2015年7月22日水曜日

新川直司 四月は君の嘘 7巻

宮園かをり(みやぞのかをり)のいないガラコンサートの舞台で伴奏者である有馬公生(ありまこうせい)が一人でピアノを演奏しています。
公生のピアノの演奏は演奏家をも刺激します。
この日の主役、三池俊也(みいけとしや)も公生のピアノに迷いや不安を感じてしまいます。


演奏中、公生は様々な感情が込み上がってきて、音に感情が伝達していきます。どうして公生の母が公生にピアノに関して厳しかったか、子供に伝わらなかった母の思いが、公生と瀬戸紘子(せとひろこ)の回想によって明らかになっていきます。
公生はすべてが母の愛情だったことを知ります。公生はようやく母に別れを告げ、自らの足で歩き出す決意ができました。


公生の演奏は三池俊也に影響を与えます。三池俊也は周囲が自分ではなく宮園かをりの演奏を期待するので、すこしひねくれていました。かをりへの嫉妬が公生のとんでもない演奏につながり、三池俊也をも成長させます。覚悟して舞台に立ち演奏する姿がかっこいいです。


ガラコンサートに来られなかったかをりは病院に入院していました。公生はかをりの姿と母の姿が重なって不安になります。


井川絵見(いかわえみ)はガラコンサートでの公生のピアノを聴きに来ていました。彼女も公生に影響され、さらに表現の幅が広がり、演奏家として着実に成長をみせます。


相座武士(あいざたけし)は公生のピアノで信じてきたスタイルに自信が崩れていきます。


澤部椿(さわべつばき)は演奏を終えた公生の姿が演奏前とは違って男らしくなったような気がして照れてうまくしゃべれません。椿が公生を意識し始め、どういう存在なのか考え始めます。
椿にとって公生は隣に住む同じ年の男の子。幼い時は遊びたいときにピアノのレッスンで遊べない男の子。近くにいることがあたりまえだと思っていたのに、存在がどこか遠くに感じることが増え、そのことで公生のことをずっとそばにいてほしい人だと思えるようになりました。
「いつか取り返しがつかなくなるんだからな」
なんのことか分からなかった友人の柏木の言葉がようやく実感できるようになりました。
続きます。


新川直司 四月は君の嘘 7巻
(アマゾンのサイトに移動します)

0 件のコメント:

コメントを投稿