2022年7月4日月曜日

草凪みずほ 暁のヨナ 32巻

戒帝国との戦に向けて準備を進めているところで問題が起こります。

ヨナがその問題を知ってしまいます。

ハクも四龍もヨナの様子が変なことは感じていますが、それが何なのかはわかりません。

それぞれが不安定な状態です。




スウォンはケイシュク参謀にジェハとグンテ将軍の対戦を観て、何か言いましたかと尋ねます。

ケイシュクは、グンテに少し試合前にお願いしました、と答えます。

スウォンはケイシュクの意図に理解を示します。

隣で聞いていたヨナはスウォンに、

「…なぜ ケイシュク参謀の勝手を許しているの…?」

と尋ねます。やや沈黙があって、必要だったからと答えます。

これ以上の会話を嫌がったのかスウォンはヨナが座る席の位置について尋ねます。

ヨナは、

「私は案内された席に腰掛けているだけ それで どう思われようとも大したことじゃないわ」

と答えます。

ケイシュクが口をはさみます。

「しかし 客席で見ている雷獣はそう思っているでしょうか…?」

ヨナは、

「ハクは貴方の思い通りになんかならない」

と返します。

ケイシュクは考え違いをしているように感じます。自分の考えが間違っていないと確信しているから仕方ないです。


キジャはさらに攻撃を加速させます。ジュド将軍は防戦一方です。

ジェハもキジャを見て派手に暴れます。グンテ将軍はジェハの蹴りの威力に驚いています。

攻撃は休むことなく続きます。

闘技台の床が壊され、砕け散った岩のような大きな塊や破片が観客席やスウォンのところまで飛んできます。

この状況を見てようやくケイシュクが慌て始めます。しかし、判断を誤っていて、ヨナ、スウォンを守り、ハクを監視しろと兵士に命じます。

観客は岩や石が飛んでくるので逃げ出します。

大きな石が飛んできます。ハクが片手で岩を受け止めます。立ち上がると即座に兵士がハクを制止しようとします。兵士はハクを警戒しすぎて周りが見えていないようで、飛んでくる岩にも気づいていません。ハクが兵士の顔すれすれで岩を防ぎます。

「前見とけ 危ねえぞ」

ハクは兵士に注意します。


ジェハはグンテにわざと斬られ、キジャは力尽きて倒れます。

ハクがジェハのもとに駆け寄ります。

ケイシュクはハクが動いたのを見て、兵士にスウォンを守るよう命じます。

スウォンはケイシュクに、

「彼は今 私の事など眼中にありません」

と言います。

スウォンはキジャとジェハが派手に暴れ、次の対戦ができなくなるくらい闘技台を派手に破壊したのは、シンアとゼノの能力を見せたくないのだと分析します。

一般の観客には四龍の力のすごさを充分に示すことができたのでケイシュクの目的は達成できました。


ハクはジェハを起こし話しかけます。

グンテがジェハを、ジュドがキジャを抱え、医療班に引き渡します。

ハクは闘技台からヨナを見つめます。あまりに離れて所に座っているのを見て、どうしたら近くに行けるのか考えます。

ハクは監視する兵士に夜話があるから来てくれと告げ、部屋に戻ります。



日が暮れ、グンテは妻ユウノとともにスウォンに会いに行きます。

グンテは四龍の能力の恐ろしさを話します。他国に渡してはならない、ヨナ姫が四龍を従えた経緯が気になると言います。



夜、ハクの部屋に監視していた兵士が訪れます。兵士の名はラパと言います。

ラパは緊張した面持ちでハクが何を言うか待っています。

ハクは、

「俺を空の部族軍に加えてくれ」

と言います。そして、ユンの医術を学ぶ約束を果たせと言います。

ハクは、ヨナの側にいるために軍の一番下から駆け上るのが手っ取り早いと考えたみたいです。


ラパはハクを空の部族軍第三十五番隊に連れて行きます。

自己紹介をすると、第三十五番隊の兵士はハクがどういう人物か知っているので疑問符が浮かんでいます。

隊長のサンドは不安を感じています。もし暴れだしても誰も止められないからです。

ハクはテキパキ準備し、仕事をしようとします。

第三十五番隊の仕事は掃除、給仕、洗濯です。ハクはすんなり隊に入れた理由がわかります。


ハクが働いている様子を、ジュド将軍が発見します。

近くまで駆けつけ本当にハクだとわかるとなぜ空の部族軍にいるのかと言います。

ラパが慌ててジュド将軍に第三十五番隊に入隊しました、ケイシュク参謀の許可も取ってあります、と報告します。

ジュドはケイシュクが許可してもスウォン陛下に忠誠を誓う者でなければ、入隊は認めない。スウォン陛下に忠誠を誓えとハクに迫ります。

ハクは、

「………スウォンに直接言いたかったけど あんたに言うよ どうしてイル陛下は殺されなければならなかった…? どうしてイル陛下と姫さんはあんな裏切りを受けなければならなかったんだ!?」

とジュドに問います。

ジュドはスウォンの父ユホンの死の真相についてハクに尋ねます。

ハクは事故ではないのかと言います。

ジュドはユホン様はイル陛下に殺されたのだと言います。

ハクはスウォンを思います。自分と過ごした時間は嘘だったのか。話したことはなんだったのか。そんなことを考えていると、空から一羽の鷹がハクのもとに舞い降ります。スウォンの鷹です。周りの人はスウォン以外の人間に降りたのを見たことがなく、静かに驚いています。

ハクは、

「グルファン」

と鷹の名を呼びます。昔の記憶がよみがえっているようです。グルファンもハクを覚えているようで懐くようなしぐさをします。そして、ジュドに、

「――ジュド将軍 ここで俺がスウォンに口先の忠誠を誓っても何の意味もない だが 姫さんは あんたらと同盟を結ぶと決めた 覚悟をもって緋龍城に戻って来たんだ 主君の誓いを俺が一方的に反故はしねぇ」

と言います。

ジュドは剣を収め、何も言わず去っていきます。

ハクはあの夜のことをヨナと話すことを避けていたことに気づきます。向き合わなくてはと思い始めます。



四龍の過ごす部屋ではゼノがキジャとジェハの具合を聞くと、ジェハは、

「大分いい」

と言い、キジャは、

「これが緋龍城の力なのか…? いつもよりぐっと回復が早い」

といった会話をしています。

どこから入って来たのか、四龍に気づかれることなくスウォンが四龍の会話に入って来て、

「へー そうなんですか?」

と尋ねたりします。

スウォンはゼノに少し話したいと二人で外に出ます。


庭に出て、スウォンはグルファンの声が聞こえるのに姿が見えないので探すしぐさをします。

ゼノは黄龍の能力が興味があるのかと、聞くとスウォンはまあそうですねと、不老不死に興味があることを明かします。

話しているところにジュドが報告があるとやって来ます。言おうとするとグルファンの声が聞こえてスウォンは声のする方に歩いていきます。

スウォンはグルファンの声の方を見ると、ハクの姿を見つけます。

ジュドはハクが第三十五番隊に入隊したと言います。

スウォンはしゃがみこんで、

「…なに やってんの…」

とつぶやきます。

ジュドは判断を任され、ゼノはスウォンの様子にちょっと興味がわいています。



夜になります。

ヨナは自分一人で部屋から出歩きたいけれど、心配かけるといけないからミンスが戻ってくるのを待っています。

物音がしたのでミンスが戻ったのだと思い、声をかけようと扉のほうに行くと、ミンスではなくスウォンが苦しそうで今にも倒れそうな様子です。

ヨナはスウォンを支え寝床まで連れて行きます。

汗をかきつらそうな声を上げているスウォンをヨナはギュッと抱きしめます。

スウォンは少し落ち着きます。正気に戻ると、目の前にヨナがいるので驚きます。すぐに部屋を出て行こうとします。しかし、痛みが走るようで立ち止まります。

ヨナは顔色が悪いからと再び寝床に連れて行き、寝かしつけます。


ケイシュクがヨナの部屋にやって来ます。

スウォンが眠っています。

ケイシュクは護衛にミンスを連れてくるよう指示します。


ヨナはミンスがスウォンの主治医であることに驚きます。

ミンスはスウォンに薬を与え、スウォンは再び眠ってしまいます。

ヨナはミンスにスウォンの症状について尋ねます。

ミンスは少し疲れているだけだと言います。

ヨナはふとスウォンの母ヨンヒを思い出します。長い間病を患っていると聞いていたけれどどうしているのかと尋ねます。

ミンスはヨンヒ様は城から離れた別邸で養生なさっていますと答えます。


スウォンは夢を見ます。

イル王が言います。

「やあ 来たねスウォン 私を殺しても緋龍王にはなれないよ 試してみるといい そして振り返るといい ほらそこに 赤い髪の真の王が きっと君を死に落とす」

たぶんスウォンが剣でイル王を貫く直前に交わされた言葉だと思います。

目が覚めたスウォンはイル王の言った言葉の意味を探ります。



四龍はヨナに会いたいの会えない状況に限界が来ています。

ヨナもジュドに四龍には会えないと言われます。四龍だけではなくジュド、ケイシュク、ミンス以外の人間との接触も出来ないと言われます。

ヨナはジュドにスウォンに会わせて欲しいと言います。

ジュドはヨナを執務室に案内します。

執務室にはミンスがいます。書物に囲まれスウォンは眠っています。

ヨナはスウォンの姿を見て、幼い頃スウォンの母ヨンヒが頭の痛みでうずくまっていた光景を思い出します。ミンスにスウォンの病を見てしまったから他の人との接触を断たなけらばいけなくなったのかと、ヨンヒはもうすでにこの世にいないのではないかと、状況とスウォンの様子から考えられる推論を口にします。

ミンスは、

「駄目です…っ それ以上… お話になってはなりません…! 貴方様を守れなくなってしまう…!」

とヨナの口をふさぎます。

ミンスの真剣に話す様子にヨナは、スウォンの病は死に至るものだと悟ります。


ヨナは部屋に戻ります。

脱力しどうすべきかわからなくなってしまいます。

そんなヨナのもとにジェハが現れます。

ジェハはヨナの手を取り、

「行こう ヨナちゃん」

とハクのもとへ連れて行ってあげると言います。

ミンスの言葉を思い出し、ヨナはジェハに誰にも会わない、

「しばらく独りになりたい」

とジェハを追い返します。




ヨナはどうするのでしょうか。スウォンと話すときは来るのでしょうか。その前にハクはヨナと話せるでしょうか。

ヨナが緋龍城に戻ったことで選択を迫られる場面が多くなります。

選択といっても戦を止めることは出来なさそうなので、勝利のために何を決めるのかという展開になりそうです。

続きます。





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