2017年11月16日木曜日

あきづき空太 赤髪の白雪姫 6巻

●第22話
巳早はゼンに捕まり、美少年との会話の一部始終を説明します。
ゼンは白雪が危ないと至急手紙を送ります。
そして、ゼンはタンバルン王国に向かいます。

タンバルンではラジ王子が国政の勉強すると言い、城中の者たちがとにかく驚いています。
白雪に会って、ラジ王子は何かが変わってきているようです。
白雪とラジ王子は書庫で過ごしています。
ラジ王子は、
「私はこのタンバルンの王子は私で良かったときみに言わせてやりたいのだ」
と白雪に言います。ラジ王子は生まれて今日まで誰かにこんなふうに思われてみたいと考えてことなどなかったはずです。
ラジ王子はクラリネスの王城で白雪と会い、言われた言葉をどう受け取ったのか、どうして白雪に、「ラジ王子でよかった」と思いつめるほどに言ってもらいたいのか、ラジ王子の心の中はわかりません。
ただ、ラジ王子にそう思わせたのは白雪ただ一人です。
ラジ王子はまだ足りないものがあることは知っていて、どうにかして手に入れようとしています。
白雪は、
「ではこの次―― この次この国に来た時に城下の人達がラジ王子のことを誇らしそうに話しているのを楽しみにしています」
とイザナが言う喝を入れてほしいという言葉を白雪なりのやり方で、本当にそれを楽しみにいているとごく自然な微笑みでラジ王子に言います。

ラジ王子にとって、白雪の笑顔は質の違う笑顔なのかもしれません。王族に対して向けられる笑顔、これまで見てきたどの笑顔とも違う心の底から親しみを感じさせる表情にラジ王子は応えたくて仕方がないように見えます。

夜会当日。
白雪は緊張しつつも何かをものにするため気合をいれて夜会に向かおうとしています。
そこに、クラリネス王国ゼン王子の書状が届きます。
オビが白雪に巳早と美少年の会話を伝えます。
オビは白雪に夜会に出るのはやめたほうがいいと言っているところに美少年が現れます。


●第23話
白雪が美少年にさらわれてしまいます。
オビは美少年の仲間に気絶させられ、意識が戻ると白雪がいなくなったと城中大騒ぎです。ラジ王子は懸命に白雪を探しています。
オビはゼンに自ら
「タンバルンへのお嬢さんの付き人 俺にしてください」
といい、
「あんたが守れない時は俺があんたの代わりに守る」
といったのに、白雪をさらわれてしまったことへの責任を感じています。

ゼンたちがタンバルンに到着します。
ゼンがオビの部屋に行くと誰もいません。オビは白雪を追跡しています。

白雪は睡眠薬で眠らされています。
美少年はあと少しで仲間たちと合流できると喜んでいます。

ゼンはラジ王子と会い、側近のサカキから白雪をさらった者が海の鉤爪という海賊ではないかと当たりをつけ、動く準備に入ります。ゼンはラジ王子と協力し白雪を救い出そうとします。

オビが蹄の跡を追い、美少年と行動していた気絶させられた仲間を見つけ、白雪の居場所を問いつめます。白雪と美少年の姿はありません。美少年の仲間は別の誰かにさらわれてしまったかもしれないから、大将に合流し知らせないといけないと言います。
オビは自分も大将のところへ連れて行くよう迫ります。

白雪が目を覚ました場所は見知らぬ部屋です。ベッドで寝かされていました。背後に人の気配を感じ、勇気を出して振り向くと、美少年が顔を腫らして眠っています。気を失っているのかもしれません。
美少年は気が付くと、
「嘘だろ… なんで…」
と覚束ない様子です。
そこに一人の女が現れます。
白雪は美少年と女の会話を聞いています。しかし、状況が飲み込めません。

白雪は美少年にどういうことなのか説明を求めます。
美少年は白雪をさらい大将に合流するはずが、女とその仲間に襲われ、ここに連れてきたと言います。
白雪はようやく状況が飲み込めました。二重にさらわれてしまったのです。
美少年の名は鹿月。鹿月は白雪に早く逃げないと大変なことになると言います。


●第24話
白雪は鹿月とともに脱出しようとします。閉じ込めらた部屋は船の中の一室で、揺れている様子もなくどこかの船着き場に停泊中だと知ると、船を出ようとします。
船から飛び降りると、鹿月は、
「…だめだ…… 白雪 ここは…」
逃げられないと観念してしまいます。

タンバルンの王城では木々がゼンにオビからの伝言を手渡します。
ゼンはミツヒデと木々と巳早、それに二人タンバルンに連れて来ています。

オビは鹿月と一緒だった仲間イトヤと行動し、大将に合流します。大将は鹿月を救うため人を集め動く準備をします。
ゼンがオビと合流します。
ゼンは白雪に、危険が迫っているので警戒せよと書いた手紙を送った時、キハル・トグリルからの贈り物で胡桃石で作ったアクセサリーを同封していました。
オビは白雪がさらわれた後、白雪宛の小包を開封し、胡桃石のアクセサリーをゼンが送った理由を知り、持って行動していました。
鳥使いが操る鳥は胡桃石で作った笛や鈴の音を聞き分け、音のする方に飛んで行くことができます。
オビが持っていた胡桃石のアクセサリが発する音に向かって、キハル・トグリルの鳥ポポが飛んで行き、オビの居場所が分かりました。
キハルとポポは早速大活躍です。

ゼンはオビに現状の報告を受け、大将と話をし、白雪と鹿月を救出する目的で協力します。
ゼンがしびれるほどかっこいいです。

山の獅子の大将はまず酒場町に行き情報を集めようとします。
どうやら大将の見立ては当たり、海の鉤爪が白雪と鹿月をさらった犯人だと確信します。
ゼンと大将が今後の作戦を練ります。

海の鉤爪に捕まった白雪と鹿月。不安でいっぱいの様子です。
閉じ込められた部屋に新たに捕らえられた人が入ってきます。
白雪は声をかけ、顔をのぞくと木々だったのです。


●第25話
ゼンは、巳早、ラジ王子、山の獅子と連携して、白雪と鹿月を救出する作戦を練ります。
木々が海の鉤爪に潜入し、白雪たちと会うことができます。
白雪は木々の顔を見たとたん涙がこぼれます。
ラジは港で船に協力を求めます。船団を組織し、海の鉤爪を追い込もうとします。
ラジの心に変化があらわれます。
ラジは今回のことでゼンのように機敏に判断や決断ができず、情けないという感情が生まれ、海の鉤爪に対して腹が立ってきたと、側近のサカキに言います。
サカキはラジの意外な変化に好ましいよい兆候だと感じています。

船団の先頭に立つラジは海の鉤爪に警告します。
海の鉤爪たちは動揺します。鹿月が探している赤髪の娘が王族と関係のある人物で国が全力で行方を追っていることを知り、白雪に手を出したことを悔やみます。
海の鉤爪は姿をくらますため、秘密のアジトに逃げます。

今度は、洞窟に連れてこられた白雪、木々、鹿月。
木々が何かを察知し、白雪に奥に走るよう指示します。
白雪は鹿月とともに木々の合図で奥に走ります。
二人を追いかけようとする海賊の前にマントがたちはだかります。
白雪の目の前にゼンが立っています。
ゼンに向かってくる海賊をオビが仕留めます。
海の鉤爪のアジトに山の獅子とゼンたちが先回りしていたのです。

巳早の持っていた情報が白雪の救出に大いに役に立ちます。

山の獅子もゼンたちと海の鉤爪の隠れ家に来ていて、ようやく追い詰めることができやる気満々です。

白雪はゼンの姿を見て、張り詰めていた緊張がほぐれます。声を聞かせてほしいというゼンに白雪は震える声で名前を呼びます。

ゼンの表情に怒りがにじんでいます。
海の鉤爪の終わりが始まります。
続きます。


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