かわいい双子の妹と比較され「じゃない方」扱い。
だから「いいことが起きても、必ず悪いことが起きる」と人生に期待しないように生きてきた超ネガ少女の柳瀬真昼。
でも、高校入学早々、謎のイケメン・里見葵が急接近! 避けても逃げても、まっすぐ気持ちを伝えてくる葵に真昼は……!?
主人公の柳瀬真昼の性格の歪みが面白いです。いろいろうまくいかなくて、いいことがあると必ず悪いことが起こるを信じていて、いいことが起こりすぎると極端に悪いことが起こると怖れます。悪いことが起こるといいこととのバランスが取れて気持ちが安心します。人生に期待せず生きようと思いながらどこかで期待している気持ちの揺れが面白いなと思います。
双子の姉妹の物語です。
姉の柳瀬真昼は幼少期のトラウマが人格に大きく影響してしまいネガティブな思考の女の子です。双子の妹真夜と比較されることが多くて、男子から呼び出され告白かと行ってみると君じゃない方と呼び出したのが双子の妹だったということが何度なくありました。妹の真夜はかわいくて自分はそうではない。次第にそう思い込みコンプレックスを抱きます。ネガティブな思考だからかツイていないことにたくさん遭遇してしまいます。その結果あらゆることに期待しないで生きていこうと決めています。
真昼と真夜は別々の高校に通います。そうしたのも真昼の防御策なのかもしれません。
高校初日。
トラブルが起きないように普段からたくさんのお守りを身につけています。
真昼は男子生徒にぶつかってしまい、お守りを落としてしまいます。
男子生徒は落としたお守りの数があまりに多すぎるので、神様喧嘩しない? と言い拾って真昼に差し出します。
真昼は男子のかっこよさに危険を感じます。あまり接するとよくないことが起こると考えて早く離れようとします。
だけど、その男子生徒とはクラスが同じだということがわかります。
教室に入ると男子生徒の友達が来て、男子生徒をからかいます。
男子生徒は真昼に名前を教えてと言い、里見葵と名乗り、友だちを銀河と紹介します。
真昼は柳瀬真昼とこたえます。
葵は真昼のことを真昼と呼びかわいい名前だねよろしくと言います。
真昼はかっこいい男子に話しかけられて悪いことが起きるかもしれないと怯えて席に着きます。
案の定、中学が一緒だった女子生徒がやって来て、女子と友だちになった子たちに真昼をからかうためにやって来ます。
真昼はさっきいいことがあったから今度は悪いことが起きたのだと納得し黙って過ぎるのを待ちます。
もう一人別の女の子がやってきます。女の子は守谷と言い、真昼が座っている席は私が座る席だと言います。
真昼は自分が間違っていたことに気がつき席を一つ後ろに座り直します。守谷が席に着きます。彼女のところから指輪を落としたように見えたので拾ってあげると、守谷は鋭く冷たい目で真昼を見て指輪を受け取ります。真昼はその視線の冷たさに安心します。いいことと悪いことがプラスマイナスゼロにならないと心が落ち着かないからです。自分を保つ方法として性格がちょっとこじれています。
真昼は先生に頼まれごとをしたせいで帰りが遅くなってしまいます。下足室に行くと葵とばったり出くわします。真昼は身構えます。
葵は真昼の様子に何かした? と訊きます。
真昼は頭を振ります。
葵はじゃあ、行きたい場所があるから今から行かない? と誘います。強引に手を引き着いたのはパン屋です。
真昼はデートなのかと期待していたのに行きたい場所がパン屋だったので、これはデートと言えるのかとひとり悩みます。
葵は積極的に真昼に構います。
真昼は今葵としている甘酸っぱい体験にハッとして、こんな浮かれてことをしていては明日この世を去ることになるかも知れないと慌てます。立ち上がり帰ろうとします。
葵は雨が降ってきたと言います。
真昼はいいことがあったから悪いことが起きたと自分に納得します。
葵はいいことあったんだと言います。
真昼は顔を赤くします。
雨は止まず、葵が持っている傘をさして帰ります。
大きな桜の木を見つけます。雨が止みふたりで桜を眺めます。急に風が吹き桜の木に溜まっていた雨水が一気に落ちてきてふたりはずぶ濡れになります。
真昼はびしょ濡れになり笑います。
葵は真昼にやっと笑ったと言います。
真昼は葵と話していると未来に期待している自分に気がついてしまいます。もしそうじゃなかったときのためにと気を引き締めることにします。
翌日真昼は葵が女子と話しているのを見て昨日誘ってくれてのは自分じゃないとダメなわけではなかったんだと少し期待していた自分にがっかりします。
放課後、守谷からちょっと荷物を見ててほしいと言われ、教室で守谷が戻るのを待ちます。守谷を待っていると葵が教室にやって来ます。
葵は話があると真昼を座らせ、付き合わないかと言います。
真昼は付き合うとはまたパン屋に? と訊きます。
葵は好きなんだと言います。
真昼は混乱し、席を立ち断りを入れて教室を走って出ていきます。
ひとり教室に取り残された葵は覚えてないかとつぶやきます。
教室から離れたところで一旦立ち止まり、教室での葵の言葉について考えます。考えていると守谷が横に立っています。真昼は守谷に聞いてた? と訊きます。
守谷は聞こえてたと言います。
真昼は告白なんてされてない、聞き間違いだし気のせいだったみたいと言います。
守谷はあなたなかなかの最低女ねと言います。
真昼は守谷の言葉に安心すると言います。
翌日真昼は下足室で葵に会います。
葵は昨日のあれは本気だからと言います。
真昼は何か良からぬことが起こることを怖れ、葵に何も言わず教室に走っていきます。
葵は真昼に足並みをそろえ走っちゃ駄目だと言い、俺のこと嫌い? と訊きます。
真昼はそういうわけじゃないけど… と言い悪いことが起きることを怖れます。
教室に入ると葵と一緒に教室に入ってきた真昼を女子が見ます。
銀河が葵に声をかけます。そして、真昼に友達になったのか? と訊きます。
真昼はなってないですと応え、葵は真昼の応えにひどいなと言います。銀河は真昼の応えに怒っています。
真昼は銀河の睨むようなまなざしに悪いことが起こったととらえ安心します。
葵は1限目は音楽だから移動教室なので一緒に行こうと言います。
真昼は守谷と行く約束をしていると言います。すぐさま守谷が何のこと私あなたとは行かないから二人で行きなさいと言います。
真昼が返事に困っていると同じ中学だった女子が真昼をあひると呼び近づいてきます。女子は葵と仲良くなりたいようで、葵と話している真昼が気に入らないようです。
音楽教室に着くと真昼はすぐに葵から離れて席に着きます。ようやく一人になれたと安心していると横に葵が座ります。
真昼がなんで? と訊くと葵は席自由なんだよねじゃあ隣でもいいよねと言います。
真昼は葵がたまたま偶然隣に座ったのだと思い込もうとします。ちらっと横目で葵を見ると葵は何か作っています。折り紙を折っています。
葵は気になる? と言って折り紙を見せます。
真昼は葵が折った折り紙が想像を超えていて驚きます。
葵は真昼に兄弟はいるの? と訊きます。
真昼は妹がいると応えます。
葵は今日一緒にお昼を食べようと言います。
真昼は断ります。
葵は今度一緒に食べようと約束をします。
真昼はひとりで人気のない階段でお昼を食べます。話し声が聞こえて見てみると守谷と先生が話しています。
守谷と先生は指輪について話しています。
先生は真昼に気がつきます。
先生が話しかけると守谷は背後に真昼がいることに気がついて先生に真昼とお昼ご飯一緒に食べると言います。
先生がいなくなり守谷は真昼に聞いてたと訊きます。
真昼は何が? と言います。
守谷は先生と話していたことは他言無用よと、これからあなたを監視すると言い隣に座ります。そして、葵とどうなったと訊きます。
真昼はあれは気のせいだったと言います。
守谷は本気っぽかったと言います。
真昼は言葉に詰まり、先生と何の話をしていたのと訊きます。
守谷は顔を赤くして、忘れてそれこそ気のせいだからと言います。
放課後、真昼は守谷との会話がなにかすっきりしないと感じつつ悪いことが起こる前に帰ろうとしたら葵に出くわします。
葵はみね屋(パン屋)に行こうと誘い連れていきます。
葵はみね屋で真昼にどうしてあひると呼ばれているのか訊きます。
真昼は理由を話します。
葵は真昼が可愛かったからだと言います。
真昼は欲しかった言葉を葵が言うので目に涙を浮かべます。
葵は泣かせてしまったと慌てます。
真昼は悲しく泣いたわけじゃないと言い、葵は安心します。
葵は妹さんにと真昼に折り紙を渡します。
真昼はどうして葵が妹のことを知っているのか気になります。
葵は自分の妹が折り紙が好きだから真昼の妹も折り紙が好きなのかなと思って折ったと言います。
真昼は妹は同じ年だと言います。
葵は勘違いしていたのがわかり謝ります。
真昼はありがとう喜ぶわと言います。
葵は改めて真昼に好きだと言います。
真昼は悲しい思いはしたくないので受け入れられず帰ると言って店を出ていきます。
真昼は葵を気にしているのに気のせいだと言い聞かせます。
真昼にはじめて好きな人ができた出来事が描かれます。
その人は先輩です。話していくと次第に好きになっていきます。先輩から呼び出され行ってみると、自分ではなく妹の真夜に告白するつもりで柳瀬を呼び出したのだとわかります。先輩と真夜はたった一度だけ話したことがあることがわかり、それだけで全てを真夜が持っていってしまったことが今もしこりとなって残っています。その日家に帰りたくなくて真夜に会いたくなくて外で時間をつぶして遅くに帰宅します。母親は真昼を叱ります。真夜は真昼を探しに出たまま連絡が取れないのだと言います。真昼は真夜がこのままいなくなればいいのとさえ思ってしまいます。自宅の電話が鳴り母親がでると警察から出真夜は保護されていました。母親と真昼で警察に行くと、真夜は足を傷だらけにして迎えを待っていました。真昼は真夜のそんな姿を見て真夜がいなくなればいいのにと一瞬でも思った自分を恥じます。
真昼ははじめて好きな人ができた時の夢を見て目が覚めます。罪悪感の感触が残っています。
いつもより早く家を出て学校に向かいます。
葵が真昼に声をかけます。
真昼は警戒します。しかし、学校までの道のりは同じなので一緒に学校に向かいます。
葵は妹に折り紙を渡したか訊きます。
真昼はまだ渡していないと言います。
学校では先生が授業中に生徒に指輪をなくしたから見かけたら届けてほしいと言います。
真昼は守谷が持っていた指輪がそうなのだとわかります。
真昼は守谷と話します。真昼が何で指輪を隠すのか訊きます。守谷は何でもいいから黙っていてと言います。
真昼と守谷の会話を葵が聞いています。葵は今の話を秘密にしてあげるからお昼ご飯を一緒に食べてと言います。
銀河が葵を探してやって来ます。
四人でお昼を食べます。
銀河は真昼に葵と友達になったのかと訊きます。
真昼は友達になったと応えます。
銀河は裏切るなよと怖い表情で言います。
真昼はいいことがあると悪いことが起こると信じているので銀河の冷たい表情が運気をプラスマイナスゼロにしてくれるような気がして喜びます。
銀河は真昼を気持ち悪がります。
葵は真昼を今日もみね屋(パン屋)に誘います。
教室にいる女子はじっと真昼と葵の会話を盗み聞ぎしています。
真昼は行かないと言います。
葵は気が向いたらでいいから校門で待っていると言います。
放課後真昼は急いで学校を出ます。帰り道もしかしたら葵が本当に校門で待っているかもしれない考えます。校門には戻らずみね屋に行ってみます。葵の姿はありません。
店にいる同じ学校の生徒が校門でイケメンが立っていると話しているのが聞こえます。
真昼はまさか葵ではないだろうなと思いながら立ち聞きしていると、その男子は折り紙を折っていると話しているので葵だと確信し学校に戻ります。
校門に葵が立っています。
真昼は頭を抱えて自己嫌悪に陥ります。
葵が真昼に気がつきます。来てくれてよかったと言います。でもバイトの時間だから今日は行けなくなったと言います。
真昼は明日なら一緒に行ってくれる? と訊きます。
葵は明日と約束し折り紙を手渡します。
真昼は自宅で葵との会話を思い出します。またつらい思いをするかもしれないと心が揺れています。
翌日真昼は守谷に相談します。守谷は人違いなんじゃないかと言います。
真昼は双子の妹がいると写真を見せます。
守谷は真夜の画像を見て人違い確定だと断言します。
葵が現れます。
真昼は恥ずかしくなってお茶を買いに行くとその場を逃げ出します。
自販機でお茶を買っていると銀河が来て、葵から逃げるように見えたと言います。
真昼はみんなのお茶を買いに来ただけと言います。
銀河は真昼にいいやつだなと言います。葵は友達が少ないから真昼が仲良くするのを見てホッとすると言います。
真昼は葵に友達が少ないのが意外で訊いてみると、銀河はそれは俺からは言えないと言います。
先生が切実に指輪を探してほしいと生徒に訴えます。
みんなで先生の指輪を探します。
真昼は指輪のありかを知っているから探しているフリをします。
葵は女子から話しかけられています。母の日について話していて女子は葵に母の日はプレゼント何買うのと訊きます。
葵は花束だと応えます。
女子はプレゼントを一緒に買いに行こうと誘います。
葵は行かないと言いこの話はもういいかなと会話を切ります。
葵は真昼に声をかけ二人で屋上に行きます。
二人きりになったので真昼はさっきの女子との会話について訊きます。頼りにならないけど相談してね愚痴の捌け口にはなるからと言います。
葵は笑います。
真昼は笑うところじゃない、一人で抱えてると落ちてくだけだからと言います。
葵は真昼を引き寄せ抱きしめます。そして顔を近づけます。
真昼は驚きます。寸前のところでチャイムが鳴り葵は戻ろうかと言い教室に戻ります。
教室にいた守谷が真昼と葵を見かけどこに行っていたのと訊きます。
葵は守谷こそ教室にいなかったからどうしていたのと訊きます。
守谷は探しているフリをしていたと言います。
葵は誰のせいでこんなことになっていると思っているんだと言います。
守谷は反省していると言い、真昼の様子がおかしいのに気つきどうしたのと訊きます。
真昼はなんでもないと言います。
真昼は屋上での葵の行動について考えます。思い出すとドキドキして甘酸っぱい想いをして自分はどうにかなってしまうんじゃないかと冷静ではいられなくなります。
葵が側にいることに気がつき驚いて叫んでしまいます。
葵はみね屋に行こうと誘います。
真昼と葵はみね屋に向かいます。
真昼の携帯が鳴ります。真夜からです。真夜からみね屋にいるとメッセージが入ります。真昼は思考が固まります。真夜がみね屋にいる。葵を会わせたくない。そう考えます。
真昼は葵に今日はみね屋に行くのをやめようと言います。
葵はもう目の前だよと言います。
真昼は気分が… と言います。
葵は真昼を心配して悪くなった? と訊きます。
真昼は決定的な事実を突きつけられるのがこわくて向き合えません。
葵は無理に誘ってしまったことを謝ります。
真昼は意を決して本当のことを話します。妹の真夜がみね屋にいること。真夜を葵に会わせたくないこと。真夜に会って好きになったら困ること。そもそも葵が好きになったのは自分ではなく真夜のほうなんじゃないかと考えていることを正直に話します。
葵は真昼が妹の真夜に会わせたくないってことは真昼に対して勝機があると考えていいってことと訊きます。そしてお守りを見せます。高校初日にもらったお守りともうひとつお守りを見せます。もう一つの方はちょっと前に真昼からもらったものなのだと言います。
真昼は葵と以前に会ったことがあるの? と訊きます。
葵はそう会ったことがある、好きなのも妹ではなく真昼なのだと言います。真昼に近づいて屋上での続きがしたいと言います。顔を近づけてしてもいい? と訊きます。
真昼はうんと言います。
続きます。
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