2018年6月30日土曜日

渡辺多恵子 風光る 22巻

誠の武士として生きながら女子の心を捨てきれないセイは、出家を覚悟する。しかし沖田が生きてそこにいてくれる幸せに改めて気づき、再び新選組隊士として生き抜く道を選ぶ。沖田もまた己の恋を自覚し、ふたりの関係が微妙に進展しそうな矢先、セイの秘密がついに暴かれる!?緊迫の22巻!!


とうとうやって来ました。
武士の平常心はどこへ行ったの?というくらい感情が剥き出しで斎藤一が動揺していました。

「俺の勘に根拠は無い」
定番の斎藤の台詞はこの時のためのものなんですね。

疑惑を幾度も感じていたのに気づけなかった不甲斐なさ半分、実は神谷清三郎は女子だったと判明し、衆道ではない自分にホッとする感情四分の一、沖田に黙って居続けられたこれまでの期間に対する怒り四分の一、と複雑な心境です。

沖田総司も神谷に対する気持ちにようやく、やっと気がつきました。
現在22巻。作品の中での時間経過二年半。長い道のりでしたかった。

男でもいいと惚れた人物が、実は女だったという衝撃はどんなだろう。
女心遷だと松本良順に診断され、涙を流し哀れに思い、それでも数々の可愛らしい仕草に悩まされ、そして神谷は沖田を慕っているという事実。
ああ、斎藤さん、なんて哀れな立ち位置なんだろう、と面白さと同情が同居した変な気持ちです。

最後に神谷。直球で求愛してくる伊東甲子太郎や中村五郎の気持ちはわかるのに、沖田や一番隊の隊士たち、斎藤の気持ちには鈍感すぎます。これからは入れ替わった感情の力関係が面白くなりそうで行方が気になります。

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