2023年12月24日日曜日

吉野マリ 桃色ヘヴン! 12巻

最初伊縫蘭丸(いぬいらんまる)は気まぐれで椎名桃子(しいなももこ)に言う事を聞くよう脅すようなことをしたのに、弁当の卵焼きが美味しくて、家族のことを何より最優先する姿を目にしてだんだんその人柄に惹かれていきます。桃子がいままで出会った女性と違っていて気がついたら、桃子は側に居てほしい存在となり、桃子が一番安らげる場所になります。

しっかり言いたいことを言い合いケンカになることもあります。その度に互いの思いがより強くなるドラマがとても面白かったです。




莉緒は蘭丸に一緒にイギリスに行かないかと誘います。

蘭丸は莉緒が元気になるならと思い行くと言います。



桃色は高校の友達西川みどり(にしかわみどり)と神田川美穂(かんだがわみほ)に久しぶりに会います。二人に蘭丸との仲を話します。弱気になっていることもあり、もしかしたらだめかもしれないと愚痴をこぼします。

西川みどりと神田川美穂は大丈夫だよと励まします。

1ヶ月蘭丸から連絡はありません。

翌日、桃子はテレビで蘭丸と莉緒がイギリスな向かう映像を観ます。

康太は約束を破った蘭丸に怒っています。



桃子は籐摩に連絡し、蘭丸について訊ねます。

籐摩は何も知らなくて桃子と蘭丸が会っていないことを知り、桃子と直接会って話します。桃子から去年の暮れからの出来事を聞き蘭丸に怒りを感じます。そして、桃子に告白します。



桃子は官能小説を一旦休んで、私的な小説、自分の物語を書くことにします。出版社の許可をもらい、完成します。

黛真一郎(まゆずみしんいちろう)のところへ行き、蘭丸とのこと、蘭丸との思い出を物語にしてみたことを話します。

黛は桃子が書いた物語なら読んでみたいと言います。

桃子はプリントアウトしたのを持ち歩いているので、是非読んでもらいたいと原稿を渡します。

待つ間、桃子は黛の妻で助手の塚田と話しをします。

黛は読むのが早いのに一向に書斎から出てきません。

塚田が黛の部屋に行くと、黛は号泣しています。桃子に素敵な物語だと感想を言い、帯は自分が書きたいと言い、どこの出版社から本にするのか訊ねます。

桃子は本にする予定はないと言います。

黛は桃子の書いた作品から感じられる蘭丸への愛を無駄にさせたくないといい方法を思いつきます。



桃子は文芸部で部長石黒が卒業するので部室の片づけを手伝います。石黒から次期部長にならないかと言われています。桃子は断ろうとします。

石黒は桃子には官能の才能があるから引き受けるよう言います。

部室の外と隣のアイドル研究会の部室が騒がしくなります。文芸部の部室に入ってきたのは愛原ジョージの担当編集者で文芸部のOB杉浦でした。慌てて来たようで息を切らしています。

杉浦は桃子に、

「…… 愛原先生!!! なんなんですか! これ!!」

と封筒を見せます。桃子が黛に渡した封筒です。

桃子は杉浦が自分に向かって愛原先生というので焦ります。

杉浦は文芸部の部室に来た理由を説明します。

石黒は杉浦が桃子を愛原先生と呼ぶことや敬語で話す状況が理解できません。

杉浦は石黒に説明します。

石黒は桃子が相原ジョージだとついに知ります。これまで桃子に言った数々の恥ずかしくなる言葉を思い出し絶望します。

杉浦は石黒を気にかけることなく、桃子にこの物語を本にしましょうと言います。

桃子は本にするつもりはなかったので困ります。

石黒は桃子にこれまでのことを謝り、作品を読みたいから本にしてほしいとお願いします。

桃子は書いた物語は官能ではなく、ノンフィクションに近いあたしと彼のラブストーリーだから表に出すのは恥ずかしいと言います。

隣りのアイドル研究会の部室から桃子と杉浦の会話を聞いていた部長稲葉は、桃子があたしと彼と言ったので興奮気味に文芸部の部室に乱入して自分も読みたい、本にしてほしいと桃子に言います。

桃子は抵抗できないと悟り、本にすると言います。



蘭丸にハリウッドから出演依頼が来ます。期間は半年くらいになりそうだと言われ、蘭丸は迷います。

蘭丸は莉緒と話します。



桃子の私的小説が出版されます。籐摩への返事はまだしていません。

籐摩は答えはわかっているようです。


莉緒は書店で愛原ジョージの新作を見つけます。

蘭丸はスタッフから愛原ジョージの新作が発売されたと聞きます。愛原ジョージの新作の内容が官能小説ではなく恋愛小説なのだと言うので、書店に行き一冊購入します。



桃子は籐摩から蘭丸が映画の撮影で海外に行くことを知ります。

桃子は籐摩にまだ返事をしていません。



桃子は自宅でお気に入りのマグカップの取っ手が取れてしまい何か不吉な予感を感じます。

莉緒が訪ねてきます。

莉緒は蘭丸がいつも寄り添ってくれていると言い、桃子の小説を読んだ感想を言って帰ります。

莉緒はその足で蘭丸のいるスタジオに向かいます。控室にいる蘭丸を覗くと子供のころに見た寂しそうな姿で写真を見ています。

莉緒は蘭丸に声をかけられずスタジオを出て行きます。



籐摩が蘭丸に連絡します。

籐摩は蘭丸の自宅に行くと莉緒がいるので一緒に蘭丸のところに行きます。

籐摩は蘭丸に桃子への気持ちを打ち明けます。告白したことを言うと蘭丸は胸ぐらを掴んで、渡さないと感情をむき出しにして言います。

籐摩はバカかと言い帰っていきます。籐摩は蘭丸を刺激して桃子になにかしら行動するように仕向けています。。

莉緒は蘭丸にどうして自分ではなく桃子なのかと訊きます。

蘭丸は莉緒は友達姉弟以上恋人未満だと言います。

莉緒はどんなに求めても応えてはくれないとわかります。



桃子は取っ手の取れたマグカップを使い続けていてついに割ってしまいます。とうとう来るべき時が来たのかもしれないと考えます。

インターフォンが鳴ります。

母が桃子に蘭丸が来たよと言います。

桃子にとって久しぶりに見る蘭丸です。

康太は蘭丸に、なにしに来たんだよ、と怒ります。

桃子の部屋に行き二人で話します。

蘭丸は愛原ジョージの新作を読んだこと、ハリウッドの映画の撮影で日本を半年くらい離れること、桃子を一緒に連れて行かないことを話します。

桃子は別れ話だと覚悟します。

蘭丸は桃子の手を握ります。

「―――桃子 結婚しよう」

桃子は固まります。状況を理解できません。

蘭丸はゆっくり説明します。全部終わったらおまえにプロポーズするってきめてたんだよと言います。

桃子は、はい、と返事します。

康太は扉の向こうで桃子と蘭丸の会話を聞いていて、桃子の返事の後部屋に入って来ます。泣きながら、

「ふっ… ふふふふっ ふつつかな姉ですが―――!! よろしくお願いします――!」

と言います。



桃子は蘭丸にプロポーズされてニヤニヤが止まりません。幸せなオーラが漏れ出ています。

編集者の杉浦は理由がわかりません。

他の編集者が桃子のところへ息を切らしながらやってきて、

「蘭丸と結婚するって本当なんですか!?」

と桃子に訊ねます。

問い合わせや取材の申し込みが殺到しているし、蘭丸が相原ジョージと結婚すると映画の記者会見の場で発言したことで大騒ぎになっていると説明します。

桃子はテレビで確認します。

桃子のおだやかな日々は終わり、マスコミにつけ回され、過去の写真が週刊誌やテレビで紹介され、盗撮され、蘭丸が帰ってくるまで慌ただしい毎日を送ります。



半年が過ぎます。

桃子は蘭丸との物語、桃色ヘヴンを寄贈するため高校にやってきます。

校長先生に会い、高校当時の桃子が小説を書いていることが判明したときの話で盛り上がります。

校長は桃子の新作をすでに読んでいて、校内の思い出を巡ってはどうかと言います。

桃子は屋上へ行きます。寝転がり蘭丸とつぶやくと、蘭丸も高校に来ていました。

蘭丸は桃子に指輪を贈ります。



桃子と蘭丸は蘭丸の両親に挨拶に行きます。

蘭丸はお義母さんと話し、初めて自分の思いを伝えます。

お義母さんは桃子におみやげと言って紙袋を手渡します。



帰りの車の中、桃子は紙袋の中を見ると、お土産のほかにアルバムを見つけます。アルバムは幼い頃の蘭丸の写真ばかりです。

桃子はお義母さんが蘭丸の写真を大切に持っていたことに涙します。

蘭丸は桃子におまえのそういうところが好きだと言います。



結婚式。

結婚式だというのに当日、桃子は締切に追われています。

蘭丸は籐摩、莉緒から祝福を受けます。

桃子と蘭丸は稲葉、柏崎、黛、塚田、蘭丸の両親、桃子の母親、康太に見守られながら結婚式を挙げます。




文芸部部長石黒とアイドル研究会部長稲葉の桃子に対する態度が面白かったです。

続きます。



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