2023年12月20日水曜日

吉野マリ 桃色ヘヴン! 10巻

西条莉緒(さいじょうりお)は9年という時間が過ぎても伊縫蘭丸(いぬいらんまる)を想い続けていました。

蘭丸にとっても莉緒とのことは忘れることのできない思い出です。

二人の関係を知った椎名桃子(しいなももこ)は気持ちが揺れます。




莉緒は帰国し、家族に蘭丸の近況を訊ねます。

兄は街に出れば簡単に会えると言います。

莉緒は理解できません。街に出てみると芸能事務所からスカウトされます。歩いているとすぐに蘭丸を見つけます。友達に会い蘭丸について訊くと想像できない人物になっていて驚きます。

蘭丸と莉緒が再開します。

蘭丸はいつものように女性に親切にしたらその女性が莉緒だったのでびっくります。

莉緒は蘭丸に彼女がいることがわかります。9年たっても変わらず好きだと再確認します。



桃子は出版社の編集者から新入社員を紹介されます。杉浦と言い、桃子は初々しさに好感を抱きます。

文芸部の親睦会が行われ、OBがやって来ます。

部長石黒の思い人も来るということなので、桃色は楽しみにしていると、やって来たのは杉浦で驚きます。

杉浦は石黒に愛原ジョージと官能小説をバカにします。

石黒は愛原ジョージを尊敬し目標としているのでと杉浦に反論します。

杉浦は石黒の言葉に腹を立てます。

桃色は杉浦に声をかけます。

杉浦は親睦会の会場に愛原ジョージがいるので驚きます。先程の石黒との会話を聞いていたことがわかると開き直ります。

桃色はプロっぽくないと言われ怒りがこみ上げます。



数日後、桃色は出版社に行くと、社内が慌ただしいので、編集者に訊くと、杉浦が作家を怒らせて、今月号穴があく事態になってしまったと説明します。

桃色は叱責されている杉浦のところに行き、協力したい、代わりに私が書くと言います。



桃色はなんとか締め切りに間に合わせることができて、雑誌は無事に発刊します。

桃子のプライドに杉浦の心が動きます。

後日、杉浦は石黒に愛原ジョージをバカにしたことを詫びます。

桃色の担当が杉浦になります。

杉浦は心を入れ替え、やる気がみなぎっています。



桃色は楽しみにしていた蘭丸とのハワイ旅行が蘭丸の仕事で行けなくなります。がっかりして文芸部の部員に南の島へ旅行に行かないかと誘うと柏崎が手を挙げます。

そこにアイドル研究会部長稲葉がやって来ます。

リゾートホテルの宿泊券をプレゼントすると言います。

交通費だけで旅行に行けるので稲葉の誘いを受けます。



桃子はホテルまでの道のりは大変で雲行きが怪しいと感じていると、稲葉は実はリゾートホテルっていうのは自分の実家なのだと明かします。

桃子は稲葉の実家が営むホテルというから、悪い印象を思い描きます。到着すると、目の前に現れたホテルは誰もが知る有名なイナフクホテルだったので驚きます。

稲葉はそのホテルの跡取りなのでした。

稲葉はホテルについて桃子と柏崎にお願いしたいことがあると言います。ホテルを継ぎたくないから母親を説得してほしいと言います。桃子と柏崎を味方にして母親を説得しようとしています。

四人で食事し、話していると桃子と柏崎は稲葉の母のほうが正しいことを言うので稲葉を責めます。

柏崎と稲葉は話し合います。

稲葉は思いが通じそうに感じて告白しようとします。

そこにヘリコプターが飛んできます。

イナフクホテルに緊急着陸するようで、従業員バタバタしています。

桃子は慌ただしいなと感じていると稲葉と柏崎を見つけます。

稲葉は興奮した様子で桃子に2時間まえに急にアポが入ったと説明し、蘭丸が来たと言います。

桃子は心の中で驚きます。

ヘリから蘭丸が降りて来ます。

蘭丸は稲葉と話し、桃子には他人行儀で挨拶します。

蘭丸はひとりで部屋に行くと思わせて、

「なにやってんだよ 早く来いよ」

と桃子に呼び寄せます。

桃子と蘭丸が歩いていく様子を稲葉は、

「しょうがないよなぁ 神のお相手できるのは椎名さんくらいだもんね――」

と言います。すぐに柏崎が、

「違うわよ……… 椎名さん たぶん… きっと 蘭丸の恋人よ…………」

と言います。

一瞬間があって、稲葉は驚いて絶叫します。



部屋に入った桃子と蘭丸は仲直りします。

稲葉は桃子に、

「椎名さん…!! 今までの数々のご無礼… お許しください……! これからは愛をもってご奉仕させていただく所存です――!!」

と泣きながら謝ります。



蘭丸はインタビューで初恋について質問され、莉緒を思い出します。

深夜番組の収録でスタジオに入ると、莉緒を見つけます。

収録を終え蘭丸は莉緒を呼んで話しをします。

莉緒は大学は休学し、芸能活動を頑張るのだと言います。

番組のアシスタントからアクシデントを経て降板させられ、映画の宣伝で来日した海外の俳優の通訳を見事にこなしたことで、一気に評価が上がり、クイズ番組やCMのオファーが増え、ブレイクします。

莉緒の事務所は彼女を売り込むため蘭丸とのエピソード出してきて、蘭丸は記事を読みます。

蘭丸は莉緒と会います。

莉緒は記事について謝ろうとすると、蘭丸は気にするなと言います。

莉緒は芸能の世界に入った理由、自分の気持ちを話します。

桃子はネットで蘭丸と莉緒の関係を知ります。




崇拝する蘭丸の恋人が桃子だとわかったときの稲葉が面白かったです。

続きます。



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