2024年12月30日月曜日

谷口 ジロー 千年の翼、百年の夢

ある男性がルーブル美術館で体験した不思議な出来事について描かれた作品です。

夢と現の間に入り込み奇妙な体験をします。奇妙な体験は強い意識の中にある記憶でルーブル美術館の美術品の作家と出会ったり、戦争中の奮闘や世を去った最愛の妻に再会したりします。すべては男性の願望から起こった夢なのか、身体で感じられる体験として残る出来事なのかはわかりません。

ルーブル美術館という迷宮で画家と美術品を見にやって来たであろう有名人と言葉を交わし歴史の場面を目撃するという体験は出来るなら経験してみたいと思いました。日本にある美術品も鑑賞した有名な誰かがどう感じたのかと文章にしたものがあれば読んでみたいです。




男性はスペインのバルセロナで開催された国際マンガフェスティバルのイベントを終えせっかくだから皆とは別行動をとりパリに5日間ほど滞在し東京へ帰る予定でした。

しかし、疲労がたまっていたのか体調を崩しホテルで薬を飲みベッドで眠りにつきます。

翌朝、目覚めると少し気分は楽になっていたので朝食を摂りにホテルを出ます。カフェで朝食を摂りパリの街をブラブラ歩きます。

男性は5日間パリの美術館巡りをする予定でした。ルーブル美術館を訪れたことがないと思いパリ滞在中はルーブル美術館に行ってみようと決めます。

館内に入ると展示物を見て回るのにも苦労するほど人で混雑しています。人のいないところ探し移動していると風邪がぶり返したのかめまいに襲われしゃがみこみ意識を失ってしまいます。



意識が戻るとたくさんいた人達の姿はなく、さっきまでとは空気の臭いが違う気がします。男性は自分はどうかしてしまったのか、これは夢かとつぶやいていると女性がやって来ていいえこれは夢ではありませんと言います。

女性は夢に似た状態にあると言い、あなたの夢想の中の時空ある夢よりもずっと現実によりそった次元ですと説明し、私たちはルーブル宮に宿るものでルーブルの守り人だと言います。

男性は信じられないと戸惑います。

女性は男性に背を向け歩き出します。

男性は待って下さいどこへ行くのですか? と訊きます。

女性はあなたたちがいちばん見たいもの、モナ・リザやミロのヴィーナスでしょうと言い男性を案内します。そして空調設備に案内します。

男性はなぜ僕はと言います。

女性はルーブル宮は夢の迷宮、夢と現の間にあります、このルーブル宮を訪れるたび、あなたは夢の続きを見ることでしょうと言います。

男性は歩き続ける女性にあなたはいったい誰ですか? と訊きます。

女性はニケ、サモトラケのニケと応えます。

男性は現実に引き戻され、サモトラケのニケの彫刻の前に立っています。



2日目のルーブル。

男性は昨日の奇妙な体験を振り返ります。

ジャン=バティスト・カミーユ・コローの絵画「モルトフォンテーヌの思い出」を見ます。再び夢と現の間に入りこみます。

男性は画家浅井忠と話します。

ニケがやって来て、カミーユ・コロー本人を見かけます。

男性は徳富蘆花について考えます。



男性はパリを離れオーヴェル・シュル・オワーズに向かいます。

オーヴェルの教会を訪れ教会の裏から路地を抜け坂道を上がっていくと再び夢と現の間に入りこみます。

男性は画家のフィンセント・ファン・ゴッホに会って話しをします。

現実に戻るとドービニーの邸宅美術館の前にやって来ています。

翌日男性はルーブル美術館に展示しているドービニー絵画を見ます。ニケがやって来たのでオーヴェル・シュル・オワーズでの体験はあなただったのかと訊きます。

ニケはさあどうでしょうと応え、ルーブル宮は魂が集う場所であなたの待ち人もここへ来ると言います。



火曜日男性はルーブル美術館は休館日だったのでオルセーに行ってみようかなと考えているとニケが自分を見ていることに気がつきます。

ニケに連れられて来たのは1939年のパリです。

第二次世界大戦中でドイツ軍から美術品を守るため梱包、搬送作業に追われている様子を見ます。

男性はその中で世界で一番有名な油彩モナ・リザの搬送、ジェリコーのメデュース号の筏の搬送の様子をニケに説明されながら当時の美術品を守ろうと奮闘する様子を見ます。そして、ジョジャールという人物の決断によってルーブル美術館の美術品が守られたことを知ります。



5日目男性はルーブル美術館に行くと夢と現の間に入り林芙美子に会い言葉を交わします。

誰もいないルーブル美術館の館内を歩くとどこからか音楽が聴こえてきて音のありかを探していると人が立っています。男性の失った妻です。男性は二度と会えない最愛の妻に会えて涙します。

妻は心配しないで私のこと、大丈夫だからもう苦しくないから、あなたにはとても感謝しているわと言います。

男性は会えて良かったと妻を抱きしめます。

妻の姿がすこしずつ消えていきます。妻は生きてあなた強く明るいほうへと言い消えてしまいます。

男性はニケが現れ話します。

ニケは男性に喜びを感じてもらいたかった、光を生きるということ生きてここにあるということ、ささやかなほんの小さなものにも“生”の時があり物語がある、ものに宿る魂への鎮魂、あなたはそれらの間を見ることができたと言います。




男性のような体験をしてみたいという願望があるので面白い作品でした。

男性とニケにどういう関係があったのかはわからず、なぜニケが男性の前に現れたのか不思議です。



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2024年12月22日日曜日

望月ミネタロウ ちいさこべえ 4巻

茂次が人生の目的を見つけます。

りつに会って話して今後を考えるきっかけになります。りつと二人で生きていくことを想像するようになり先を考え、りつに大留をやってもらいと思い自分は棟梁として一人前になると決意します。

たまたまりつが連れて来た子供達ともいい関係が作られて、家というものをどういうかたちにするかぼんやりと出来上がりつつあります。

留造から継いだ大留が違った色を出して進んでいくのだろうなと思わせる締めくくりでした。

茂次の意地と人情を描いた面白い作品でした。




りつは自分の部屋で横になり茂次との会話を思い出します。茂次の言った通りそれに似たようなことを言うつもりだったと思い出します。そんなことよりも茂次が些細な会話を憶えていたことで、小さい頃のことを憶えてくれていた事や自分を心配してくれたことなどいろいろ気遣ってくれていたと感じます。茂次がもしかしたらゆうこよりも自分のことのほうが好きなのかもと淡い期待を膨らませたところで現実に戻りそんなことはありえないという結論に達します。



秋の気配がやって来た頃茂次たち大留工務店は忙しく仕事に追われています。そんな時大と職人は親父の具合が悪いため田舎に帰るから休むと言ったクロを見かけます。

クロは嘘をついていました。大たちから逃げ出し大留から姿を消します。

大は茂次に報告します。

茂次は仕方がないと言います。

2週間が過ぎ「三の町」の再普請がほぼ仕上がります。

りつは三の町が仕上がったと聞いて茂次が少しは休めるかなと期待します。



秋が過ぎ冬が来て暮れの事を考える時期になります。

材木問屋の和泉社長が家に来て茂次にビンゴ大会で当たった「温泉・家族全員ご招待」券を使ってくれと持ってきます。

茂次はありがたく頂戴し従業員に五日間の休みをやり、旅行にはりつと子供達と見習い達に行かせようとします。

りつは茂次に温泉に行かないのかと訊きます。

茂次は子供達を任せていいなら家にいるよと言います。



子供達の一番下のあっちゃんが熱を出してしまいます。

りつはあっちゃんの世話をするため温泉は行けないと言います。

茂次はりつが行けないなら温泉はなしだなと言います。



翌朝、子供達は事情を聞かされると楽しみにしていたので納得せず茂次とりつが留守番すればいいと言います。

キクはりつが行かないなら僕も行くのをやめようかなと言います。

りつはキクに一番のお兄ちゃんなんだからみんなの事を頼みたいのだと言います。

キクは渋々分かったよと言います。

茂次はりつのキクへの態度に違和感を感じます。



あっちゃんを残して子供達と見習い職人で温泉に出掛けます。

茂次は一行を見送ってからりつに久しぶりに羽を伸ばせるから買い物か映画でも行ってきたらどうかと言います。

りつは茂次の言葉を相手にせず、茂次こそずっと仕事に追われていたんだから気晴らしにどこか行ってきたらどうですと言います。

茂次は休みの間家で食っちゃ寝だと言います。

りつはすこし口角を上げてうれしそうに太っちゃいますよと言います。



茂次は言った通り部屋で本を読みうたた寝をして過ごします。

りつはいつもと同じように家事をこなします。

茂次は部屋から出てきて洗濯物を干しているりつに話しかけます。

りつは起きたのなら掃除機をかけようと思うと言います。

茂次はそんなことはいいとりつを気遣おうとします。コーヒーを飲むか? と言います。

りつは淹れますと言います。

茂次はいやいや俺が淹れるからと台所に向かいます。

りつはついて行きます。



りつは茂次がコーヒーを淹れるのを待っているのがどこか落ち着かない様子で茂次のお昼ご飯をと言って立ち上がろうとします。

茂次は後でいい座ってろと言います。

りつは前に話したキクのことを話そうとします。でも思い直してなんでもないと話すのをやめます。



りつが頬杖をついて待っていると、茂次はお前はいつも眉間に皺を寄せているなと言います。

りつはえっ と言いムスッとします。

茂次は怒らせてしまったと話題を変え福祉施設の話をします。

福祉施設の話からゆうこの話になります。

茂次はりつがゆうこに添削をしてもらっていたこと驚きを感じます。



茂次が食べた食器を片付けながらりつは仏頂面と言われたのを気にして鏡に向かって笑顔の練習をします。納得いかない様子です。

りつは買い物に出掛けようとします。でもやめて茂次にあるもので何か作ろうと思いますと言います。

茂次はそうしろ、お前も一緒にゴロゴロ食っちゃ寝しようと言います。

茂次とりつとあっちゃんでゴロゴロして過ごし、夜ご飯は即席麵で済ませます。

あっという間に一日が終わり翌日午後子供達が帰ってきます。



五日の休みの最終日の夜。

りつは布団に入り茂次のことを考えています。障子の外に人の気配を感じます。部屋にキクがやって来ます。

キクは障子を開け部屋に入ってきます。

りつは寝たフリをしてキクの様子を伺います。

キクは布団の側まで来て、りつをお母ちゃんと呼びます。お母ちゃんおやすみと言って部屋を出ていきます。

りつはキクが自分をどう見ているか知ります。キクのことを誤解していた自分を恥じて泣きます。



りつは茂次の部屋に行きます。障子越しに話し始めます。

茂次はりつが何を言おうとしているのか分からず明日の朝に話そうと言います。

りつはわかりましたと部屋に戻っていきます。



茂次は目覚めると障子の隙間にりつからの手紙を見つけます。手紙を読んでりつの部屋に行きます。布団は畳まれていて荷物がなくなっています。台所へ行くと朝食が準備されています。携帯にかけても電源を切られています。子供達が起きてきたので朝食を食卓に運ぶように言い、りつを探しに家を出ます。



りつの置手紙にはおひまをもらいますと書かれています。

りつはバスに乗ります。

茂次はりつがバス通りに向かったはずだと走ります。大から電話がかかります。

大はクロに会ったと言います。

茂次はりつを探しながら大の話を聞きます。

りつは母親の墓に来ています。掃除して手を合わせます。お腹が空いたのでベンチに座りおにぎりを食べようとします。

りつの目の前に茂次が現れます。りつは驚きます。

茂次はりつに前にお前の母ちゃんの墓がどこにあるか聞いといてよかったぜと言います。

茂次は大からの電話の内容を話し始めます。これからいろいろ経験したらまた違うふうに変わるんじゃないかと言います。そしてお前がいないと困ると言います。

りつはそれなら人手を雇えばいいと言います。

茂次はりつの言葉には答えず自分の考えを話します。りつに「大留」をやってもらいたい、結婚してくれないかといいます。

りつは思いもよらない茂次の言葉に固まります。すこししてゆっくり立ち上がります。手にしていたおにぎりを落としたことで我に返ります。茂次に少し前からいつ言い出そうか迷っていたんだ、お前は嫌か? と訊かれ大粒の涙を流します。うれしい、だけど、と首を横に振ります。だって利息があるじゃないと言います。

茂次は利息が何のことかわかりません。

りつはゆうこのことだと言います。

りつの説明を聞き茂次はそんな話を鵜吞みにしたのかと、ちょっと歩くぞと言いりつの荷物を持って歩き出します。

りつは茂次の後ろをついて行きます。

茂次は歩きながら利息についてゆうこについて話します。りつがゆうこを好きなんでしょと言うと茂次は好きだ、けどお前に対するものとは違うと言います。りつがそんなの、と茂次から視線を逸らすと茂次はええい面倒くせえ! 分かったもういいっ、後は好きにしろっ! と言ってりつの荷物を置いて歩いて行ってしまいます。

りつは腕を組んだまま動かず茂次の後ろ姿を見ています。組んだ腕を後ろ手に組み直し茂次の姿が見えなくなると、待って、と茂次の後を追いかけます。



年末近くになります。

茂次はゆうこと喫茶店で会います。

ゆうこは大留の看板と暖簾を茂次に手渡します。りつのお話ノートを誉めます。

茂次は帰宅するとサクラにばったり会います。いい機会だからと思いサクラにここはお前の家でずっとうちの子だとそして俺とりつがいつでもここにいると言います。

サクラはうれしかったようで、でも素直になれなくて、奇妙な言い回しで感謝の気持ちを伝えます。



大晦日。

茂次は喪中にもかかわらず新年を祝うことにします。



両親の一周忌を終えいくつか季節が過ぎた頃茂次とりつは結婚式を挙げます。

子供達は大留の家から学校に通っています。祝いの宴は家で夜遅くまで行われます。



茂次は疲れて部屋の布団でうとうとしています。りつが隣で座っています。少しすると仏壇に行きおじぎをして両親の位牌に向かって、これからどうぞよろしくおねがいします、と手を合わせます。

終わりです。



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2024年12月20日金曜日

望月ミネタロウ ちいさこべえ 3巻

茂次の意地と人情が描かれます。

意地を事務員のなつこには話しているのが意外でした。誰にも話さずに意地を貫いて去る者は去って仕方ないと腹を括っているように見えたからです。

人情については又吉が物を盗んだ店は幼馴染の一徳が経営している店で無茶を言っているのを承知でなんとか許してほしいと頭を下げて頼む茂次の姿で描かれています。ここで一徳に人情を前面に出してひたすら詫びを入れているのはこのあとにりつと話す内容につながるのだなと思いました。

3巻でようやく物語の輪郭がわかりました。面白かったです。




茂次はりつに俺は意地っ張りか? と聞きます。

りつは少し黙って考えてから意気地なしより意地っ張りのほうが男らしいですと言います。

茂次は分かったと言います。着替えて居間に行ってそれから出掛けると言います。



居間にやって来た茂次は大と横浜にこれから保険会社と三の町の施主の所へ行き再普請に取りかかると伝えてくると言います。

横浜は驚き反対します。

大はグッとこらえて黙っています。

横浜は施主に手付けを返したほうがいい、これ以上借金を積み重ねると大留が潰れると言います。

大も無茶だと言います。

茂次は何も言わず出ていきます。

玄関で大は横浜の言う通り施主に手付けを返そうと言います。

茂次は親父ならそうすると思うか? 投げ出すか? と訊きます。

大は時代も事情も違うと言います。

茂次は家を建てると請け負ったら契約通り家を建てて施主に引き渡すのが仕事だ、こんなことで手詰まりだって途中で投げ出すまねなんかしねえと言います。

事務員のなつこがやって来て、玄関での茂次と大の話を聞いています。



横浜は茂次が強情だと大留を継ぐべきじゃなかったとひとりごとを漏らします。りつにお茶をくれねえかと頼みます。

りつは横浜のつぶやきを聞いていたので怒った表情でご自分でどうぞと言います。

横浜はりつの迫力に怯んで自分でお茶をいれます。



茂次は家を出ます。

大は考えられねえとぼやきます。

なつこが大にちょっとお話がありますと言います。



茂次は施主の所へ行き再普請の了解を取り付けます。



なつこは若棟梁との会話を話します。経理の事で若棟梁に詰め寄ったと言います。

茂次は横浜から金を借りるという件は忘れろって言っただろうと言います。

なつこは茂次にみんな大留のことを考えているんですと言います。

茂次はそれはわかってると言い、大たち職人には言うなと前置きし、自身の気持ちを話します。みんなの大留を立て直したいという気持ちが痛いほどわかるから何も言わなかった。横浜のことについても横浜は大留を出た人間で、出た人間であっても大留の危機があれば何としても助力しようとする。しかしそれは互いにとって一生の荷になるかもしれないから構うなとこっちが突っぱねる感じの物言いをするしかない、それ以前に他人の力で立て直ろうとすることは親父が喜ばないだろうと言います。

なつこは黙って茂次の話しを聞いたと大たち職人に説明します。

大と職人は茂次の考えを知ります。

職人たちは茂次を信じることが出来なかったことを恥じ自分達に出来ることは何かと問います。

大はしっかりと仕事をするだけだと言います。

横浜も玄関近くに来ていてなつこの話を聞いていて茂次の思いを知り怒りも呆れも収まります。



夕食はハンバーグを作り茂次の帰りを待ちます。

茂次は家を出る時横浜も大も職人もカリカリしていたのに帰ってきたら全員が何もなかったように清々しい表情をしているので不思議がります。



夕食後茂次はなつこに火事の時布団屋の主人がなくなり家も焼けてしまったことを思い出し、うちで出来ることがあればしてやりたいから連絡を取っておいてくれと言います。

なつこはわかりましたと言って帰ります。

茂次の横で話しを聞いていたりつは急につんけんとした態度を取り始めます。



りつは茂次に対しずっと怒っています。

茂次はりつの様子に気づいています。しかし何も言わず暖簾を持って信用金庫の支店長福田に会いに行きます。福田に自宅の権利書と大留の看板と暖簾を出してこれで金を借りたいと申し出ます。

福田は審査してみると言います。



数日後茂次は事務員のなつこに金を借りられたと言って各所の支払いを指示します。大には普請の再手配を伝えます。その間にも火事の被害を受けた家の法事を手伝ったりもします。

りつは黙々と手伝いをします。

数週間忙しい日々が続き疲れもあって茂次はりんのつんけんとした態度にカッとなって手を上げてしまいます。



翌朝りつは起きて台所に行くと、

すまなかった 気が立っていたんだ 茂次

という書置きを見つけます。



りつはスーパーマーケットでなつこに会います。なつこから茂次とゆうこが結婚という話しが進んでいると聞かされます。

りつは屋敷にそう長くはいられないだろうなと考えます。



茂次は帰りが遅くなり台所へ行くと夕食とりつの書置きがあるのを見つけます。

茂次はりつの部屋に行き障子越しに話しをします。昨日は叩いてすまなかったと言いりつの言葉を待ちます。

りつは私も悪かったです、でももし謝るんなら茂さんのお父さんお母さんに謝ってくださいと言います。

茂次はなぜ両親が出てくるのかわかりません。

りつはつんけんしている理由を話します。町内の家の法事は手伝うのに、どうして両親のお骨はそのままにしておくのかわからないと言いすすり泣きます。

茂次はしばらく黙ってりつの小さな嗚咽を聞いてから話し始めます。両親のお骨をそのままにしておくのは親父や母ちゃんを仏あつかいしたくないからなんだと言います。まだ二人には仏になってもらいたくなくて死んだことを認めたくなくてそのままにしている、大留を立て直すまで仏あつかいしないつもりなのだと言います。

りつは茂次の気持ちを聞いて謝ります。



茂次と大は仕事が早く終わったので呑みに行きます。

いろんな事をこれまで以上に頑張ろうと確認し合い、茂次が職人のクロの姿を見かけないと訊くと、大は最近いろんな口実をつけてちょくちょく休んでいると言います。

店を出て茂次は大留工務店の敷地を見て気持ちを新たにします。



子供達が描かれます。

一番年下のあっちゃんは怖い想像をしてりつに泣いて訴えます。

又吉はお菓子を万引きし、店の人が警察に引き渡そうとしてりつと茂次が謝り店の人を説得します。

夜茂次はりつに初めて子供達を屋敷に置いてほしいと言った時のことについて話します。屋敷には置けないと言った時りつが何か言おうとして飲み込んだ言葉を訊きます。

りつは何だったか覚えてないと言います。

茂次はりつが言おうとした言葉を推察して言います。

りつは茂次の言葉を否定します。しかし強く否定できません。

茂次はあらゆる出来事でりつの口にしなかった言葉が頭の中で響いていると言います。りつの存在から求めていた何かを得たようです。

りつは口にしなかった言葉が茂次の頭に繰り返し思い起こされていると知り、ギュッと手を握り茂次を見つめます。



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2024年12月18日水曜日

望月ミネタロウ ちいさこべえ 2巻

茂次はとにかく意地を貫きたいと考えているようです。しかし心が折れそうになる出来事が多発してしまいます。

大は大留工務店を茂次と共に再建したいと考えています。しかし茂次の考えがわからず悩みます。信じるのか信じないのか。信じたいのか信じられないのか揺れています。

りつと子供達はギクシャクする関係をどう解いていくのか、茂次は窮地に立たされどうするつもりなのか続きが楽しみです。



茂次は「ちいさこべ」の話をします。

大は茂次がその話をする意図がわかりません。茂次にちゃんと考えを聞きたい、何も言ってくれないから何を考えているのかわからないと言います。

茂次はお前には余計なことだと話を打ち切り帰ろうと言います。



数日後、茂次は福田ゆうこに会います。

ゆうこは茂次に「ちいさこべのすがる」の話しをしてきっと何とか出来ると思うと言います。

茂次はゆうこの間接的な励ましに感謝します。



茂次は帰宅するとりつから子供達が逃げ出したと言われます。

りつは心当たりのある理由をいくつか挙げ、子供達を探してくると言います。

茂次も一緒に探します。

子供達は見つかりません。

茂次の携帯にゆうこから子供達がゆうこの自宅にいると連絡が入ります。

茂次とりつはゆうこの自宅に向かいます。

ゆうこが子供達を一晩預かると言うので茂次とりつは明日の朝の迎えに来ると言い帰宅します。



翌朝、りつは子供達を迎えに行き思い切り叱ります。

夜茂次はりつと話します。



茂次とりつは子供達となかなかうまく打ち解けることができません。

職人とも関係がギクシャクします。

りつは茂次に子供達の中の一番大きい子キクという男の子について困ってると

話します。

茂次は年頃だから気をつけるしかないと言います。



休みの日も仕事をする茂次に大が一人でどうにかしようと片意地張っているようにしか見えないと言います。



次の休みは茂次はりつとゆうこと子供達で近くの森林公園に散策に出かけます。

茂次は昔りつを叩いて泣かした出来事を思い出しりつと話します。



大が他の工務店に誘われていることを横浜が聞きつけ、横浜と大か話します。



茂次はりつと遊ぶ子供達を観察しています。キクを見て傷つくことにならないか気にかけます。



茂次が手掛けている住宅の現場が火事に遭います。

茂次と大が揉めます。



火事を聞いた横浜がやって来ます。

茂次はりつに自分は意地っ張りかと訊きます。

りつは意気地なしより意地っ張りのほうが男らしいですと応えます。

茂次は分かったと言います。



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2024年12月16日月曜日

望月ミネタロウ ちいさこべえ 1巻

大火で実家の工務店「大留」が焼け、両親を亡くした若棟梁・茂次は、「どんなに時代が変わっても人に大切なものは、人情と意地だぜ」という父の言葉を胸に再建を誓う。

そこにお手伝いのりつ、行き場のない子供達が転がり込んできて……

ひげもじゃ若棟梁の崖っぷち人生はじまりはじまり。



山本周五郎の小説「ちいさこべ」を望月ミネタロウの解釈で漫画化した作品です。

原作の舞台は江戸です。この作品は舞台を現代に置き換えて描かれています。

主人公の茂次(しげじ)は父親である棟梁留造(とめぞう)からの教えである人情と意地そして大留工務店を守ろうと奮闘する物語です。

漫画的表現がほとんどなく人物の感情を表現しています。その感情表現が画から伝わりコマの中の人物たちがイキイキしているように見えて面白いです。



大規模な火災が起こり両親と大留工務店の建物を失ってしまいます。

茂次は家業の工務店を継ごうとしていて若棟梁として頑張っています。鎌倉に来ていて東京には戻らず泊りで仕事をしていると大留工務店周辺が火事で焼けたという連絡が入ります。悪いことにその火事に茂次の両親である棟梁留造と女将も巻き込まれてしまったというのです。

職人の一人大(まさる)が東京の様子を見てくると言い、茂次は現場で仕事を続けます。



茂次は途方に暮れます。両親を失い火事によって作業員が負傷し工務店が焼けてなくなりこれからどうすべきか問題が山積みだからです。

大が戻ってきます。大は東京の状況を説明し、屋敷に作業員を世話する人を雇ったと言います。住み込みで雇ったのはりつという女の子だと言います。

茂次はりつを幼い頃に覚えがあると言います。

大はりつが家政婦として食事や身の回りの世話を引き受けたいと言うので雇ったと言います。

茂次はわかったと返事します。

大はただひとつ問題があるのだと言います。りつが火事で燃えてしまった福祉施設の子供達の面倒を見ていてその子供達を屋敷に連れてきたのだと言います。

茂次は東京に帰ったらりつと話してみると言います。



茂次は東京に戻ります。りつと顔を合わせます。

留造の弟子で独立した横浜と呼ばれる人物がやって来て、茂次に協力を申し出ます。

茂次は協力を断ります。



翌朝、茂次は騒がしい物音で目覚めりつが連れて来たという子供5人と対面します。りつを呼び話しをしようと言うとりつが朝ご飯の後でと言うので茂次はジョギングに出かけます。火事の被害を目撃し、信用金庫の支店長の娘福田ゆうこに会います。

茂次はジョギングを終え屋敷に戻ると子供達5人と鉢合わせします。会話ができないとわかりりつを呼び話しをします。

りつは茂次に子供達を屋敷に置いてほしいとお願いします。

茂次は役所に頼むしかないと言います。

りつは福祉施設か役所の人間が来るまでは待ってほしいと言います。

茂次は了承します。



茂次は仕事の手順を決めるのに忙しい日々を送ります。大留工務店の事務員が資金の話をすると、なんとかすると応えます。

大がなんとかっていったいどうするのかと訊きます。

茂次はそんな心配はお前達がすることじゃないと言いかけた時、横浜が顔を出します。

横浜は力になりたいともう一度言います。

茂次は断ります。

大は茂次を諫めようとします。

しかし茂次は職人たちに自分たちの力だけで大留工務店を立て直すと宣言します。

横浜はあきれた様子で帰っていきます。



茂次は材木問屋に出かけ、社長に土地を抵当に入れて木材と金を調達しようと交渉します。

社長は茂次の条件を受け入れます。



福祉課の職員がやって来ます。

信用金庫の支店長福田もやって来ます。

職員も福田も子供達をここに置いておくわけにはいかないと言います。

りつはなんとか子供達を置いてほしいとお願いをします。

職員はりつに何か資格を持っているかと訊きます。

りつは何も持っていないと応えます。

福田ゆうこが部屋に入って来て、保育士と幼稚園教論の資格を持っているから手伝いたいと申し出ます。

職員たちはそういうことなら短い期間という条件で許可すると言います。



茂次とりつと子供達のやりとりが描かれます。

子供達は茂次に負けたくないのか、どこで仕入れたのかわからない大人が使う言葉で茂次に反発します。

りつは子供達を屋敷に置いてくれたことで茂次にお礼を言います。



ゆうこが屋敷に出入りします。

りつはゆうこが自分に出来ないことで子供達と接しているのを見て敵わないとやや落ち込んでいます。



事務員が茂次に金の工面の催促をします。

茂次は分かっていると言い昼食をとったら現場から姿を消します。

大は茂次が行きそうな場所に見当がついていて、そこへ行くと茂次が立っているのを見つけます。

茂次は大に「ちいさこべ」って知ってるかと訊きます。



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2024年12月12日木曜日

タアモ 地球のおわりは恋のはじまり 5巻

本音をぶつけ合い、はじめての喧嘩をした真昼と真夜。仲直りできたはずと思うふたりだけど、実は本当に胸の中に抱えているものはお互いに話せずにいた…。そんななか、同じバイト先の真夜が葵にとうとう告白してしまう。さらに銀河も真昼に、「俺にしとけ」と告白してきて……!?




真昼の真夜への劣等感は真昼自身が作り上げてしまったものでした。不運が重なってあれもこれもと妙なつながりを意識してしまったらなかなか抜け出せないと思います。

真夜はただ頑張って生きてきただけで、真夜の言う通り劣等感を抱かれても困ると思います。

真昼は葵との出会いで真夜への劣等感を克服しました。この一つの出来事で乗り越えられたのは葵のおかげです。

真昼が葵を信じてみようと思ったことも重要です。この思いがうまくいってよかったなと思います。そして、真昼と真夜姉妹が気持ちをぶつけ合えたことがなによりよかったなって思います。




銀河は真昼に俺にしとけと告白します。

真昼は驚いてそのあと困ったような表情でごめんなさいと断ります。

銀河はわかっているわかってて言ってると言います。



真昼は守谷を誘いみね屋に行きます。

守谷は真昼がものすごく落ち込んだ表情をしているからつきあった、美味しいパンが食べられてよかったと言います。

真昼が落ち込んでいる理由は知っているようで、落ち込むことはない断ったんだからあとは銀河の問題だと言います。

真昼は葵と銀河の関係が変になるのは嫌だなって思う、葵に明日話すと言います。

それを聞いた守谷は真昼にすこし変化したと言います。

真昼は真夜ならどういう選択をするだろう、真夜との関係は自分が壊していると考え、真夜といろいろ話したいと思います。



銀河は葵のバイト先が忙しいので手伝いをしています。葵が学校をサボったのにバイトには顔を出していると知り注意しに来たのに店が混雑していていのでぶつぶつ言いながら手伝っています。

銀河が真夜がいないことを訊くと葵は好きだと言われて断ったから顔を出しにくいんだろうと言います。

銀河は真昼にそのことを話したか訊きます。

葵は真昼にとって真夜は大事な人だから言いにくいと言います。

銀河は焦った様子で今直ぐ真昼に連絡先するように言います。

葵は真夜が真昼の一番のコンプレックスだということを知り、ずっと真昼を傷つけていたのかもしれないと呆然とします。

銀河はどうする? 逃げるか? と選択を迫ります。



真昼は自室にいると真夜が来てドア越しに葵とのことを話します。葵のことを好きになって想いを伝えたらふられたこと、相手が誰であっても真昼を選ぶ他に選択肢はないと言われたと言います。

真夜がドアを開けず戻るので、真昼が部屋を出るともう真夜の姿はありません。心の中で真夜に謝ります。



真昼と葵は二人で出掛けます。水族館に行き楽しんだ後話したいことがあると二人が初めて会った公園へ行きます。そこで二人は互いの気持ちを確認します。真昼は私を選んでくれてありがとうと言います。

葵は真昼が真夜にコンプレックスを抱いていたことに気づかなかったと言います。

真昼は葵が真夜へ抱くコンプレックスから救ってくれたんだと言います。



翌日真昼は学校に行き葵に今日葵の家に行きたいと言います。葵の家で仏壇に手を合わせ兄弟と楽しい時間を過ごします。

葵に送ってもらい帰り道真昼は真夜と話してみようと思うと言います。帰宅すると母親が真夜が部屋から出てこないから呼んできてと言われます。真夜の部屋の前で自分の気持ちを話します。

真夜が部屋から出てきます。

当たり障りのないことを話す真夜に真昼は本音で話そうと言います。

真夜は真昼への気持ちを明かします。

真昼はまだ遠慮していると感じて叩きます。

真昼と真夜はつかみ合いの喧嘩をします。ようやく思っていることを言い合います。

その夜二人は一緒に眠ります。



真夜はバイトを辞めます。真夜の代わりに真昼が葵のバイト先の店で働くことになります。

学校で真昼は銀河にお礼を言います。真夜とじっくり話すことができて前より近い存在に感じていると言います。

銀河は真夜との距離を縮められたことや葵とうまくいってよかったと言います。だけど自分と真昼との距離は今まで通りというわけにはいかないと言います。ダメならこれまで通り友達でという気持で告白したんじゃないと言います。

銀河はこれで最後だと言い去っていきます。

真昼はこらえきれず涙を流します。



真昼がバイトを始めます。葵と一緒に働くのが楽しいようです。

バイトを終え帰り道、真昼は守谷から連絡が来ていることに気がつきます。葵と別れ、守谷が待っている公園に行きます。

守谷は目に涙を浮かべています。先生がとうとう結婚することになったからです。守谷は先生に好きだと伝えふられに行ってくると言います。

真昼は言葉が見つからずうんとだけ言いお守りを渡します。

真昼が守谷が戻ってくるのを待っていると、真夜が帰りが遅い真昼を探してやって来ます。

真昼は理由を話して心配ないから母親に遅くなると伝えてと言います。

守谷が戻ってきます。感情を押し殺しています。真昼にふられたと報告して涙を流します。真昼は守谷を抱きしめます。守谷は想いを伝えてよかったこれで前に進めると言います。



真昼と守谷と葵と銀河は先生の結婚式に出席します。

真昼はブーケを受け取ります。

葵はいつかあんなふうになりたいねと言います。

葵は真昼を自宅まで送るとちょうど真夜が玄関先に出てきていて話します。

真夜は葵に姉をよろしくと言います。



真昼は葵の兄弟たちと遊びに行きます。

葵は真昼に父から預かってきた手紙を渡します。

真昼は手紙を読みます。遊びに来た場所は葵の母親との思い出の場所でした。

葵は改めて真昼への想いを伝えます。妹が作った花飾りを受け取り真昼につけてあげます。

結婚式のような誓いの言葉を述べて、気持ちを隠し合います。



真昼は葵の父親へ手紙を書きます。

真昼は本来の明るさを取り戻したようです。

終わりです。




地球のおわりは恋のはじまり 5巻
(アマゾンのサイトに移動します)

2024年12月10日火曜日

タアモ 地球のおわりは恋のはじまり 4巻

葵くんの事情を知って以来、ますます「ちゃんとした彼女になりたい」と思う真昼。だけど、バイトが忙しい葵とはなかなか一緒にいられない。一方の葵は、真昼を想って同じバイト先で働く真夜と仲良くなっていくのだけれど……!?




銀河は自分に見せる真昼の姿に惹かれていきます。

真夜は真昼にとってよくなるように行動ししていると思ったら、自分の感情を優先しようと心変わりしようです。

葵は考えすぎてうまくいきません。

真昼は真夜への劣等感がぬぐえず心配ばかりしています。

4巻はうまくいかない人間関係が描かれています。




真昼は葵に自分の気持ちを伝えたことがないことに気がつきます。

真昼と葵と守谷と銀河は先生の家に遊びに行きます。

先生の彼女がやって来て、守谷は帰ります。

葵もバイトがあるからと帰り、真昼と銀河は少しして帰ります。

真昼と銀河は先生の家を出て少し話します。



葵は真昼のために真夜と仲良くしようと努めます。

真夜は葵に対して気持ちが揺れます。

真昼は葵に枕を作ります。



翌日真昼は学校へ行くと葵が来ません。

真昼と銀河は葵の家に行きます。チャイムを鳴らしても誰も出ません。

真昼は自宅で真夜から葵がバイトに来ていたことを知り真夜が自分の知らない葵を知っていてショックを受けます。

少し遅れて葵から学校に行けなくてバイトにはいったとメッセージが入ります。



翌日真昼は葵に会って何事もなく振る舞うつもりが顔を見ると感情が昂り思いをぶつけてしまいます。

葵は真昼が心配してくれたことが怒っていることよりも嬉しいと言います。

真昼は葵の口から真夜の話を聞くだけで気持ちが落ちそうになります。けれど葵にそんなことまで言うのは駄目だと懸命に気持ちを抑えようとします。



真昼は本当は気持ちが沈んでいることを銀河には話します。

銀河は真昼からお守りをもらって何か思うことろがありそうです。



バイト中、真夜はいつもなら葵からいろいろ話しかけてくるのに今日は何か考え事をしているらしく黙々と作業をしているので自分から話しかけてます。

葵は初めて真夜から話しかけられたのでびっくりします。元気がないように見えると言われ、真昼とのことを話します。

真夜は助言します。葵からありがとうと言われて照れます。



真夜は帰宅すると真昼から彼氏が来ていたと言われます。

真夜は彼氏とは別れたと言います。



真昼は銀河に葵にもう一つプレゼントを渡すため相談します。

真昼と銀河が話しているとバイト中の真夜が通りかかります。

真夜は店に戻り葵に真昼が銀河と一緒だったと言います。葵の顔色が変わり行ってはいけないことだったと悔やみます。



翌日葵は教室に入ると真昼をつれて出て二人きりで話しをします。

真昼と葵は口論になります。周りの視線に気づいて屋上に移動します。

真昼は葵に謝ります。渡すつもりのプレゼントを取りに行きます。

銀河が葵を探してやって来ます。

葵は銀河に真昼となぜ会うことを言ってくれなかったのか聴きます。

銀河は葵に秘密にしたかったんだろうと言います。

葵は本当に? と言います。銀河が疑ってるのかと訊くと、自分に自信がないだけと言います。

銀河は不吉なことを言います。




葵と母親との会話が描かれます。葵は大事にしようと思うほど傷つけてしまう、人を幸せにできないのではないかと考えます。



真昼は枕を渡せてケンカもはじめてして葵を知れたような気がすると気持ちが満たされます。

真夜か帰宅します。真夜は真昼に何か言おうとして止めます。



真昼は守谷にどうすれば葵にとっての銀河みたいな存在になれるのか相談します。

守谷はちょうど銀河が視界に現れたので訊いてみれば? と言います。

真昼は銀河を呼び止めます。

銀河は自分と話して葵に怒られないかと言います。

真昼は葵とはちゃんと話し合ったし気まずくなるのは嫌だ、銀河とはちゃんと友達でいたいと言います。

銀河は真昼に同意します。

真昼は葵に銀河くらい信用されていればこんなことにならなかったと言います。

銀河は葵に信用されていると思っていることに驚きます。

真昼は銀河は葵にとって絶対的存在だからと言います。

銀河は逆だと言って昔あった話しをします。葵は恩人なんだと言います。葵は真昼に会って変わったとも言います。

真昼は銀河がずっと側にいたから葵は救われたんだと思う、一人だったら今の葵はなかったから銀河は恩人なんだと言います。

銀河は照れつつ、複雑な気持ちになります。



バイト終わりに真夜は葵に告白します。

銀河は真昼に告白します。



地球のおわりは恋のはじまり 4巻
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2024年12月8日日曜日

タアモ 地球のおわりは恋のはじまり 3巻

とうとう付き合いはじめた真昼と葵くん。葵くんに大切にされていると感じるたび、「私もちゃんとした彼女になりたい」と思う真昼。

「もっと、葵くんのことが知りたい」――勇気を出した真昼を、葵くんが「うちに来てみる?」と誘ってきて……!?




真昼は真夜が自分の欲しいものを簡単に持っていってしまうことに不安を感じています。

真夜は真昼から奪っている自覚があるようで、なるべく真昼の領域を避けようとしています。

互いに通じ合わない姉妹の関係は修復できるのか続きが気になります。




真昼と葵は葵の家に行きます。

真昼は何の準備もしていないし、両親がいたら何て挨拶すればいいとかわからないことがいっぱいで緊張しています。

葵はいないから大丈夫だと言います。

家に入ると弟妹から歓迎されます。

真昼は葵が5人兄弟だと言っていたのを思い出します。ふと仏壇に目をやります。

写真に若い女性が写っています。葵がいないから大丈夫だといった理由がわかります。

ほんの少しだけ葵の気持ちを理解します。カレーを作って、葵の妹と仲良くなって帰ります。

葵に送ってもらい家の前で話します。話していると真夜が帰ってきて真昼におかえりと話しかけます。真夜はチラッと葵の姿を見て会釈して家の中に入っていきます。

真昼は真夜が葵を見たことでガクッと気持ちが沈みます。

葵は明らかに様子が変わった真昼にかける言葉がみつからず帰ります。

真昼が家に入ると真夜が彼氏だとはしゃいでいます。

真昼は泣いてしまいます。

真夜は心配します。

真昼はなんでもないと言います。

真夜が今度4人でデートしようと提案すると真昼は葵が忙しいからと断ります。

真夜はじゃあまた今度と言います。

真昼はまた落ち込みます。葵からメッセージが届きます。葵のお陰で前に進めるようになったので葵にとっても自分がそういう存在になりたいと思います。



真昼は真夜と朝食を摂ります。真夜が葵のことをあれこれと訊いてくることを覚悟していたのに何も訊いてこようとしません。

真夜はバイトを始めようと思っていると言います。一緒のところで働かない? と誘います。

真昼はバイト先で較べられるのが嫌だから断ります。

真夜は彼氏と同じバイト先にすれば? と言います。

真昼は学校へ行く途中、葵と同じバイトというのはいろいろ都合がいいなと考えています。周りの女子の会話が耳に入ってきます。その中の一人の女子が葵に告白しようとしていることがわかります。

真昼はその女子に隠れてついて行きます。本当に葵を呼び出し告白しています。

葵は即断ります。

真昼は葵が断るとわかっているのに告白する現場を盗み見して、フラれた女子が泣いているところまで見てしまって自分は何をしているんだと考えます。真夜のことを思い浮かべ、真夜がどんな気持ちを抱えているかと考えきちんと話さなきゃと思います。

また別の女子が葵のことを話しているところに出くわし、今度はきちんと自分が葵と付き合っていると言います。

真昼は葵にそのことを話します。

葵は嬉しそうに真昼を抱きしめます。

真昼は葵が真夜について訊いてくると思っていたのに何も訊いてこないので、自分が真夜のことを気にしすぎているのはないかと思い自信を持って変わっていかなくてはと言い聞かせます。



真昼は銀河と守谷に相談します。そして、四人で先生の家に遊びに行かないかと誘います。

守谷は拒否します。

銀河は面白そうなので行くと言います。

葵を誘うとバイトのシフト次第だから何とも言えないと言います。

真昼は先生の家に行く相談を葵のバイト先でやりたいと言います。



四人で葵のバイト先のカフェに行きます。

真昼は知らない葵の一面を見ることができて嬉しそうです。



真昼は葵がバイトが終わるのを待ちます。

真昼と葵は一緒に帰ります。

真昼は二人で進んでいけることに幸せを感じています。



真夜はバイトを見つけます。真昼に報告しバイト先の店長が変な人だと言います。



真昼は学校で意地悪をされます。同じ中学の女子に葵と付き合っているのは本当かと訊ねられます。本当だと応えるとくやしさからなのか意外すぎてびっくりだとひどいことを言われます。

真昼は何も言わず教室に向かい葵を見つけると葵の胸に飛び込んでギュッと抱きしめます。

葵は真昼がみんなの前で取った行動に驚きつつ嬉しそうです。

男子がやって来て、葵に真昼と釣り合わないと言います。

真昼はネガティブなことを考えます。



先生が家に来るのは来週の日曜日ならと言います。



放課後真昼は葵のバイト先に行きます。

真夜がバイトを始めたという店は葵の働く店でした。

真昼は複雑な気持ちを抱え店を出ます。

葵は真昼の妹だという真夜に効率よく仕事ができるように教えてあげます。

真夜は葵に素っ気ない態度をとります。



真昼は自室で葵と真夜のことを考えます。嫌な想像ばかり膨らみます。

真夜が帰宅します。

真昼はどうだったか訊きます。

真夜は普通だと言います。

真昼は葵はいい人でしょと言います。

真夜はあんまり話せてないの、嫌われてるのかもと言います。

真昼の携帯には葵が真夜と仲良くやっているとメッセージが入ります。



真夜の学時代の話が描かれます。真夜は真昼をどう見ているか、どう考えているかが描かれていて、真昼を傷つけないようにしようと頑張っています。



真夜は見つけたバイトが真昼の彼氏が働いている店なので辞めようとします。

真夜は真昼に心配をかけないように葵とはうまくいかないと話します。



真昼は守谷に相談します。葵に直接訊くことにします。

葵の言うことと真夜が話すことが食い違っていないので安心します。



葵は真昼を不安にさせないため真夜と仲良くしようとします。真夜に積極的に話すと、真夜は心が揺れてしまいます。



地球のおわりは恋のはじまり 3巻
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2024年12月6日金曜日

タアモ 地球のおわりは恋のはじまり 2巻

ずっと「じゃない方」扱いを受けてきた超ネガ少女・真昼は、まっすぐ想いを伝えてくれる葵に惹かれるも、信じる勇気をもてずにいた。そんななか葵から2人は実は昔会っていたことを知らされ、キスをする。葵に改めて告白される真昼だけど……!?




真昼は少しずつ変わろうとし始めます。妹の真夜に対してのコンプレックスはなくならなくて、自己嫌悪したり落胆したりします。人に期待したいのに期待せずにいようとするからなのでわからなくはないです。その反応の極端さが面白いです。




葵は真昼にもう一度告白します。

真昼はまだあんまり知らないし、会ったことがあるって言ってたけど会ったことを覚えてないと言います。

葵は真昼に本当に覚えてない? と訊きます。

真昼は葵が持つお守りに覚えがあります。しかし、そのお守りをあげたのは葵ではなく小さな小学生の男の子だったと記憶しています。

葵は膝を曲げこれぐらいだったかな、俺小さかったからねと言います。

真昼はお守りをあげた男の子が葵なのだとわかります。

葵はあの時からずっと好きだったと言います。

真昼は大事件だったという葵の言葉を不思議そうに聞いてます。

銀河がやって来ます。銀河は葵が一人だと思って声をかけたら真昼がいるので真昼にデートだったのかと訊きます。

真昼は全力で否定します。

銀河はデートだったと顔に書いてあるぞと言います。

真昼はいいことが起こりすぎているので浮かれてごめんなさい、罵ってと銀河にあたふたしながら迫ります。

銀河は反応が気持ち悪いと言います。

真昼は銀河にいいことがあると必ず悪いことがおこるからそうやってバランスを取りたいのだと説明します。

葵がじゃあ一緒に乗り越えようと言います。付き合ってと言った返事を貰ってない、二人なら違うかもしれないと言います。

真昼は頭を振ります。

銀河は断る真昼に怒ります。

葵は諦めないよと言います。

真昼は少し考えてみると言います。

葵はうれしそうにありがとうと言います。

真昼は頭がいっぱいいっぱいになり今日はこれで帰ると言います。葵の言葉が嘘じゃなかったと興奮しながら帰ります。



葵の過去が描かれます。

家族が減った事、万引きを間違われたこと、真昼が助けてくれてお守りをもらったこと、真昼の笑顔に心から救われたことが描かれます。



真昼は葵のこと信じてみようと決めます。翌日インフルエンザにかかり寝込みます。



一週間ぶりに学校に行きます。

守谷から葵がインフルエンザで欠席していたことを知らされます。

真昼は守谷に葵のことを相談します。

守谷は先生とのことを話します。



葵が学校に来ます。

真昼は葵に風邪をうつしてしまったことを謝ります。

葵は家族が始まりで真昼は悪くないと言います。返事をそろそろ聞きたいと言います。

真昼はもう少し待ってほしいと言います。

葵はわかったと言います。



守谷は真昼がまだ葵に返事をしていないと聞いてもう知らないと言います。

真昼も自分に絶望しています。

先生が通りかかります。先生がコンビニ弁当を下げているので守谷が珍しいですねと言うと先生は指輪をなくしてしまったのがバレたのだと言います。

真昼は驚きます。

守谷は災難でしたねと言います。

先生は落とし物には注意しろよと行って去ります。

真昼は守谷に指輪を返しに行こう、そうしたら自分も葵に返事をするからと言います。

守谷は抵抗します。でも、真昼の言うことに従い先生に指輪を返しに行きます。



先生は指輪が見つかって喜び、守谷に感謝します。

真昼は守谷に背中を押され葵に返事をします。



デートです。

真昼はおしゃれをして待ち合わせ場所に向かいます。デートで何をしたらいいかなくて守谷に相談します。

守谷が顔を赤くして真昼に講義します。

行き先は国立科学博物館です。真昼は不運に襲われながら待ち合わせ場所にたどり着きます。

葵は弟の優を連れて来ます。

トラブルがありつつ初めてのデートで真昼は人と何かを共有するは素晴らしさを予感します。



銀河は真昼を詰めています。真昼が葵と付き合っていることは秘密にしたいと言うからです。

葵がやって来ます。

真昼は葵に学校では避けてくださいと言います。

葵はじゃあ今日だけ一緒に行こうと教室に入ります。

真昼はクラスの女子に挨拶します。

女子は真昼の後ろで葵が怖い顔をしているのに気づいて真昼に挨拶を返します。

真昼は守谷と話します。葵とのことや先生のことです。

真昼は先生の家に行ってみようと言います。



真昼の自宅の前に男子が立っています。真夜の彼氏のようです。真昼は真夜を呼んできましょうかと言います。

男子はすみません何でもないので大丈夫ですと言います。

真昼は家に入り、真夜に外に彼氏がいると言います。

真夜は彼氏に怒ったようで、真昼に言われ言いすぎたから謝ってくると言います。

真昼は真夜に自己嫌悪します。



葵は真昼を約束通り避けています。

真昼は一週間何も話せないでいることにこれでいいのかと思い始め銀河に相談します。

銀河は葵のことが知りたければ本人に聞け、喜ぶからと言います。



真昼は葵にメッセージを送ります。葵からはバイトだと返事がきます。一人でみね屋に行きます。自分に嫌気がさして落ち込んでいると声をかけられます。振り返ると葵が立っています。真昼は葵に付き合っていることを秘密にしたと言ったことを謝ります。

葵は真昼にとって大事なことだったんだろうから気にしていないと言います。

真昼は大事なことを見落とすところだった言い葵に質問を始めます。

葵のほうからも真昼に質問を始めます。

真昼はもっと知りたいちゃんと好きになりたいと言います。

葵は家に来る? と言います。

真昼は行きたいと応えます。



地球のおわりは恋のはじまり 2巻
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2024年12月4日水曜日

タアモ 地球のおわりは恋のはじまり 1巻

かわいい双子の妹と比較され「じゃない方」扱い。

だから「いいことが起きても、必ず悪いことが起きる」と人生に期待しないように生きてきた超ネガ少女の柳瀬真昼。

でも、高校入学早々、謎のイケメン・里見葵が急接近! 避けても逃げても、まっすぐ気持ちを伝えてくる葵に真昼は……!?




主人公の柳瀬真昼の性格の歪みが面白いです。いろいろうまくいかなくて、いいことがあると必ず悪いことが起こるを信じていて、いいことが起こりすぎると極端に悪いことが起こると怖れます。悪いことが起こるといいこととのバランスが取れて気持ちが安心します。人生に期待せず生きようと思いながらどこかで期待している気持ちの揺れが面白いなと思います。




双子の姉妹の物語です。

姉の柳瀬真昼は幼少期のトラウマが人格に大きく影響してしまいネガティブな思考の女の子です。双子の妹真夜と比較されることが多くて、男子から呼び出され告白かと行ってみると君じゃない方と呼び出したのが双子の妹だったということが何度なくありました。妹の真夜はかわいくて自分はそうではない。次第にそう思い込みコンプレックスを抱きます。ネガティブな思考だからかツイていないことにたくさん遭遇してしまいます。その結果あらゆることに期待しないで生きていこうと決めています。

真昼と真夜は別々の高校に通います。そうしたのも真昼の防御策なのかもしれません。



高校初日。

トラブルが起きないように普段からたくさんのお守りを身につけています。

真昼は男子生徒にぶつかってしまい、お守りを落としてしまいます。

男子生徒は落としたお守りの数があまりに多すぎるので、神様喧嘩しない? と言い拾って真昼に差し出します。

真昼は男子のかっこよさに危険を感じます。あまり接するとよくないことが起こると考えて早く離れようとします。

だけど、その男子生徒とはクラスが同じだということがわかります。

教室に入ると男子生徒の友達が来て、男子生徒をからかいます。

男子生徒は真昼に名前を教えてと言い、里見葵と名乗り、友だちを銀河と紹介します。

真昼は柳瀬真昼とこたえます。

葵は真昼のことを真昼と呼びかわいい名前だねよろしくと言います。

真昼はかっこいい男子に話しかけられて悪いことが起きるかもしれないと怯えて席に着きます。

案の定、中学が一緒だった女子生徒がやって来て、女子と友だちになった子たちに真昼をからかうためにやって来ます。

真昼はさっきいいことがあったから今度は悪いことが起きたのだと納得し黙って過ぎるのを待ちます。

もう一人別の女の子がやってきます。女の子は守谷と言い、真昼が座っている席は私が座る席だと言います。

真昼は自分が間違っていたことに気がつき席を一つ後ろに座り直します。守谷が席に着きます。彼女のところから指輪を落としたように見えたので拾ってあげると、守谷は鋭く冷たい目で真昼を見て指輪を受け取ります。真昼はその視線の冷たさに安心します。いいことと悪いことがプラスマイナスゼロにならないと心が落ち着かないからです。自分を保つ方法として性格がちょっとこじれています。



真昼は先生に頼まれごとをしたせいで帰りが遅くなってしまいます。下足室に行くと葵とばったり出くわします。真昼は身構えます。

葵は真昼の様子に何かした? と訊きます。

真昼は頭を振ります。

葵はじゃあ、行きたい場所があるから今から行かない? と誘います。強引に手を引き着いたのはパン屋です。

真昼はデートなのかと期待していたのに行きたい場所がパン屋だったので、これはデートと言えるのかとひとり悩みます。

葵は積極的に真昼に構います。

真昼は今葵としている甘酸っぱい体験にハッとして、こんな浮かれてことをしていては明日この世を去ることになるかも知れないと慌てます。立ち上がり帰ろうとします。

葵は雨が降ってきたと言います。

真昼はいいことがあったから悪いことが起きたと自分に納得します。

葵はいいことあったんだと言います。

真昼は顔を赤くします。



雨は止まず、葵が持っている傘をさして帰ります。

大きな桜の木を見つけます。雨が止みふたりで桜を眺めます。急に風が吹き桜の木に溜まっていた雨水が一気に落ちてきてふたりはずぶ濡れになります。

真昼はびしょ濡れになり笑います。

葵は真昼にやっと笑ったと言います。

真昼は葵と話していると未来に期待している自分に気がついてしまいます。もしそうじゃなかったときのためにと気を引き締めることにします。



翌日真昼は葵が女子と話しているのを見て昨日誘ってくれてのは自分じゃないとダメなわけではなかったんだと少し期待していた自分にがっかりします。

放課後、守谷からちょっと荷物を見ててほしいと言われ、教室で守谷が戻るのを待ちます。守谷を待っていると葵が教室にやって来ます。

葵は話があると真昼を座らせ、付き合わないかと言います。

真昼は付き合うとはまたパン屋に? と訊きます。

葵は好きなんだと言います。

真昼は混乱し、席を立ち断りを入れて教室を走って出ていきます。

ひとり教室に取り残された葵は覚えてないかとつぶやきます。



教室から離れたところで一旦立ち止まり、教室での葵の言葉について考えます。考えていると守谷が横に立っています。真昼は守谷に聞いてた? と訊きます。

守谷は聞こえてたと言います。

真昼は告白なんてされてない、聞き間違いだし気のせいだったみたいと言います。

守谷はあなたなかなかの最低女ねと言います。

真昼は守谷の言葉に安心すると言います。



翌日真昼は下足室で葵に会います。

葵は昨日のあれは本気だからと言います。

真昼は何か良からぬことが起こることを怖れ、葵に何も言わず教室に走っていきます。

葵は真昼に足並みをそろえ走っちゃ駄目だと言い、俺のこと嫌い? と訊きます。

真昼はそういうわけじゃないけど… と言い悪いことが起きることを怖れます。

教室に入ると葵と一緒に教室に入ってきた真昼を女子が見ます。

銀河が葵に声をかけます。そして、真昼に友達になったのか? と訊きます。

真昼はなってないですと応え、葵は真昼の応えにひどいなと言います。銀河は真昼の応えに怒っています。

真昼は銀河の睨むようなまなざしに悪いことが起こったととらえ安心します。

葵は1限目は音楽だから移動教室なので一緒に行こうと言います。

真昼は守谷と行く約束をしていると言います。すぐさま守谷が何のこと私あなたとは行かないから二人で行きなさいと言います。

真昼が返事に困っていると同じ中学だった女子が真昼をあひると呼び近づいてきます。女子は葵と仲良くなりたいようで、葵と話している真昼が気に入らないようです。

音楽教室に着くと真昼はすぐに葵から離れて席に着きます。ようやく一人になれたと安心していると横に葵が座ります。

真昼がなんで? と訊くと葵は席自由なんだよねじゃあ隣でもいいよねと言います。

真昼は葵がたまたま偶然隣に座ったのだと思い込もうとします。ちらっと横目で葵を見ると葵は何か作っています。折り紙を折っています。

葵は気になる? と言って折り紙を見せます。

真昼は葵が折った折り紙が想像を超えていて驚きます。

葵は真昼に兄弟はいるの? と訊きます。

真昼は妹がいると応えます。

葵は今日一緒にお昼を食べようと言います。

真昼は断ります。

葵は今度一緒に食べようと約束をします。



真昼はひとりで人気のない階段でお昼を食べます。話し声が聞こえて見てみると守谷と先生が話しています。

守谷と先生は指輪について話しています。

先生は真昼に気がつきます。

先生が話しかけると守谷は背後に真昼がいることに気がついて先生に真昼とお昼ご飯一緒に食べると言います。

先生がいなくなり守谷は真昼に聞いてたと訊きます。

真昼は何が? と言います。

守谷は先生と話していたことは他言無用よと、これからあなたを監視すると言い隣に座ります。そして、葵とどうなったと訊きます。

真昼はあれは気のせいだったと言います。

守谷は本気っぽかったと言います。

真昼は言葉に詰まり、先生と何の話をしていたのと訊きます。

守谷は顔を赤くして、忘れてそれこそ気のせいだからと言います。



放課後、真昼は守谷との会話がなにかすっきりしないと感じつつ悪いことが起こる前に帰ろうとしたら葵に出くわします。

葵はみね屋(パン屋)に行こうと誘い連れていきます。

葵はみね屋で真昼にどうしてあひると呼ばれているのか訊きます。

真昼は理由を話します。

葵は真昼が可愛かったからだと言います。

真昼は欲しかった言葉を葵が言うので目に涙を浮かべます。

葵は泣かせてしまったと慌てます。

真昼は悲しく泣いたわけじゃないと言い、葵は安心します。

葵は妹さんにと真昼に折り紙を渡します。

真昼はどうして葵が妹のことを知っているのか気になります。

葵は自分の妹が折り紙が好きだから真昼の妹も折り紙が好きなのかなと思って折ったと言います。

真昼は妹は同じ年だと言います。

葵は勘違いしていたのがわかり謝ります。

真昼はありがとう喜ぶわと言います。

葵は改めて真昼に好きだと言います。

真昼は悲しい思いはしたくないので受け入れられず帰ると言って店を出ていきます。

真昼は葵を気にしているのに気のせいだと言い聞かせます。



真昼にはじめて好きな人ができた出来事が描かれます。

その人は先輩です。話していくと次第に好きになっていきます。先輩から呼び出され行ってみると、自分ではなく妹の真夜に告白するつもりで柳瀬を呼び出したのだとわかります。先輩と真夜はたった一度だけ話したことがあることがわかり、それだけで全てを真夜が持っていってしまったことが今もしこりとなって残っています。その日家に帰りたくなくて真夜に会いたくなくて外で時間をつぶして遅くに帰宅します。母親は真昼を叱ります。真夜は真昼を探しに出たまま連絡が取れないのだと言います。真昼は真夜がこのままいなくなればいいのとさえ思ってしまいます。自宅の電話が鳴り母親がでると警察から出真夜は保護されていました。母親と真昼で警察に行くと、真夜は足を傷だらけにして迎えを待っていました。真昼は真夜のそんな姿を見て真夜がいなくなればいいのにと一瞬でも思った自分を恥じます。



真昼ははじめて好きな人ができた時の夢を見て目が覚めます。罪悪感の感触が残っています。

いつもより早く家を出て学校に向かいます。

葵が真昼に声をかけます。

真昼は警戒します。しかし、学校までの道のりは同じなので一緒に学校に向かいます。

葵は妹に折り紙を渡したか訊きます。

真昼はまだ渡していないと言います。



学校では先生が授業中に生徒に指輪をなくしたから見かけたら届けてほしいと言います。

真昼は守谷が持っていた指輪がそうなのだとわかります。

真昼は守谷と話します。真昼が何で指輪を隠すのか訊きます。守谷は何でもいいから黙っていてと言います。

真昼と守谷の会話を葵が聞いています。葵は今の話を秘密にしてあげるからお昼ご飯を一緒に食べてと言います。

銀河が葵を探してやって来ます。

四人でお昼を食べます。

銀河は真昼に葵と友達になったのかと訊きます。

真昼は友達になったと応えます。

銀河は裏切るなよと怖い表情で言います。

真昼はいいことがあると悪いことが起こると信じているので銀河の冷たい表情が運気をプラスマイナスゼロにしてくれるような気がして喜びます。

銀河は真昼を気持ち悪がります。



葵は真昼を今日もみね屋(パン屋)に誘います。

教室にいる女子はじっと真昼と葵の会話を盗み聞ぎしています。

真昼は行かないと言います。

葵は気が向いたらでいいから校門で待っていると言います。



放課後真昼は急いで学校を出ます。帰り道もしかしたら葵が本当に校門で待っているかもしれない考えます。校門には戻らずみね屋に行ってみます。葵の姿はありません。

店にいる同じ学校の生徒が校門でイケメンが立っていると話しているのが聞こえます。

真昼はまさか葵ではないだろうなと思いながら立ち聞きしていると、その男子は折り紙を折っていると話しているので葵だと確信し学校に戻ります。

校門に葵が立っています。

真昼は頭を抱えて自己嫌悪に陥ります。

葵が真昼に気がつきます。来てくれてよかったと言います。でもバイトの時間だから今日は行けなくなったと言います。

真昼は明日なら一緒に行ってくれる? と訊きます。

葵は明日と約束し折り紙を手渡します。



真昼は自宅で葵との会話を思い出します。またつらい思いをするかもしれないと心が揺れています。

翌日真昼は守谷に相談します。守谷は人違いなんじゃないかと言います。

真昼は双子の妹がいると写真を見せます。

守谷は真夜の画像を見て人違い確定だと断言します。

葵が現れます。

真昼は恥ずかしくなってお茶を買いに行くとその場を逃げ出します。

自販機でお茶を買っていると銀河が来て、葵から逃げるように見えたと言います。

真昼はみんなのお茶を買いに来ただけと言います。

銀河は真昼にいいやつだなと言います。葵は友達が少ないから真昼が仲良くするのを見てホッとすると言います。

真昼は葵に友達が少ないのが意外で訊いてみると、銀河はそれは俺からは言えないと言います。



先生が切実に指輪を探してほしいと生徒に訴えます。

みんなで先生の指輪を探します。

真昼は指輪のありかを知っているから探しているフリをします。

葵は女子から話しかけられています。母の日について話していて女子は葵に母の日はプレゼント何買うのと訊きます。

葵は花束だと応えます。

女子はプレゼントを一緒に買いに行こうと誘います。

葵は行かないと言いこの話はもういいかなと会話を切ります。

葵は真昼に声をかけ二人で屋上に行きます。

二人きりになったので真昼はさっきの女子との会話について訊きます。頼りにならないけど相談してね愚痴の捌け口にはなるからと言います。

葵は笑います。

真昼は笑うところじゃない、一人で抱えてると落ちてくだけだからと言います。

葵は真昼を引き寄せ抱きしめます。そして顔を近づけます。

真昼は驚きます。寸前のところでチャイムが鳴り葵は戻ろうかと言い教室に戻ります。



教室にいた守谷が真昼と葵を見かけどこに行っていたのと訊きます。

葵は守谷こそ教室にいなかったからどうしていたのと訊きます。

守谷は探しているフリをしていたと言います。

葵は誰のせいでこんなことになっていると思っているんだと言います。

守谷は反省していると言い、真昼の様子がおかしいのに気つきどうしたのと訊きます。

真昼はなんでもないと言います。



真昼は屋上での葵の行動について考えます。思い出すとドキドキして甘酸っぱい想いをして自分はどうにかなってしまうんじゃないかと冷静ではいられなくなります。

葵が側にいることに気がつき驚いて叫んでしまいます。

葵はみね屋に行こうと誘います。



真昼と葵はみね屋に向かいます。

真昼の携帯が鳴ります。真夜からです。真夜からみね屋にいるとメッセージが入ります。真昼は思考が固まります。真夜がみね屋にいる。葵を会わせたくない。そう考えます。

真昼は葵に今日はみね屋に行くのをやめようと言います。

葵はもう目の前だよと言います。

真昼は気分が… と言います。

葵は真昼を心配して悪くなった? と訊きます。

真昼は決定的な事実を突きつけられるのがこわくて向き合えません。

葵は無理に誘ってしまったことを謝ります。

真昼は意を決して本当のことを話します。妹の真夜がみね屋にいること。真夜を葵に会わせたくないこと。真夜に会って好きになったら困ること。そもそも葵が好きになったのは自分ではなく真夜のほうなんじゃないかと考えていることを正直に話します。

葵は真昼が妹の真夜に会わせたくないってことは真昼に対して勝機があると考えていいってことと訊きます。そしてお守りを見せます。高校初日にもらったお守りともうひとつお守りを見せます。もう一つの方はちょっと前に真昼からもらったものなのだと言います。

真昼は葵と以前に会ったことがあるの? と訊きます。

葵はそう会ったことがある、好きなのも妹ではなく真昼なのだと言います。真昼に近づいて屋上での続きがしたいと言います。顔を近づけてしてもいい? と訊きます。

真昼はうんと言います。

続きます。








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2024年12月2日月曜日

あずまきよひこ よつばと! 15巻

普通という奇跡




帯に書かれています。

日常の幸せが描かれています。

よつばは大きな喜びを感じ、父ちゃんはよつばとのひとつひとつの出来事を大切にしています。

ぬいぐるみを投げて遊んだな、拾った石を大事に持っていたな、色鉛筆しか知らなかった頃に絵の具で色を塗るのが難しかったななど記憶が蘇りました。

ランドセルを買いに行く回は涙が出ました。



第98話 くつした

よつばがぬいぐるみのジュラルミンを投げて遊んでいると父ちゃんがやってきてこたつを出すといいます。

よつばのおもちゃを片付けて、ふたりでこたつをセットし、よつばはばあちゃんに電話します。



第99話 バナナジュース

よつばと父ちゃんとヤンダ(安田)で電気屋に行きます。

ヤンダは父ちゃんにジューサーミキサーを買ってくれと言います。

父ちゃんはいらん、よつばもいらんと言います。

よつばはジューサーミキサーが何に使うものなのかわかりません。

ヤンダはよつばにジュースを作る機械だと説明します。

よつばはジュースと聞いて父ちゃんにいるかもと言い始めます。

ヤンダは父ちゃんによつばがジューサーミキサーを知らないのはよくないと言い買うことを勧めます。よつばがどんなジュースが作れるのか訊くとバナナジュースと応えます。

よつばはバナナジュースを飲んだことがないので興味がさらにわきます。

ヤンダはよつばをあおります。

よつばはバナナジュースというジュースに魅せられています。

ジューサーミキサーを購入し、家でバナナジュースを作ります。

よつばはバナナジュースをせかいいちおいしいと感動します。



第100話 いし

よつばと父ちゃんは石を拾いに行きます。

家を出ると恵那とみうらに会います。恵那はよつばにこれからみうらちゃんの家に行くから一緒に行くと誘います。

よつばはこれからおでかけすると言います。

恵那はどこ行くのと言います。

よつばはちょっといしをひろいに! と言います。

恵那とみうらは面白そうと興味津々で一緒に行きたいと言います。

父ちゃんは石を拾いに行くだけだよと言います。けれど恵那とみうらはおもしろそう行きたいと言います。

父ちゃんはちょっと遠いから親の許可をもらってくるように言います。

恵那は急いで家に帰りお母さんに、みうらは電話をかけて許可をもらいます。

高速に乗って海に行きます。地元の人に訊ねて石のある海岸に着きます。浜辺には様々な模様の石があって、よつばとえなとみうらは黙々と好みの石を探しています。

とうちゃんは石を拾う楽しさを知ります。




第101話 しけんべんきょう

よつばと恵那は恵那の家で拾った石を見せ合っています。

風香がやって来ます。よつばの石を眺めているのでよつばが今度一緒に石を拾いに行くかと誘うと風香は何か現実逃避したいようで秘境に行きたいとか、古民家カフェとか陶芸体験とかぶつぶつ呟いています。

えながよつばに風香は試験勉強でちょっとだめになっているといい、よつばはわからないながらも納得した様子を見せます。

風香は自分の部屋に戻ろうとします。手にお菓子を持っています。

よつばはお菓子に照準を定め、風香にどうしてお菓子を持って行くのか訊きます。

風香はお菓子は頭の働きをよくするので勉強をする人はお菓子を食べていいと言います。

よつばは衝撃をうけます。

しばらくよつばは恵那と石で遊んでいます。だけどお菓子が頭から離れず、恵那に勉強してくると言い風香の部屋に行きます。

風香の部屋に入ってからのよつばの目つきが面白いです。



第102話 えのぐ

よつばは恵那が絵の具で絵を描いているところを見ています。ハートや星を上手に描いていているのを見て自分の絵の具が欲しいと父ちゃんに頼みこみます。

父ちゃんはジャンボに相談し画材屋を教えてもらいます。

よつばと父ちゃんは画材屋でジャンボと合流し、絵の具を購入します。

自宅に戻りジャンボから絵の具の使い方を教えてもらいよつばは絵の具で描き始めます。

ヤンダがやって来ます。

ヤンダはよつばが絵の具の描いているのを見て子供の頃の夢を思い出します。



第103話 ほん

よつばは父ちゃんと美容室に髪を切りに行き、帰りにパンを買って家で食べます。

よつばが選んだパンは見た目と味が違っていたようで、よつばは悔し泣きしながらパンを食べます。

よつばは絵の具でいろいろ挑戦しています。

父ちゃんは紙で本を作ってあげます。よつばは父ちゃんが作ってくれた本に絵を描きます。

力作が完成します。



第104話 ランドセル

風香はたくさんもらったりんごをよつばの家に届けます。話していると父ちゃんがよつばのランドセルをまだ用意していないというので、三人でランドセルを買いにショッピングモールに出かけます。

よつばはランドセルを選びます。父ちゃんはよつばの成長に思いがこみ上げてきて涙ぐみます。




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