多摩川の近くに住む、そうそう接点を持つ機会はなさそうな年の離れたふたりの恋物語です。
主人公の高校生中原美和と川崎春生の出会いのきっかけは、美和の弟たっくんです。たっくんが川で石投げをして一緒になって遊んでいるという大人に会いに行ったことからこの物語は始まります。
美和は平日の昼間に小学生と遊んでいるという大人を不審に思い、たっくんが危ない目に遭ったら大変だと、でも、ひとりじゃ心細いので仲のいい美和の友達のあやちゃんについて来てもらい、たっくんと約束した橋までやって来ます。
たっくんからは、
「ジョニー・デップ似」
と聞かされていて、美和からそれを聞いたあやちゃんは興味津々でやって来ます。
待ち合わせた橋の上で、たっくんのうしろでもじもじしながら立っている男は、
「ジョニー・デップです」
と恥ずかしそうに言います。
姿かたちどこも似てなさ過ぎて激怒するあやちゃん。
一方の美和は、なんだか放心したようにその男を見つめ、我に返って、自己紹介を始めます。
表現のしようがない感情が胸の中でぼんやりとふくらんでいき、これが恋というものなのかなと思い始めるのと同時にとめどなくあふれてくる好きだという気持ちが抑えられなくなっていく美和。
遊び半分で美和につき合っていたのに、美和の熱心さに次第に本気で応援するようになるあやちゃん。
プライベートがうまくいっていなくて気持ちが沈みがちになり、多摩川でたそがれていたとき、元気に遊んでいるたっくんと出会いいくらか気持ちが軽くなるのを感じ、美和たちと一歩引いたところから大人としての立場でおしゃべりを楽しんでいたのに、気持ちのコントロールができなくなっていくハルオ。
どんなことがあってもハルオがよそ見することはないと思っていたサチ。
この四人の人間模様が面白かったです。
しおやてるこ たまりば 1巻
(アマゾンのサイトに移動します)
しおやてるこ たまりば 2巻
(アマゾンのサイトに移動します)
0 件のコメント:
コメントを投稿