鎌倉での生活に慣れ始めたすず。
家族のこと、友人のこと、チームメイトのこと、親のことを通じて相手の思いを感じ、気持ちに耳を傾け、自分の後ろめたさを正直に告白したりと、人と人が関係していく中で起こる出来事が丁寧に描かれています。
花底蛇
本当の家族じゃないけど上手くいく家、家族なのに一緒に暮らしているのに関係が破綻している家、家族にはさまざまなかたちがあります。
祖母が大切に育て、手入れしていた草木がいまも変わることなく在り続ける庭、世代が変わると樹々は切り落とされ、外部から何かを隠すように草花の鉢を隙間なく埋めつくす庭。
庭から感じ取れるその家庭、住む人の雰囲気。
故郷で過去に縛られず、引っ張らず、前を向いていこうと決意する者、終らせようとする者。いろんな人がいてその数だけ思いが、考えがあります。
上手くまとまらないけど、数ある選択肢の中で何が正しいというのはなくて、生きることは自分で決めることなんだなと思いました。
二人静
自分の居場所がある心地よさと安心感、そして、失う恐さ。
とっさに計算し言葉がでなかったというすずの胸に内と、自分の記憶が重なる部分がありました。
桜の花の満開の下、男ではなく女でもなく共通の似た体験を通じて生まれる絆、側にいても感じる疎外感、思春期の揺れる恋心。
この年頃のそわそわする気持ち、時間が経ってやっと気がつく鈍感な感覚。
漫画や小説のように自分の人生を俯瞰で見ることができたらどんなだろうと考えてしまいました。
真昼の月
同じ家なのに、息が詰まる場所だった人、大切だと思う人。
同じ景色を見て過ごしていても感じることは人それぞれで、あるところでアンカーを下ろしたまま、わだかまりが取れなくなる長女幸の気持ちは強情なのかな。
すずの言葉は重みを感じました。
似たような経験が物語と重なります。
吉田秋生 海街 diary 2 真昼の月
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