●78
ヒサメはベルガット家から木々に縁談と聞いて、婿候補が襲われているのに木々に縁談を持ちかけることに疑問を感じます。
セイラン伯はそもそもベルガット家との縁談など慎重になるところと言い、事件が起こっていること、セレグ騎士団にベルガット家当主の弟二人が在籍していることなど偶然とするには集中し過ぎていることで受ける気はないと言います。
木々はヒサメのルーギス伯爵家との縁談の話が進んでいると、ベルガット家に返事して欲しいと言います。
詳細を聞いたセイラン伯は、この縁談話が広まれば、ヒサメに巻き込むことになるがいいのかと訊きます。
ヒサメはこそこそと何か企んでいる輩が食いついてくれれば、セレグ騎士団としても望むところですと言います。
ゼンとミツヒデはツルバとタリガに会いに行きます。
話をしていると、木々とヒサメがやって来ます。
木々はツルバにあとで二人で話がしたいと言います。
ツルバはタリガに木々がヒサメと縁談話が進んでいるという話しをしてきたと言います。
タリガは兄上はどうするかなと言います。
ツルバは近い将来ゼンがウィラント城城主となり、北の目付け役になるはずだから、木々と婚姻関係があるかどうかはベルガット家にとって大きいと話します。
ゼンはヒサメにツルバとタリガについて話し、気をつけろと言います。話していると、丘に煙があがったと知らせが入り、ヒサメの隊が向かいます。
煙があがっている周囲を調べようとしたら、林の中から矢が飛んできます。
ツルバを狙った矢はタリガがかばい肩を負傷してしまいます。
セレグの基地にウィスタルから近衛兵団の急使がやって来ます。
●79
ヒサメはツルバとタリガに基地に戻れと命令します。そして、
「僕が戻るまで動かず待て」
と言います。
ヒサメは矢が飛んできた方向を見ます。同じところから矢が飛んできてヒサメも肩を負傷します。林の中の狙撃手を追います。
セレグに来た近衛兵団はゼンに貴族襲撃事件の首謀の疑いでミツヒデの身柄を拘束すると言います。
ゼンは冷ややかな表情でそんなわけないと否定します。
ヒサメとツルバとタリガが姿を見せます。
ヒサメはゼンに丘であったことを報告します。
近衛兵団のランカは証言と証拠があると言います。
ミツヒデは剣を渡します。
動けるゼンと木々の二人で誰が仕組んでいるのか、本当の首謀者を探します。ツルバとタリガを監視しています。
ツルバは見張りの目をかいくぐり城の外に出て人と接触します。
「追う?」
と言う木々に、ゼンはヒサメが話した放たれた矢でタリガが負傷した時ツルバとタリガの表情を気にしていたことを思い出します。ゼンは、
「いや、無駄だろう」
と言います。
ゼンは人をよく知ろうとする人物なので、ふたりが何を語るかまずはそこからだと言います。
そこにオビが合流します。
●80
リリアスで伝令を受けたオビは白雪に護衛をつけて、ゼンのために情報収集をしながらセレグに急ぎます。ゼンと木々にベルガット家とトーズ家を徹底的に調べる必要があると報告します。
鳥がオビに止まります。遠くにいる仲間と通信するために訓練された鳥で文書を携えています。オビは文書の内容に目を通すと、
「主! 木々嬢! ベルガットの当主がこっちに向かっているらしい!」
と言います。
ゼンはツルバとタリガに会いに行き、隠していることがあれば話せと命令します。
ツルバは心当たりはないと答えます。
●81
ゼンが去ったあと、ツルバとタリガには自分たちに起こった事、ミツヒデと木々に起こった事について話し合います。ツルバとタリガが初めて自分たちの意思で行動しようとしていること、ベルガット家という一族についてのここに至るまでの経緯、二人がベルガット家から距離を取ろうとしていることが描かれます。
ツルバとタリガはあるべき主の姿を目の当たりにして、考えが根底から異なるベルガット家当主であり兄のトウカの命を奪う決心をします。
ツルバは基地の外へ出ます。
●82
タリガはゼンに呼ばれ話をします。
ツルバはトウカの命令で動く刺客からトウカの居場所を聞き出そうとします。刺客との戦闘になります。思った以上に数が多くて苦戦します。
オビと木々が助けに入ります。
ゼンは基地でタリガを、木々とオビはツルバを監視していたようです。
木々とオビとツルバは三人で刺客を全滅させます。
ツルバは木々にミツヒデの剣を奪ったのはベルガット家当主トウカだと言います。
そして、その狙い、木々の縁談の件についても話します。
木々はツルバに剣を突きつけ、ゼンに何も知らないと言ったじゃないかと迫ります。
ツルバは兄トウカを消すしかなくなったからだと答えます。
オビは木々がどう動くのか静かに待ちます。木々が剣を鞘に納めると、オビが走り出します。
木々はしゃがみ込むツルバに目線を合わせ、
「私は殿下と殿下の宝を守りに行きます」
と言います。
オビは馬を引いて来ていて、木々とセレグの基地に走ります。
ツルバも決意しセレグに向かいます。
●83
ゼンとタリガが話していると、トウカが基地に着いたと報告を受けます。
ゼンはタリガに、ツルバが戻ったら、ベルガット家のトウカ、ツルバ、タリガを王城に移送すると言います。
タリガはツルバがまだ戻っていないことに呆然とし、戻らなかった場合に打ち合わせたことを実行しようとします。
タリガはトウカに会いに行きます。全てを明らかにする証拠を渡すからツルバを返して欲しいと言います。
トウカはここでゼンを始末しようとします。
基地に火の手があがります。
ゼンは基地の中に刺客が侵入していると報告を受けトウカに会いに行こうとします。
タリガは剣を手に取りゼンのもとに向かいます。刺客と戦っているゼンを見つけ、
「殿下は…! あなたは戦わないで下さい」
と言います。
ゼンは、
「――剣を持っているのならば ここを守る役目がある 誰が仕掛けたのか知る役目もな ミツヒデ・ルーエンの誇りを踏みにじる為のものだとしたら尚更だ」
と言います。
タリガはゼンの言葉に身震いします。そして、気持ちを吐きだします。難解な表現です。
ゼンは、
「失いたくないものを数えるな タリガどの 身動きが取れなくなるぞ 二人の事情は知らない だが 今話したのは タリガどのとツルバどのには願いがあるという事じゃないのか だったら それは枷ではない 進む為のものだ 前を見ろタリガどの 二人何かを変えたいのなら 望みは守り抜け 何がなんでもな」
と言います。
続きます。
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