2022年7月16日土曜日

草凪みずほ 暁のヨナ 35巻

高華国と南戒の戦は避けられそうにありません。

軍事力は拮抗しているのでしょうか。どちらかが相手の武力を見誤っているのでしょうか。




高華国と南戒の使節団との会談が始まります。

高華国の地の部族領と南戒の国境で起こった争いについて話します。

スウォンの代理であるヨナは高華国が金州(きんしゅう)に侵攻した件について、戒高公法に則って審議すれば、どちらに非があるか明らかであると主張します。

使者は、

「戒高公法…」

覚えのない言葉のようで記憶を探っているようです。ヨナは、

「戒帝国と高華国との間に定められた規範ですよ お忘れですか?」

と詰めます。

使者は規範のことなど知らないとは言えず、この議題を進めれば分が悪いと考え話題を変えてきます。

使者は四龍について尋ねます。

ヨナは伝説の話です、と笑顔で交わします。

ケイシュク参謀はこの会談におけるヨナの対応に内心驚きます。

ヨナが四人いる南戒の使者の一人の顔色が悪いことに気がつき、声をかけます。

会談を続けられないと判断し、続きは後日にと言い、この日は終わります。



体調が悪い使者はランタンと言います。

ヨナはランタンに部屋を用意し、見舞います。

ランタンはヨナが見せた人柄に警戒を解いて、自らの心情を打ち明けます。

ヨナは南戒の腐敗、民への圧政といった情勢を少し知ることができます。



翌日、南戒の使節団がランタンに会いに来ます。

ランタンは口から泡を吹いて絶命していました。

南戒の使者はヨナ姫がランタンを毒殺した。これは南戒への宣戦布告であると非難します。


南戒の使者が殺された。その犯人はヨナ姫だという話が城内に一気に広がります。

ヨナに知らせが入ります。そして、ユンが知り、ハクが知り、ジェハが知ります。

ハクはユンに話を聞きたくてやってくると、そこにジェハがいたので皆で情報を交換します。


ヨナにスウォンが目を覚ましたと知らせが入ります。

ケイシュクはスウォンが眠っている間に起こったことを説明します。

南戒は初めから会談で何かを解決するつもりなどなく、相手を挑発し戦を仕掛ける機会を得るためのものでした

南戒の罠はいくつも張られており、役者の一人が毒で死ぬことで高華国を攻める口実を作ることに成功します。

スウォンはケイシュクに南戒の使節団に会うと告げます。


スウォンは南戒の使節団にランタンの葬儀を盛大に行うといいます。

ハクはヨナの様子を知りたくて直に見られるところまでやって来ています。

スウォンは謁見を終えヨナとともに戻ります。

階段を下りる途中でスウォンがふらつき肩がヨナとぶつかります。ヨナは姿勢を崩し階段を踏み外して転びそうになります。

ヨナを兵士が身体を支えます。ヨナは、

「ありがとう」

と言うと、兵士は、

「大丈夫ですか」

と声を出します。ヨナは声で兵士がハクだとわかります。

ヨナはハクを振り切り、スウォンが倒れないように、側で支えるようにして歩きます。



ハクはスウォンの体調の異変に気がつきます。ヨナが専属護衛はいらないと言ったこと、四龍がヨナに会えていないことはスウォンが原因で起こっていることだと考えます。

兵舎に戻ろうとしていると、不意に殺気を感じます。相手は剣を振り上げています。ハクも剣を抜き応戦します。

相手の顔を見ると見覚えがあります。ヒューリというスウォンの剣の師匠です。

ハクが話しかけても、ヒューリは何も答えません。ハクはスウォンの話題を振ります。するとヒューリは本気でハクを倒しにかかります。ハクは気を失います。


ハクは目を覚ますと牢に入れられていました。

ケイシュクがヒューリとともにやって来ます。

ハクは状況をケイシュクから聞きだそうとします。

ケイシュクは何も言わずヒューリに後の処理を命じます。

ケイシュクが扉を開けるとヨナが立っています。

ヨナは、ハクを殺せば、自分と四龍が黙っていないといいます。南戒との戦に集中したいのなら、スウォンを守りたいなら、賢明な判断を、とケイシュクに迫ります。

ケイシュクはヨナの要求を飲み、ミンスにハクの治療を命じます。



ようやくヨナとハクが二人きりで話す時間が持てました。

ハクはジュド将軍から聞いたことをヨナに尋ねます。ヨナはその通りだと言い。ハクにどこまで話すべきか考えます。

ハクはヨナがどういう思いでいるかを察し、

「そんなに俺を守ろうとしなくていいよ」

と言います。


ヨナが部屋を出るとヒューリが待っていました。

ヨナはヒューリに母カシに直接手を下したのはあなたでしょうと言います。

ハクの命は奪わないで欲しい、もう憎みたくないと言います。

ヒューリは無言でヨナを見つめます。



ランタンの葬儀が行われます。

泣いている人物がいます。南戒の使節団に同行している女性です。

ヨナは南戒にランタンの死を悲しむ数少ない人がいると思い声をかけます。

その女性はメイニャンと言い、涙していたと思ったら、ヨナの頭を掴み、土下座するよう強要します。

ヨナはメイニャンに、

「………あなたは何者?」

と言い、ランタンへの情が感じられないと言います。

メイニャンは苛立ったようで手を振り上げます。そこに、

「駄目だよ」

とメイニャンの振り上げた手をつかみ、

「その手を振り下ろす事は許されない」

とジェハが登場します。

続いてヨナを守るようにキジャが、

「我が主に手を出すならば 八つ裂きにされる覚悟は出来ているな?」

と言います。シンアとゼノがヨナを囲みます。

高華国の兵士がヨナを囲む四人を、四龍、と呼び、南戒の使節団が四龍の存在を確認します。

メイニャンは黙ってその光景を見つめて、

「主… 四龍はヨナ姫のものなのかしら」

とつぶやきます。

キジャが、

「当然だ」

と答えます。

メイニャンは、

「雷獣というのはどの方?」

と尋ねると、ジェハが雷獣は四龍じゃないよと答えます。

「雷獣は誰のもの?」

と問うと、四龍が全員ヨナを示します。

「四龍も雷獣もヨナ姫のもの…… 王でもないのに与えられすぎではないかしら ずるいわね」

とメイニャンはヨナに言います。

キジャが、

「この御方は我々にとっての王だ そなたに とやかく言われる覚えはない」

と言います。メイニャンは納得がいかないようです。

スウォンがやって来ます。

メイニャンはスウォンに近づきます。スウォンはメイニャンが何者か分かっているようです。

メイニャンがスウォンの耳もとで何か囁きます。スウォンは動揺します。



葬儀を終え、メイニャンたちは部屋に戻ります。

ケイシュクがメイニャンの部屋を訪れ、

「スウォン陛下がお呼びです」

と言い、メイニャンを案内します。



ヨナも四龍とともに部屋に戻ります。外を見ていると、ケイシュクがメイニャンをどこかに連れて行くのが見えます。

ヨナはメイニャンがスウォンに何か言い、スウォンの表情に少し動揺が感じられたので気になっていました。

ジェハがヨナに見に行く? と言うと、二人でスウォンのところへ向かいます。

スウォンはメイニャンに、

「何故 貴方が… 緋の病をご存じなんですか?」

と言います。

メイニャンはスウォンに、緋の病に侵されているな、と囁いていたのでした。

メイニャンは、

「何故って 私も侵されてるからだよ」

と答えます。

メイニャンはスウォンと同じで、緋龍王の血筋の末裔なのでした。王でもないヨナが四龍を従えて、緋龍王の末裔は病によって早死にしてしまう現状に納得出来ないようです。

メイニャンはスウォンに二人で全てを手に入れようぜと提案します。

スウォンはなんの温度も感じることなく、

「あ そういうのはいいです」

と拒みます。

メイニャンは拒まれるとは思っていなかったようです。

スウォンは、

「貴方が理不尽と感じている事と 私がおかしいと思っている事は全く違う」

と言います。

メイニャンは交渉が決裂したので命の危険を感じます。背後にケイシュクとヒューリがいます。

逃げ出してみるものの、すぐにヒューリに捕えられます。

ヒューリがとどめを刺そうした剣をジェハが止めます。

ヨナが駆け寄り、ケイシュクにスウォンにやめるよう言います。

ヨナとスウォンが話している隙に、メイニャンが再度逃走します。

しかし、ヒューリに捕まり、牢に入れられてしまいます。



ヨナとジェハは部屋に戻ります。

ジェハはキジャとシンアから治療され、ヨナはゼノと話します。

ヨナはなぜ今緋龍王が生まれ変わって来たのだろう、ということを考え始めます。



メイニャンは脱獄します。外に出るため兵士を数人殺害します。

出口を探しているとハクを見つけます。




ハクとヒューリが戦うと、勝つのはハクだと思います。

ハクは防戦一方で攻撃しなかったのは、とどめは刺さないだろうと踏んでいたのでしょうか。

今緋龍王が生まれ変わって来た理由。どのように描くのか楽しみです。

続きます。




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