2017年12月26日火曜日

あきづき空太 赤髪の白雪姫 12巻

新王の戴冠式の準備が着々と行われます。
白雪がゼンに言った感想と同じで、戴冠式が美しかったです。

イザナが王に即位し、新体制になり、ゼンも忙しくなります。
イザナは白雪に試練を与えます。
白雪はどう応えていくのでしょう。楽しみです。



●50
タンバルン王国の第一王子ラジ・ジェナザードは戴冠式に招かれています。

山の獅子の鹿月とイトヤと白雪の父親武風はクラリネス王国で新国王が即位や白雪が戴冠式に出られるのかななど遠くから戴冠式の話が聞こえてきたことで話題にしています。

クラリネス王国のセレグでは騎士団副団長びヒサメ・ルーギスが王城ウィスタルに出発する準備をしています。

王城ウィスタルでは陛下が帰城し、兵にねぎらいの言葉をかけます。
クラリネス王国の国王はハルト・ウィスタリアという人物でイザナとゼンの母親です。クラリネスは父親のカインが亡くなりハルトが国王の座に就き国を治めています。
ハルトはイザナに、
「おまえを王にする」
と言います。そして、
「おまえは何に懸けてこのクラリネスの王になる」
と問いかけます。イザナは、
「陛下とゼンに」
と返答します。
イザナの言葉にゼンの表情は引き締まります。
ハルトはゼンに王冠を新王にかぶせる役を任せます。

白雪とオビはゼンに第二王子として呼び出されます。
戴冠式に合わせタンバルンからラジ王子が来るので、白雪にタンバルン王国のラジ・ジェナザード王子の案内役に、オビにその付き人に任命します。

戴冠式当日です。
ラジ王子はクラリネス王国からの迎えの者が白雪であることに驚いています。再会がうれしすぎて涙ぐんでいます。
ラジ王子は登場の度に変化しています。成長しているということかな。


●51
継承式を執り行い、戴冠式の前にイザナとゼンが話しをします。イザナはハルトの前で、陛下とゼンに懸けて、と言ったことに触れ、ゼンに、
「お前は 今 お前の手にあるものに懸けてそこに立て」
と、ゼンが歩んでいる方向に誤りはないこと、信じていることに自信を持っていい、と力強い言葉をかけます。
ゼンはイザナにより力になれる存在になるべく、気持ちを新たにします。
ハルトがイザナに問いかけ、返答した言葉にゼンが反応したのはこういうことがあるからなんだと分かります。

白雪とラジ王子が一緒に歩いているところを貴族や政務官たちが目撃し、騒いでいます。中でも、白雪をからかったユウハは驚いています。
ユウハは白雪がゼン殿下の名において王宮に部屋を与えられたのは色恋であること決めてかかっていたので、大部屋で白雪を見かけた時にからかったことを悔やんでいるように見えます。
白雪がタンバルン王国の第一王子ラジと個人的なつながりを持ち、タンバルンから称号を与えられるほどの人物で実際に戴冠式の場でタンバルンの王子の横を歩く姿を目の当たりにして、ユウハは全身汗でびっしょりだと思います。
白雪はラジ王子に、
「ラジ王子が… 私と共に出席すると言って下さったのですか?」
とたずねます。
白雪は戴冠式に出席できるとは思っていなかったようで、ラジ王子の案内役として出席できることに感謝しているようです。なぜなら白雪が戴冠式に出席できることになって一番嬉しく思っているのはゼンだということをミツヒデと木々から聞かされていたからです。

美しい戴冠式が執り行われます。


●52
イザナ、ハルト、ゼン、ハキはクラリネスの民に挨拶します。
ハキは王妃になります。ハキはリリアスで原因不明の病が発症した時、兄のマキリから塔に隠れて身を守れてと命じられたのは、妃になる身だったからなのかとこの場面でようやく分かります。
城下は即位とご婚約でめでたいことが重なり、大盛りあがりです。

武風は鹿月とイトヤを連れてウィスタルの酒場でお祝いにまざっています。

城から見る城下はどこも灯りでいっぱいです。
城下を眺めている白雪にオビが話しかけます。
ゼンが白雪を見つけ、少しだけ話しをします。

夜会が始まります。
ラジ王子がなぜ白雪の近くにいないのかと思っていたら、タンバルンの王子とつながりを持ちたいと思う貴族や役人につかまっていて自由にできなかったようです。
白雪も同じです。
タンバルン王国から称号を贈られた人物と懇意にしたいクラリネスの人からたくさん話しかけられています。
ラジ王子が白雪に称号を贈った際に添えられた手紙、軽すぎる、という言葉がどういうことなのかわからなかったので、ここの場面が描かれてよかったです。

夜会を終え、白雪はラジ王子と別れてから、この機会に伝えるつもりでいたことを思い出します。
ラジ王子はタンバルンで別れ際白雪に、
「白雪どのの… 髪が伸びたら見せに来てくれ」
と言い、白雪は、
「ラジ王子が友人として訪ねてきて下さるなら 喜んで」
と言っていた約束が、今回どういうかたちで果たされるのか楽しみにクラリネスにやって来たようです。
ラジ王子は夜会を終え、白雪からは何も言ってこないので、拗ねているようです。サカキから白雪が来ていると言われ、会うと、白雪から約束を言われます。
白雪は髪留めをほどき、すこし伸びた赤い髪をラジ王子に見せます。
「覚えていますか タンバルンでの約束」
「隣国と言っても遠いので、多くは会えませんし 私は称号を贈ったりは出来ませんが 私も友人としての証を果たさせて下さい」
と言います。
ラジ王子は感動しています。望んだ約束が果たされたことはあまりなかったのかな。白雪が覚えていてくれたからかな。どちらかはわかりません。


●53
ゼン、白雪、ミツヒデ、木々、オビ、いつもの顔だけで祝宴をあげます。
白雪はゼンが嬉しそうだといいます。
ゼンはイザナが即位される時、イザナを支えられる者になっていたいという思いがあり、戴冠式の直前にゼンがイザナに言われた思いと自分の思いが重なったような気がして、嬉しいんだと思います。
信頼し、信頼される関係、ゼンがつくりたかったかたちができて、イザナの前に立てたことがどうしようもなく嬉しいんだと思います。

新王に即位したイザナは国をめまぐるしく動かしていきます。
白雪にも新たなる道が開かれます。

薬室は通常の業務に戻ります。
リュウの様子が変です。白雪をじっと見つめています。何か話したいことがあるようです。
翌日、リュウは王宮の白雪のところに向かう途中で、ミツヒデと木々とオビに出くわします。
リュウは薬室では言いにくいらしく、白雪の部屋で言おうと思ったところ、ミツヒデたちに会います。
リュウは、王城の外に移る事になり、白雪に伝えるように薬室長に任されたけど、まだ言ってないから言いにきたと言います。
それを聞いてオビは、リュウと白雪はいい感じに組んでいたのに、とコンビでなくなることを残念がっています。
リュウは、自分だけじゃなくて、白雪も一緒に行くと言います。
ミツヒデと木々とオビはリュウの言葉に驚きます。


●54
リュウは白雪に薬室で辞令の内容を話します。
リュウと白雪は王城を離れ、リリアスに薬剤師兼任研究員として移るというものです。
ひと月後に出発です。

ゼンは次から次にやってくる仕事に大忙しです。
白雪はゼンに会って辞令の件を話したくて、王宮と薬室を行き来します。
しかし、誰とも会うことができません。

オビはミツヒデと木々に白雪のことをゼンに知らせなくていいのかと聞きます。

白雪は王宮に戻ってもまだ誰にも会えません。ようやくミツヒデに会うことができ、辞令の件を話そうとすると、ミツヒデは、
「リリアス行きの事、俺と木々とオビは先にリュウから聞いている ゼンにはまだ伏せてる」
と言います。
ミツヒデは明日から城にいないと言うと、白雪も一度リリアスに行くと言います。
ミツヒデは白雪に明日出発前に連絡するから待っててくれと言います。

オビが薬室を訪れ、ミツヒデが調整してゼンと白雪がゆっくりと話せる時間をとるようにするから、と北で会う約束をします。

ゼンはクラリネス王国北の城ウィラント城でハルトに会います。
盗賊団を壊滅させる命を受け、果たします。
ゼンたちは白雪との待ち合わせ場所に急ぎます。

●55
白雪はゼンに会うと、王城を離れることになったことを話します。
ゼンは白雪の思いもかけない話にぼう然とします。
ゼンと白雪が会った場所からウィスタル城までは数日かかる距離で、ふたりにはゆっくり話せる時間があります。
ゼンは白雪が王城を離れることを考えるとうまく心の整理がつきません。
木々がゼンのところにやって来ます。
「白雪が呼んでるから行ってきてくれる」
木々はゼンに一人で白雪のところに行ってと言います。
続きます。


あきづき空太 赤髪の白雪姫 12巻
(アマゾンのサイトに移動します)

0 件のコメント:

コメントを投稿