登場する人物に愛嬌があってどんな活躍で楽しませてくれるのかと期待してしまう読み応えのある作品です。
幕府側、ロシア側それぞれの立場からの事情を描いていてとてもわかりやすいです。
佐久間象山という人物、日本の歩むべき道を過激だけど最善といえる方法を論じた意見書は幕府にこれの意図するものを読み取れる人物がいたらどうなっていたのだろうと思わずにはいられない話でした。
作者も言っているけど、その後の歴史を知っている立場から見ると、これほど先見性のある人物はいなかったと思えます。
アヘン戦争の二の舞になると考えるのが普通で、戦いによってこの国は目覚める、そして自分たちはこの戦いで死ぬことになるなど国を見据る姿勢に感動します。
250年抑えつけられて幕府が意見を求めても藩を取り潰す理由になるかもしれぬと恐れ、自分たちのことばかり考え、それ以外のことはまともに考えようとしない諸藩の姿勢からみてもかなり特殊だったと言えます。
Presidentという単語を訳するのに大統領という新しい日本語を誕生させたときの出来事が面白く、出島の商館長クルチウスの言葉に感動し、川路聖謨のプチャーチンへの啖呵の場面が興奮しました。
みなもと太郎 風雲児たち 幕末編 4巻
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