電子工作の楽しさにはまった向坂晴(さきさかはる)という女の子が主人公です。
同世代の人たちとはすこしズレがあるところや、自作する作品の用途がピンポイントすぎるところが楽しいです。
笑わせてくれるのは晴ちゃんのお母さん。
晴ちゃんへのあふれ出る思いが面白いです。
晴ちゃんは幼い頃、電化製品がどうして動いているのか疑問に思い、ドライバーで家電を片っ端から分解する子で、親を困らせていました。
ドライバーを取り上げられてからは分解できなくなり、次第に興味が失せ、のんびりした性格ですくすく育っていきました。
高校に入ると、その高校は部活必須で、晴ちゃんはパソコン部を希望します。
残念なことに定員オーバーでパソコン部には入部できず、仕方なく入ったのが電気部でした。
電気部の部員は晴ちゃん一人。顧問の先生と囲碁をうつ毎日でした。
ある日、晴ちゃんは電気部はなにをする部なのか気になり、先生は電子工作を晴ちゃんに見せてあげます。
先生は晴ちゃんは女の子だから電子工作には興味がないと思っていたようで、
「…あ~私小さい頃こういうの分解するの好きでした!仕組みはわかってないのに」
基盤にたくさんの電子部品がくっついたものを見せたときの晴ちゃんの反応に先生の目が輝きます。
晴ちゃんは右手にはんだこてを持たされ、先生に言われるがままタイマーを製作します。
作る工程も、出来上がった満足感も晴ちゃんにとってはこれまで感じたことのない喜びで、鼻息荒く興奮します。
ここから晴ちゃんの電子工作ライフが始まります。
大学生になった晴ちゃん。授業が終わるとすぐ帰宅するか、アキバに寄ってパーツ屋かジャンク屋で電子部品を眺めたり、購入したりするのが一日の行動として定着してしまいます。
晴ちゃんの母は娘が一般的に想像するキャンパスライフを送っていないことを心配しています。
母娘でショッピングしたり、お茶したりするのを夢見ていたのに、どうやら実現しそうにありません。
晴ちゃんが自宅に連れてくる友達は小学生の男の子だし、話している内容は取りようによっては危険な香りのするもので、両親は晴ちゃんにハラハラさせられます。
人生の残り時間付きタイマー
地獄見せマシーン
ゴキブリをやっつける機械
ぼっち・ザ・LED
無駄な時間を可視化するツール
晴ちゃんはこういう道具を作りました。どれも惜しいと思える道具で、惜しさが笑いにつながっています。晴ちゃんの発明がどんな効果を生んでいくのかが楽しみな作品です。
西餅 ハルロック 1巻
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