谷口ジロー 江戸を歩く。
一歩=二尺三寸=70cm。
ゆっくり。しっかり。江戸散策。
男性が江戸の町を歩数を数えながら歩いては記録を記しています。
同じ距離を毎日歩数を数えて歩いています。昨日より二歩分多い。そんなことをつぶやきながら記録し誤差が出ることに頭を悩ませています。
考えては歩いて江戸の町の人々を眺めています。
鳶を見つけて、鳥の視点で江戸を見下ろしてみたらどうなふうに見えるか想像してみたりします。
男性は作品の中では明かされません。どうやらモデルは実測による日本地図を完成させた伊能忠敬のようです。
誤差のない測量をあれこれ試行錯誤して蝦夷に向かいます。
江戸の町や人々の暮らしが感じれて本当にこんな雰囲気があったのではと思えてきて面白かったです。
妻の栄と上野に花見に出かけます。
酒を飲みいい気分になり、桜の樹に耳をあて桜が見てきたであろう風景に空想します。
深川八幡の放生会(ほうじょうえ)で亀を購入し、川に放してあげます。男性は亀の視点で水中や川底を想像してみます。
男性は家の中でも歩数を数えています。猫の足跡を見つけその歩幅が一定であることに気がつき猫の歩き方から何かを掴もうとします。猫になって江戸の町を歩いてみる空想をしてみます。知らぬうちに眠ってしまいお栄に起こされます。
男性は夜空を見上げます。星の観測にもってこいの夜空だと町をブラブラ歩きながら空を見上げ星を見ます。歩いていると俳人小林一茶に出会い話しをします。
男性は栄と品川の潮干狩りに出かけます。漁師から鯨が品川沖に迷い込んできた時の話しを聞きます。
雨が降っています。
男性は測量をするなら晴れの日ばかりとは限らないと雨具を着て歩数を数えに出かけます。雨の日は歩幅が安定せず測量は難しいと考えます。足を滑らせ泥んこになり子供と遊びます。
雨が上がり家に戻る途中足の悪い男が乗る押し車の車輪の跡をみて回転が安定していることを発見します。
家に帰り、量程車の設計図の図面を引きます。
男性は歩数を数えています。深川と品川の距離を測量できれば緯度一分を求められるはずと考えていたのにうまくいきません。
花鳥図を学んでいるという絵師に話しかけます。
蛍が飛び交う幻想的な場面に出くわします。
男性はお栄に小言を言われます。
昼を知らせる鐘が聞こえそばを食べに出かけます。
大きな丸い窪みを見つけます。ゾウの足跡だと見かけた男性から教えてもらいます。
男性は見たことのないゾウを空想してみます。
男性は栄とそばを食べます。
男性は歩測調査した結果を上役らしき男性に報告します。
上役らしき男性は蝦夷地の地図作成のため正式に測量許可の申請をしてみようと言います。
帰り道男性は蝦夷地に行くことを栄は許してはくれないだろうとどうすれば承知してくれるだろうと思案します。
雨が降ってきます。自宅まで急ごうとしたら雷がすぐ傍の木に落ちてその衝撃に小さな悲鳴を上げ尻もちをついてしまいます。
近くにいた人に大丈夫かと声をかけられます。
男性はあまりの出来事に腰を抜かしてしまったので声をかけてくれた男性に肩を借りて茶店に入ります。
男性は少しして落ち着きを取り戻し、助けてくれた男性と話します。肩を貸してくれた男性の一人は咄家で話していると、十八番を披露してくれます。
雨が止み外に出て雷が落ちた松の木を見ます。
咄家は松の木を見てちょっとした落ちのある話しをします。
男性は歩いていると蜻蛉を見かけます。蜻蛉を追いかけるように歩いていると知らぬ間に調馬をしている馬場まで来てしまいます。ここはどこかと周りの屋敷を見てようやく自分の立つ場所がわかります。
こんなところまで来たなら蜻蛉なぞ眺めていないで歩測すればよかったと悔やみ茶店に入ります。
こんにゃくの煮しめと蒲鉾豆腐を食べながら歩測について考えます。呑んで食べてのんびりしすぎたと店を出て歩き出します。また蜻蛉が飛んできて蜻蛉の視点で江戸を見下ろす空想をします。
十五夜中秋の名月。男性は栄と月見に出かけます。
小林一茶を見かけます。
男性は江戸の町を歩測しています。馬を見かけ蝦夷地での本格的な測量について考えます。
上役らしき男性に会い測量の報告をします。
上役らしき男性は幕府から測量の許可が下りたと告げられ、男性は蝦夷地にて子午線一度を実測してまいりますと言います。
男性は栄を富士山が見える高台に連れていき、蝦夷に測量に行くことになったと言います。
蟻を見つけ、蟻の視点を空想していると栄がついて行くと言います。
冬を迎えます。
男性はお栄に書き役という測定値を手札に書き込む作業を任せたいと言い、自身の夢を語ります。出発は閏の四月頃となるだろ、ゆっくり行こうと言います。
おわりです。
谷口 ジロー ふらり。
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