2020年12月4日金曜日

草凪みずほ 暁のヨナ 11巻

幼い頃のヨナとハクとスウォンの話、ユンが火の部族の土地でも育つ作物を探しに隣国戒帝国(カイテイコク)を訪れる話が描かれています。




ハクとスウォンが幼い頃城から出たことがないヨナを城下町に連れ出します。

ヨナにとっては見るものすべてが目新しくて、目につくものすべてに興味津々です。

ハクとスウォンが目を離したすきにヨナは人さらいに連れ去られてしまいます。

スウォンの情報網、人脈、交渉術、ハクの度胸、いざとなった時のかっこよさ。二人の能力がかみ合いヨナを探し出せます。

スウォンはハクの全てが目標といい、ハクは目標に値する人間でいようします。

互いが成長するために必要な存在だったんだなと思いました。

それだけにハクの現在の心境の複雑さは相当なものだろうなと思いました。



旅をしつつ、ハクはヨナの剣の稽古をつけます。ヨナは身体中傷だらけです。

ユンは旅の目的地を戒帝国にします。火の土地でも育つ作物を探すためです。

千里(センリ)村という村でイザの実という寒さと乾燥に強い作物を見つけます。

村の人はイザの実を余所の人にやる気はないと言います。

やらないけれど、祭りで踊ってくれたらイザの実の料理を食べさせてやると言われ、ヨナが舞いを披露します。


続きます。



草凪みずほ 暁のヨナ 11巻
(アマゾンのサイトに移動します)



●関連リンク
白泉社公式サイト 暁のヨナ

2020年11月4日水曜日

草凪みずほ 暁のヨナ 10巻

ヨナという存在がテジュンを変えます。ヨナを通して彩火の都からでは見えない様々な現状を知り、火の部族の発展、未来について考え始めます。

テジュンに自覚が芽生え、自分に出来ることを今すぐ行おうとします。

ヨナによく思われたいという下心はあるけど、ヨナのために一生懸命なところが面白かったです。

ゼノが、

「ひとつ予言 兄ちゃんはこの高華国にとって きっと大きな存在になるよ」

と言います。火の部族長の次男がどんな人物になるか楽しみです。




キジャに投げ飛ばされ、テジュンは役所で目覚めます。賊よりも聞こえてきた声の主が気になって仕方ありません。

ヨボヨボだったテジュンは声の主を特定したい一心で急に行動的になります。賊を捕えるためにやる気がみなぎってきたと勘違いしている部下の士気は上がります。

テジュンは単独で加淡村に偵察に行くと言い出します。

部下は兵を集め先頭に備えると言い、テジュンに危険がせまったら使ってと烽火(のろし)を渡します。烽火が上がったら加淡村を総攻撃しますと伝えます。


テジュンは加淡村に入るとすぐにキジャに捕まってしまいます。

キジャにすれば座り込んでいるテジュンを見かけたのでユンに見てもらおうと担いで連れて行ってるだけなのですが、

テジュンにすれば早々に賊の一味に捕えられてしまったと思っています。

キジャが連れて行った先にはゼノがいました。ゼノはテジュンが何者かわかっているようです。

テジュンのそこで村の惨状を目にします。火の部族が悲惨な状況になっていると信じられないようです。

テジュンの探している声が聞こえます。必死に探しても見つかりません。日が暮れたので宿を探すことにします。宿どころか店すら見つかりません途方に暮れていると遠くに火が見え、急いで行くと、焚火が見つかります。寒くて凍えそうだったので火が有難く、人がいたので顔を見るとハクでした。びっくり仰天で、ハクが生きているということは…、もしかしてヨナ姫も…、と声の主がヨナである可能性が大きくなって喜ばしいところなのに、ハクのもとからいち早く逃げ出したくて立ち上がります。

ユンがやって来ます。テジュンはさらに動揺して抱えている荷袋から烽火を落としてしまいます。足もとには火があり、烽火に着火して空に舞い上がります。

テジュンは音を立てて打ちあがった烽火を見て、どういう合図であったか思い出し、慌てて逃げ出します。

ハク相手に逃げられるわけもなく、テジュンはおさえつけられます。


シンアは空が光ったことに気がつき、たくさんの兵が加淡村に向かっていることをキジャとヨナに知らせます。


ゼノがハクとユンのもとにやって来てシンアが言ったことを知らせます。

テジュンはハクに釈放してくれと言います。烽火は間違って上がったので兵達を止めたいのだと言います。

ハクはテジュンのことはこれっぽっちも信用していないので帰したら「俺ら」が生きている事が火の部族長や緋龍城に伝わると言います。

テジュンは「俺ら」と言ったハクの言葉に、

「あっ あの方は ヨナ姫はっ やはり生きておられるのか!?」

とハクに尋ねます。

ハクはテジュンを無言で見つめます。代わりにゼノが、

「生きてるよ 娘さんは一番元気だから」

と答えます。

テジュンの喜びの涙があふれます。


ヨナがやって来ます。

テジュンは平伏してヨナの声を聞きます。烽火は誤りで兵達を止めたいから釈放してほしいと願い出ます。

最後に会った時とは別人のテジュンにヨナはまた何かありそうだと警戒します。しかし、顔を上げて見せたテジュンの表情はその緊張感を台無しにさせました。

ヨナはテジュンの表情に笑いがこみ上げてきて、要求を受け入れます。


兵達が村から見える距離にいます。

ヨナはテジュンに、

「見ているから誠意を示して」

と言います。

テジュンは火矢が飛んでくる方向に全力で走っていきます。

兵側ではこちらに向かってくる人影が見えたので弓を止めます。

テジュンは火傷を負いながら兵達の元に辿り着きます。

「加淡村に 今 賊はいない」

「烽火は誤って上げた」

「手違いで騒ぎを起こしてしまい すまない」

テジュンは兵士に言うと、兵は引き揚げていきます。



それから数日たち、テジュンはもぬけの殻状態になってしまいます。寝ても覚めてもヨナ姫に会いたい。そればかり考えています。朝食を食べていると、加淡村には食料がなかったことを思い出し、それじゃあヨナ姫の食事は? と心配を始めます。思い立つと、自分の朝食を包んで加淡村に向かいます。

村に入るとすぐにハクに見つかります。ヨナに取り次いでほしいと頼み、再びヨナに会います。ヨナに差し入れを持ってきたと包みを渡します。

ヨナは包みの中の食べ物をすぐさま村人に与えてしまいます。

テジュンはその光景を見て本当に村の人たちに食事が行き届いていないことを知ります。役所に戻ると今度は兵舎の食料を馬に乗せ、また加淡村に届けます。ヨナの笑顔を見るために一生懸命です。

ヨナを眺めながらユンと話していると、かみ合わない会話を察してヨナが、

「テジュン 私 村の人達の様子を見に行くんだけど 一緒に来る?」

と自分が感じたことをテジュンにも見せようとします。

ヨナは王宮では気づけなかった視点をテジュンに説明します。

テジュンも次第にヨナがなぜこのようなことに取り組んでいるのか理解し始めます。

役所に戻ったテジュンは部下を労わります。会話の中から火の部族のために自分だから出来ることを模索します。



それからもテジュンは偵察と言う名目で何度もヨナのところに訪れます。加淡村よりひどい有様の村を目にしたときテジュンはユンに相談します。

テジュンは部下をつれて荒れ果てた村を訪れ、突如この地を賊討伐対策本部を設置するとすると宣言します。

この地に賊「暗黒龍とゆかいな腹へり達」」が現れるという情報があり本部を設置したいのだが、病気になるのは嫌だから、まず、皆でこの地を整備し清潔な水場を作り医術士を呼んで病人を介護せよと言い出します。

テジュンにしかできないことを見つけました。

ヨナに嫌われたくないために全力で働いている動機が不純なテジュンを見る部下たちは理由がわからないけど、賊を捕えるため火の部族のために頑張っていると映り、ついていく決心をします。



次第に病気が減り、活気があるとまでは行かなくても、笑う人がちらほら出てきました。

ヨナは次の行動に出ます。

この土地でも育つ作物を探しに行くというのです。

ヨナはテジュンにお別れを言いに来たのと、

「テジュン 託してもいいかしら あなたに 火の部族の皆を守って」

と言います。

テジュンはヨナのためにこの地を美しくすると誓います。




テジュンの側近フクチはテジュンが変わっていく様を見てどう思っているんだろう。

ヨナが個人に影響を与えその人柄を変えていく過程がとても面白かったです。

続きます。



草凪みずほ 暁のヨナ 10巻
(アマゾンのサイトに移動します)



●関連リンク
白泉社公式サイト 暁のヨナ

2020年10月4日日曜日

草凪みずほ 暁のヨナ 9巻

火の部族の地でヨナたちは苦しんでいる人たちを助けるため行動します。

最後はカン・テジュンが再登場します。2巻で登場した時とは別人になってます。

テジュンが展開を面白くしてくれるといいなと思います。




ユンはヨナと出会うまで近くの村に住む困っている人に食料や薬材を届けていました。久しぶりに戻ってきて荷車に物資を乗せて火の部族の地加淡(カタン)村へ向かうと、こっそりヨナたちがついてきていました。

ヨナは村の生活を見て、この問題をどうにかしたいと考えています。

食べるものがないのに、火の部族の役人がやってきて村長に税を取り立てにやってきます。役人はユンが持ってきた荷車を見つけ税の代わりに持って行こうとします。

それを見ていたジェハが怒ります。

ハクもキジャも怒ります。

最後にヨナが怒ります。

「そこの鼻タレ役人共!! ここが私らの縄張りと知っての狼藉かい!?」

と賊を名乗り、役人たちを追っ払います。


このことがきっかけとなってヨナは自分達を「暗黒龍とゆかいな腹へり達」と名乗り、縄張りを主張し、悪となり村人は仕方なく従っているというかたちにすれば役人から咎められずにすむという方法を作り出しました。

役人が税として村から奪った物資を襲撃して横取りし、村人に返すということをします。


ヨナたちは手分けして近隣の村にも同じようにして勢力を拡大しようとします。

ハクとキジャとゼノは秋村(シュウムラ)という離れた村に行き、ジェハは加淡村に様子を見に行きます。

ヨナとシンアが待機していると、盗賊がやってきます。

村人に危害を加えるので、ヨナは弓で戦おうとします。しかし捕まってしまいます。

シンアはヨナの異変に気がつき駆けつけます。

シンアは使うなと言われていた龍の能力を解放します。青龍の能力は眼に宿っています。シンアの眼を見た者は心を支配されるようで、盗賊はシンアの存在に恐怖します。

能力を解放したシンアは我を忘れて全力で盗賊を追いつめようとします。

ヨナがシンアの前に立ち必死に説得しシンアは正気を取り戻します。


盗賊が去り、ユンたちが戻ってきます。

シンアは能力を使った代償に身体が麻痺してしまい、脇腹に傷を負ってしまったのでしばらく安静となります。

ヨナはハクに守りたいものを守るために剣を教えてほしいと言い、ハクはヨナの本気に従います。



彩華城ではカン・スジン将軍の長男カン・キョウガにヨナが率いる賊の情報が耳に入ります。

キョウガは弟のテジュンに賊を捕えてくるよう命じます。

カン・テジュンはヨナを死なせてしまったと悔やんでいて、日常生活もままならない状態です。火の部族の南方の役所に賊討伐のためにやって来てもやる気が出ません。賊が現れたという情報が入ってもテジュンの反応は鈍く、側近のフクチがどうにか言いくるめて加淡村に向かいます。


加淡村で手荒に調査する役人を見てフクチは、

「品がない……」

とつぶやきます。火の部族にいる少ないまともな人物です。

もう誰も犠牲を出したくないヨナたちは村の人たちに役人が来たら隠れるように言っていたのに、ヨナたちが戦っているのを見ていたからなのか少女が役人にむかって石を投げます

「加淡村から出てけっ」

よりにもよってテジュンの額に当たります。

慌ててユンが出てきて少女をかばいます

石をぶつけられたテジュンはユンの予想とは違う反応を見せます。テジュンの側に立っているフクチがユンに話しかけます。

ユンは

「毎日の食糧もやっと確保してんだ もうこれ以上は税は払えないから帰って」

と言うと、フクチは納税は民衆の義務だと言い、税を取り立てに来たのではない、賊を捕えに来たと言います。

フクチの言葉にユンは合図を出します。

ジェハが空からキジャが地上から役人を蹴散らします。

キジャはテジュンに狙いをつけ、龍の右手を振り上げます。

テジュンはキジャの右手を見て死神が命を狩りに来たと覚悟を決め抵抗せず目を閉じます。

キジャはまったく抵抗しないので痛い目に合わせる気も失せます。

キジャに早くしろと言うテジュンをジェハが踏みつけ、

「ここいらは俺らの縄張りだ」

と言います。

そして、どこから声が聞こえます。

「小僧共 とっととそいつら放り出しな 村の連中が怯えてるよ」

踏みつけられているヨボヨボのテジュンの耳に聞きたくて聞きたくてたまらなかった声が入っていきます。

テジュンは力を振り絞ってジェハの脚をもろともせず立ち上がり、声の主を確かめるため探そうとします。

しかし、ヨナの放った言葉でキジャが役人を次々投げ飛ばしていきます。



キジャに投げられたテジュンはどこまで飛ばされたんだろう。見えなくなるくらい投げられたら地面にたたきつけられた時無事ではいられないのではないかと思ってしまいました。

続きます。



草凪みずほ 暁のヨナ 9巻
(アマゾンのサイトに移動します)



●関連リンク
白泉社公式サイト 暁のヨナ

2020年9月4日金曜日

草凪みずほ 暁のヨナ 8巻

黄龍が自らヨナたちの元にやってきて、四龍がそろいます。

イクスから告げられた神の声を頼りに探していた四龍全員が仲間になりました。

ヨナは四龍とともに、これからどうしていきたいか心に決めているようです。

スウォンの行動が描かれています。

王となり着実に計画を進めているようです。

今後もスウォン側を描くことがありそうです。




ジェハが捕まえた小鹿をヨナがさばこうとしていると、どこからかやってきた青年がなんか美味しそうな匂いがしたんで来ちゃったと腹を鳴らして小鹿を見つめています。

ヨナが誘うと、青年はもりもり肉を食べます。

ヨナとハクとユンは黄龍について話をしているとキジャとジェハが硬い表情で青年を見つめています。

「さっきからそこで肉食べてる子 …なんだけど 黄龍…… だと思うよ」

その言葉にみんな驚きます。

青年は肉を食べながら名はゼノと自己紹介します。

ヨナは、

「四龍を探して力を貸してもらってるんだけど あなたにも…」

と言うと、ゼノは、

「いいよ」

と、四龍の中で最速で仲間になることが決まりました。

キジャは四龍が自分の代で集まれたことに感動しています。

ゼノはそんなキジャを温かい表情で見つめます。


ユンは四龍に仲間になってもらうという目的を達成したので、この次どこへ向かうべきか神官イクスに聞きに行こうといいます。

一行は風の地北山の谷へ戻ります。

イクスは四龍を見て、

「王を守護する剣と盾が現れるには、もう少し時間が必要なようです その時が来たら きっとわかるでしょう」

と言います。

すると、つかみどころのない黄龍ゼノがヨナに、

「娘さん 四龍を集めてどうしたい?」

と投げかけます。

ヨナはその場では何も言わず、夜になってイクスに胸の内を打ち明けます。

自分の足で各地を回り、目で見て苦境に立っている人々を助けたいと言います。





スウォンが王に即位してから2カ月半。

スウォンが偶然阿波の港町でヨナに会ったのは、この地に目的があったからなのでした。

地の部族の将軍イ・グンテに会うために地心の都の地心城に向かう途中で阿波の港の周辺の領主ヤン・クムジについて調べているところだったのでした。ヤン・クムジが消息不明と報告を受け、グンテ将軍に会いに行きます。

スウォンはグンテ将軍の信頼を得るため地心城にやって来ました。


グンテ将軍はスウォンがこの国を治めていける王なのか資質を見定められずにいます。

スウォンはまずヤン・クムジが人身売買の現場を押さえられ行方不明だと知らせます。やったのは地元の海賊だといい、咎め立てしないように言います。

海賊を取り締まるなと言われ、グンテはスウォンにこの国の危機をどう考えているのかと聞きます。

スウォンはこの国を強国に再生するという戴冠式の宣言に偽りはないといいます。

鉱山、お茶、模擬戦の催し物。

スウォンの一手一手がグンテを驚かせます。

グンテはスウォンなら本当に高華国を再生させる人物になるかもしれないと思い始めます。



スウォンの狙いがそのとおりになっていく展開が面白かったです。

続きます。



草凪みずほ 暁のヨナ 8巻
(アマゾンのサイトに移動します)



●関連リンク
白泉社公式サイト 暁のヨナ

2020年8月4日火曜日

草凪みずほ 暁のヨナ 7巻

ヨナはギガン船長率いる海賊たちと力を合わせ阿波の港をヤン・クムジの支配から解放します。

緑龍ジェハが仲間になります。

あともう少しで四龍がそろいます。




ヨナとユンはヤン・クムジが取引のために集めている女達が収容されている場所に潜入します。船に乗せられ、動き出したところで行動を開始します。

ヨナはユンの助けと頑張りで仲間に船の場所を知らせることができます。

シンアがヨナの知らせを受け、キジャがすぐさまヨナの元へ駆けつけます。

取引を破談にさせ、ヤン・クムジをやっつけます。



夜が明け、ギガン船長は勝利を祝して宴を開きます。海賊たちは目的を果たし明日からは漁師に戻り皆と別れ別れになるので今日が最後だと呑んで騒いで過ごします。



朝目が覚めてヨナはひとり町を散歩します。静かな町で思いもかけない人物スウォンと出会います。

ヨナは突然目の前に現れたスウォンに動揺します。スウォンもヨナを見て驚いています。

ヨナはこの機会を逃してはいけないという気持ちと、感情が邪魔して行動に移せない気持ちで迷いが生じます。スウォンにも殺気を悟られてしまい止められてしまいます。

ハクがヨナがいないことに気づき見つけた時ヨナは何もできずうずくまって泣いていました。


ギガンに別れを告げ、阿波の港を去ります。

ヨナはジェハが仲間に加わってくれなかったこと、最後にお別れの挨拶も出来なかったことを悲しみます。

キジャはそんなヨナの様子を不思議そうに見つめ、

「ジェハ? 彼は仲間になったのではないのですか?」

と言います。

シンアがジェハを捕まえます。

ジェハはヨナのことを主としてではなくヨナを放っておけないから連れていってと仲間に加わります。



四人目の龍に会いに行きます。

続きます。



草凪みずほ 暁のヨナ 7巻
(アマゾンのサイトに移動します)



●関連リンク
白泉社公式サイト 暁のヨナ

2020年7月4日土曜日

草凪みずほ 暁のヨナ 6巻

緑龍ジェハと出会い個人的な物語が描かれるのではと思っていました。

ヨナは高華国が平和で豊かな国だと思っていたのに、城の外に出てみると考えもしなかったことがたくさんあって、どうにかしなければという考えが強くなっていきます。

自分に出来ること、やらなくてはいけないこと、龍に出会いこれからどう行動するのか楽しみです。




緑龍ジェハはハクを海賊に勧誘したくてようやく探し当てます。

ジェハは素性を明かし船長が引き合わせたいとハクに申し出ます。

ハクと話しているとジェハの背後で女の子の声がします。

「ハク お待たせ あら どなた?」

ジェハの身体に緊張が走ります。振り向きヨナの姿を目にすると、キジャ、シンアが受けた龍の洗礼を受けます。鼓動がどんどん大きくなり、血が沸騰しているのかと感じるくらい身体が熱くなり、龍の能力を備えている脚が疼きます。

ヨナは具合の悪そうなジェハに触れます。どうしてかは判らないけれど目の前にいる人物が緑龍なのではと感じ、

「あなた 緑龍でしょう…?」

と尋ねます。

ジェハは早くこの場を立ち去らねばと何のことだととぼけます。

キジャが駆けつけ、

「姫様 その者が緑龍です!」

とヨナに告げ、ジェハは認めます。

ジェハが海賊だと知るとヨナは船長に会わせて欲しいと言います。

ハクを引き入れたいジェハは明日船に来るよう言います。


船長はギガンと言い、ヨナたちに何が出来るのかと尋ねます。

ハク、キジャ、シンアは力をユンは後方の支援が出来ると示します。

ヨナは出来ることはないが引くわけにはいかないと言います。

ギガン船長はヨナに仕事を依頼します。見事果たせたら仲間として迎えると言います。


ヨナはジェハの助けを借りて依頼を果たします。ギガン船長はまっすぐなヨナを気に入ります。


ギガン船長はヤン・クムジが戒帝国(カイテイコク)を相手に人身売買の取引を行うようで、その取引の前に邪魔な海賊を一掃しようとしていると考えています。ヤン・クムジの取引がいつ行われるのか情報が欲しいと言います。


翌日ジェハは誰も相手にしてもらえなくて退屈そうなヨナを誘い街に偵察に行きます。

人身売買のための人を集めている場所、取引の日時をつきとめます。

あとはどの船に女達が乗っているかを知りたいとギガン船長が言うと、ヨナが自ら人身売買の収容所に潜入すると言いだします。船に乗せられた後に花火を使って居場所を知らせると言います。


ハクは当然反対します。しかしヨナは譲りません。火の土地で見た光景、父親のイル王の治世を嘆いていた人々の声。これらの責任を負って闘わなくてはいけないと言います。ハクは説得をあきらめヨナに従います。


続きます。



草凪みずほ 暁のヨナ 6巻
(アマゾンのサイトに移動します)



●関連リンク
白泉社公式サイト 暁のヨナ

2020年6月4日木曜日

草凪みずほ 暁のヨナ 5巻

白い龍キジャ、青い龍シンア、が仲間になり、次にヨナは緑龍に会いに行こうとします。

緑龍は龍の宿命を知っているようで、知ったうえで何が何でも宿命に抗おうとしています。

自由を獲得するため縛られるものからとことん逃げてきたようです。シンア(青龍)とは反対の生き方をしてきた緑龍はどういう物語の末、ヨナの仲間になるのでしょうか。楽しみです。



地震によって岩山の奥深い空間に閉じ込められてしまったヨナ、ユン、キジャは空気がなくなる前になんとか脱出するため壁を掘ろうとします。

青龍が現れ一番最短で外に出られる方向示し、協力して壁を掘ります。

外ではハクが里の人々の協力を得て、閉じ込められているであろう方向に掘り進めています。

互いに掘り進めて比較的短い時間でヨナたちは外に出ることができます。

青龍は面をつけていて、そうするのには理由があります。里の人々は青龍の目を見ると石になるというのです。

ヨナは青龍のことを誰も理解してあげようとしない里の人たちにくやしくて涙します。

ヨナは青龍にこの里を出て、私たちと一緒に行こうと言います。

青龍はこれまでの孤独からヨナを全部信じていいものか迷います。

しかし、信じてみたいと思う心が青龍にヨナたちと一緒に行く決断をさせます。



青龍には名がなく、ヨナが「シンア」と名づけます。

シンアはヨナが初めて名づけてくれた名前を大事にしようとうれしそうにしています。



キジャが緑龍の気配を感じます。

キジャは別の龍シンアに会えてうれしそうです。



ヨナは緑龍がいる場所に向かう途中、火の土地のとある村の悲惨さを目にします。

土地は痩せ、村人は病を治す術もなくただ絶望とともに終わりを待つような有様。

すこし話しができる村人はヨナの父である先王イルを非難します。

ヨナは城の外に出てみて初めて国の現状を知ります。涙を押し殺し強くならねばを決意を新たにします。



緑龍を探して、地の部族阿波(アワ)の港にやってきます。

緑龍は白龍キジャと青龍シンアの気配に気づいています。会いたくないので逃げています。

ヨナは緑龍を探しながら、街に活気がないことに気がつきます。

阿波の人から情報を得て、この一帯の領主であるヤン・クムジの横暴を知ります。

海賊と呼ばれる集団がヤン・クムジに対抗していることを掴むとヨナは、海賊に接触しようとします。

緑龍はジェハと言い、海賊の一味です。

ジェハはハクの腕前を街で見かけ、海賊に勧誘したくて、ハクを探します。

ヨナたちはようやくジェハに会うことができます。



ヨナの進むべき道が少しだけ明らかになりました。

スウォンと対峙するのはまだ先になりそうです。

続きます。




草凪みずほ 暁のヨナ 5巻
(アマゾンのサイトに移動します)



●関連リンク
白泉社公式サイト 暁のヨナ

2020年5月4日月曜日

草凪みずほ 暁のヨナ 4巻

白龍キジャの能力で他の3人の龍の存在を感じ取り一番近くにいると思われる青龍を探します。

青龍の里は白龍の里とは龍への扱いが違っていました。

キジャのように敬われる存在ではなく呪われた存在として隠されていたのでした。

孤独とともに生きてきた名前さえない青龍。

ヨナと出会い、青龍の心に温もりが灯ればいいなと思います。



ハクとキジャがヨナを守るのは自分だと張り合い続けながら、一行は青龍の里を目指します。

キジャの四龍を感じる能力はぼんやりと方向がわかる程度ではっきりと場所を特定することができず、近くにいることだけわかり、歩いて確認して探すしかなく、何日も費やしてしまいます。


ようやく見つけた岩山でキジャは青龍を感じここが青龍の里だと確信します。


青龍は白龍の里とは違い、里の人々から龍の存在が隠され、忌み嫌う存在として扱いを受けています。

呪われていると言い伝えられ、青龍は面をつけさせられています。

岩山に掘られた奥の空間で一人暮らしています。

青龍の里の人々は青龍の力に怯えて暮らしています。

ヨナは青龍の手から温かさ、優しさが伝わってくるのにどうしてこうまで里の人々から青龍を隔離するのかかわかりません。


地震が起こり、ヨナ、ユン、キジャ、幾人かの里の人々は通路を塞がれ、閉じ込められてしまいます。

静かに青龍がやってきます。

続きます。




草凪みずほ 暁のヨナ 4巻
(アマゾンのサイトに移動します)



●関連リンク
白泉社公式サイト 暁のヨナ

2020年4月4日土曜日

草凪みずほ 暁のヨナ 3巻

神官イクスに出会い、お告げを受けて伝説の四龍を探す旅に出かけます。

もしかして、四龍それぞれにエピソードがあるのでしょうか。全員が揃うまで長くなりそうです。

ヨナはただの姫ではなく高華王国、緋龍城、建国神話に関係する特別な存在のようで、描かれるのがいつになるのか待ち遠しいです。


ヨナとハクを助けてくれたユンと暮らすイクスは探していた神官です。

ハクの意識が戻り、ヨナと一緒にはイクスから神様の声を聞きます。



闇 落つる 大地

龍の血により 再び蘇らん

古の 盟約に従い

四龍 集結せん時

王 守護する 剣と盾が目覚め

ついに 赤き龍 暁より還り給う



ヨナはイクスから四龍の戦士を探すよう言われます。

イクスから伝説の四龍の戦士が実在すると言われヨナは

「力を貸してくれるかしら」

と問い、

「伝説の四龍をもし見つける事が出来たなら それは貴女の天命なのです」

とイクスはこたえます。



その夜、ヨナとハクは話し合い、四龍の戦士を探す旅に出かける決意をします。

ヨナはイクスから頼まれ、ユンを旅に連れ出します。

まずはイクスの情報を頼りに高華王国の北西の山に住む、ひっそりと血を守り続けるという一族に会いに行きます。


白龍の里に着くと、ヨナは赤い髪というだけで有り難がられます。

白龍の里の人々はヨナが待ち望んでいた方かもしれないといい、白龍様に会って下さいと言います。


伝説の四龍の血を持つ白龍はヨナを一目見るなり、

「お待ちしておりました 我が主よ」

と言います。


ヨナは里の人たちや白龍様と呼ばれる人物になぜ受け入れられたのか分かりません。

赤い髪だから緋龍王だと思っているのではというハクに、ヨナは髪は赤くても自分は緋龍王の血筋じゃないといいます。

ヨナは白龍に隠すことなく正直に、

「私は自分と仲間を守る為に神の力を欲しがる不届き者 他の3人の龍も手に入れようと旅をしているの 最初にあたなの力を借りたい いいかしら?」

と里に来た目的を伝えます。

白龍は、

「光栄の極みにございます あなたが誰であろうと どんな目的があろうと 私は今からあなたの龍です 私の中の血がそう告げているのです」

と言い仲間に加わります。

存在するかもわからない四龍の一人に出会い、乗り越えなくてはいけない難題があると覚悟していたのにこうもすんなり事が運び、拍子抜けしたところもありながら、龍の一人が仲間になってくれたことにホッとします。


白龍はキジャといいます。

キジャはヨナを見た途端、右腕が体が沸騰したように熱く、龍の声が魂に響いて、この人物こそが待ち望んでいた主であると確信します。

ずっとずっと長い時間数千年の時を経て代々の白龍が果たせなかった夢を自分が果たせることにいろんな感情がうずまいています。

そこにハクが入ってきます。

キジャは無断で白龍の城に入ってきたことを怒っています。

ハクは武器や食料を調達しに来たようです。

キジャは袋のに入った銭をハクに手渡すと、

「これまでご苦労 これから先姫は私がお守りするゆえ 帰って良いぞ」

とハクに言い放ちます。


ハクはキジャと言い合いながらヨナのところへやって来て、

「姫さんこいつはダメだ 他を当たろう」

とキジャに言われたことをヨナに伝えます。

ヨナはキジャに、

「大事な人なの ハクは一緒じゃなきゃ嫌!!」

とはっきり言います。

ハクはヨナの言葉にうれしさがこみ上げています。

キジャは、

「…姫が そうおっしゃるなら…」

と渋々了承します。



白龍がヨナたちとともに里を出ようとすると里の人々は白龍を見送るため集まります。

里の人々はまさか自分たちの代で待ち続けた王が現れるなんて思ってもいなかったと思うし、キジャの右手を見ると龍の伝説は本当なのだと信じるしかないし、大慌てだったと思います。

白龍がひたすら待ち続けた待望の王、守るべき主が現れその役目を果たすときがきたというのに、いざ白龍が旅立つとなるとさみしさが込み上げてくる白龍の里の人々にとってキジャがどれだけ大切な存在で、どれだけ敬われ、慕われていたかがよくわかる場面です。



白龍の里を出て、次にどこに行こうかと思案していると、キジャは四龍の力を持つ者の気配がぼんやりとわかるといいます。


ヨナ、ハク、ユン、キジャの四人で他の龍を探す旅に出ます

ヨナの赤い髪は伝説にまつわる重要な鍵になるようです。

続きます。



草凪みずほ 暁のヨナ 3巻
(アマゾンのサイトに移動します)



●関連リンク
白泉社公式サイト 暁のヨナ

2020年3月4日水曜日

草凪みずほ 暁のヨナ 2巻

ハクの故郷に身を隠すつもりが、火の部族の襲撃があり、ヨナはハクを伴って風牙(フウガ)の都を出る決意をします。

ムンドク長老から教えられた風の地のどこかにいるという神官を探す旅に出ます。

神官はヨナをどのように導いていくのか楽しみです。




追手を警戒しつつ山中を歩き、ハクの故郷で風の部族の風牙(フウガ)の都に到着します。

門番の見張りは気持ちよさそうに昼寝をしています。ハクに蹴りを入れられ、慌てる見張りのテウとヘンデはハクだと気がつくと再会をゆるく喜びます。

門をくぐると風の部族の民がハクが戻ったと聞きつけ集まります。

ハクは人々の様子から緋龍城の状況がここには届いておらず、城からの追っ手もいないことがわかり警戒を解きます。

風の部族は人々はハクに連れられたヨナに興味津々です。

民に囲まれたヨナは気を失い、倒れてしまいます。

ハクはヨナを抱きかかえ、

「すぐに寝床と食事の用意を」

と門で見張りをしていたヘンデという少年に指示します。

ヘンデはハク(若長)が女性に優しくしているところを見るのは初めてみたいで、少し驚きつつ指示に従います。

ハクはムンドク長老の行方を尋ねます。

ヘンデは長老は緋龍城にいるとこたえます。急に城から五部族招集令があったと言うのです。ハクが緋龍城にいるからムンドク長老が呼ばれたのでおかしいなと思ったと言います。



高華王国王都「空都」緋龍城に招集された五部族、地、水、火、風の将軍たちに国王が崩御されたと知らせが入ります。

空の将軍はスウォンとすでに手を組んでいるようで、スウォンとともに地、水、火、風の将軍の前に現れます。

スウォンは一刻も早く我々五部族が力を合わせ高華王国を他国に侵されない強国にしなくてはと主張します。

水、地の将軍はスウォンに賛同し、火の将軍は新王が必要だといいます。

スウォンの側近はスウォンが王になることを主張し、火、水、地の将軍はこれを認めます。

風の部族ムンドクだけは、

「眠い」

と席を立ちます。

スウォンの側近はスウォンを王に承認しないなら、風の部族はハクが行方不明だということも加え、謀叛の疑いがかかると圧力をかけます。

ムンドクは無言で目でスウォンの側近を威圧します。

するとスウォンは張り詰めた空気を和ますように柔らかい口調でムンドクにどうしたら王として認めたくれるのか尋ねます。

ムンドクはスウォンとヨナが婚礼を挙げて正式に高華の王となれば認めると言います。

スウォンは3日後新王即位式を行うので必ず来るよう、風牙の都の民のためにもとムンドクに迫ります。脅迫し

ムンドクはスウォンに、悲しい、ハク同様孫のように思っていた言い緋龍城を去ります。


五部族の将軍が招集された会議は仕組まれたものでした。



風牙の都では、ヨナの意識が戻ります。

服は新しいものに取り替えられ、食事の用意がされてあります。

ヨナは温かい食べ物を口に運びます。自然に涙が頬を伝います。

隣でヨナの様子を伺っていたのか、テヨンという少年が泣いているヨナに話しかけます。

みんなヨナが何者なのか気になるようでテヨンが代表してヨナにハクとの関係を訊ねます。

テヨンがハクの友達かと訊くとヨナは長い沈黙のあと、

「…………たぶん」

と応えます。

部屋の外では他にも様子を伺っている者がいます。

門番をしていたテウとヘンデです。

2人はハクがヨナの友達だと思っていたのに、ヨナが「たぶん」と応えたので、ハクを不憫に思い号泣しています。

テウとヘンデの様子をハクは見ていて、ヨナに、

「あんたの名は『リナ』 城の見習い女官ということになっている 俺もここでは女官として扱う いいな?」

と話を合わせるように言います。

テヨンはヨナに城でのハクの様子を尋ねます。

ヨナの返答が面白いです。


テヨンがしゃべり、テウとヘンデが笑います。その賑やかな雰囲気にヨナは少し口元をほころばせます。


風の部族の民はハクにヨナを城の女官だと聞かされているから、さっそくヨナに洗濯の仕事をいいつけます。

ヨナの側には常に隠れてハクが見守っているようで大量の洗濯物を受け持ち川まで一緒に向かいます。

洗濯する場所に到着すると川の水が枯れているのを発見します。


枯れた川を見たハクはヘンデに川上の様子を調べてくるよう命じます。そして、水を調達する算段を始めます。

ハクがぶつぶつとあれこれ考えていると、どこかから、

「長老だ ムンドク長老が帰ってきたーっ」

と知らせが聞こえてきます。

ハクはヨナを連れ、急いでムンドクを迎えに行きます。

ハクはムンドクを見つけると、

「ジジィー」

と叫びます。

ハクの声を聞き取ったムンドクは声の方向を見ます。

ムンドクはハクの前に立つヨナを見つけ、駆け寄り抱きしめます。ヨナの無事を確認して安堵します。

続いてムンドクはハクに抱擁を求めます。

ハクは全力でムンドクを拒絶します。


干上がった川の上流を調べに行ったヘンデが戻ります。ヘンデは負傷しています。

ヘンデは川の上流には火の部族が集まっていて、彼らが水をせき止めていることをつきとめます。

ムンドクは火の部族と聞いて、緋龍城での五部族招集令を思い起こします。

風の部族の民は火の部族の怒り、ハクに川の上流に行く許可を求めます。

ムンドクは、

「……待て 火の部族に手を出してはならん」

と皆を制止するよう命じます。

ムンドクはスウォンがこの国の王に即位することを承認するための火の部族の警告だと言います。

ヨナは父を殺したスウォンが高華王国の王になることは受け入れられません。

ヨナの様子にムンドクは、

「姫様 大丈夫じゃ 承認はせん」

と安心させます。


川上では火の部族のカン・テジュンが風の部族の様子を探っています。

さらに風の部族を追いつめようと水の調達を困難にさせるため定期的にやって来る商団を潰すよう配下に命じます。

命じられた部下はカン・テジュンに勝手に行動するのはよくないと進言します。

テジュンはそれでも商団を襲撃するよう命じます。


夜になり、風の部族風牙の都に今日来るはずの商団が何者かに襲われたとの知らせが入ります。

風の部族の民は動揺します。

ハクが風の部族長として皆に落ち着くよう命じます。


皆が寝静まるのを待って、ハクはムンドクの元を訪れます。

ハクはムンドクにスウォンの新王即位を承認するよう頼みます。

そして、ハクは明朝にも風牙の都を去ると言います。

ムンドクはヨナを置いて行くのかと訊ねます。

ハクはヨナを風の部族の民として生かしてほしいと言います。

ムンドクはハクの要求を受け入れます。


風の部族は火の部族に襲われた商団を風牙の都まで運び、負傷した人々の手当てを行います。

ヨナは襲われた商団の傷を負った人たちを見て火の部族に、スウォンに怒りを感じます。

この人たちを巻き込んではいけない。

ヨナは覚悟を決めます。

ヨナはハクを探し出し、一緒に風牙の都を出ようと言います。

ハクはヨナについて行く決意をします。


火の部族ではカン・テジュンが勝手に商団を襲ったことで父である将軍に𠮟責されます。

テジュンの側近はヨナ姫が風牙の都付近にいたという情報を得て、テジュンはヨナ姫を捕えるため動きます。


ヨナとハクが風牙の都を出て北山に向かったという情報を頼りに、カン・テジュンは二人の捜索をします。

風牙の都を出たヨナとハクはムンドクから教わった神官を探すため北山にいます。

ヨナは神官からこれからどうすべきか道を示してもうらおうとしています。

北山のどこかにいるはずの神官に会うため、手がかりもなく山の中を探すつもりのようです。

火の部族がヨナとハクを発見します。

襲いかかる火の部族に対し、ハクは一太刀で複数の兵を次々とやっつけていきます。

テジュンはヨナを捕えようとします。

隠れていたヨナはハクを狙う弓兵をみつけ、兵士に体当たりします。

兵士は崖から落ちてハクは助かります。

テジュンは出てきたヨナに話をします。雰囲気が変わったヨナに戸惑います。

ヨナは力強くまっすぐテジュンを見つめ、真実を知りながらスウォンに加担するテジュンを責めます。

テジュンはヨナの迫力に押されてしまいます。

一方、ハクは疲れで動きが鈍くなり、身体中に傷を負い、さらに深い傷を受け崖から落ちそうになります。

ヨナは懸命にハクを救おうとします。

非力なためヨナとハクは谷の底に落ちてしまいます。

火の部族の兵士は高さと言い、人が踏み入れない場所であるので助かる見込みはないと判断します。

テジュンはヨナの生存を確認できないまま、緋龍城のスウォンにヨナの報告をします。

テジュンの報告を受けたスウォンはショックを受けます。


谷の底では少年が気を失ったヨナとハクを見つけます。



緋龍城では即位式が執り行われます。

ムンドクがスウォンに一言言うと、スウォンは力強く高華王国を再生させると宣言します。

ムンドクはスウォンの幼い頃の姿思い浮かべながら、もうあの頃のスウォンには会えないのかと、自問自答します。



ユンという少年に助けられたヨナは意識が戻ると、ハクを探します。

ハクは全身傷だらけでまだ意識が戻りません。

ヨナとユンが会話していると、イスクという男が現れます。

イスクは涙を流し、ヨナに、

「ほん…とに…つらかったですね…」

と言い、

「よく旅立ちの決意をされた ましてやヨナ姫ともあろうお方が…」

と言い、ヨナを驚かせます。

ヨナと話すイスクは、ヨナとハクが探していた神官だったのです。


風の地のどこかにおられると言われた神官様は衣服を泥んこにしたちょっと抜けている人物でした。

続きます。




草凪みずほ 暁のヨナ 2巻
(アマゾンのサイトに移動します)



●関連リンク
白泉社公式サイト 暁のヨナ

2020年2月4日火曜日

草凪みずほ 暁のヨナ 1巻

ヨナという赤い髪の姫が主人公の物語です。

舞台は高華王国(こうかおうこく)という王国です。


大切に育てられてきたヨナは16歳の誕生日の日に父親で高華王国の王のイルが殺されるところを目撃し、人生が一変してしまいます。

秘密裏に王を弑逆するつもりがよりにもよってヨナ姫に見られてしまい、ヨナ姫にも刃を向けられます。

衝撃と動揺と混乱で動けずにいるヨナの元に従者のハクが助けに来て、城から脱出します。


イル陛下を殺したのは、ヨナとハクが幼い頃から親しく過ごしてきたスウォンという王族です。

ハクにとっては最大の信頼を寄せる、ヨナにとっては将来結婚を望む人物です。

極端に武器を手にすることを嫌う王イル。なのにイルはスウォンの父ユホンを自らの手で殺害しました。

スウォンは物腰が柔らかく優しそうな人物です。そんな彼が10年の歳月をかけ綿密に計画し復讐を実行します。

ハクはヨナ姫の専属護衛として常に側に控えています。腕はこの国でも指折りです。平民だということもあり、ヨナに寄せる思いを胸にしまっていて、いずれ、ヨナとスウォンが治めるであろう高華王国を将軍として支えようとしているようです。そして、王様でありヨナの父であるイル陛下から信頼されています。

ハクにとってスウォンが起こしたことは想像もしていない出来事で、幼い頃から過ごしてきた日々、スウォンと交わした会話を思い返しながら、感情をなんとか押さえつけ、イル陛下との約束を果たそうとします。

ヨナはこれまでの優しかったスウォンと現実に目にしたスウォンが同一の人物だと思いたくないのと、父がもういないという事実に、絶望の底に突き落とされ生きる力が尽きてしまいそうな状態です。



ヨナとハクの追手から逃れる旅になるのか、王座を取り戻すのか、どう展開していくんだろうと期待が膨らむ物語です。



ヨナは王都緋龍城(ひりゅうじょう)の外に出たことがありません。心配事と言えば、髪が赤くてくせっ毛なので思い通りに決まらないということや、好きな人が自分を気にかけてくれるだろうかいうことくらいです。

ヨナが気にかけて欲しいと思っている人物はイトコであるスウォンという人物です。

ヨナの16歳の誕生祝いの宴が行われるため、各地から人がやってきます。

スウォンもヨナの誕生を祝うため城にやってきます。


スウォンが城に来てから、かまってほしいヨナはあれこれと接触を試みます。

スウォンがハクと矢を射たり、馬に乗ったりしているのを見かけ自分も一緒にやってみると言うと、父のイル陛下は慌てて止めます。

ヨナのスウォンに対する思いを感じ取ったイル陛下は

「お前の夫となる者はこの国の王となる者なのだ」

と言い、スウォンとの結婚は認めないと言います。

また、

「お前の母は賊に襲われ殺された 王の一族は 皆このような危険がつきまとう それを知って 私は再び妻を娶る気にはなれなかったよ ヨナ スウォンには幸せになってほしいだろう?」

とも言います。

イル陛下の言葉にヨナは落胆します。


スウォンはヨナの誕生日に簪を贈ります。

ヨナはスウォンへの気持ちを諦められません。

宴が終わり、ヨナは改めてイル陛下に言われたことを思い返し、従うことができなくて父にもう一度会ってスウォンとのことを認めてもうらおうと寝所に向かいます

いつもはいるはずの衛兵姿はなく、人の気配がなく異様な静けさに包まれています。

扉を開くと奥の窓からの月明りでシルエットに見えた王の姿。

身体を剣で貫かれています。

何が起こっているのか状況が飲み込めないヨナは剣を手にした人物に驚きます。

スウォンなのでした。

スウォンはヨナに話します。

父ユホンを殺害された復讐を10年抱えてきたこと。

10年前から父の敵を討ち父の遺志を受け継ぐ者として自らが王座に就くことを望んでいることを告白します。

スウォンに従う配下が集まり、王の亡骸を見ると、本懐を遂げたと喜びの声を上げ王のそばで泣き崩れる人物がヨナ姫であるとわかると、姫を殺せとスウォンに言います。

スウォンは覚悟を決めヨナを見据えます。

ヨナはその場を逃げようと試みるもスウォンの兵に捕えられてしまいます。

兵がヨナに剣を振り下ろそうとするその時、爆風のような太刀が次々と兵をなぎ倒していきます。

ヨナの専属護衛のハクが登場します。

泣いているヨナ。スウォンに従っているであろう兵士達。

状況を把握するためにハクはスウォンに尋ねます。

スウォンは自らの手で王を殺めたと言います。

ハクは怒りのまま大刀をスウォンに振り下ろします。スウォンは剣で応じます。

兵士たちがヨナとハクを取り囲みます。

ハクがスウォンに自分の気持ちを話しつつ大勢のスウォンに従う兵士達を相手にヨナを守る術を考えているとどこからか一本の矢が飛んできます。

別のハクを援護する者が現れたと兵士達が矢が放たれた方向に注意を向けた隙にハクはヨナを抱えその場から逃げ出します。

ヨナとハクを助けたのはイル王の側仕えをしているミンスでした。

ミンスの手引きによりヨナとハクは王城を脱出します。


ハクは追手の捜索が難航するよう山の中を進みます。

精神的肉体的に極度に疲弊し、気を失うように眠りに落ちるヨナを見てハクは過去の記憶を思い起こします。

イル陛下がハクにヨナの専属護衛を命じたときのこと。

イル陛下の別の一面を見て心に決めたこと。

そんなことを思い出しながらハクはヨナを守り城に戻る決意をします。


ヨナは子供の頃のハクとスウォンとの出来事を夢で見ます。

目が覚め、現実を思い出し3人で見た楽しい景色はもう見ることはないと分かり、声を出して泣きます。


スウォンは空を見上げ着々と計画を実行すべく指示を出します。



弱っていくヨナを見てハクはスウォンに対してさらに憎悪を膨らませます。

ハクはヨナが立ち上がった際に落とした簪を見つけます。スウォンがヨナに贈ったものです。ヨナには言わず、黙っておくことにします。

暗くなるまで移動し、休むときになってヨナは簪をなくしたことに気がつきます。

ハクは簪が今のヨナの感情を少しでも動かせるのであるなら、ヨナに渡し、自分の思いを伝えます。


ヨナがハクにどこに向かっているのかと訊くと、ハクは自分の故郷である風の部族風牙の都に行くつもりだと言います。



スウォンはどうしてこういう選択をしたのか。父親ユホンをイル陛下が殺害して、復讐するため10年費やしてきました。スウォンはどういう気持ちで王座を簒奪したのか、その真相はずっと最後のほうに明らかになりそうです。

ヨナはどう生きていくのか。心に決めている人によって父親を殺されて希望を失ってしまいました。ヨナがどのように自分を取り戻すのか、これからどう行動するのか楽しみです。

ハクは陛下に命じられて護衛を任せられたとヨナに対して一定の距離を保つよう自分に言い聞かせています。ヨナへの思いと距離が今後どのように縮まり変化するのでしょうか。

三人が交差するところがいつになるのか楽しみです。

続きます。



草凪みずほ 暁のヨナ 1巻
(アマゾンのサイトに移動します)



●関連リンク
白泉社公式サイト 暁のヨナ

2020年1月4日土曜日

あきづき空太 赤髪の白雪姫 15巻

●66
ゼンの協力で白雪とオビは王城の夜会で、ラタ・フォルゼノとの対面にようやくこぎつけます。
ラタは夜会にクラリネス王国第二王子の名で招待され、拒めるわけもなく、渋々参加しています。貴族とは言え、なぜ接する機会のない第二王子から夜会の招待状が届いたのか分からず、ぽつんとひとりで過ごしています。
白雪とオビはラタに声をかけます。
ラタはふたりの顔を見て、リリアスで自分を探していた人物だと気がつきます。
そして、ゼンの名で夜会に呼びつけた相手が誰であるか理解します。
ラタは白雪とオビによくもこんな反則技を使ってくれたな、と文句を言います。
白雪はラタに研究している煌晶石について話を聞きたいと言います。
そして、ラタがリリアスで逃げ回ったことを引き合いに出し、この王城で追いかけっこをするなら、我々が圧倒的に有利です、と話をするまで離れる気はないと言います。
ラタは観念し、白雪の話を聞きます。
白雪の話す仮設はラタの興味を引き出すことに成功します。
ラタは白雪とオビに後日連絡すると言い、別れます。


●67
白雪は目的を果たせたことをゼンに手紙で知らせます。
王城ウィスタルで白雪は注目の的です。
ゼン殿下の名で部屋を与えられ、タンバルン王国の王家の友人である白雪と関係を築いておきたい貴族や役人はたくさんいます。
ユウハどのはどうしているんだろう。遠くから白雪を見ているのかな。
白雪は失礼のない対応を心がけるあまり、話の切り上げ方がわからずに困っています。
その様子を初めから見ていたセレグ騎士団副団長のヒサメが割って入り、困っている白雪を助けます。
白雪とオビはヒサメに初めて会います。
オビはミツヒデが苦手とするヒサメに会ってみたいと思っていたようで楽しそうです。
ミツヒデが白雪とオビの元にやって来て、夜会の後は気楽な集まりに行こうと誘います。
着替えて兵が集まる宴会に向かうところで、白雪とミツヒデと木々とオビは、イザナ陛下に出会います。
イザナ陛下はミツヒデに白雪を借りると連れて行きます。
イザナ陛下と白雪はゼンを見つけ、ゼンの部屋に向かいます。
ゼンにいたずらをしたあと、イザナ陛下は白雪に、
「リリアスはあなたとリュウに合いそうか?」
と聞きます。白雪は、
「学べる事が多いです」
と言い、続けて、
「私は 今 オビと共に リュウと同じウィラント城に行く事を指針としています」
とリリアスでオビに夜明けに語った目標をイザナ陛下に表明します。
イザナ陛下は、
「へえ」
と自身が考えるこれからの事と重なる白雪の考えに感心し、白雪に任せるつもりでいる事について話します。
研究の報告を期待していると言い、イザナ陛下はゼンの部屋を出ます。
白雪は初めてイザナ陛下と話せる機会を持って、緊張しています。


●68
イザナ陛下は、ミツヒデにゼンと白雪がゼンの部屋にふたりきりでいることを告げ、適当にゼンの部屋に行くように言います。
ミツヒデは困ります。
どんな対応をしてもゼンに怒られるからです。
ゼンの部屋に入ると、物音も話し声もせず、ミツヒデと木々とオビは気まずさを抱えながら寝室をのぞくと、ゼンと白雪はソファで眠っています。
そのまま朝まで眠ってしまい、白雪はゼンのベッドで眠ってしまったことを悔やみます。
ゼンは白雪とオビと砦で別れ、それぞれの役割に戻ります。


●69
白雪とオビはディラッツという採石場が近い町でラタが待っているというので向かいます。地図に示された宿に行くと、その宿にはラタは来ていなくて、また行方不明です。
白雪は宿の人に伝言か何か残していないかとたずねます。
何も残していないと言われ、いい加減振り回されっぱなしでオビはご立腹です。
ラタを探し回りようやく見つけた時のオビの目は怒りでいっぱいです。
ラタは飯をおごるから怒るなと、白雪とオビと食事をします。
ラタはまず白雪とオビに二人の正体をたずねます。
ラタは白雪は宮廷薬剤師というので、ガラク・ガゼルトのところだと想像がつくと言います。
オビです。
オビについては白雪につく騎士とだけしか分かっていないので、ラタはオビの所属をたずねます。
オビはゼン・ウィスタリア公爵殿下直属とこたえます。
ラタはオビの肩書に驚きます。
そして、なぜ自分を王城の夜会に招待できたかについて納得します。
続いて、ラタは白雪に夜会で見たリリアスの薬室の研究員で合成した煌晶石をもう一度見せてくれと言い、
「よし 行くぞ」
と鉱石を扱う店に移動します。
ラタは鉱石の店で鉱石を注文し、白雪に煌晶石の作り方を教えると約束します。
ラタが注文した鉱石の代金があまりに高額なので、白雪は一旦リリアスに戻り、薬室のみんなに相談してくると言い、ラタと別れます。
リリアスに戻り、白雪は、シダン、リュウ、鈴、イヅル、カザハに事情を話します。
煌晶石をつくるための鉱石を購入する資金を集め、約束の期日までに鉱石を入手します。


●70
白雪と鈴がラタから煌晶石を合成する方法を学びます。
シダンとリュウはさらにオリンマリスを研究し、オリンマリスが強く光るための新たに条件を発見し、問題の解決に取り組みます。


●71
リュウのひらめきで問題の解決の糸口をみつけます。
試行錯誤の末、研究が実を結びます。
ひとつの区切りがつき、あとは花が咲くのを待つだけになり、ささやかな宴をひらきます。
白雪はその場で、夜会に行った時、イザナ陛下より直接言われた言葉をみんなに伝えます。
シダン、イヅル、鈴、ユズリ、カザハ、そしてキリトはオリンマリスの件がイザナ陛下まで届いていて、灯りの花をどう活用していくかまで考えていることに驚きます。
リュウは、白雪とオビが灯りの花を北の拠点に広めるため動いている間、白雪がリリアスからいなくなることに驚いています。
続きます。


あきづき空太 赤髪の白雪姫 15巻
(アマゾンのサイトに移動します)