ヨナはユンと四龍を守るため望まないかたちで緋龍城に帰還します。
国中を見て来て、流れついた次の地が緋龍城です。
緋龍城に戻ったことで、ヨナ、ハク、ユン、四龍に何が起こるのか、もしくは起こすのか、楽しみです。
ジェハの背に乗ってヨナがユンと四龍たちのもとに帰ってきます。
ジェハはヨナを降ろすとハクを迎えに行きます。
ハクは捕らえたゴビ神官をヴォルドに引き渡します。そして、迎えに来たジェハの背に乗ってみんなのところに戻ります。
千州軍との戦いは高華国が勝利します。
イン・クエルボ率いるトゥーリ族は北方へ撤退し、不戦条約を反故にしたリ・ハザラは投獄されます。
高華国は千州を完全に制圧し、国土はイル王の時代の倍になります。
ヨナはハクに助けられる直前、炎と煙でのどを傷めてしまい声が出せません。
テジュンがケイシュクからのどに効く薬をもらってきます。
ハクが飲まない方がいいと言おうとする前にヨナはためらいもせず一気に薬を喉を流し込みます。
苦い薬なのか、薬ではないのか、ヨナは苦しそうな表情を見せます。
ハクは慌てて、ユンを呼びに行こうとします。ヨナはハクを引き留め、か細く掠れた声で、
「ハ… ハク きこえる? わたし ハクが好き こえを はやく だしたくて きこえた? やっといえた」
と微笑んでいます。
ハクは聞きたかった言葉なのに、ヨナの口から聞くとうまく反応できません。
ハクはヨナに対して悟りを開いているので感情が表情に出ません。ものすごく冷静に受け止めます。
翌日、ヨナはテジュンに彩火には戻らないと言います。ユンはどうしているのかと聞くと、テジュンの側近のフクチが空の部族の医療部隊にいると言います。
ユンは、自分の知らない治療法や薬があり、親切にいろいろ教えてもらえるのでしばらくここで医術を学びたいと言います。
ヨナにとって空の部族は思い出したくない記憶を呼び起こすのであまり近くにいたくないと思っています。
ジュド将軍が空の部族の医療部隊にユンがいるので、警戒していると、ケイシュク参謀が自分が許可したと言います。
ヨナがすぐにここを去ると言うと、ケイシュクがユンに緋龍城に戻るのでそこで医療を学ぶかと言います。
ユンは断ります。
ケイシュクは緋龍城の書庫には最新の医学書が揃っているとユンの意欲を刺激します。
ヨナがケイシュクに狙いを尋ねます。
ケイシュクは手を組みませんかと提案します。
ヨナはユン、四龍、ハクと話し合い緋龍城に行くことを決めます。
ヨナの失踪、イル王の死は千州の仕業、今回の戦で捕らえられていたヨナを救い出せたと国中に知らせます。
緋龍城の城下町を着飾ったヨナが通ります。民衆はヨナ姫が無事だったことを喜び、ヨナの赤い髪と緋龍王とを重ね興奮しています。
緋龍城に到着します。ゼノ以外の四龍キジャ、シンア、ジェハ、そしてユンは初めてです。
ゼノはどれくらいぶりに緋龍城に入ったのでしょう。何か思うところがあるような表情です。
キジャは心が安らぐといい、ジェハは体が軽くなった気がすると言います。
ケイシュクは四龍の四人のみスウォンのところに連れて行きます。
ヨナは用意された部屋へ案内され、ハクとユンは兵士の監視がつきヨナとは別に用意された部屋へ案内されているようです。
ケイシュクはスウォンが待っている広間に四龍を連れて行きます。
スウォンはケイシュクに独断でヨナ達を緋龍城に連れて来た事にやや不満を感じているような言い方をします。
ケイシュクは正しい判断だと主張し、祭りを催し、武術大会で四龍をお披露目しようと言います。
話を聞いていたジェハは見世物にする気かと言います。
シンアはゼノは戦えないと言います。ケイシュクが反論すると、スウォンが興味を示します。
それを見たゼノは自身の能力を明かします。
スウォンはケイシュクが提案した祭りを了承するため四龍を煽り、うまく乗せて参加させようとし、見事に成功します。人の心をくすぐるのが上手です。
話は終わり、四龍も部屋に案内されます。ヨナともハクとも別の部屋を用意されます。
ヨナが案内されたのは、自分が使っていた部屋です。城から去ったあの日からずいぶんたつのに綺麗な状態を保っています。イル王の側仕えのミンスが現れ、時々掃除していたと告げます。ミンスはヨナの世話を命じられ、そして、四龍が祭りの催しでお披露目が行われると言います。
四龍のお披露目の武術大会は国中から人が王都に集まります。
四龍の対戦相手は部族の将軍です。二試合同時に行われ、キジャはジュド将軍と、ジェハはグンテ将軍と対戦します。その後、シンアとゼノが対戦する予定のようです。
武術大会の会場は観客でいっぱいです。
二つの闘技台ではジュド将軍とグンテ将軍が呼びだされた後、キジャとジェハが呼びだされます。
審判の開始の合図を待たず、キジャが全力でジュドを攻めます。攻撃の激しさにジュドは八百長とはいえすんなり負けてしまっては将軍の名が廃ると、反撃せねばと思い始めます。
隣の闘技台では、ジェハがグンテに、
「僕は阿波で海賊をやってたんだ グンテ将軍は阿波でも大人気だったよ」
と話しかけます。グンテは、
「ほう そうかお前が阿波の海賊… 今 阿波はすげえ活気づいてるぞ 水産業も盛んだし」
と返します。
ジェハがこの催しの狙いをわかっているので、グンテはそれなりに戦っているフリをします。
ハクは二つの試合を観ています。
グンテの戦いを見て、手を抜いているのがわかり、武人であるジュドとグンテが己の誇りを脇に置いてでもスウォンに従う姿に呆れています。たとえ、イル王が出来なかったことをスウォンがやってのけたのだとしても許せない気持ちは消えません。ヨナや四龍を都合のいい駒として扱っているように見えて怒りがこみ上げてきています。
なぜヨナはケイシュクの提案を受け入れたのでしょう。
ケイシュクと空の部族がヨナ、四龍を追いつめたら、風の部族、火の部族が黙っていないし、なんなら水の部族の一部もヨナに味方すると思います。
せっかくまとまった五つの部族を割ってまでやることではないし、今後の予定も狂うだろうから、ヨナが言うような追手を差し向けるなんていう事態にはならない気がします。
他人をいらだたせる才能を持つケイシュクは国が強くなれば、中枢から去る考えがある人物なのでしょうか。
スウォンはケイシュクについてどう考えているんだろう。
スウォンはユホンが描いていた理想をどう思っているんだろう。
スウォンの心の内はいずれ描かれるのでしょうか。それはヨナやハクが納得できることになるのでしょうか。
続きます。
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