江川太郎左衛門の足跡と中浜万次郎(ジョン万次郎)が旗本に取り立てられ縁談が成立する所から始まり、宇和島藩には村田蔵六がやってきて藩校で蘭学を教え、要塞計画を練り、嘉蔵とともに蒸気船を造りに着手します。
プチャーチンはギャグ担当の立ち位置で、この時の日本の外の動きを面白おかしく描いています。
リアルタイムで情報が入らない時代の時間の流れを知りたくなります。
嘉永七年(一八五四)一月六日、ペリー二度目の来航。
このときになってようやく幕府は慌て始めます。
国際法という西洋のルール。
強引すぎる勝手なルールだけど、その中で懸命にペリーの要求を最小限のものにしようとする交渉の様子が描かれています。
どんな会話がなされたか、力関係はどんなだったか、国と国の交渉での駆け引きよる熱さが面白いです。
蒸気船の内燃機関を日本人が初めて目にした時の自分たちの想像を超え理解できない仕組みに恐怖する者、嘔吐する者が出たという説明は、当時の日本と西洋の文明の差を感じとれるいい場面でした。
シーボルト・イネが村田蔵六の元に弟子入り。イネがこれまで感じていた劣等感、日本人から蔑みの目を向けられる容姿に対しての救いにも似た村田蔵六の答えに涙が出ました。ボケも入りつつなので泣き笑いの状態で、とてもいい場面でした。
ペリーとの領土主権の交渉では、アメリカの口先だけで小笠原諸島を持っていかれてしまうところを、日本の側の決定的な証拠の提出によって回避し領土をかすめ取られることはありませんでした。
しかし、その決定的な証拠はこれまで江戸幕府が迫害し、殺した多くの日本人の中にいた人物であったことがわかります。
この話にも胸が熱くなりました。
事件が起こるまで、起こってからの説明が丁寧でどうして、なぜ、と抱いていた疑問が、知らなかった人物の実績が、風俗がわかりやすく、面白く描かれています。
みなもと太郎 風雲児たち 幕末編 5巻
(アマゾンのサイトに移動します)
0 件のコメント:
コメントを投稿