊ねます。
夕鈴は全力で拒否します。
陛下は几鍔のおばあさんと話をつけます。

徐克右(じょこくう)が夕鈴を訊ねてきます。いろいろ行き違いがあったことを詫びて、夕鈴に応援していると伝えます。

陛下は夕鈴に几家のおばあさんとの結果を話します。
夕鈴はあっけないほど短時間で話し合いを済ませた陛下に驚きます。そして、おばあさんの所へ行き自分の口で断ってくると言います。

夕鈴は夢なのか現実なのかわからない、陛下との出来事を思い返し顔を赤くします。


●第37話
夕鈴は後宮に戻ります。政務室を訪れると、狼陛下が臣下を震え上がらせています。
陛下は夕鈴を見つけ、今日は忙しいので後宮へ戻るよう言います。
夕鈴は妃演技をします。
陛下は今までとは異なり、触れたり甘い言葉をかけたりしません。
夕鈴は混乱します。

陛下が後宮に来ることが少なくなります。
夕鈴は李順に相談します。
李順は何の感情もなく陛下を煩わせないようにと言います。
夕鈴は自分が陛下のことが好きだと李順にバレたらすぐに首になってしまいそうだと心配します。

その後も陛下は後宮に姿を見せません。
夕鈴の憂いは募ります。

周宰相が夕鈴に予言めいた助言をします。
夕鈴は助言通りに陛下に言うと、すこし時間を作ってくれます。
夕鈴は陛下に、
「く…っ クビでしょうか 私!!!」
と胸の内に秘めた思いを打ち明けます。
陛下はびっくりします。なぜそうなるのか訊ねます。
夕鈴は下町から王宮に戻ってからよそよそしい感じがする、知らない間に妃失格な事をしでかしてしまったのではと取り乱します。
陛下は夕鈴を落ち着かせ、下町での自分の振る舞いが夕鈴を困らせて熱を出させてしまったことを反省して、適切な距離を取ろうとしたら加減がわからなくなってしまったと言います。
夕鈴は、
「陛下にされてイヤなことなんて 何も――――――」
と言います。
いい雰囲気になります。
陛下は夕鈴を抱き寄せようとします。
夕鈴は陛下をさらりと交わします。
陛下は通じ合わない気持ちが言葉にならないようです。まあいいかと諦めの気持ちもありそうです。


●第38話
白陽国に夏がやって来ます。
陛下は夕鈴に星祭りという祭祀があって、避暑も兼ねて離宮に行かないかと話します。
夕鈴が楽しみにしていると、李順が公務だから浮かれて羽目を外さないようにと注意します。

星離宮にやって来ます。
陛下と妃を迎えた離宮の人達は皆顔色が悪いです。
夕鈴は星祭りのための勉強が始まります。
陛下は祭祀を行う日まで夕鈴と楽しく過ごせると思っていたのに、夕鈴の勉強が終わらないので暇を持て余します。
星離宮ではなにやら不吉な事態が起こっているようです。


●第39話
星離宮の人達は不吉な出来事が起こり、幽霊やら祟りやら騒いでいます。ずっと顔色が悪いです。
原因は陛下の妃を狙う者の仕業でした。
祭祀は執り行われ、夕鈴は与えられた任務を果たすことができます。
星祭りのあと陛下は夕鈴と星を見に行きます。
夕鈴と二人で星を見るの楽しみにしてたんだと言う陛下の微笑む表情を見た夕鈴は気持ちを抑えるのに大変そうです。


●第40話
陛下の伯母珀瑠霞(はくるか)がやって来ます。
夕鈴は挨拶だけのつもりだったのに、相手に圧倒され会う約束をしてしまいます。
珀瑠霞が陛下のどういうところが好きなのかと訊ね、夕鈴は演技だとしつつ本当の気持ちを口にするところが面白いです。
珀瑠霞は何か企んでいるのかなとも思えます。


●第41話
氾紅珠を交え、夕鈴、珀瑠霞の三人でお茶会が開かれます。
夕鈴は二人のきらめきで精神をすり減らしています。陛下の役に立ちたい思いで頑張ります。

珀瑠霞の夫を少し困らせてみようという提案で夕鈴は断り切れず受け入れてしまいます。
珀瑠霞は夕鈴に大胆な衣装を着せて陛下を迎えるよう言います。
夕鈴は恥ずかしそうに陛下を迎えます。
陛下は
「―――――… 君にはそんなの必要ないけどね」
と言います。
夕鈴は否定されたと思ってしまい、
「――――― そ そうですよね! バイトですもんね」
を落胆を隠し、明るく振る舞い、すぐ着替えてくると逃げるように走り出します。
陛下は夕鈴を引きとめます。誤解があったと感じ解こうとします。
「――――咎めたわけではない ただ 必要ないと言っただけだ 君がそこにいてくれるだけで 私はいつだって君に驚かされている それだけで 私には …充分だ」」
と言います。
夕鈴の鼓動は速くなり、焦っていっぱいいっぱいになりそこで事件が起きてしまいます。
夕鈴は足を滑らせてしまいます。
陛下は夕鈴を支えようとします。
しかし、態勢が悪く、運も悪く、陛下の唇と夕鈴の唇が触れてしまいます。
続きます。


可歌まと 狼陛下の花嫁 8巻
(アマゾンのサイトに移動します)

2023年7月6日木曜日

可歌まと 狼陛下の花嫁 7巻

●第30話

ようやく二人きりになり陛下は夕鈴に怒っている理由を問いつめます。

周宰相がやって来ます。夕鈴に不吉な予言をした官吏です。

夕鈴は官吏だと思っていた人物が大臣の中でいちばんえらい人で驚きます。

周宰相は陛下に署名が欲しいという用で来ました。

陛下が内容に目を通している間、夕鈴と周宰相は話をします。周宰相は新たな不吉な予言をします。

陛下は二人の話を遮ります。周宰相に詳細の説明を求め執務室に向かいます。

夕鈴は一人取り残されてしまいます。

陛下は周宰相の用を済ませ、戻ると夕鈴が一人でお酒を飲みいい具合に酔っ払っていました。昼間の宴で両隣に女性を座らせていたことが夕鈴を怒らせた理由だとわかり、宥めるように言って聞かせます。

夕鈴は納得がいかないものの仕方ないことだと思うことにし、この話を終えます。


夕鈴は春の宴を機に、柳方淵と氾水月は仲良くなると思っていたのに、全く変わったところもなく残念そうです。



●第31話

夕鈴はがんばったのに手ごたえがなくて、その理由を探し始めます。陛下に関する調査が足りないからだと考え、聞き込みを始めます。

氾水月の妃の評価が面白いです。



●第32話

夕鈴の弟汀青慎(ていせいしん)から手紙が届きます。何かもめ事があったようで戻ってきてほしいという内容です。

夕鈴は陛下にお休みの許可を求め、家に帰ります。

夕鈴の父が几鍔(きがく)のおばあさんが怪我させてしまったようです。

夕鈴は謝りに行きます。

几鍔のおばあさんは夕鈴に気が済むまで小間使いをするよう言います。

一日でへとへとになります。いつまで続くのかと考えてしまいます。


陛下がやって来ます。来てはいけないのに来てしまいます。

陛下は全然大丈夫と笑顔です。夕鈴に解決してあげようかと持ち掛けます。

夕鈴は断ります。

陛下は頼ってくれない言うことをきかない夕鈴が愛しいようです。



●第33話

陛下は夕鈴が頼って来るまで王宮に戻るつもりはないようです。

夕鈴は下町の友人明玉(めいぎょく)に会いに行きます。酒場のような場所で知った客がたくさんいます。

明玉は夕鈴を、下町の悪女と呼びます。客のひとりに夕鈴を紹介します。初めて見る顔で当たりのよさそうな男性です。

馴染みの客が明玉に、

「しかし 明玉! 夕鈴ちゃんを後宮の悪女と並べちゃいかんだろう」

「そりゃ あっちの相手は狼陛下ですもんねえ」

夕鈴にとって聞き捨てならない言葉が飛び交います。

狼陛下のお妃様が下町では有名で、狼陛下を手玉に取ってやりたい放題していると噂されています。

夕鈴は驚いています。

夕鈴が紹介された客は、

「―――――笑い話で済むうちはいいが 王が美女に溺れて国を傾けるなんて事にならなきゃいいがな」

と夕鈴の背筋がヒヤッとするようなことを言います。

夕鈴を監視している浩大は男を見て何か思うところがあるようです。


陛下は几鍔に接触します。宿に戻ると夕鈴が待っています。

夕鈴は男が言ったことが気になり、陛下に臨時花嫁を甘やかしすぎていると王宮に戻るよう説得します。

夕鈴は帰ろうとすると陛下に日没の閉門に間に合わないと言われ、翌朝の開門まで陛下が取った部屋で過ごすことになります



●第34話

部屋は夕鈴に譲り、陛下は出て行きます。外で待機していた浩大から酒場の男の報告を受けます。


翌朝夕鈴は家に戻ります。酒場の男に出会います。

男は狼陛下の話を始めます。

夕鈴の知らない陛下の母、兄の話です。陛下の家族の話は聞いた事がないから、話したくないことなのか、そもそも臨時花嫁だから話す必要がないと思われているのか、夕鈴はさみしさを覚えます。


おばあさんは夕鈴を連れ商売敵の高商店の店主を偵察に行きます。高商店の店主が料亭に入っていくのを確認し、何を話すのか盗み聞きするつもりです。

相手に盗み聞きしているのがバレてしまいます。高商店の店主と一緒にいるのは酒場の男です。



●第35話

夕鈴とおばあさんは捕らえられてしまいます。

夕鈴は浩大が近くで監視していて陛下に知らせるだろうから、陛下に助けてもらうと後でちくちく言われるのが嫌なので自力で脱出しようとします。縄をほどくと、おばあさんもほぼ同時に縄をほどきます。

高商人の店主と相談していた相手は几家の女主人をこの都から消してしまおうと言います。

夕鈴は自分が囮になるからおばあさんはその隙に逃げるように言います。おばあさんを逃がし、夕鈴も逃げようとします。しかし、酒場の男に見つかってしまいます。囲まれて逃げ場がなくなったところで陛下が助けに入ります。

酒場の男は陛下を見て驚きます。

陛下は夕鈴に、

「そっちの 人の話を聞かないで 危険に自ら頭をつっこんでいく困ったお嬢さんは後で少し覚悟をしておけ」

と言います。

夕鈴は陛下が助けに来てくれたのにそんなことを言うから怖がっています。

商人の手下が陛下に襲いかかります。

酒場の男が味方である商人の手下に剣を向けます。男は、

「―――心臓に悪い現れ方せんで下さいよ こんな所で何をしてんですか あなたは」

と陛下に言います。陛下のことを知っているようです。

陛下と男で商人たちを捕えます。


男は徐克右(じょこくう)という陛下の臣下です。下町で諜報活動をしていたのでした。

徐克右は陛下に夕鈴について訊ねます。

陛下はそれっぽいこと、夕鈴は下町で私の内密行動の協力者だといいます。

スラスラと即席で作り上げていく夕鈴という人物の説明をそばで聞いている夕鈴はようやく緊張から解放されたからか、朝から頭がクラクラしていたのがまた始まります。

陛下は夕鈴の様子がおかしいのに気がつき、抱き寄せ、

「―――どうした 大丈夫か?」

と訊ねます。

夕鈴は徐克右が見ているから必死に陛下から離れようとします。しかし陛下は離そうとしません。そのまま徐克右に、

「――――…克右 詳しい話は後だ 今回の件の収拾にあたれ」

と命じます。

徐克右は陛下の命令に従いその場を離れます。

夕鈴は徐克右に変に思われたと泣きながらグラグラする頭で陛下に放してと言います。

陛下は、いやだ、と夕鈴を強く抱きしめます。

続きます。



可歌まと 狼陛下の花嫁 7巻
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2023年7月4日火曜日

可歌まと 狼陛下の花嫁 6巻

●第25話

夕鈴は仲の良い夫婦の演技に磨きをかけようとします。それなりに手ごたえを感じています。

陛下は無理とかしないで、今まで通りに後宮で過ごしてればいいよと言います。夕鈴が家出から戻ってきてから何かと気づかい、甘やかそうとします。

しかし、夕鈴はプロの臨時花嫁を目指すと言います。

陛下はそんなのになるのやめなよ、夕鈴っぽくないしできる気がしないと言います。夕鈴が本気なんですと言うと、じゃあ今から夫婦の演技を練習しようと言います。

練習はあまりうまくいきませんでした。

その後もプロの妃を目指す日々が続きます。

陛下は負担をあえて増やさなくてもいいと言います。

夕鈴は陛下の役に立つことでしか側にいられないから、がんばるしかないと思っています。

陛下と夕鈴の演技の特訓が密かに火花を散らしています。



●第26話

春の宴の準備は柳方淵と氾水月に任せられています。

柳方淵と氾水月は互いの案が譲れなくて話が進みません。

夕鈴は口論する二人の間に立って精神をすり減らしています。それでも何とか春の宴を成功させるためがんばります。

陛下は自分そっちのけで夕鈴が柳方淵と氾水月につきっきりでいるからすねています。夕鈴に諦めればいいと言います。

夕鈴は陛下の側にいるためにがんばっているのに、春の宴などどうでもいいと言われたり、初めて会った官吏に不吉な予言をされてしまうし、うまくいかないことばかりです。



●第27話

夕鈴は今日は柳方淵と氾水月はどんなことで揉めるのかと考えると気が重そうです。

後宮では陛下が夕鈴に政務室に行くのを止めようとします。

夕鈴は政務室に行くと自分に関することが書かれた怪文を見つけます。不安になり李順に相談すると、気にするなと言われます。

官吏に不吉な予言をされるし、怪文が出回るし、柳方淵と氾水月が完全に決裂してしまうし、よくないことが続きます。

ふらふらになった夕鈴は歩いていると、声をかけられます。

柳方淵の兄経倬(けいたく)と名乗ります。経倬は春の宴の準備の人選は誤りであり、今からでも別の誰かに託すべきだと話します。

夕鈴は陛下の優秀な臣下である柳方淵と氾水月二人の作る陛下のための宴が見てみたいので、他の方にお任せしたいとは思わない、と応えます。

柳方淵がやって来ます。

「―――お妃様 …その者に近付くのは推奨致しません ものすごい馬鹿なので話すだけ無駄です」

と言います。

夕鈴は柳方淵の言い方に驚きます。

柳経倬は怒って、

「ひ…っ 久々に口を開いたと思ったらおまえ…っ」

と言います。

「――――――一体 何の集まりだこれは ―――我が妃に何用か?」

そこに陛下がやって来ます。

柳経倬は陛下のひとにらみですくみ上り、しどろもどろになり去っていきます。

「…小物だな」

と言う陛下に、

「小物にございます」

と柳方淵は応えます。

夕鈴はまた柳方淵の言い方に驚きます。

陛下は夕鈴を抱きかかえて連れていきます。

氾水月がひょっこり姿を見せ柳方淵に近づきます。陛下が怖くて隠れていたようです。

氾水月は柳方淵に王宮の誰一人として柳家と氾家が協力するなんて思っていないだろう、妃にああまで言われたら期待に応えていかなくてはと言います。

柳方淵も同意します。



●第28話

頑張って準備した春の宴に夕鈴は出られません。宴終了の際一瞬だけ顔を出すのみです。

浩大はかわいそうだからと夕鈴を下っ端侍官の変装をさせて後宮を連れ出し、春の宴の陛下が見せたくないものを見せてあげようとします。

夕鈴は陛下の様子を見ることができます。陛下の両隣には美しい女性が寄り添っています。陛下が夕鈴に見せたくないものとはこういうことなのだと受け取ります。

浩大はなぜ陛下の側に女性がいるのかわからず、焦っています。夕鈴に見せたいのはこういうことではなく癖の強い大臣たちの様子だったのに、女性と宴を満喫している陛下を見せてしまい困っています。

浩大は飲みものを買いに行きます。

夕鈴はふらふらと歩いていると迷ってしまいます。突然手を引かれ口をふさがれてしまいます。

「――――――君は 私を驚かせるためにでも存在しているのか」

陛下です。小休憩中に夕鈴を見つけたようです。

陛下は夕鈴の様子がおかしいので問い詰めます。

夕鈴は女性と楽しそうだった陛下に怒っています。だけど、それは言わず、

「私がいては宴が楽しめないでしょうからっ この後はおとなしく待機してますのでご安心を!」

と言います。

陛下は夕鈴の怒っている理由を知りたくてあきらめずに問い詰めます。

すると、

「―――狼、陛下の女ったらし…!!」

と夕鈴は涙をいっぱいにためて言うと走って逃げていきます。

陛下は何が何だかわかりません。浩大に後で聞くつもりのようです。


柳方淵の兄経倬(けいたく)は何か画策しているようです。

最後の夕鈴と浩大の会話が面白いです。



●第29話

夕鈴は李順から花駕籠に乗って宴会場へ行き、陛下に花の枝を渡すという役目を任されます。

出発だという時に駕籠が壊れてしまいます。

柳経倬の仕業です。駕籠を壊して妃を足止めし、代わりに柳家に都合のいい娘を陛下に送り込む計画です。

駕籠が壊れたと報告を受けた柳方淵は時間を稼ぐよう指示します。

柳経倬は柳方淵に話しかけ、自分が仕掛けたことだと言います。

官吏が柳方淵に、妃がこちらに向かっていると報告します。

報告を聞いた柳経倬は驚いています。妃が歩いて宴会場に向かっているからです。

柳経倬の計画は失敗に終わります。


夕鈴は無事陛下に花を届けます。春の宴は成功を収めます。

女官から今日は後宮に戻らず、陛下と二人だけの花の宴を過ごすよう言われます。

続きます。



可歌まと 狼陛下の花嫁 6巻
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2023年7月2日日曜日

可歌まと 狼陛下の花嫁 5巻

●第19話

陛下と夕鈴は温泉旅行から戻り、後宮でのいつもの生活に戻ります。

夕鈴は仲良し夫婦の演技がまだうまく出来ず陛下に申し訳なさそうです

陛下は特訓でもしてみる? と夕鈴に言ってみます。

夕鈴は成果が出せそうにないという表情で陛下を見ます。

突然、

「へぇ 狼陛下が妃を雇ったって話し本当だったんだ なんかの冗談かと思ってた!」

と言う声が聞こえ、夕鈴はいつの間にか部屋に人がいるのに気がつきます。

浩大(こうだい)という陛下の隠密です。


夕鈴は浩大に陛下との仲を訊ねられ、ただのバイトで陛下と夫婦の演技をしているだけと応えます。

浩大は一人を雇い続けているから本物の夫婦なのだと思ったようです。

「やっぱりアンタでもダメなんだな 陛下も相変わらずか つまんね」

と言います。

夕鈴は浩大の言いように腹を立てます。

陛下は気にしないでと言います。


それから陛下は浩大が戻ってきてから後宮に姿を見せなくなります。

夕鈴は仕事だから仕方ないと思いつつも、昼間浩大から陛下とずっと酒を飲んで遊んでいると聞いて後宮に一目でも姿を見せてくれないことに腹を立てます。浩大に、

「陛下はお友達とのお喋りの方が楽しいみたいですから」

と言います。

でも浩大は友達ではない、あんな人の友達には頼まれてもなりたくないと言います。そして窓から出て行き屋根をつたってどこかへ行こうとします。

夕鈴は屋根に上り浩大を追いかけ、文句を言います。陛下は楽しいんだろうなと思っているのに浩大はそうでもないと言ったのが夕鈴を怒らせてしまいました。


浩大は陛下に対してこんなことを言う人は見たことが無かったようで、夕鈴はもしかしたら陛下の本当の妃になるのではと期待しています。


●第20話

夕鈴は後宮立入禁止区域でいつものように掃除して、老師と浩大が陛下と夕鈴の仲をからかってという日常が続いています。

人間関係でピリピリしているのは夕鈴だけではなく、陛下もピリピリして機嫌が悪いです。

春の宴を開催するのに総指揮を名乗り出ている二人の人物についてです。中央行政の中心人物の柳大臣、国内で最も歴史ある名家氾大臣の二人です。二人のせいで王宮は二派の勢力争い状態になってしまっています。

夕鈴は自分のわかる感覚で宴会の幹事を取り合っている感じを想像しています。陛下の役に立ちたい思いで氾紅珠にそれとなく春の宴について話すと、後日、氾大臣と柳大臣と会って話すということになってしまいます。

陛下が助けに入ってくれてなんとかその場を逃れることができます。

李順からも夕鈴は勝手なことをするなと言われてしまいます。


後宮で夕鈴の部屋に陛下がやって来ます。

二人きりなのに王宮での狼の陛下で夕鈴に話します。

夕鈴は狼の陛下の前では身がすくんでしまいます。なんとか話題を探し、昼間の柳大臣と氾大臣の話を持ち出そうとします。

陛下は、その話はいい、君が関わる必要のない問題だと言います。

夕鈴は陛下の言葉に心が痛みます。何もせず後宮にいるだけでは陛下のことかわらないままだと言い返します。

陛下は何を思ったのか夕鈴の鼻を咬みます。

夕鈴は一瞬何が起こったのかわからなくなります。確かに鼻を咬まれたとわかり、取り乱してしまいます。

「嫌い! 狼陛下なんか 大っキライ!」

と大暴れします。

陛下は夕鈴を止められなくて、部屋を出て行きます。

夕鈴は家出をします。



●第21話

王宮内で柳家と氾家が対立する中、夕鈴は氾紅珠の邸に逃げ込みます。

李順は夕鈴の書置きを見て激怒します。

陛下は遊びに行っただけだ、落ち着いたら戻ると言うので少しの間放っておけと言います。


夕鈴は鼻を咬まれて陛下の顔がまともに見れず夫婦の演技ができなくて仕事を放り出して申し訳ない気持がありつつ感情がうまく抑えきれずにいます。


夕鈴は氾紅珠から一番上の兄氾水月を紹介されます。

氾水月は妹紅珠の邸に滞在する女性が妃だとわかるとじっと夕鈴を見つめます。紅珠とともに人から聞いた陛下が話す妃について話し始めます。

夕鈴にとっては初めて聞く話で、自分がいないところで陛下は何を言っているんだと顔を赤らめます。

氾水月はそんな夕鈴を観察しています。


柳大臣に妃が氾家息女の私邸を訪問していると報告が入ります。

氾大臣は陛下から娘に妃を丁重に尽くすよう伝えよと言われます。


氾水月は夕鈴の話し相手になります。

浩大が氾家の警備をかいくぐり夕鈴に会いに来ます。

夕鈴は感情を整理してすぐに後宮に戻るからと言います。

浩大は夕鈴は特殊で特別なんだから陛下を困らせてやればいいと言います。


氾水月は夕鈴に少し落ち着かれたでしょうかと、陛下とケンカのようなことでもして後宮から出て来たのだとなんとなく察して訊ねます。そして、陛下とケンカなどすごいことだ、恐ろしくはないのですかと訊ねます。

夕鈴は、

「陛下は怖いけれど 理由なく他者を虐げたげるようなひどい方ではありません」

と応えます。

氾水月は夕鈴が妃だと知ったとき、どうしても自分の知る陛下と結びつかなかったと言い、

「お好きなのですね 貴女は あの方が恐ろしくても冷たくても」

と言います。

夕鈴は意図とは違った反応をする氾水月に動揺させられて、妃としての答え、自分の本当の気持ちが重なり、

「――――は い  好き… で  す…」

と言葉にして言ってみます。夕鈴の落ち着きかけた心が再び暴走してしまいます。

夕鈴は氾水月と話すうちに陛下を好きだという気持ちを口にし動揺が収まる気配がありません。


浩大は陛下に夕鈴が元気であると報告します。



●第22話

夕鈴は恐ろしい夢で目を覚まします。

氾紅珠がやって来て陛下から贈られた花を届けます。

夕鈴は早く戻らなくては、でも心が落ち着いてくれないと焦りばかりが募ります。

王宮から使者がやって来ます。柳方淵です。

柳方淵は怒りを込めて妃を批判します。

夕鈴は言い返したいのに何も言い返せません。

氾水月が助けに入ります。

柳方淵は氾水月にも言いたいことを言って帰っていきます。

氾水月は夕鈴に柳方淵の言いたい放題の言葉の裏に忍ばせた感情を読み取り説明します。

夕鈴は妃の置かれている立ち位置を知ります。家出をしたという自分の行動が意図せず王宮に大きな影響を与えていることに気がつきます。


夕鈴は与えられている自室で陛下に大きな迷惑をかけているから今すぐにでも王宮に戻らなくてはいけない、気持ちを切り替えて、妃を演じなくては考えています。

再び王宮から使者がやって来ます。

夕鈴は使者は李順だと思い必死に謝ります。

使者は陛下で自ら夕鈴を説得するためにやって来ました。

夕鈴は馬車に乗せられ王宮に戻ります。



●第23話

馬車に乗せられ後宮に向かう夕鈴は戻ったら李順にクビを言い渡されると確信しているのでビクビクしています。

馬車を刺客が襲います。

「――――その中に妃がいるな? 殺せ!」

刺客が夕鈴を狙っています。

「ありゃりゃ 空気読まねえ お客さんだな――」

浩大が馬車を護衛していて刺客と戦います。

陛下も馬車を出て浩大とともに刺客と戦います。

刺客は妃ひとりだけだと思っていたようで、護衛が現れたので全員逃走します。


後宮に戻ると報告を受けた李順が激怒しています。刺客が柳大臣の命令で動いていたなら非常に厄介な問題だと言います。


翌日、陛下は柳大臣と妃について雑談をします。


後宮では夕鈴が落ち込んでいます。刺客が襲ってきたあとどうなってるのか教えてもらえず、できることもなくて、自分から臨時花嫁を辞めると言うべきなのに辞めたくなくて泣いています。

そばで浩大が聞いています。浩大は夕鈴がどれだけ特別ですごい人なのか説明します。

夕鈴は陛下に会いに行きます。


夕鈴は再び氾家の紅珠の邸に行きます。

柳方淵は官吏が妃がまた氾家の屋敷に行ったと話しているのを聞きいらだった表情をしています。

夕鈴は氾紅珠に少しお願いがあると言います。

氾紅珠の兄水月のところにも夕鈴がまた紅珠の邸を訪れたと報告が入ります。


夕鈴は氾紅珠に手薄な警備の邸内を自由に行動している妃を演出してほしいとお願いします。陛下には相談して囮になるから刺客を捕え、首謀者の名を吐かせてほしいとお願いします。

夕鈴の思惑通、刺客は再び夕鈴を襲います。

陛下と浩大は今度は逃がしません。刺客全員を捕えます。

夕鈴には別の思惑もあります。陛下の役に立てれば側にいられると考えています。だから今回の刺客を捕えるための囮になったのでした。

捕らえた刺客に誰の差し金なのかと訊くと、

「…っ 柳だっ 柳大臣に命じられて」

と言います。



●第24話

刺客の言葉を聞いて陛下と李順は今回の犯行は柳大臣ではないと断定します。

柳家と氾家の二大勢力を追い落とそうとする人物が画策したのでした。

用意周到に実行しても上手く行くはずがないのに、二大勢力を排除するという大それた計画は失敗に終わります。


柳方淵が政務室で官吏が妃のことを話していたとき、いらだった表情に見えたのは、妃に対してではなく噂話をしている官吏が誰なのかを確認する表情だったのだとここで判りました。


陛下は夕鈴に柳大臣が本気で妃を狙うならこんなまわりくどいことはしないと言います。

夕鈴は陛下の柳大臣に対する敵対しているからこその信頼を感じてびっくりしています。


氾水月が陛下の前にやって来ます。

夕鈴が氾紅珠に頼んだことはすべて水月が采配したことのようです。

陛下と氾水月、陛下と夕鈴のやりとりが面白いです。

陛下の言葉に氾水月が感動しているところがよかったです。


春の宴について、陛下は柳大臣と氾大臣を呼び、夕鈴の意見を聞かせます。

夕鈴は柳方淵、氾水月の二人を春の宴の責任者に任命してみてはと意見します。


氾水月が出仕するようになります。

何を言っても出てこなかった水月を動かした夕鈴は李順にほめられます。

続きます。



可歌まと 狼陛下の花嫁 5巻
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