黒沼爽子のふとした表情が多部未華子にどんどん似ていってる気がします。
爽子のことが好きすぎてちょっとおかしくなっている風早と、風早を手のひらでコロコロ転がして楽しんでいるあやねとちづとケントが面白かったです。
夏休みの夏期講習。勉強に疲れ、うなだれるちづ。
「じゃあさ海にでも行こっか?」
とケントの誘いに、意外にも爽子が手を挙げて、小さな声で行きたいとささやきます。
そんな爽子に衝撃を受ける風早。
ケントと爽子と三人で行こうとするちづに慌てて、
「おっ、俺も行く!」
と風早が言ったのが面白かったです。
海で、あやねが爽子の制服をちゃちゃっと着崩して風早に感想を求めるところも面白かったです。
龍が突如やってきて、ものすごくかっこよく、ちづをさらって行きました。
会話のあと、いつもはあまり表情を表に出さない龍はちづに背中をむけて、どんな顔をしていたんでしょう。
龍は嬉しいときどんな顔をするんだろう。
風早の家に行くことになった爽子。
「今日の私…どっどうかな!?」
風早の応えがやっぱりおかしなことになっています。
赤面する風早、緊張して妄想して大忙しの爽子。
家について風早のお母さんとの会話のあと、
「黒沼に良く思われたいもん!」
のセリフで風早がおかしなことになっている理由がわかりました。
「爽子」と下の名前で呼んだことがうれしかったという爽子と、「爽子」と風早が呼んだ時の記憶が別のときのものだったというエピソードで、そういうことってあるなと思いました。
おなじような出来事があって、それぞれが別の時点での生じた感情を大切にしていて共有していると思ってしまいます。
あるいは、なにげなく呼んだことが相手の心には残っていて、覚悟を決めて下の名前で呼んだときは相手は知らなくて。
おんなじことを共有していると思ってじつはズレていた。
つながっていたようで、重なっていただけで触れていない、口にして知らなかったもうひとつを知り、より嬉しさが増した。
いい場面ででした。
2学期が始まり、修学旅行のことで生徒が皆浮き足立っています。
龍との距離がなんだかぎこちないと感じるちづ。
ぎこちなさそうにしているちづを見てうれしそうな龍。
ちづと龍はどんなかたちで届くんだろう。
あやねのほうは自分から好きになる恋を始められるのかな。
椎名軽穂 君に届け 13巻
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