2023年6月30日金曜日

可歌まと 狼陛下の花嫁 4巻

中華風の王国白陽国(はくようこく)が舞台の物語です。

李順は陛下(珀黎翔・はくれいしょう)の夕鈴への思いが本気になってきたので心配事がさらに増えてしまいそうです。




●第14話

休暇最終日。

夕鈴は父親には会えずに王宮に戻ることになります。怒り心頭の夕鈴は弟の汀青慎(ていせいしん)になだめられ怒りが冷めます。陛下を探します。見つけて声をかけようとすると狼陛下で誰かと話をしています。休暇中見る事がなかった狼の陛下を見て身がすくんでしまいます。

陛下は夕鈴に気がつき、子犬陛下に戻ります。

夕鈴は王宮に戻れば、あの狼陛下との生活かと少し気持ちが重たくなるのを感じます。


夕鈴は几鍔(きがく)の手下に呼ばれ行ってみると、その場所には几鍔がいました。

几鍔は夕鈴を心配しているようです。

手下は几鍔の夕鈴を心配する気持ちは別のところにあると考えていて、二人で話す時間を作るべきだと手を回したのでした。

手下の考えは間違っていて、几鍔と夕鈴は言い合いを始めます。

互いに譲らず、夕鈴は出て行きます。

外に出ると陛下が待っていました。

夕鈴は陛下をどう思っているか改めて知るきっかけになりました。


王宮に戻ると、李順が書簡を山積みにして待っていました。



●第15話

氾家邸宅。

氾紅珠は陛下と夕鈴が体調を崩し数日王宮に出てこなかったことを知ります。そこで氾家特製の栄養剤を夕鈴に届けます。

夕鈴は休暇をもらって家に帰っていただけで元気なので、山積みになった仕事をこなしぐったりしている陛下に栄養剤をすすめます。

陛下は薬は嫌いだと言います。

夕鈴はとりあえず持っていて下さいと言います。


翌日、氾紅珠は慌てて後宮にやって来ます。夕鈴に昨日渡した薬は栄養剤ではなく間違えて惚れ薬を渡してしまったと言います。

夕鈴は氾紅珠から貰った栄養剤と思っていた薬を陛下に渡したから汗が止まりません。なんとか取り戻そうとします。

しかし、陛下は貰った薬は人にあげたと言います。誰に? と訊く夕鈴に、柳方淵と応えます。

夕鈴に絶望感が襲います。夕鈴は柳方淵に会い、陛下から貰った薬を返して欲しいと言います。

柳方淵は陛下から賜った物だからと断ります。

夕鈴は絶望感から疲労困憊です。

陛下が夕鈴に薬を見せます。

夕鈴は驚いて手を伸ばします。しかし、陛下は渡そうとしません。

陛下は薬が何の効果があるのか調べていて、夕鈴をからかいます。

夕鈴は必死に言い訳をします。

その言葉に陛下は地味に傷つきます。

夕鈴は惚れ薬の手違いでドタバタして切ない思いを感じます。

最後に惚れ薬の一連の出来事の報告を受けた李順が怒っています。



●第16話

夕鈴は陛下に温泉に行こうと誘います。

陛下は乗り気がないようです。

夕鈴は陛下に休養が必要だと、陛下は夕鈴が望むならと王家専用の離宮へと向かいます。

離宮には夕鈴が思っていたよりたくさん人がいます。

李順は夕鈴に王宮にいるときよりも夫婦の仲の良さを強調するよう言います。

夕鈴はそれじゃあ休養にならないのではと思います。思っていた通り宴、温泉、寝室とどこにいても休むことができず、計画していたことが何一つできなくて、来なければよかったと悔やみます。



●第17話

離宮を管理している露石(ろせき)は陛下に宴の準備を申しつけられるのを待っています。

陛下は露石に身の回りの女官の数を減らすよう命じます。

夕鈴は一人温泉めぐりをします。

露石は陛下の機嫌を損ねたと荒れています。

女官たちはきっと妃が陛下に言って女官を遠ざけているのだと考え、夕鈴を無視し始めます。

夕鈴は女官の態度が昨日までとは違っていることに気がつきます。けれど、何が原因でそうなったのか身に覚えがないし、特に困ることはないので放っておきます。

陛下が楽しくなさそうなので、夕鈴は片っ端から温泉に浸かり楽しむことにします。意地になって入ったせいか湯あたりを起こし、気を失ってしまいます。目が覚めると陛下が介抱してくれていました。陛下になぜ離宮に来たくなかったのか訊ねます。陛下から理由を話してもらってもっと陛下を知りたいと強く思うようになります。

李順のもとに妃をイジメたという報告が入ります。



●第18話

盛大な宴が開かれます。

李順は陛下に事前に理由を説明しています。

陛下は夕鈴に何か言っておくことはないかと訊きます。

夕鈴は黙ってうつむいています。

陛下は言いたくないと解釈し話を切ります。

李順は夕鈴にイジメられているという報告を受けたことを知らせ、宴でどうするか指示します。


華やかに着飾った夕鈴が陛下の側に座り宴が始まります。

露石がやって来て、

「これはお美しい! なるほど陛下が他の女人に目を向けぬわけですな」

と妃を褒めたたえます。

陛下は、

「…ああ 私の特別な妃だ 側にあるだけで癒される 大切な」

夕鈴は狼陛下の変化に気がつきます。

「――――だが その大切な妃が この離宮に来てからというものどうにも時折憂い顔を見せる この中に理由を知る者はないか? 何があったか 妃はきいても答えようとしない 自分の中で抱えこんでしまう しかし 私は彼女を傷つけるものを 何ひとつ捨て置く気になれぬのだ 覚えのある者は!?」

と陛下は続けます。

宴に参加している全員が青ざめます。

咄嗟に夕鈴が、

「陛下! ちがいます 私の憂いはそんなものではございません ―――慣れぬ旅行慣れぬ土地に疲れて ――――後宮が恋しくなってしまったのです 私のわがままで連れてきて頂いたのにそんなこと言い出せなくて―― ―――…些細なことと思って隠し立て致しましたこと申し訳ありません どうか―――」

と陛下の怒りが鎮まるように言います。

陛下は夕鈴が前に出て話したので怒りを収めます。


宴が終わり、部屋に戻ると夕鈴は李順から宴での陛下は事前に決められていたことなのだと説明されます。

夕鈴は自分の行動が空回りだったと知りがっかりします。

李順は陛下の怒りが演技ではなく本当の怒りに感じていて、夕鈴があの場を収めてくれてよかったと感じています。

のんびりするために計画した温泉旅行なのに、行く前より疲れてしまいました。だけど、陛下と夕鈴の仲は少しだけ近づいたように思います。

続きます。



可歌まと 狼陛下の花嫁 4巻
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2023年6月28日水曜日

可歌まと 狼陛下の花嫁 3巻


中華風の王国白陽国(はくようこく)が舞台の物語です。

狼陛下(珀黎翔・はくれいしょう)は汀夕鈴(ていゆうりん)に気持ちを隠すつもりはないようです。

しかし夕鈴は偽物の妃なので陛下の言葉は演技で本当の気持ちではないと必死に気持ちを押し殺しています。

面白い関係が続きます。



●第9話

妃への贈り物が増えます。

陛下は良好な関係を築いて取り入った方が得策だと思い始めたと分析します。

李順は氾(はん)家当主が挨拶したいと申し出があったので時間を作ると陛下と夕鈴に伝えます。氾家は夕鈴に刺客を送ったり、毒を仕込んだりした疑いがある家です。妃に贈り物をしてきたので方向転換したのだろう、表向きは良好な関係を築いておいたほうがいいと言います。

陛下は夕鈴に氾という人物は何を考えてるかわからないから油断するなと言います。

夕鈴は陛下がこんな風に言うのも珍しいので、相当な危険人物なのだと警戒します。


氾大臣に会う日、陛下が急な公務で遅れてしまい、夕鈴は一人で会うことになります。

現れた氾大臣は表情豊かな柔らかい物腰の人物でした。

夕鈴は構えて氾大臣と会う場にやって来たのに想像していた人物とは違ったので拍子抜けしてしまいます。


夕鈴は後宮に戻り陛下がやって来て氾大臣の印象を伝えます。

陛下は夕鈴に油断するなと言ったのに良い印象を抱いたという言葉に少し残念そうな表情をします。

夕鈴は疑うことばかりの陛下の言い方に腹を立てます。


後日、夕鈴は氾大臣と再び会う機会を得ます。

話していると、贈り物の箱のフタが開いていて中から毒ヘビが出てきて夕鈴を襲おうとします。

氾大臣は夕鈴をかばいヘビに嚙まれてしまいます。

陛下が部屋に入って来て、夕鈴の無事を確認し、氾大臣の怪我の手当てを指示します。


後宮で李順は事件の報告をします。

夕鈴は氾大臣を疑ってしまったことを反省します。

陛下は夕鈴が無事だったことが何よりもよかったと言います。

夕鈴は氾大臣が陛下と雰囲気が似てる気がして少し気が緩んだんだと言います。

陛下は氾大臣が自分と似てるから信用できないと夕鈴には口にせず心の中で思います。



●第10話

氾大臣は娘氾紅珠(はんこうじゅ)を送り込みます。

夕鈴は李順から氾紅珠と会うよう言われます。

氾紅珠は陛下の正妃の第一候補と言われている人物です。

李順は夕鈴に指令を出します。

「陛下唯一の妃としてボロを出さず つけこまれる隙を見せず けれど突き放さず! 良好な交友関係をお築き下さい!」

とても難しい要求です。


夕鈴は氾紅珠に会ってみるとあまりの美少女に怯んでしまいます。立ち居振舞いに魅了されてしまい、次会う約束をしてしまいます。


後宮で夕鈴は陛下に氾紅珠のかわいさを力説します。

陛下は夕鈴を引き寄せ、

「私は君がいればそれでいい 他の女の話などするな」

と狼陛下の雰囲気で話します。

夕鈴は陛下の言動に慌てて距離を取ります。演技なのに本当に言っているように思えて心臓の鼓動が速くなってしまいます。


次に会うと氾紅珠は夕鈴に琴を披露します。

琴の音色に驚き、衣装映えする容姿に、良い妃のお手本が目の前にいて圧倒されます。

夕鈴と氾紅珠のところに陛下がやって来ます。

陛下と氾紅珠が二人で話している光景を眺めて、すごく自然で、自分が陛下の横にいるのはふさわしくないと感じます。


揺れる心を抱えて数日後、夕鈴は陛下と氾紅珠が寄り添っている場面を目撃してしまい、いたたまれなくなり逃げるように走り出します。自分は臨時の花嫁でいずれ本当の妃は他の人がなる。わかっていても心が言うことをきいてくれません。


陛下は慌てて夕鈴を追いかけます。追いついて、

「君が私の妃だ」

と言います。

陛下の言葉を聞き、夕鈴は腰を抜かしてしまいます。


氾紅珠は陛下を二度間近で言葉を交わす機会を得て、狼陛下の花嫁になりたいという思いが大きくなります。



●第11話

氾紅珠は夕鈴に会う度に陛下に会う機会を求めます。

夕鈴は李順からの指令と陛下への思いで悩みます。

次に氾紅珠に会った時、陛下に会うのは難しいと返事をします。

紅珠は取り乱します。

夕鈴は落ち着かせようとします。橋の上で氾紅珠が取り乱すので、橋から落ちそうになるのを庇い橋から落ちてしまいます。

池に落ちた夕鈴を陛下が助けます。

陛下は氾紅珠に状況の説明を求めます。狼陛下で問い詰めるので氾紅珠は怯えてしまいます。

夕鈴が、

「ちがっ 陛下! っ私が 一人で勝手に足を滑らせました! 怒らないで下さいっ 怖い!! 大丈夫ですから!」

と言い陛下を落ち着かせようとします。

陛下は夕鈴の言葉で少し冷静になり、夕鈴が無事だとわかり抱きしめます。


夕鈴は氾紅珠にやさしく言い聞かせます。

氾紅珠は陛下への思いはなくなり、陛下から助けてくれた夕鈴への思いを大きくします。



●第12話

夕鈴は休暇をもらい久しぶりに家に帰ります。

李順から監視付きという条件で外出を許可してもらいます。

夕鈴は喜びます。しかし、監視役の人が陛下だとわかりなんだか複雑な思いで家に帰ります。

幼なじみの几鍔(きがく)、弟の汀青慎(ていせいしん)が登場します。



●第13話

几鍔が陛下に絡んで、夕鈴が青ざめます。

陛下の甘い台詞に、ときめくのを抑えようとする夕鈴が面白いです。

続きます。


可歌まと 狼陛下の花嫁 3巻
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2023年6月22日木曜日

可歌まと 狼陛下の花嫁 2巻

●第5話

夕鈴は陛下の希望で王宮の政務室にいます。

通常妃は後宮にいて役人は姿をみることはないはずなのに夕鈴は政務室で陛下の仕事をそばで見ています。陛下は表の王宮にいるから狼陛下で怖いし、役人は妃がいるのでちらちらと視線を注いでいます。居心地の悪さを感じていると、背筋がゾクッとする視線を感じます。


後宮に戻り、夕鈴は陛下と李順に妃を王宮に連れていくのはよくないと言います。

陛下は夕鈴がいると元気になると言い、李順は陛下のやる気が出るならいいと言います。


政務室へ通う日々が始まり、数日がたち、また嫌な視線を感じます。

夕鈴は誰からのものか探ろうとします。ある人物を特定し李順に彼について訊ねると、陛下の臨時補佐官の柳方淵ということがわかります。

柳方淵は夕鈴が政務室に行くようになってからずっと会うたびににらんでいます。

夕鈴ははじめて政務室にいた時に感じた視線も柳方淵のものなのかと考えます。


夕鈴は他の役人がいなくて柳方淵とばったり会ってしまいます。

柳方淵は陛下に用があり来てみたら夕鈴しかいなくて、露骨に嫌な表情をします。

夕鈴は愛想笑いで対応しようとします。

柳方淵は、

「……あなたは恥というものを知らないのか」

と何の前置きもなく夕鈴に言います。

そして、陛下の風評を下げているのがわからないのかと非難します。

夕鈴は陛下の望みに従っているだけ、文句があるなら陛下に言うようにと返します。

柳方淵は、

「陛下の何を知るわけでもない妃妾の分際で」

と蔑みを込めて言います。

「――方淵 陛下がお呼びだ」

と人が入って来ます。

柳方淵は部屋を去ります。

入ってきたのはもう一人の陛下の臨時補佐官の許祐という者です。

許祐は夕鈴と柳方淵の話を聞いていて、夕鈴に敵に回すのはよくないと助言します。


夕鈴は書庫へ行くと陛下がいました。

陛下は夕鈴に柳方淵と相性が悪いらしいな、耳に入っているぞと言います。

夕鈴は向こうが勝手に目の敵にしてくるのだと言います。だけど、それは柳方淵が陛下を好きなのだと感じられることだとも言います。

陛下は少しでも理想から外れたらすぐさま離れていくから気が抜けないと言います。

夕鈴はさみそうに言う陛下に側にいますよと言います。

陛下は本音と冗談を織り交ぜて夕鈴に迫ります。

夕鈴が慌てていると、運悪く柳方淵が陛下を探して書庫に入って来ます。

さすがに柳方淵も邪魔してはいけないと、

「失礼 後ほどまた伺います」

と出て行きます。

陛下は夕鈴の慌てっぷりを面白がっています。

夕鈴は陛下が演技していると思い、腹を立てて書庫を出て行きます。陛下のことを考えながら歩いていると、木に紙が引っ掛かっているのを見つけ、大事な書類だと大変なので自分で取ろうとします。

陛下も書庫を出て、夕鈴に謝ろうと探していると、窓から身を乗りだして手を伸ばしているのを見つけます。

夕鈴が支えにしている手摺が崩れ、そのまま落下してしまいそうになる寸前に陛下が夕鈴を抱きかかえ、無事で済みます。

陛下は夕鈴に怒ります。狼陛下の声で怒るので、夕鈴は怖くて泣いてしまいます。陛下は夕鈴を危ない目に遭わせないため自分の目の届くところ、政務室にいるよう頼んだのでした。

李順がやって来て、陛下は窓の手摺が崩れたので早急に調べるよう言います。



●第6話

後日李順は、陛下と夕鈴に手摺に細工の痕が見つかったと報告します。

妃を狙う何者かの仕業と見当をつけます。

陛下は怒っています。

李順は夕鈴を囮にして犯人を捕えるつもりです。

夕鈴は犯人探しを始めます。まず一番に怪しいと感じているのは柳方淵です。

柳方淵は夕鈴に後宮でおとなしくしていればいいものを王宮に出てきてまで陛下からの寵愛を誇示したいのかと主張します。

夕鈴は柳方淵の言い方に激怒し、言い返します。

柳方淵は反論できず立ち去ります。

夕鈴は李順に柳方淵とのことを報告します。

李順は放っておいてください、陛下とは上手くやっているのだから、変に揉めるなと言います。

臨時花嫁に冷たすぎではと夕鈴は怒ります。許祐が話しかけてきます。

許祐は柳方淵に気をつけるよういいます。

夕鈴は陛下のところに行くと、陛下と柳方淵が一緒にいます。柳方淵を陛下に近づけてはならないと考え、妃の立場を使って柳方淵を遠ざけようとします。

陛下は夕鈴に合わせます。柳方淵が去ると、理由を訊ねます。

夕鈴はあたふたしながら取り繕って陛下から離れます。


夕鈴は柳方淵を見かけます。あやしいと感じ、後をつけます。

柳方淵は誰かと話をしています。妃について話すので証拠として聞き逃してはいけないと近づいていくと、相手にバレてしまいます。

柳方淵は許祐といました。

許祐は妃に向かって刀を抜きます。許祐が犯人なのでした。

夕鈴は政務室で視線の正体がわかります。窓の手摺の細工も許祐の犯行でした

許祐の刀を柳方淵が受けます。

許祐は柳方淵が味方になってくれると思っていたのに、妃を守ろうとするからこの場で切り捨てようとします。

許祐は控えていた手下に夕鈴と柳方淵を始末するよう命令します。

手下が襲いかかろうとするところで陛下が登場します。

陛下は手下を倒し、許祐を捕えます。


陛下と李順は許祐が犯人であることは初めからわかっていたようです。

柳方淵も陛下の指示で許祐を探っていました。

夕鈴がひとり空回ってしまうという話でした。



●第7話

夕鈴は狼のときの陛下に慣れることができません。

怖いのとその怖さも魅力的に思えているところもうまく自分の中で処理できずにいます。

夕鈴は李順に仕事を増やすよう頼みます。

李順は後宮の立入禁止区域の清掃の仕事を与えます。

夕鈴は変装し清掃に励みます。充実感に満たされます。

「なんじゃなんじゃ騒々しい!」

と声がします。立入禁止区域におじーさんがいます。

おじーさんは夕鈴に陛下を誘惑しないかと報酬をちらつかせて言います。

夕鈴は挑戦しようとします。しかし、できるはずがありません。

陛下に夕鈴が清掃の仕事をしているのがバレてしまいます。

陛下は夕鈴に早く借金を返して帰りたいのか、狼陛下が嫌になったのかと訊ねます。知らない間に離れていくのはやめて欲しいと言います。

夕鈴はそのうち怖がらなくなりますからと応えます。



●第8話

政務室で夕鈴と柳方淵がにらみあっています。

陛下は夕鈴を気づかって後宮に戻るよう言います。

夕鈴は柳方淵といがみ合わないようにしたいのに、柳方淵の言葉につい余計なことを言ってしまい、関係をより悪化させてしまいます。

柳方淵は夕鈴に寵愛のみでいつまでも続くと思うなと言います。

夕鈴は柳方淵の言葉に心が痛みます。

陛下は夕鈴の表情がかげっているのを感じ、夕鈴の望みを聞き出そうとします。

夕鈴は助けて欲しいのではなくて、陛下の力になりたいんですと言います。

このお話面白かったです。

夕鈴がこれから陛下の力になることをしてどんなふうになるのか楽しみです。





可歌まと 狼陛下の花嫁 2巻
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2023年6月16日金曜日

可歌まと 狼陛下の花嫁 1巻

中華風の白陽国(はくようこく)という王国が舞台です。

国王陛下と下級官吏の娘の物語です。

主人公の下級官吏の娘は汀夕鈴(ていゆうりん)と言います。




●第1話

父親から高賃金の割りのいい仕事があると聞き、王宮に行って詳しい話を聞くと一か月間後宮でお務め頂きたいというものでした。ただ後宮で過ごすだけではなく国王陛下の臨時の花嫁として、表面上妃として暮らすというものでした。

仕事の内容を説明する人物はそう難しい話ではないと言います。

国王陛下と言うのは世間で冷酷非情な人物として有名で「狼陛下」と呼ばれています。

夕鈴が仕事内容を聞いている目の前にその狼陛下が座っています。怖くてムリですと言えず部屋を下がります。しかし、あやしすぎるし怖いので辞めますと言おうと、先ほどの部屋に戻ります。恐る恐る部屋までやって来ると、

「て ゆーかさぁ この作戦 僕が休むヒマなくない?」

「まだ気を抜かずに! 人払いが済ませてあるとはいえ…」

「だってー」

「彼女にはそればれないで下さいよ!?」

と何やら軽い調子で話す声が聞こえてきます。声は狼陛下と仕事の内容を話した二人のものです。

夕鈴が戸惑っていると、狼陛下が部屋から出てきてばったり出くわしてしまいます。

「あ――――――――――… …ごめーーん李順ーー お嫁さんまだいたよー」

と狼陛下が聞こえてきた口調で言います。

夕鈴に仕事の内容を話した人物は李順と言います。

部屋の中にいた李順が二人のところに来ます。

李順は夕鈴が部屋の外に立っているのを見て頭を抱えます。

部屋に戻り、李順は夕鈴に秘密を打ち明けます。

家臣達は陛下のお妃が誰になるかということに関心があると説明し、妃を貰って狼陛下が実はこんなほわほわした方だとばれるのはとてもまずいのだと、冷酷非情な狼陛下と言うのは、他国や臣下になめられないためのイメージ戦略なのだと言います。

狼陛下は縁談を断るたびに理由を聞かれて困っていたので一時しのぎに臨時花嫁雇ってごまかすことにしたのだと言います。

李順は狼陛下の秘密をしゃべったら一族郎党地上から消えて頂きます警告します。

夕鈴は秘密を知ってしまい仕事を断ることもできず、お給料分は頑張ろうと臨時花嫁生活を始めます。

夕鈴は妃として後宮に入ります。過ごしていくうちに陛下の政務をこなす時の表の顔と後宮で二人きりあるいは李順と三人の時だけ見せる裏の顔両面に惹かれていきます。


臣下の中には血縁が妃になれず、夕鈴を疎ましく思う者も出てきます。

狼陛下と李順は夕鈴には言わず、妃を送り込みたい臣下をあぶり出す囮としても役立ってもらうつもりでいました。

陛下は李順に夕鈴の囮の役目について話そうとすると、夕鈴は立ち聞きしていて、

「――――その辺 きいてない …囮? …それ 契約事項に入ってた?」

と怒りを露わにします。

夕鈴は部屋を出て一人になったところで妃を排除しい臣下に捕らえられてしまいます。

狼陛下は密偵を使って準備していたのですぐに夕鈴を救うことができます。



約束の1か月が過ぎます。

給料を貰って帰ろうとすると狼陛下が現れます。

「こんなこと …すごく言いにくいんだけど …あのね 夕鈴あの時怒って衝立壊しちゃったでしょ? …あれでお給料 マイナスになっちゃったらしいんだよね」

と言います。

狼陛下と李順が夕鈴を囮に使うと話しているところで夕鈴は衝立を叩き壊してしまいそれがとても高価なものだったようです。

狼陛下は返済はいつでもいいからと、また臨時の花嫁を募集するつもりだと夕鈴を誘います。

まだまだ臨時の花嫁の仕事は終われそうにありません。



国王陛下の表の顔も裏の顔もどちらも本当の彼です。

しかし、夕鈴は狼のときの冷酷非情な彼は演技だと聞き信じ込んでいます。




●第2話

陛下に淹れたお茶の中に毒が入っていて、夕鈴は犯人を探そうとします。

陛下は夕鈴に危険なことをさせたくないので犯人探しはやめるように言います。

夕鈴は陛下が表の顔狼陛下で犯人探しは必要ないと言うので、心配だから探すのですとやめようとしません。

犯人は陛下が捕らえます。

陛下は夕鈴の損得ではなくその時にわき起こる衝動で行動するところを大切に思っています。

夕鈴は陛下が妃を愛してるフリがどうしてこんなにうまいのだろう困惑しています。ただ、必要とされていると感じるのでもう少し狼陛下の花嫁を続けていこうと考えます。




●第3話

陛下は商人に夕鈴のための金銀宝珠の細工物を用意させます。

夕鈴は高価すぎて身に着けられません。

商人は妃に近づきたいため再度夕鈴に接触します。

夕鈴は商人を見て、下町で見かけるうさんくさい行商人と似た雰囲気があると感じています。


陛下と夕鈴は執務室でお茶をしています。陛下は夕鈴が用意させた宝飾を身に着けていなくて身に覚えのないものを身に着けているのに気がつきます。少しやきもちを焼いたのか、商人と会ったのだと考え、商人の出入りを控えさせようかというようなことを言います。

夕鈴はどう受け取ったのか、陛下が表の顔狼陛下で話すので、執務室から逃げ出してしまいます。

夕鈴にしてみれば高価な宝飾は似合わないことは自身でよくわかっていて、偽物の妃なのだからと宝飾を身に着けない理由を数え上げればいくらでもでてくるので、考えて落胆します。


商人は夕鈴を狙う刺客でした。

夕鈴は陛下を慕う気持ちを抑えつつ、陛下の花嫁を演じ続けようと考えます。



●第4話

夕鈴はあと少しで借金をすべて返済できるところまで来ていて嬉しそうです。庭を歩いていると陛下が臣下に左遷を命じるところに出くわします。

臣下は受け入れられないようです。陛下に許されず、妃の夕鈴にもう一度陛下に会う機会を望みます。

夕鈴は断ります。

すると臣下は態度を豹変させて夕鈴に小刀をつきつけます。

陛下が現れ、夕鈴を助けます。

夕鈴は逃げるように言われたのに、どこからか持って来たツボを臣下めがけて投げつけます。

陛下は夕鈴にいうことをきかないなと微笑んでいます。

李順がやって来ます。夕鈴が割ったツボを見て、

「よりによって 後宮内でも最高級の陶磁器を選ぶんですか…?」

と弁償を迫ります。

夕鈴は借金が新たに増えてしまい、もう少しで終わるところだった臨時花嫁の延長が決まります。




狼陛下は夕鈴と過ごす時間が増えれば増える程側にいて欲しいという気持ちが大きくなっているようです。

夕鈴は好きになってはいけない人物だからと懸命に距離を置こうとします。

二人がどういうかたちで互いに気持ちを伝えるのか楽しみです。

続きます。



可歌まと 狼陛下の花嫁 1巻
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2023年6月14日水曜日

森本梢子 じゃのめのめ 1巻

現代が舞台の人間に悪さをする妖怪を退治する物語です。

主人公は月代瞳子(つきしろとうこ)という女の子です。瞳子は特殊な能力を生まれ持っています。特殊な能力は「夜刀の目(ヤトノメ)」と言い、目に宿っていて妖怪をにらむことで邪気を祓うことが出来ます。

悪さをする妖怪が出てきても普通の人には見えなくて、なぜだろう? と首をかしげる

ばかりで、よくわからないことが起こると瞳子のおばあちゃんが営む「骨董じゃのめ屋」に相談にやって来ます。

依頼を受けると瞳子が依頼者のところへ行き、妖怪の仕業ならばにらんで退治します。


河童や神様も登場します。アシガールという作品で登場した地名が出てきます。


瞳子は生まれ持った夜刀の目の能力のせいで、学生生活が楽しいものなくて、こんな力いらないと思うことがありました。妖怪とにらみあい、呪いをかけられてしまって夜刀の目の能力を失うかもしれなくなったとき、自分にとってこの能力は大切なものだったと気がつきます。呪いを解いてもらい、考え直して、どんな妖怪でもひとにらみで退治できるように能力を上げる修行をする決意をしたところまでが描かれています。


ちょっと思考も行動もおっとりしている瞳子の親友のひなたちゃんが面白いです。河童のところが特に好きです。

河童様が戦国の世の緑合の若君と唯に会っていて、唯の容姿が好みだったところも面白かったです。


続きが楽しみです。






森本梢子 じゃのめのめ 1巻
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●関連リンク
ココハナ じゃのめのめ

集英社 じゃのめのめ

2023年6月10日土曜日

草凪みずほ 暁のヨナ 41巻

ハクとラーン将軍の間で何も言葉は交わされませんでした。

チャゴルがメイニャンに固執する理由はまだ明らかにされていません。

四龍が元気なのはドロモスが緋龍城の地下から持ち出した盃が近くにあるからという理由でした。どうして盃で四龍が元気になるのでしょうか。ゼノが知っていることを話す時が来るのでしょうか。




ラーン将軍の前にハクが姿を見せます。

ラーン将軍は暗くてはっきりとはわからないようです。

兵士は松明で明るくしようします。

ハクは大刀でことごとく松明の炎を消していきます。

その間にヨナとヴァルはその場から立ち去ります。



ジェハはドロモスと戦っています。

シンアも別のドロモスと戦っています。

ゼノはドロモスに羽交い締めにされます。ドロモスの鉄爪で自身を傷つけて能力を発動させてドロモスをねじ伏せます。しかし、どうしてこんなにも必死にドロモスを捕えようとしているのかわからなくなってしまいます。緋龍城が燃えてしまったのにキジャ、シンア、ジェハの回復が早いことにも疑問を感じています。ふと、ドロモスが緋龍城の地下から何かを持ち出したのではないかと思い当たり、ドロモスに尋ねます。

ドロモスは答えません。

別のドロモスが援護に来て、ゼノは捕らえたドロモスを逃がしてしまいます。



ヨナとハクとヴァルは四龍たちが来ないので心配しています。

ヴァルは時間が惜しいからここからは一人で行くと言います。

ハクはヨナに敵に見つからないように隠れているように言い、ヴァルには兵士を全部蹴散らすからその間にメイニャンを連れ出せと言います。



ハクが兵士の注意を自分に向けさせている間に、ヴァルはメイニャンのところに行こうとします。しかし、ハクのあまりの強さにもし将軍が出てきて、ハクと剣を交えることになれば、その将軍は倒されるかも知れない、仲間だった将軍がハクによって失うかもしれないと考えると、メイニャンを優先したい気持ちが少し揺らいでしまいます。

「ヒッタン将軍こちらです 侵入者です」

という兵士の声が聞こえてきます。


ハクの前にヒッタン将軍が現れます。

ハクは侵入者は自分だと手を上げて主張します。ヒッタン将軍の背後にヴァルの姿を見つけます。

ヴァルはヒッタン将軍に、

「――いや 最後の挨拶くらいしときたかったんで」

と言います。

ヴァルはヒッタン将軍にメイニャンを救うためチャゴルに刃を向けたこと、メイニャンを連れて南戒帝国を去ると伝えます。

ハクはヴァルの言葉を聞いて、どうしても話しておきたい相手だったのだとわかります。



ヨナは四龍を待っていると、兵士が出入りする小屋を見つけ中に入ります。

中には拷問を受けボロボロになったカジ将軍がいました。

カジはヨナに外の様子を尋ねます。

ヨナは話すうちに力になってくれそうな気がして、

「あなたは… メイニャンやヴァルの味方? 私はヴァルと共にメイニャンを助けに来たの」

と打ち明けます。

カジは協力したいと言います。

ヨナは縛られていたカジの縄を切り、小屋を出ます。互いに自己紹介します。

カジはヨナの肩にメイニャンのホーちゃんがいるのを見つけます。手伝って欲しいことがあるから一緒に来て欲しいと言います。



チャゴルのところにドロモスが戻ります。

ドロモスはチャゴルに緋龍城の地下から持ち出した四龍の血の盃を見せます。

チャゴルはメイニャンの心は折れたのに、ヴァルはまだ折れずに抵抗しているのでしぶといと感じています。緋龍城を燃やされて折れない高華国の王はどうすれば折れるか思考を巡らせます。



キジャとシンアとジェハはゼノに盃を取り返そうと言います。盃はきっとチャゴルに渡るだろうから、その近くにメイニャンもいるだろうと話し、まずヨナと合流しようとします。

ヨナを探すため、ジェハは空を飛びます。メイニャンを見つけます。

メイニャンはジェハに手を振っています。

ジェハはメイニャンに近づこうとすると矢を受けてしまいます。罠だったようです。

シンアが助けに入ります。キジャも続きます。

ドロモスが現れ、シンアとジェハとゼノが捕らえられてしまいます。

メイニャンはカジを解放するために、四龍を罠にはめるようチャゴルに指示されたようです。



ハクはヨナの元に戻ります。しかし、ヨナはいません。

地面にヨナの矢が刺さっていて、ハクはヨナが自らの意思で動いたと判断します。

キジャが来ます。傷だらけです。

キジャはハクにシンアとジェハとゼノが捕まったと言います。



ヨナとカジの前にドロモスが現れます。

ドロモスはヨナに四龍のうち三人を捕えた、チャゴル殿下がお待ちですと言います。

カジはドロモスと戦う覚悟です。



捕らえられたシンアとジェハとゼノの前にチャゴルが姿を見せます。

チャゴルは四龍を消せば高華国の民の心は折れるかと言います。

ドロモスがヨナを連れて来ます。

チャゴルはヨナの首に手をかけ、四龍にヨナを消せば国王の心は折れるかと問いかけます。

四龍の表情が変わります。

チャゴルはそれが答えだと言い、ヨナを連れて部屋を出ます。

チャゴルはヨナをメイニャンのいる部屋に連れて行きます。

メイニャンはヨナが捕らえられてしまったのは、四龍を罠にはめたからだと気がつきます。

メイニャンは頭痛に襲われます。

ヨナはユンから預かった薬をメイニャンに飲ませます。



チャゴルはヨナを処刑することにします。高華国側には兵を引くことと、スウォン一人でヨナを引き取りに来ることを要求します。


高華国の兵は引き始めます。しかし、スウォンの姿がないのでチャゴルはヨナの処刑を執行します。

兵が弓を構えます。


メイニャンはヨナに駆け寄り矢を放てないようにしがみつきます。

チャゴルの側にいたドロモス二人が、

「連れ戻します」

とヨナとメイニャンを囲みます。

メイニャンはチャゴルに向かって叫びます。

ヨナはメイニャンを抱きしめます。縛られていた縄が切られています。

二人を囲んでいたドロモスは変装したヴォルドとアルギラでした。

ヨナに弓を構えていた兵士はカジでした。

ヨナとカジがドロモスに見つかった時、ヴォルドとアルギラに助けてもらいドロモスの変装をしてチャゴルのところにヨナを連れて行ったのでした。

チャゴルは自らヴォルドとアルギラとカジに斬りかかり、三人ともねじ伏せてしまいます。ヨナを捕え処刑を執行すると首をつかみます。

チャゴルの背後で恐ろしい殺気を放ちながらハクが大刀を振り下ろします。

チャゴルは大刀をなんとか剣で受けます。目の前にいる人物がクラウを倒した人物だとわかります。

南戒の兵士はチャゴルを守ろうと矢を放ちます。

ハクはヨナを守りながら矢をよけます。

ヨナは弓を構えチャゴルに矢を放ちます。矢はチャゴルの胸に刺さります。しかし、チャゴルは倒れません。



ヨカタはヴォルドやアルギラのようにドロモスに変装し、四龍の救出に向かっています。途中でキジャと合流します。

ヴァルとヒッタン将軍はまだ戦っています。

キジャが割って入りヒッタン将軍を気絶させます。



ヨナ達は南戒の兵士に囲まれた絶体絶命です。

ハクはヨナを守ると、ヨナはハクを守ると互いに生き抜く意思を強く持っています。

空にグルファンを見つけます。スウォンの鷹です。

グルファンを見つけたと同時に密かに南戒の野営地に侵入していたテウ将軍率いる風の部族軍とキョウガ将軍率いる火の部族軍がヨナとハクを取り囲む敵兵を次々と倒していきます。


ヨナとハクは間に合ったと何とか作戦を成功させることができたと一息つきます。


スウォンが兵を動かすことはメイニャンを救出する作戦の中に組み込まれていたことなのでした。


ヨカタとキジャがヨナに合流します。

ヴァルも到着します。ヴァルはメイニャンにようやく再会できて、思いをを伝えます。


スウォンがやって来ます。チャゴルに負けを認めるよう迫ります。

追いつめられたチャゴルはスウォンに斬りかかります。

ハクがスウォンの前に立ち、チャゴルを斬ります。

倒れる寸前のチャゴルをラーン将軍がすくい上げるように抱え逃走します。

キジャはシンアとジェハとゼノが連れて行かれてしまうから早く追わねばと言います。

カジが大丈夫と言います。ヨナ姫に協力してもらって全ての馬車に細工したから、途中で壊れるはずだと言います。




ラーン将軍はチャゴルに忠誠を誓っている将軍なのだなと思いました。

ヒッタン将軍は目が覚めるとどういう姿勢になっているのか楽しみです。

ヨナの矢を受け、ハクに斬られたチャゴルは無事だと嫌だな、と思います。

続きます。



草凪みずほ 暁のヨナ 41巻
(アマゾンのサイトに移動します)



●関連リンク
白泉社公式サイト 暁のヨナ

2023年6月8日木曜日

あきづき空太 赤髪の白雪姫 25巻

●123

リュウとカゲヤを襲った者たちはカゲヤの家に行き、中和剤の作り方を見せるよう言い、書き記すよう言います。

刺客たちはヨヅミを香水で陥れようとしている者の部下のようです。

リュウはなんとなく状況がわかってきているようです。

カゲヤは刺客にここでは道具がないから作れない、近くにある温室に行かないと作れないと言います。

リュウは白雪たちがもし来たら分かるように手がかりを残します。


白雪とオビとエイセツはヨヅミの家に着きます。部屋の中は荒らされています。リュウとシュウとヨヅミの姿はありません。

エイセツは以前カゲヤに渡したものを見つけます。もしかしたらこの家はヨヅミの家ではなくカゲヤの家なのではないかと言います。

オビは部屋の外に人の気配を感じます。

白雪はエイセツに本当にここはカゲヤの家なのですね、と確認します。中和剤を作るための道具が見当たらないので、違うのかもしれないと思ったと言います。

エイセツは、

「……オビどの 君は俺にやられてくれ」

と言います。


エイセツと白雪が口論しています。

エイセツは白雪を殴りつけ気絶させます。

黒装束の刺客が入って来ます。

「ルギリア伯爵ですか?」

エイセツは、

「ああ 昨夜 俺を襲った連中の仲間か」

「……何の話です?」

白を切っているのか、知らないのかわかりません。エイセツは刺客に交渉します。

刺客は協力の姿勢を見せ、エイセツとともに部屋を出て行きます。

オビが残っている刺客を倒します。

伏せている白雪は本を見つけます。白雪とオビとエイセツは芝居を打っていました。

今来た刺客と昨夜の刺客の主人が違うことがわかり、事態はさらに混乱します。



●124

ツルバは心当たりの邸を訪ねます。

この邸の当主はツルバが考えた通り今回の黒幕でした。

トウカ・ベルガットが持っていたものをそのまま横取りしようと、ヨヅミを罠にはめ、カゲヤを従わせようとしたようです。

ツルバと当主が話していると、部屋の外が騒がしくなります。

当主は部屋から出ると、家臣や妻が倒れています。

タリガが邸を制圧したのでした。

全てが明るみになり、当主はツルバに命乞いをします。

ツルバは誰の命令でここに来たと思っているのかと問います。


白雪はリュウが残した手がかりを見つけます。どこかに温室があってリュウはそこにいるかもしれないから探そうと言います。

白雪とオビは協力して温室を見つけます。


カゲヤが案内し温室に着きます。

刺客は薬を作る道具はあるのかと訊き、カゲヤはすべてそろっていると言います。

刺客のひとりが仲間を呼びに行きます。

部屋に入り、刺客はカゲヤには薬を作らせ、リュウには何を使っているか書き記すよう命令します。

リュウはカゲヤが作る工程を見て何かを察します。

刺客はカゲヤが作った薬をリュウに飲むよう命令します。

リュウは一呼吸おいて薬を飲みます。

刺客はリュウの飲むまでの間が気になりなぜかと訊きます。

リュウはこの薬は鎮静剤のはずだと言います。

刺客はカゲヤが命令通り薬を作らなかったので殴ります。今度こそ薬を作るよう命じます。

完成した薬をリュウが飲みます、毒ではないことを確認すると刺客は手下に始末しろと命じます。

命じられた手下は剣を抜きます。

「待ちなさい!!」

カゲヤが言います。薬を作る工程を書き記した紙を燃やそうとします。

刺客は、

「それで抵抗しているつもりなのか? 燃やしたければ 燃やせばいい」

と余裕を見せます。

リュウはカゲヤを見ます。カゲヤは、

「ごめんなさい 巻き込んでしまって」

と言います。

刺客は膝から崩れ落ち倒れます。



●125

カゲヤは部屋に火をかけます。

「立てる? もう平気よ 彼らはしばらく起きられないわ あなたはさっき別の薬を飲んだから大丈夫」

カゲヤは部屋に薬を仕込んでいました。リュウにあと一つだけ協力して欲しいと、

「お願い この薬を届けてほしい人がいるの」

と言います。リュウは、

「…… ヨヅミさん…?」

と言います。カゲヤは答えません。

「ルギリア伯爵の家で会ったんだ 一緒に治す方法を探してる」

と説明します。

「あなたはカゲヤ・イリーズさん?」

「……あなたは?」

「リュウ」

「リュウ君 ここを離れて… 私は後始末があるの 火が回る前に…」

「だめだよ カゲヤさんももう動けないはずだ 一緒に…」

リュウは部屋を見回し、効果のある薬草を煎じてカゲヤに、

「飲んで 少しは効いてくれる」

「…薬に… 詳しいと話していたけれど…」

「おれは宮廷薬剤師なんだ」

そう言って、リュウは涙ぐみます。薬学の知識しかない自分を責めます。

カゲヤは自分に出来ることをして、それが誰かの助けになればすごいことなのよと慰めます。


白雪とオビとエイセツは温室へ急ぎます。

薬草を育てている場所でおそらく温室に向かうであろう地下の抜け道を発見します。

エイセツは抜け道から温室へ向かうと言います。

白雪とオビは地上から温室へ急ぎます。


カゲヤとリュウは扉に向かいます。

リュウが先に出て外の空気を大きく吸いこみます。扉が閉められ鍵がかけられます。慌てて声をかけます。

「…っ 彼らの仲間がきっと戻ってくるわ 早く離れるのよ 小川に沿って行けば抜けられるわ お願い走って…!」

カゲヤはリュウが走り出すのを見届けます。

リュウは大きな石をいくつか探し、温室に戻ります。

カゲヤは刺客の剣を取り自害しようとします。


リュウは石を使って扉を壊そうとします。しかし、殴られて肩を痛めていて腕が上がりません。

「リュウ 割ればいいのかい?」

リュウは声でわかります。オビです。間に合いました。

「――― うん」

「了解! 下がってて」

白雪はリュウを抱きしめます。


オビは扉を蹴り破ります。

カゲヤは入り口の方を振り返ります。

「カゲヤどの!」

抜け道から来たエイセツがカゲヤに声をかけます。

エイセツはカゲヤの手から剣を取り、

「カゲヤどの 泣いた後でしか見つけられないね 俺は」

となんとか間に合ってよかったと泣きそうな表情をします。

白雪とオビとエイセツはカゲヤと刺客を外に出します。

オビはリュウにシュウとヨヅミはどうしたと訊きます。

「…剣を持った人達に 馬車を止められて… 二人はおれを逃がしてくれたから その後はわからない」

と応えます。

オビは刺客にヨヅミ・イリーズの居場所を訊きます。

「………あの騎士はどうせ死罪だ 死に場所が知りたいのか…?」


仲間を呼びに行った刺客が戻ります。

刺客は、

「―――… くそっ どうなってる…! 来い! 女を捕える」

と言います。

白雪はリュウとカゲヤに逃げようと言います。

カゲヤはヨヅミのことを聞き呆然としています。

エイセツは刺客にルギリア家の当主だと言い、オビの身分も明かします。そして、

「カゲヤどの あの時は一人でごめん」

と言います。

白雪は、

「行きましょう ヨヅミさん達も北の地にいるはずです 助けに行けます!」

とカゲヤは一人ではないと励まします。



●126

シュウとヨヅミが監禁されています。

ヨヅミはルギリア邸では言わなかった恋人の名を明かします。コルーデ子爵家。シュウはその家の名を聞いて思うところがあるようです。

扉の外で物音がします。争っているような音です。

扉が開きます。シュウとヨヅミは入ってきた人物を見て驚きます。


白雪とリュウとカゲヤは逃げます。

「そこの!! 止まれ」

と声がします。


刺客はオビとエイセツに斬りかかります。

どこからか矢が飛んできて、刺客に刺さります。

「動くな! ウィラント騎士団だ」

矢を放ったのはミツヒデでした。

「旦那ぁ」

オビは驚いています。

ミツヒデは、

「気を抜くのが早いよ」

と言います。


白雪に止まれと言ったのは木々の隊でした。


高台で待機していたゼンは五人の無事の報告を受けます。


ルギリア邸に戻ります。

エイセツはツルバとタリガからシュウとヨヅミの無事を知らされ、頭を下げ感謝の気持ちを伝えます。

リュウはシュウとヨヅミに会いに行きます。無事を確認すると、

「良かった……」

と言い、そのまま眠りに落ちます。

カゲヤはヨヅミと会い無事でよかったと涙します。

ゼンは今日は休んで、明日から話を聞くと言います。


翌日、カゲヤは事情を説明します。オビとツルバはカゲヤの話と状況をつなぎ合わせていきます。

エイセツはゼンに今回の事態を招いた非を詫びます。ウィラントに残る禍根を全て明らかにし断ち切るためベルガット家と共に動くという意思を表明します。



●127

朝食のひとコマが描かれます。

ツルバとタリガは冗談と言えるやりとりに、会話に入っていける自信がなさそうです。


エイセツはカゲヤに会いもう一度あやまります。

カゲヤはエイセツの心が自分の行動を踏みとどまらせていたことを明かします。


白雪とオビとリュウは一度リリアスに戻ることにします。

ゼンは三人がリリアスに戻る頃にはガラクが来ているはずだと言います。


リリアスでのリュウとガラクの会話に師弟の深い結びつきを感じます。


後日、白雪とオビとリュウは改めてルギリア邸を訪れます。エイセツに香水と中和剤についての報告をして、本来ルギリア邸にやって来た理由、ルギリア家当主に会って要望の許可を貰うという要件について話します。



●特別編

鹿月と巳早、ユジナとロナ、キリトと鈴とユズリの会話が描かれています。

続きます。



あきづき空太 赤髪の白雪姫 25巻
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2023年6月6日火曜日

あきづき空太 赤髪の白雪姫 24巻

●119

ひとりの女性が小部屋に入り、座っている女性に話しかけます。

「貴方方がお使いの『香水』――… とても妖しい香りがするのですね ひとが虜になるのも頷けます」

「……!? なぜあなたがそれを…」

「この香りを濃く一気に吸い込むとどうなってしまうか …当然ご存知でしょうね」

と言うと、香水を座っている女性にぶちまけます。

漂う濃い香りに座っている女性は慌てて小瓶に入った液体を飲みます。

「無駄です 今日お渡しした薬では中和されません 別物ですから」

座っていた女性は意識を失い倒れてしまいます。


オビは広間を観察しています。人がずっと立ったまま動かないことに気がつきます。エイセツを見ると彼も動かずじっと一点を見つめています。違和感で体に悪寒が走ります。

「おい」

「――え?」

「今 なんでここに居るのかわかります?」

「なんでって…? えーっと… ちょっと待ってくれ…」

「お嬢さんに貰ったやつ 口に入れて下さい」

「お嬢さん? ああ… 彼女か…」

オビはエイセツのふわふわした口調に薬が広間に充満していて、入って来たときから体に作用していたとこに気がつきます。白雪に渡されたものを口に入れ嚙み砕きます。エイセツの口にも放り込んで、

「噛め」

と言います。刺激物のようなもので一気に目が覚めます。

オビとエイセツは辺りを見回すと一人だけ薬の影響を受けずに歩いている女性を見つけます。

オビはその女性が出て来た小部屋の幕の方を見ます。中に人の気配を感じます。


幕から出て来た女性に、

「兄から伝言です 夫人」

と話しかける人物が現れます。

エイセツは女性を追いかけ、オビは小部屋に向かいます。

オビは小部屋に入ると倒れている女性を見つけます。


白雪とツルバはオビが決めていたのと異なる合図を送ってきたので異変を感じ邸に侵入しようとします。

ツルバはさっと手すりを飛び越え侵入に備えます。しかし、白雪は自力では登れずツルバに手を貸して欲しいとお願いします。

ツルバは生きて来てこんな風に誰かに手を貸して欲しいと言われた経験がなさそうです。気がつかなかったことに申し訳なさそうな表情をして手を貸そうとするところにオビが出て行きます。

白雪はオビに抱えられて邸の中に入ります。

「オビ 身体に異変は? さっき様子が…」

と白雪が言うと、オビはやはり薬が作用していたのだと分かります。

ツルバと相談して邸に入ろうとしたと言います。

ツルバは白雪がベルガット家の人間を普通に扱うところに小さな驚きを感じているようです。


オビは白雪とツルバを小部屋に案内します。

白雪は倒れている女性を見て、

「うん 別の部屋に移そう」

と言います。女性から放つ香水の香りがヨヅミが持って来た香水と同じ香りのようです。


女性を追ったエイセツは邸を出て、馬車に乗り込んだところで接触します。

「…仮面を外して頂けませんか」

と言います。

「……仮面をつけた方に言われましてもお応えしかねます」

と返されると、エイセツは仮面を取ります。

「話があります」

「……お一人ですか」

「――ええ」

「お乗り下さい」

エイセツは馬車に乗り込みます。


オビはツルバに、

「…ツルバ 表を見てきてくれるか エイセツどのが戻らない」

白雪とオビは女性の意識が戻るのを待ち、ツルバはエイセツを追います。


「お話とは? …エイセツ様」

「―――…… カゲヤどの…」

エイセツは女性を知っていました。しかし、知った人物だと分かり驚きます。



●120

カゲヤはあの広間でよく自分のことがわかったと言います。

エイセツは騎士にヨヅミ、イリーズという名の騎士がいて、イリーズと言う名でカゲヤ・イリーズの名を思い出したからわかったのだと言います。

カゲヤは、

「いつ どこで ヨヅミとお会いになったのですか!?」

と少し焦ったような口調で言います。


香水をかけられた女性の意識が戻ります。女性はすこし震えています。

「ど どこにあるの? リエラはどこ 早く中和剤をどこなの リエラ…っ リエラが…」

オビはエイセツが追った女性がリエラであるとわかります。


リリアスではユズリが文献を読み漁っています。文献の中に香水の作用と似ている事例をみつけリュウに報告します。

リュウは中和剤を作るため王城に行くと言います。


馬車ではエイセツがカゲヤにヨヅミとの関係を訊きます。

カゲヤは答えず、

「停めますわ 降りて下さい エイセツ様」

引き返せと言おうとするエイセツを短剣で刺します。刃先に薬を仕込んでいてエイセツは抵抗できず、馬車から押し出され、地面に転げ落ちます。

地面に投げ出されたエイセツは刺客に襲われます。

刺客のひとりがエイセツを見てルギリア伯だと気がつきます。

エイセツをどうすべきか迷っていると刺客の背後にツルバが現れます。


白雪とオビもツルバとエイセツを追います。



●121

ツルバは三人の刺客を倒します。

ツルバはエイセツに怪我の有無を聞いたの後、なぜひとりで動いたのか問い質します。

エイセツは彼女とは知り合いだった、トウカ・ベツガットと通じているとは考えられない人だと言います。

ツルバは戻ろうと言います。そして、倒した刺客の顔を確認し縛ろうとすると、矢が飛んできます。

エイセツは回避しようとして足がもつれ崖から落ちてしまい、気を失います。


エイセツとカゲヤの過去が描かれます。


エイセツの意識が戻ります。

白雪とオビも合流していました。

オビは状況を訊ねます。

ツルバは刺客の心当たりを探ると言います。

オビはエイセツにあなたはどうすると訊きます。

エイセツは白雪とオビに、君達とは行かないと言います。

白雪は、

「それでは初めて会った時と同じです ―――…何があったのですか?」

と言います。

エイセツは本音を吐き出します。

白雪とオビとツルバは静かに驚きつつ聞いています。



●122

エイセツはカゲヤが困っているなら助けたい、シュウとリュウを巻き込みたくない、君達を頼りたい、と言います。

白雪とオビとエイセツは邸に戻ります。

ツルバは心当たりの場所に向かいます。


邸に戻ると、リュウとシュウとヨヅミがヨヅミの家に行った言われます。

白雪はリュウからの手紙を読みます。

白雪とオビとエイセツはヨヅミの家に向かいます。

途中、何かを察知したオビが暗がりの道を行くと血痕を見つけます。

白雪はリュウに贈ったしおりを見つけます。

リュウとシュウとヨヅミを乗せた馬車は何者かに襲われてしまいます。

シュウとヨヅミがリュウを避難させ、襲ってきた者たちと戦います。

リュウは近くの騎士団に知らせなくてはと走り出します。


苦しそうにうずくまっているリュウをカゲヤが見つけ声をかけます。

二人に刺客が近づきます。

続きます。



あきづき空太 赤髪の白雪姫 24巻
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2023年6月4日日曜日

あきづき空太 赤髪の白雪姫 23巻

●114

エイセツはオビに二人で話がしたいと言います。

オビは断ります。

エイセツは諦めて白雪とオビの三人で話します。トウカ・ベルガットを知っているだろうと切り出し、ルギリア領下にトウカ・ベルガットの手の者がいるのではないかと警告があったと言います。

「もし事実なら調べないわけにはいかないんだが…… そこが厄介でね…」

と言われオビは、

「…情報もとがツルガ・ベルガットだから?」

と言います。

エイセツは、

「オビどのに仲介を頼みたい 俺とベルガットの間に入ってくれないか」

と言います。ツルバとは親しくないと言うオビに、

「君は殿下の騎士でツルバどのは殿下に臣従を誓っている それで充分だよ」

と言います。オビはエイセツの意図を理解します。引き受けると言います。


翌朝、オビはリュウが目覚めると、

「ちょっとの間お嬢さんと二人でルギリアの相手よろしく」

と言い出掛けます。


雨の中オビはベルガット邸に着きます。

ツルバはオビの訪問に驚いています。

「どうしました 殿下から何か…?」

と訊くツバルに、

「伯爵に手紙を送っただろ?」

と用件を話します。オビの言葉が思いがけないことだったようで、

「ルギリア伯とお知り合いでしたか…」

と言います。

オビはツルバにエイセツが手紙の内容の信憑が欲しいと言っていることを伝えます。ツルバが率いるベルガット家を信頼していると態度で示すためか、出された水を飲み干します。

ツルバは、

「…… …ベルガット邸で出されたものをあっさり口にしない方がいいですよ」

と驚きを抑えながら言います。

「じゃ 主が来た時には何も出さないでね 実は腹も減ってきてるけど」

とオビは言い、食事を摂りながら話の続きをします。



●115

ツルバは調べていると、リエラ夫人という人物が浮かび上がってきたと言います。怪しいと感じる手紙のやりとりの内容や仮面騎士の夜会の招待状を見せます。


ルギリア邸ではエイセツが白雪に、

「せっかくうちに居るのに 君達の頼みごとの話をしないのかい?」

と話しかけます。

白雪は、今はしないとこたえます。

白雪とリュウにヒアテス騎士団のヨヅミ・イリーズという人物が訪ねてきます。宮廷薬剤師がルギリア邸にいると聞いてやって来たと言います。

ヨヅミは香水を取り出し、これがどんな香水なのかご存知無いだろうかと言います。

シュウが手に取り、エイセツに渡そうとするとヨヅミはなぜか慌てます。

白雪は独特の甘い香りという感想を、リュウはお酒に近いような籠もった感じがすると感想を言います。二人とも香りに思い当たるものはないと言います。

ヨヅミは様子が変です。

白雪は何か事情があるのかと訊きます。

ヨヅミはこたえられません。


ヨヅミが取り乱したのか、体調がおかしいのかわかりません。話しを中断し、一旦部屋で休ませることにします。

白雪が時間を置いてヨヅミを診に行きます。部屋に入り、ヨヅミの様子を観察します。やはり落ち着きがなく、どことなくそわそわしているように見えます。

白雪は会話はまだしないほうがいいと判断し、部屋を出て行こうとします。しかし、ヨヅミに引きとめられます。



●116

白雪はヨヅミに腕を掴まれます。

ヨヅミはぐっと白雪に近づきます。

顔と顔がかなり接近したところで白雪はヨヅミの鼻目掛けて胡椒の粉を押し当てます。

ヨヅミは正気を取り戻します。

白雪とリュウは香水がヨヅミに作用していると確信を持ちます。


正気を取り戻したヨヅミにエイセツがいくつか質問をぶつけます。

ヨヅミはこたえません。

白雪とリュウはリリアスの薬室の人達に協力してもらって香水を分析しようとします。


オビが戻って来ます。

オビは自分がいない間に別の問題が発生していることに困っていそうな表情をしつつ、白雪とリュウの二人に問題がないと分かり安心します。


オビはエイセツに会います。

領内のリエラ夫人と人物を知っているかと訊きます。

エイセツは知らないとこたえます。



●117

オビは仮面騎士の夜会について訊きます。

エイセツはそれなら知っていると言います。

オビはリエラ夫人は仮面騎士の夜会に出席している人物だと言います。その夜会で起こった出来事を話し、夜会に行って探って来ると言います。

エイセツは同行したいと言います。


オビは白雪に話します。

白雪も同行したいと言います。


リリアスでは鈴のところにリュウから小包が届きます。

ユズリが手紙を読み、動きが止まってしまいます。


夜会が行われる邸に馬車で向かいます。

途中オビが、

「もう一人 合流します」

と言います。

エイセツは合流した人物を見て驚きます。その人物はツルバ・ベルガットだったからです。



●118

白雪はツルバに挨拶します。

エイセツも覚悟を決めてツルバに挨拶します。

白雪のひと言から本音で話し始めます。

白雪、オビ、エイセツ、ツルバ、四人が協力し合うことを確認します。夜会について打ち合わせをします。

オビとエイセツは邸に潜入し、白雪とツルバは庭でオビからの合図を待ちます。


潜入したオビがバルコニーに現れます。しかし、事前に交わした合図と異なる合図を送って来ます。

庭で合図を待つ白雪はツルバに、

「オビは言った通りの事をします 絶対に」

と言います。

続きます




あきづき空太 赤髪の白雪姫 23巻
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2023年6月2日金曜日

あきづき空太 赤髪の白雪姫 22巻

エイセツ・ルギリアは近い未来にゼンの横に立っている人物を見たら、なんて言うだろう、というのを想像すると面白いです。




●108

白雪とオビとリュウはオリオルド関所に行きます。対応にやって来た兵士に団長に会い、管轄地に植物を植える許可を頂きたいと言います。

団長カミラギ・カディフに会います。

カミラギは今は何事も慎重に対応しなくてはならないと説明し、

「一度 ルギリア様のご判断を仰ぐことになるな」

とどうするか白雪と委ねます。

部屋に戻り、白雪はオビとリュウにエイセツ・ルギリアという人物に会いに行こうと言います。



●109

白雪とオビとリュウはもう一度団長に会いたいと連絡し、夜に会えることになります。

街を歩いていると、薬屋を見つけます。

白雪とリュウが入っていきます。

店の中にタリガがいます。白雪とタリガは互いに面識がないので会話という会話はありません。

外で待つオビは眼光が鋭くなります。

白雪とリュウが出てくるとオビの姿がありません。オビは尾行に気づき姿を消して様子をうかがっていました。

尾行していた人物はすぐに謝り、

「エイセツ様に会いたいと仰っていると聞いてどの様な方々かとつい」

と話します。

彼はルギリア家家臣シュウ・グラトリと名乗ります。

夜、カミラギ団長に会うとシュウも同席していて、

「エイセツ様にお会い出来るよう取り次ぎましょう」

と約束してくれます。


白雪とオビとリュウがオリオルド関所を出て、すぐ入れ違いにゼンがやって来ます。

団長がゼンにオビが来ていたと伝えます。

ゼンはタリガに会います。

タリガは話をした女性が白雪だったと言います。


白雪とオビとリュウはエイセツの邸に到着します。

シュウ・グラトリに着替えるよう言われ、エイセツ主催の夜会に出席させられます。



●110

白雪とオビとリュウは急に夜会に出ることになり警戒します。

思いもよらない人物が白雪に声をかけてきます。ヒサメです。

ヒサメは許嫁に会いに行こうかと誘います。

ヒサメは木々を連れて来ます。

ヒサメは白雪をダンスに誘います。ダンスを終えた白雪に男性が一輪の花を差し出します。



●111

男性はエイセツ・ルギリアと名乗ります。

エイセツはぐいぐいと白雪に迫ります。

周囲にいる人たちもエイセツの言動に注目します。

芝居がかった台詞に白雪は顔を赤くします。

ヒサメが中に入りエイセツに言葉を掛けます。

それでもエイセツは白雪に次は私と二人で庭を歩かないかと誘います。

白雪はこの邸の主人であるエイセツに会うためにやって来たから、誘いを断って恥をかかせるようなことはすべきではないと誘いに応じます。

白雪はエイセツに連れがいるので伝えてから行くと言います。

エイセツはもう伝えてあるとオビたちを見ます。

シュウが側に立っていて、彼が伝えたようです。

エイセツはオビに微笑みます。

オビは笑顔の意図を判断しかねています。

ヒサメは白雪の背後からトントンと肩をたたき、耳もとで何かを囁きます。

白雪は庭に出ます。

庭に出るとオビがいます。

白雪はヒサメから、

「オビどのを向かわせるよ そしたら… エイセツどのの前でオビどのと10秒見つめ合うといいよ」

と言われたので、その通りにやってみます。

ヒサメはエイセツのやり口が気に入らないようで白雪とオビにこのように指示したのでした。

それでもエイセツは白雪に執拗に迫ります。

白雪はどうしたものかと言葉を選びながら話します。

エイセツは掴みどころのない人物です。


広間にいるリュウと木々はシュウを見つけます。

シュウや急に咳き込みます。体調を崩したと宮廷薬剤師リュウに頼ります。

リュウはシュウと部屋に行きます。


エイセツのところにシュウが具合を悪くしたと知らせが入ります。エイセツは白雪に一緒に来てくれと頼みます。

白雪はシュウの部屋に行きます。


シュウの部屋ではリュウが診察しています。

リュウはシュウが仮病を使っていることがわかっていて、症状に合った薬湯をを用意すると言います。

白雪がやって来ます。


白雪はオビと木々とヒサメに事情を話し、全てが芝居であったと判断します。エイセツが自分たちを引きとめる理由はわかりません。けれど、やり方に怒っています。



●112

木々とヒサメがルギリア邸を出ます。

ミツヒデが立っています。木々とヒサメはゼンが来ていることを知ります。


白雪とオビとリュウは部屋に案内されます。

引き続き警戒しつつ休みます。

オビは周囲をは把握するため外に出ます。

オビはゼンを見つけます。

ゼンは白雪に会います。そして安全だと分かると帰っていきます。



●113

ゼンと白雪とオビの間で交わされた会話が描かれています。

翌日、朝食を摂りながらリュウが、

「白雪さん 昨日 怒ってた?」

と訊きます。

白雪は、はい、と答えます。

リュウはシュウの具合を診に部屋を訪ねます。シュウが薬湯を飲む間、言うべきことを言います。

シュウは、

「申し訳ありません」

とあやまります。


シュウはエイセツにいい加減にするように言います。

エイセツは夜、部屋を訪ねます。

オビを訪ねるつもりが、白雪が部屋から出てきます。オビが万が一のため侍従に部屋を逆に伝えていたのでした。

エイセツはオビに用事があると言います。



●特別編

ハキがイザナとの思い出話を話します。

イザナとハキがゼンを思って話しています。

続きます。



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