2022年7月8日金曜日

草凪みずほ 暁のヨナ 33巻

ヨナは緋龍王の生まれ変わりで、スウォンが緋龍王の末裔。

末裔は緋龍王の血筋だけがかかる緋の病という病を背負っています。

四龍と共鳴している緋龍王の魂は再びこの世に生まれます。この時代に生まれてきた理由や目的などないとは思います。でも、どうして今? という気持ちがなくなりません。

この辺りをどう描くのでしょう。楽しみです。

スウォンの両親の話が主です。




ジェハは皆のもとに戻り、キジャ、シンア、ゼノに、ヨナが会いに来られるのは困る、ハクに会うつもりはないと言われたと伝えます。


夜が明け、ヨナはミンスにもう一度スウォンに会わせて欲しいと頼みます。


ミンスはいい返事はもらえなかったと言います。


夜になり、ヨナはスウォンに会わせてもらえないなら、自ら執務室に行こうとします。

兵士の監視を搔い潜り執務室にたどり着きます。扉に手をかけようとした時、背後に殺気を感じます。振り返ると同時に首を掴まれてしまいます。相手のあまりに冷たい目が心の底から恐れを感じます。死が頭をよぎります。

その時、スウォンが間に入ってヨナを仕留めようとする相手を制止させます。

「待って下さい ヒューリさん」

と言うと、距離を取り、闇の中に姿を消します。

スウォンはヨナを執務室に通します。

ヨナはスウォンに執務室に出入りする許可を求めます。

スウォンは許可します。


許可をもらったヨナは部屋に戻ります。その途中ハクを見かけます。ハクを守るため会いたいのに見つからないように隠れます。

ハクはヨナの気配に気づき、辺りを探します。しかし、見つけられませんでした。部屋に戻り、ヨナはなぜ隠れたのか、四龍が会いに来なくなったのか、ヨナと四龍も会えていないことに違和感を感じ、いろんな可能性を考えます。


翌日、ヨナは執務室に行き、スウォンから国の状況について説明されます。

話していると、ケイシュク参謀がやって来ます。ケイシュクは執務室にヨナがいることが気に入らないようです。ヨナを一瞥し、スウォンに、

「…陛下 今日の軍事演習に四龍を参加させて宜しいでしょうか?」

と言います。

「ゼノさんも参加するんですか?」

と聞くと、はい、と返事するので、

「わかりました」

と執務室を出て行きます。


ヨナはスウォンの母ヨンヒの死が伏せられている不可解さと同時に、母上は本当に賊に襲われて亡くなったんだろうかという疑問がわきます。



ケイシュクは兵士に軍事演習に参加した四龍と1対1の戦闘訓練を命じます。

四龍からはキジャが出てきます。兵士はハクを監視しているラパです。

ラパはキジャに斬りかかります。キジャは微動だにしません。ケイシュクは慌てて声をあげ、ラパは剣を止めます。

何の真似です? とケイシュクが言うと、キジャは、

「…我々の主は緋龍王…即ちヨナ姫様只一人 ヨナ姫様の命なくば四龍の力は発動しないということだ どうしても我らの力を使うのなら ここに姫様をお連れしろ 我々から緋龍王を奪えると思うな」

と言います。

皆静まり返っています。

「…あーー… 問題ありません 四龍さんの能力が無くても我が高華国軍は常勝ですから」

とスウォンが声を出します。

スウォンは部屋に戻ろうとします。ゼノが何かに気づき、すっとスウォンの腕に腕を絡ませます。

「じゃあゼノがもう少し王様とお話しするから」

と言い演習場から一緒に出て行きます。キジャ、シンア、ジェハもついて行きます。


庭へ向かい、スウォンと四龍だけになって、ゼノが、

「…大丈夫か?」

と言います。スウォンは、

「何がです?」

と返事します。ゼノは全てわかっているようです。

「時々… 頭が割れるように痛むだろう? 隠しても無駄だ 俺は不死の能力を持つ黄龍ゼノ お前の母親を知っている 発病したんだな 緋龍王の血筋だけがかかる 緋の病に」

キジャ、シンア、ジェハは、ゼノの言葉に意表を突かれます。

キジャはゼノに説明を求めます。

「お前らが代々四龍の血を継いで来たように緋龍王にもいたんだ ひっそりと」

と説明を始め、

「王様兄ちゃんはその血を代々受け継いできた 緋龍王の末裔だよ」

と言います。

それを聞いたキジャは、

「緋龍王の末裔… この者が…? 私は姫様に出会って雷に打たれたような衝撃を受けた… だが この者からは何も感じぬぞ」

とゼノの口から緋龍王という言葉が出たので聞いてみます。

ゼノは、

「娘さんは 緋龍王の生まれ変わりだから 血筋とは違う 俺らは緋龍王の魂に共鳴してるんだ 緋龍王には5人の子供がいたけど 四龍が仕えたのは緋龍王だけだから」

と答えます。

スウォンは黙って横で聞いています。そして、納得します。ヨナが本当に緋龍王の生まれ変わりであること。イル王がヨナを「あの子は緋龍王の化身なんだよ」と言った言葉についてどうやってそんなの証明するんだと思っていたのに、ゼノが言った「魂の共鳴」という説明に、信じないわけにはいかなくなってしまいます。そして、緋龍王の血筋だとか末裔だとかいうのは、本当に意味のないことなのだと思い知らされます。



緋龍王の血筋はなぜ脈々とつないできたのか。ヨナは執務室でそれを伺える手記を見つけます。手記はスウォンの母ヨンヒが書いたものでした。



手記はヨンヒの父が緋の病で亡くなるという記述から始まります。

ヨナは緋の病という言葉を初めて目にします。

続いて、

(私もいつか緋の病に 緋龍王の血筋にさえ生まれなければ…)

と書かれてあり、ヨナはヨンヒが緋龍王の血筋であり、スウォンが緋龍王の血を継ぐ者なのだと知ります。スウォンの体調がよくないのは、この緋の病というものが原因なのかもしれないと思い手記を読み進めていきます。


スウォンの父ユホンの人柄、ヨナの父イルの人柄、ヨンヒの一族の秘密、ヨナに神の声を伝えた神官のイクス、ヨナの母カシのこと、大神官という地位の人物について書かれています。


ヨンヒが城に入り、ある日庭でカシとイクスに出会い、そこにイルが登場し、皆で神殿にお祈りに行きます。

神殿には大神官がいて、ヨンヒを見るなり緋龍王の血を引く末裔であるを見抜いてしまいます。

ヨンヒは必死に否定します。カシにも大神官と同じ能力がありその事実は見えています。

イルは驚きます。

そこに怒りの形相でユホンがやって来ます。ユホンはイルの殴り、ヨンヒを神殿から連れ出します。




スウォンが王座を狙ったのは緋龍王の末裔として当然就くべき場所だったからとも考えられます。

スウォンが残酷な手段を選んだ理由がまだわかりません。次の王になるには王からの指名がなければ承認されないからなのでしょうか。

続きます。



草凪みずほ 暁のヨナ 33巻
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●関連リンク
白泉社公式サイト 暁のヨナ

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